(CNN) 米国の非政府組織「ファンド・フォー・ピース」と
外交専門誌「フォーリン・ポリシー」が毎年発表している
「失敗国家」ランキングの2012年版が18日発表された。
ソマリアが5年連続の首位となり、10位以内にアフリカから
6カ国が入った。同ランキングの発表は8年目。世界177カ国の
不安定さを比べるために社会、経済、政治的要因12項目を
指数化し、合計を算出して順位を付けている。
ファンド・フォー・ピースによると、上位の国が必ずしも
破綻(はたん)しているわけではないが、不均衡な開発や
経済の落ち込み、人権問題などで窮状にあるとみられる。
今年はソマリアに続いてコンゴ、スーダン、チャド、ジンバブエと、
上位5カ国をアフリカが占めた。6位以下にはアフガニスタン、
ハイチ、イエメン、イラクが並び、10位が中央アフリカだった。
フォーリン・ポリシーによると、ソマリアでは比較的平穏な
首都モガディシオを除いて各地で戦闘が続き、無法状態が
広がっている。政府が機能せず、テロや反乱、犯罪が続発し、
海賊が外国船の襲撃を繰り返している。
11位以下で目立ったのは、昨年民主化運動の波が広がった
中東、北アフリカ諸国の順位変動だった。リビアは11年版の
111位から急激な悪化を示し、一気に50位まで上がった。
ファンド・フォー・ピースは背景にあった要因として「内戦と
北大西洋条約機構(NATO)主導の空爆、(カダフィ)
政権の崩壊」を挙げている。
アサド政権と反体制派の衝突が1年以上も続くシリアも23位と、
11年版の48位から急上昇した。ハイチは10年の大地震で
トップ10に浮上し、今年も北米、中南米諸国で唯一、
10位以内にとどまった。
日本は11年版で164位だったが、12年版では151位まで
上がった。
米国は159位、指数の最も低い177位はフィンランドだった。