毎日新聞 1月29日(土)21時50分配信
【カイロ和田浩明】エジプトのナジフ内閣は29日、国内各地の
反政府騒乱を受けたムバラク大統領の指示で総辞職した。
しかし、全土で発生した大規模デモから一夜明けた同日も、
首都カイロや北部アレクサンドリアなどでは大統領自身の
退陣を求めるデモが再び発生。大統領は29日未明の緊急
演説で改革方針を示したものの、騒乱が収まる気配は見えない。
ロイター通信の集計では、死者数は74人に上った。
AP通信によると、負傷者も2000人以上。民主勢力結集を
目指すエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は
辞職を拒否した大統領に「失望した」と発言し、デモ参加を
続ける意向を示した。
内閣総辞職を受け、大統領は新首相を指名する見通しだが、後継
内閣の陣容や就任時期は29日昼の時点では明らかになっていない。
カイロ中心部のタハリール広場では29日も数万人の市民が
集まってムバラク大統領の退陣を要求。ロイター通信によると、
アレクサンドリアでも数千人規模のデモ隊と警官隊が衝突し、
警官隊が実弾を発砲するなど全土で予断を許さない状態が
続いている。国軍は治安維持のため、戦車や装甲車を幹線道路に
配置するなど、国内の要所で展開。国軍は声明で、夜間外出
禁止令の順守やデモ自粛を求め、違反者には「法的措置を取る」と
警告した。国営テレビは外出禁止時間が「午後6時〜午前7時」から
「午後4時〜午前8時」に延長されたと報じた。
中東の衛星放送アルジャジーラが遺体安置所から得た情報に
よると、死者数はカイロで15人、北部スエズで15人、
アレクサンドリアで23人に達した。各地で多くの遺体が
収容されており、死傷者数はさらに増える可能性がある。
一方、反政府デモの高まりを受け帰国したエルバラダイ氏は
29日、アルジャジーラの電話インタビューに対し、同日未明に
ムバラク大統領が緊急演説で表明した全閣僚更迭と政治経済
改革推進に「失望した」と批判。反政府デモへの参加を続けると
述べた。自宅に軟禁されたとの情報は否定した。
28日午前から当局が導入したカイロなどでの携帯電話遮断は
29日午前に一部解除されたがつながりにくい状態が続いている。
インターネットは遮断されたまま。
国営テレビによると、全銀行とカイロ証券取引所は30日の
営業を休止する。騒乱の経済への影響を受けた措置と見られる。
AP通信によると、国軍は29日、世界遺産にも登録されている
カイロ郊外の観光地「ギザのピラミッド」周辺も軍用車両で封鎖した。
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