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2017年07月26日

元IS性奴隷の女性戦闘員、「復讐のため」ラッカ奪還作戦に参加

AFP 2017年07月24日

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【7月24日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が
「首都」と位置づけるシリア北部ラッカ(Raqa)の奪還作戦に、
かつてISの性奴隷として同地に拘束されていたイラクの
少数派ヤジディー(Yazidi)教徒の女性が戦闘員として
加わっている。自身と数千人の同胞の身に降りかかった
恐怖に復讐(ふくしゅう)するため、やっとの思いで逃げ出した
場所に戻って来たのだ。

ラッカでISと戦うことが、トラウマ(心の傷)の解消につながって
いるとヘザさんは言う。「戦闘に身を投じたとき、心の中の
不安がいくらか薄れた」

「でも、すべての女性たちを解放するまでは、あふれんばかりの
復讐心が消えることはない」

ヘザさんは2014年、ISがイラク北部シンジャル(Sinjar)
地区を制圧した際、2人の姉妹と共に拉致された。
このとき、クルド語を話すヤジディー教徒の女性や少女ら
数千人が連れ去られ、ISが「カリフ制国家」と称するシリアと
イラクの支配地域で売り買いされた。ヘザさんの姉妹1人を
含む約3000人が、今も捕らわれたままとみられる。

国連(UN)は、ISがシンジャル襲撃時に行ったヤジディー
教徒の虐殺を「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定している。
ISはヤジディーの家族らを男女でえり分け、女性と少女たち
だけをラッカに連れ去った。

ラッカ東部メシュレブ(Al-Meshleb)地区でヤジディー
女性部隊の戦友たちに囲まれながらAFPの取材に応じた
ヘザさんは、同地区の激しく損傷した家々を指さして言った。
「奴ら(IS)は、私たちをヒツジのように扱った。
まさにこの街で、私たちを追いまわして屈辱を与えた」

メシュレブ地区は米軍の支援を受けたクルド人とアラブ人の
合同部隊「シリア民主軍(SDF)」が、1か月にわたるラッカ
奪還作戦で最初に制圧した地区だ。SDFによると6月の
ラッカ突入後、これまでに10歳の少女を含むヤジディー教徒の
女性数人を救出したという。


■ラッカ再訪の「痛みと喜び」

へザさんはラッカで拘束されていた10か月間に、5人の
IS戦闘員に買われた。当時受けた虐待については詳しく
話したくないと言う声は緊張していたが、茶色い目の鋭い輝きは
変わらず、何度か自殺を試みたことを告白した。

脱出に成功したのは、2015年5月。またもや市場に売られる直前、
へザさんは捕らわれていた家から逃げ出し、そこで出会った
クルド系シリア人一家によってひそかにラッカから連れ出して
もらった。それから、戦争で荒廃したシリア北東部を抜け、
約400キロの旅をしてイラクに帰り着くと、シンジャルの
クルド語名シェンガル(Shengal)を冠したSDF傘下の部隊
「シェンガル女性部隊(YPS)」に加わった。

集中的な訓練を受けたへザさんは、2016年にSDFがラッカ
奪還作戦の開始を宣言したときには、仲間の女性たちと共に
戦う準備ができていた。「作戦が始まったときに参加しようと
思った。ここ(ラッカ)で売買されたヤジディーの女性や少女
みんなのために」とへザさんは話した。「私の目的は彼女たちを
解放し、奴ら(IS)に復讐すること」

数か月かけてラッカ包囲網を狭めたSDFは、今年6月に市内に
突入した。数週間後、YPSはメシュレブ地区でSDFの先陣を
担うことになった。へザさんがラッカに戻ったのは、脱出以来
これが初めてだった。

ラッカ入りしたとき、言葉では言い表せない奇妙な気分になった。
たくさんの痛みを抱えながら、喜びを感じていた」とへザさんは語った。

 YPSには、はるばるドイツから参加した女性戦闘員もいる。
トルコ系ヤジディー教徒のメルカンさん(20)と姉のアリンさん(24)だ。
2014年のISによるシンジャル襲撃のニュースに激怒した
アリンさんは同年末に、メルカンさんは翌15年初頭にYPSに
加わった。

メルカンさんはメシュレブ地区でYPSが拠点としている民家の壁に、
ISがシンジャルを襲撃した日付を添えてクルド語で次のように
記していた。「力と奮闘により、われわれヤジディーの
女性戦闘員たちはラッカに来た。8月3日の虐殺に復讐するために」
(c)AFP/Rouba El-Husseini




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posted by salsaseoul at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2016年10月09日

サウジに子どもの死刑撤廃など要求、国連子どもの権利委員会

AFP 2016年10月08日

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サウジアラビアの首都リヤドで建国記念日を祝う子どもたち
(2016年9月23日撮影、本文とは関係ありません)。
(c)AFP/FAYEZ NURELDINE


【10月8日 AFP】国連子どもの権利委員会
(UN Committee on the Rights of the Child)は7日、
子どもに対する刑罰として投石や手足の切断、むち打ちなどの
過酷な体刑や、死刑をも認めているサウジアラビアに対し、
早急にそうした法を撤廃するよう要求した。

各国による「子どもの権利条約
(UN Convention on the Rights of the Child)」の
履行状況を監視している権利委員会は、サウジアラビアの
子どもに関する報告書で、同国が依然、15歳以上の子どもに
成人と同じ刑を科していること、また犯行時18歳未満だった者にも
死刑を科していることに「深い憂慮」を示した。また子どもに
対する「投石や手足の切断、むち打ち」を認めている法律を
即座に撤廃するよう求めた。

同委員会によると、今年1月2日に死刑を執行された47人の
うち少なくとも4人は18歳になる前に死刑判決を受けていたという。

さらに同国では、制度的な女子差別が存在し、少女を1人の
人間として認めず、9歳の幼い少女も結婚させられていると
して批判した。

同委員会は、子どもに成人同様の刑を科すかどうかや、
女児の結婚を認めるかどうかの判断がそれぞれの判事に
任されている点も大きな問題だと指摘し、刑事司法制度だけの
問題にとどまらないと批判した。
(c)AFP/Nina LARSON

コメントです
中東の常識、世界の非常識、
といったところでしょうか。



posted by salsaseoul at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2016年07月18日

トルコ政府、反乱勢力の多くを拘束 クーデターは未遂に

朝日新聞 2016年7月17日

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トルコで15日夜(日本時間16日未明)、軍の一部がクーデターを企て、
軍参謀司令本部を占拠して、国営テレビで「全権を掌握した」とする
声明を出した。 軍の反乱勢力は正規軍の部隊と戦闘状態になったが、
鎮圧され、未遂に終わった。トルコ政府は反乱勢力の多くを拘束し、
事態は政府と軍の統制下にあると宣言 した。
首都アンカラなどで続いた戦闘はおさまった模様だ。

トルコのユルドゥルム首相は16日午後0時半(同午後6時半)ごろに
記者会見し、反乱で市民や治安部隊などの161人が犠牲になり、
1440人が負傷したと発表。軍の反乱勢力側の兵士ら2839人が
拘束されたと述べた。ほかに反乱勢力が100人規模で死亡したとの
情報もあり、全体の死傷者数はさらに増える可能性がある。

首相は「クーデターの企ては軍の指揮系統で行われたのではない」
とも語り、米国亡命中のイスラム教指導者ギュレン師を支持する
軍の一派の企てだとした。ギュレン師はエルドアン大統領の
政敵とされる。軍の参謀総長代行は「クーデターは阻止された」と
述べ、反乱勢力は空軍、憲兵隊などで構成されていたとしている。

アナトリア通信は16日夕、クーデターに関連した容疑で、
トルコ軍最高幹部の1人が拘束されたと報じた。

地元メディアによると、トルコ当局は、裁判官ら2745人の職権を
一時停止し、司法関係者10人を拘束した。同国のアナドル通信は、
同委員会の5人のメンバーも解任されたと伝えた。
司法権力からのギュレン派の一掃を狙う動きの可能性がある。

クーデターの企てが始まったのは15日夜。軍の反乱勢力は、
トルコ国営テレビTRTを通じて「国の全権を掌握した」との

声明を発表した。「民主主義が現政権によってむしばまれて
いた」と動機を説明し、「可能な限り早く新しい憲法を準備する」
とした。

ロイター通信やトルコメディアの報道によると、首都アンカラの
参謀司令本部でアカル参謀総長らが拘束された。反乱勢力は
戦車で国会を砲撃した。参 謀司令本部前で反乱勢力の
ヘリコプターが発砲し、多数が死亡した。大統領府近くでも
爆発が起き、軍用ヘリコプターが情報機関の建物に砲撃したという。

アカル参謀総長は16日朝に救出され、その後も参謀
司令本部には人質となった士官らが残っていたが、
間もなく奪還されたという。

最大都市イスタンブールでは軍が群衆に発砲したとの情報が
流れ、中心部のタクシム広場で政権支持の警察と反乱軍との
間で銃撃戦になり、アタチュルク国際空港などでも銃声が聞こえた。

与党・公正発展党(AKP)を事実上率いる最高実力者の
エルドアン大統領は、トルコ南西部のリゾート地に滞在していた。
16日未明、テレビ電話で民放CNNトルコに出演し、国民に
「外出して(反乱)軍に対抗を」と呼びかけた。その後
イスタンブールのアタチュルク国際空港に着陸し、
「すべての兵士に呼びかける。この過ちからすぐに戻るべきだ」と
述べた。実際、イスタンブールやアンカラで、AKPの支持者らが
街頭に繰り出して戦車を取り囲んだ。野党各党も政権支持を
表明した。欧米各国や国連も反乱勢力の武力行使に反対した。
同空港で離着陸を一時停止していたトルコ航空も運航を再開した。

一方、ギリシャ北部アレクサンドルポリスの空港にトルコ軍の
ヘリコプターが着陸した。ギリシャ当局は乗っていた男8人を拘束。
男たちは政治亡命を求めているという。

トルコ政府は反乱勢力に厳しく対応する方針を示唆しており、

首相は16日の会見で、クーデターの企てをトルコの民主主義の
「汚点だ」と強く非難。「トルコの憲法に死刑はないが、(反乱が)
二度と起きないよう法改正を検討する」と述べた。エルドアン氏が
近年の強権的な傾向をさらに強める可能性がある。
また、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いで重要な役割を
持つトルコの不安定化で、テロの危険が増すとの指摘もある。
(イスタンブール=春日芳晃、カイロ=翁長忠雄)



posted by salsaseoul at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2016年05月14日

(世界発2016)元IS戦闘員、覚めぬ悪夢 だまされシリアへ 訓練強要、最前線に

朝日新聞 2016年5月12日

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過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員だったタジキスタン人の
男性が朝日新聞記者の取材に応じた。若者は出稼ぎ先の
ロシアの経済が悪化する中で、誘い出された。彼が語ったのは、
仲間が消耗品のように殺されていく狂気の光景だった。

 ■勧誘受け旅行気分で

「旅行に行き、仕事も見つかればいいと思った」。
ボボジョン・カラボエフさん(30)は、シリアに向かった
経緯を話し始めた。

イスラム教徒が多いタジキスタンの首都ドゥシャンベ郊外出身。
学校を中退後、2006年からモスクワで働いた。建設作業員と
タクシー運転手を掛け持ちし、多い月は約32万円を稼いだ。

だがロシア経済が悪化。15年、賃金不払いに見舞われた。

落ち込んでいた時、建設現場で「ハリド」と名乗る同胞と知り合った。

ハリドは「ここよりISでの生活の方がいい」と繰り返した。
IS支配地域は平穏だとし、「工場建設」や「道路舗装」の様子の
ビデオを見せた。「まずは旅行に行き、気に入れば働けばいい」と
提案した。

シリアの知識は何もなかったが、昼夜問わず誘われるうち、
5日後には行こうと決めた。いまにして思えば、ハリドは
ISに若者を送り込む勧誘員だった。

15年4月末、航空券を渡され、1人でトルコのイスタンブールに
飛んだ。協力者に指示されてバスでガジアンテップへ。
キルギス人の家族らと合流し、10人でタクシー2台に分乗して
シリア国境に着いた。有刺鉄線が切られた部分から歩いて越境した。

バスで近くの小学校跡に連れて行かれた。聞いていた状況と
違うと、すぐに分かった。自動小銃を構えた戦闘員がパスポートや
携帯電話を取り上げた。

翌日、ISが首都と称するラッカに着いた。男性は地下室に入れられ、
女性と子どもはどこかに連れて行かれた。地下室には中東や
旧ソ連諸国、米国や欧州から150人以上の若者がいた。
大半がだまされて来たようだった。「イスラム教の講義だ」
として略奪の方法を教えられた。

3日目にチュニジア人が倒れ、病院に運ばれた。その後、
「逃走したのでスパイ容疑で殺された」と聞かされた。
恐ろしくて、誰も不満を口にできなかった。

 それでも、いつかここから逃げ出すと決めた。

 ■司令官「なぜ生き残った」

1カ月半後、旧ソ連諸国の出身者で編成された部隊に
配属された。パルミラでは「訓練はいやだ」と反抗し、
監獄に5日間入れられた。戻ってみると、同じ部隊にいた
タジキスタン人20人のうち16人が軍事訓練の間に
死んでいた。理由の説明はなかった。

初めての戦闘では最前線に配置された。砂ぼこりで敵の姿は
見えない。砲弾が近くに落ち、とっさに地面に伏せた。
「突撃しろ」と無線で指示されたが、そのまま10時間過ごした。

拠点に戻ると、恐怖でパニックになった戦闘員はみな
「戦いたくない」とロシア南部ダゲスタン出身の司令官に
抵抗した。「逆らうと殺す」と言われてもおさまらず、
味方同士で戦う寸前までいった。

次の戦闘では、最前線に行くふりをして物陰に身を潜めた。
司令官が突撃命令を出すと、参謀が「彼らはすぐに死ぬ」と
言い、2人で食事の相談を始めた。約70人が戦闘から戻ると、
司令官は「なぜ生き残ったのか」と怒った。
戦闘員は無意味に死ぬだけだった。

一方、幹部はBMWやトヨタなどの高級車を乗り回し、
エアコン付きの家に住んだ。遺跡や街で略奪を繰り返し、
気に入らない者は殺した。市街地の通りに生首が転がり、

死体がつり下げられた。幹部はイスラム教を名目に正当性を
強調したが、本当の教えでないのは明らかだった。

同年8月、支給された50ドル余りを使い、トルコ国境近くまで
乗せてくれるタクシーを見つけた。検問所ではIS発行の
証明書を見せ、「ISに加わる知人を迎えに行く」と言って逃げた。

いまはタジキスタンに戻り、建設会社で働く。だがシリアのことを
知った友人からの連絡は途絶えた。
結婚したくても、「そんな男と娘を結婚させられない」と親に
拒否される。

「もう100回以上、後悔した。ただ普通の生活がしたい」

 ■過激派へ流出、対策懸命 タジキスタン

タジキスタンはアフガニスタンに隣接し、ロシアなど
旧ソ連諸国にとってはISなどの過激派組織に対する
防衛線だ。昨年5月、治安警察のハリモフ司令官が
ISに参加したことが判明しており、ISなどの浸透を
防ぐのに懸命だ。

ISで戦うタジキスタン人は約1千人と言われる。
タジキスタン捜査当局は、同国人のIS戦闘員の95%を
特定したとし、写真と名前などを記載したリストを作成。
戦闘員らの逮捕だけでなく、帰国を促すためにも使われる。

昨年には、自らの意思で過激派組織から抜けて帰国した
場合は罪に問わないとする法律もつくられた。
カラボエフさんにも適用され、内務省などの取り調べ後に
釈放された。

ただ国内で取り締まりを強めても、ISへの流入を断つのは
難しい。9割がロシア経由で参加しているとみられるからだ。
旧ソ連諸国からは5千人以上が過激派組織に参加して
いるとの見方もある。

ロシア移民局によると、出稼ぎ労働者など中央アジアから
ロシアへの転入者は16年2月時点で約380万人。
不法滞在者も100万人近いとみられる。ロシア経済が
悪化する中、ロシア大統領直属のイスラム学センターの
ファイズーロ・バロゾダ所長は「長年働いてきた人が
職を失えば、ISに向かいやすくなる」と指摘する。

 (ドゥシャンベ=中川仁樹)


posted by salsaseoul at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2016年01月31日

(世界発2016)イラン、進む大気汚染 車の排ガス主因、経済停滞が追い打ち

朝日新聞 2016年1月29日

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交通量の多い交差点で、口元をおさえて歩く女性
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ひげそりクリームをナンバーに塗る

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ナンバーを毛布で隠す

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同乗者が足でナンバーを隠す=いずれもテヘラン、神田大介撮影

 中国、インドだけではない。中東イランも深刻な大気汚染に苦しむ。
汚染の主な原因は車の排ガスだ。排ガスを減らすため、政府は
交通規制を強化。それをかいくぐろうと、ドライバーたちが
あの手この手の回避策を繰り広げている。

富士山のような円錐(えんすい)形をしたイラン最高峰の
ダマバンド山。東京ならスカイツリーにあたる首都テヘランの
ミラッド・タワー。いずれも茶色い大気に覆われ、テヘランの
街中からは輪郭すら見えない。

イラン政府は微小粒子状物質(PM2・5)などの正確な数値を
明らかにしていない。だが2013年には、PM2・5の値が
世界保健機関(WHO)の基準を超えた日が298日あったと
される。

保健省は13年、大気汚染をはじめとする公害が原因の死者が
年間約8万人に上り、死因の21%を占めていると発表した。

テヘラン市当局は、「汚染の原因は7割超が車の排ガスだ」と
している。北側に4千〜5千メートル級のエルブルズ山脈が
そびえ、空気の逃げ場に乏し い。大気汚染はかねて問題
だったが、この数年でさらに悪化した。核開発に対する制裁の
強化で経済が停滞。粗悪なガソリンが出回り、排ガスを
減らす性能に乏 しい車両の置き換えが進まない。

テヘラン市当局は先月から、高齢者や子どもに外出を控える
ように呼びかけている。小学校や幼稚園の登校禁止も
計6日に上り、採石場やセメント工場は操業を中止。
サッカーのプロリーグの試合もとりやめになった。

だが副大統領を兼ねるエブテカール環境庁長官は先月26日
「大気汚染は非常事態レベルにはない」と発言。
反発した国会議員107人が「政府は対策不足だ。
汚染から国民を救え」とする書簡をロハニ大統領に提出した。

イランでは2月26日に国会議員選がある。ロハニ氏の
ライバルにとって、大気汚染も巻き返しのチャンスと
映るようだ。13年の大統領選でロハニ氏らと争った
ガリバフ・テヘラン市長も「地下鉄の導入を進めたいが、
政府が予算を出さない」と批判を強める。

ロハニ氏は「関心の高まりはもっともだ」と述べ、緊急対策を
発表。汚染のひどい日は、車のナンバー規制を中心部
から市全域に拡大すると決めた。

 ■規制逃れ、ナンバー隠し横行

これに対し、市民は規制逃れに走った。

テヘラン南部の幹線道路と交差する側道。入ってきた車の

5台に1台ほどが道の真ん中で停車する。
車から降りてきた人は、周囲をきょろきょろと見回しながら
車体後部のナンバープレートに細工をし、再び走り去る。

ここは監視カメラの設置場所だ。排ガス抑制のため、祝日の
金曜日を除き、月、水、土曜はナンバーの末尾が偶数、
他の曜日は奇数の車しか走れない。 警察は市内110カ所で、
車の後ろ姿を常時撮影する。罰金は違反1回で20万イランリアル
(実勢レートで約670円)。
平均月収が約4万円とされるイランでは少なくない額だ。

そのため、ナンバーをボール紙や毛布で隠す車が続出した。
違反の多さに当局は「罰金を倍にし、悪質な場合は
懲役刑にする」と通達。すると、ひげそりクリームを塗ったり、
同乗者が荷台に乗って足で隠したりする手法が新たに
広がりだした。地元紙によると、「5万リアルでナンバーが
映らないように監視カメラの前を走る」という商売も現れた。

ナンバー隠しをしていた人に話を聞いた。市職員という
男性(35)は「どうしようもないんだ。タクシーは高いうえに、
通勤ラッシュ時はつかまらない」。薬局勤務の男性(37)は
「みんなやってることだよ」と苦笑した。

 (テヘラン=神田大介)



コメントです
本文にもありますが、中国、インドに続き、イランも
大気汚染で苦しんでいるようです。
ずいぶん昔ですが、ネパールを訪れたとき、
途上国(注・先進国ではありません)が払い下げた
程度の軽式内燃機関(耕運機等に使われているエンジン)を
再利用したオート三輪や簡易バスが数多く走っているのを
見かけました。
すると、そのような旧式の機械は何の規制も施されて
いないので、
街中で有害な排ガスを排出し放題の状態で、
大気汚染はそうとう酷かったのを覚えています。
それに対して、日本国内は環境基準や車検制度、
そして税制などで旧式車の買い替えを促進する政策で、
大気汚染は昔より改善しているようです。









posted by salsaseoul at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2016年01月23日

IS、メンバーの月給を半減 空爆で財政悪化か

AFP 2016年01月20日 10:55 発信地:ベイルート/レバノン

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【1月20日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、シリアと
イラクで活動するメンバーの月給を半分に減らす方針を布告した
ことが分かった。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団
(Syrian Observatory for Human Rights)」が19日、伝えた。
米主導の有志国連合やロシアによるISの石油関連施設への
空爆強化により、財政状況が悪化した可能性がある。

同監視団が公表した、給与削減に関するISの声明とされる
文書には、メンバーは階級にかかわらず、全員が減給されると
書かれている。ラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)
代表はAFPの取材に対し、ISのシリア人戦闘員の月給は約400ドル
(約4万7000円)から約200ドル(約2万3500円)に減ることに
なると説明。シリア人戦闘員の2倍の給料を受け取っている
外国人戦闘員の場合も、約400ドルに削減されると述べた。
(c)AFP



コメントです
少し話がそれますが、原油価格はあくまでも人為的操作に
よって決定するもので、けっして自然発生ではありません。
それで最近の原油安ですが、世界経済へのマイナス要因と
なってでも、この組織の資金枯渇を狙っているのでは…?
もちろん推測ですが。



posted by salsaseoul at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2015年11月27日

(時時刻刻)撃墜、「対IS」に亀裂 ロシアとトルコ、緊張続く

朝日新聞 2015年11月26日

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トルコのF16戦闘機がロシアのSu24戦闘爆撃機を撃墜した事件を
巡り、両国の主張は対立し、国境地帯の緊迫は高まっている。
欧米などは、双方に自制を呼びかける以外に打つ手がない。
パリ同時多発テロ以降、各国協調の兆しが生まれたかに見えた
過激派組織「イスラム国」(IS)掃討の包囲網は、ほころびつつある。

 ■ミサイル配備表明/「あらゆる措置」言及

 「事件が繰り返される可能性は排除されない」

25日、ロシアのプーチン大統領はこう語り、シリア領内で
空爆しているロシア軍機の安全確保策を進める考えを表明した。

ショイグ国防相は、ロシア空軍が拠点とするシリア北部
ラタキア近郊の基地に最新鋭の地対空ミサイルシステム
S400を配備する方針を明らかにした。ロシア軍は24日、
トルコ軍との連絡を断つ方針を発表。緊張が高まっている。

トルコのチャブシュオール外相は25日、ロシアのラブロフ外相に
電話した。ロシア側の発表によると、ラブロフ氏は撃墜された
ロシア機は領空侵犯していなかったと改めて強調。
さらに「トルコ政府は事実上ISの側に立った」
「(撃墜は)事前に準備された計画的なものだった」とトルコ側を
強く批判した。

今回の撃墜では、搭乗していた2人のうち1人が死亡。
行方不明になっていたもう1人は25日、生存が確認された。
ロシアメディアに対して「攻撃 前、無線による警告も目に
見える形での警告も一切無かった」と述べ、
「侵犯前の5分間に10回警告した」というトルコ側の主張を否定した。

一方トルコ側は「問題を拡大させる意図は持っていない」
(エルドアン大統領)としながらも、今後も国境侵犯に対し
「あらゆる措置をとる」としている。

 ■シリア巡る溝、あらわに

プーチン大統領は、トルコでの主要20カ国・地域(G20)
首脳会議を前にした13日には、トルコを手放しで評価していた。
「トルコの姿勢は、両国関係に新しい地平を開く」。
米国主導の北大西洋条約機構(NATO)の一員ながら、
ウクライナ問題でロシアに制裁を科さなかったためだ。

欧米からの制裁を受けたロシアは、トルコとの関係強化に
前のめりだった。

ロシアから東欧に天然ガスを輸出する新パイプライン計画
「サウス・ストリーム」が欧州連合(EU)の反対で頓挫したため、
トルコ経由の「トルコ・ストリーム」計画をトルコと共に打ち出した。

トルコから見ても、ロシアはドイツに次ぐ第2の貿易相手国だ。
トルコ初の原発の建設をロシア企業が進めるなど、
大規模プロジェクトでの協力も進む。

だがシリアのアサド政権を巡る隔たりは大きい。

シリア内戦で、トルコはアサド退陣を最優先して反体制派を
支援。一方のロシアは「後ろ盾」としてアサド政権を支え、
「IS対策」名目の空爆は、反体制派も標的とする。

エルドアン大統領が「親戚」と呼ぶシリア北部のトルクメン人は
反体制派の一角だ。11月に入り、アサド政権軍との戦闘が
激化した。ロシア軍がトルクメン人武装勢力を空爆したことに、
トルコはいらだっていた。
ロシア軍機の撃墜は、水面下に隠れていた両国の対立に
火を付けた。
歴史的にロシアとトルコは、19世紀のクリミア戦争や
第1次世界大戦など、幾度も戦火を交えてきた。
プーチン、エルドアンという強い指導者に率いられた両国の対立。
さらなる衝突の危険さえはらんでいる。
(モスクワ=駒木明義、イスタンブール=春日芳晃)

 ■米ロ共闘の機運しぼむ

 24日昼(日本時間25日朝)、米ホワイトハウス。
オバマ米大統領とオランド仏大統領が記者会見に臨むと、
ロシア軍機撃墜に関する質問が相次いだ。
オバマ氏が「あらゆる紛争激化を制止することが重要だ」と
説くと、オランド氏も「事態が悪化すれば傷は非常に大きい」と
同意した。

米仏両国はトルコと共に、NATOの一員だ。先鋭化した
ロシアとトルコの対立が万が一、軍事衝突に発展すれば、
軍事同盟であるNATOはロシアへの対応を迫られ、
対ISで共同戦線を築くなど論外となる。IS空爆で、米軍は
シリア国境に近いトルコのインジルリク空軍基地を使用しており、
実際の作戦面でも悪影響が出かねない。

そこで米仏首脳は、一般論としてトルコの自衛権は認めつつ、
名指しのロシア非難は避けた。

米国は、ロシアのシリア介入の真意は、IS掃討の名目を借りて
反政府勢力をたたき、アサド政権を支援することだとみてきた。
だが、エジプトでのロシア民間機墜落やパリ同時多発テロを
契機に「プーチン大統領もIS掃討の重要性を理解した」
(米政府高官)と感じ取った。

だが、ロシア軍機撃墜により、対ISでロシアと共闘する
機運はしぼみつつある。望みをつなげたいオバマ氏は
会見で、米仏の共通見解として「ロシアは空爆の標的を
ISに移せば、建設的役割を果たせる」と強調。
同時にアサド政権支持をやめるよう求めた。

ロシアとトルコの対立を懸念するのは、米仏など有志連合
だけではない。イランのロハニ大統領は25日、「テロとの戦いには
国際協調が必要だ。両国の紛争はテロリストの利益となり、
(中東)地域に悪影響を及ぼす」と述べ、自制を呼びかけた。
(ワシントン=梅原季哉、峯村健司、テヘラン=神田大介)

 ◆キーワード

 <トルクメン人> 中央アジアに住むトルコ系民族の総称。
シリアのトルクメン人については正式な統計はないが、
10万人前後とする推計が多い。トルコ人と同じ民族で、
ほぼ同じ言語を使うことから、トルコは「同胞」として
シリア内戦勃発後、支援を続けている。



コメントです
歴史上、トルコの立ち位置としてよく知られているのが
[東西文化の融合]です。
それが、今日の記事にあるように、イスラム圏と西洋のはざ間で
わざわざモザイク状態を作らなくてもいいのに、事態はどんどん
複雑化していっています。
一見、外交上手なトルコですが、やはり、民族的に血が騒ぐものが
あり、そして、最後には西洋諸国とはやっていけないという
ところでしょうか

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2015年07月31日

(世界新秩序 米中を追う)イスラエル、経済で中国接近 投資銀加盟、米に直前通告

朝日新聞 2015年7月31日


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AIIB参加は世界に広がる<グラフィック・上村伸也>

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テルアビブの海岸近くで開かれたパーティーで談笑する中国とイスラエルの
ビジネス関係者ら=5月12日、渡辺丘撮影

 建国後、一貫して米国の庇護(ひご)を受けてきたイスラエルが
、中国が提唱したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。
英国や韓国、オーストラリアなどの同盟国もこぞって参加した
ことをよしとしなかった米国だが、対立から協調へとAIIBへの
姿勢を軌道修正している。

地中海に沈む夕日を眺めるテラスで、中国のセン永新駐
イスラエル大使が語りかけた。「中国とイスラエルの関係は
最良の時代に入った」。今年5月、イスラエルの商業都市
テルアビブでライフサイエンスの見本市が開幕し、
レセプションに両国のビジネス関係者ら約100人が集まった。

イスラエルは、1992年に中国と外交関係を結んだ。
昨年の貿易額は87億ドル(1兆800億円)超。09年比で
2倍近い。欧州連合(EU)の429億ドル、米国の271億ドルに次ぐ。

イスラエル政府は3月31日、AIIBへの参加を表明した。
中国研究の重鎮、ヘブライ大のシコール名誉教授は
「ネタニヤフ首相は中国の経済成長と巨大な市場に着目し、
政治と経済を切り離すことにした」と指摘する。
中国にとっては、サイバーセキュリティー分野などでの
イスラエルの高い技術力が魅力だ。

ユダヤ人の国家イスラエルが48年に建国された時、
最も早く国家承認したのは米国だった。近年は年間
約30億ドルの無償の軍事援助を続ける。米国からみて
第2次世界大戦後の累計で最大の援助国だ。

 だが、ネタニヤフ首相は、7月に米欧など6カ国と
イランが核協議で最終合意したことを「歴史的な誤り」と
非難。両国間にはすきま風が吹く。

AIIBへの参加表明の内幕を知りうるイスラエルの
関係者は「加盟表明の1週間前に米国の友人に伝えた」。
別の関係者は「米国は面白くは思わないだろうが、
止めはしないと確認した」と打ち明けた。

3月初めに英国が加盟を表明後、米国と同盟関係に
ある韓国やオーストラリアも続いた。「締め切り間際に
一気に動いた」とイスラエル政府関係者は語る。

 米国務省広報官は「国際的な基準を支持する限り」と
前置きしたうえで、「中国とイスラエルの関係は相互に
利益がある」とコメントした。
だが、中東への中国の関与の強まりが将来、米国の利益と
競合することへの懸念は確実にある。

 ■中国、大型事業を次々落札

中国企業は、米国と事実上の同盟関係にあるイスラエルの
大型インフラ事業を次々と落札している。

地中海に面する国内最大の輸入港アシドッドの
第2港建設工事、北部の商業都市ハイファのトンネルと
新しい港の建設。スエズ運河を通らずに地中海から
紅海へ抜けられる鉄道の建設も中国企業が請け負う
ことが有力視されている。

米議会への報告書によると、イスラエルは2000年代
初めごろまで、ロシアなどに次いで中国への主要な
武器供給国だった。
同年には、高性能レーダーを搭載した早期警戒管制機の
対中輸出が、米国の反発で中止に。05年には無人
攻撃機の輸出などをめぐり米政府がイスラエルとの
軍事技術の共同開発を一時凍結する制裁措置をとった。

先端技術の流出を警戒する米国は同年、第三国への
先端技術の輸出に事前相談を義務づける合意を
イスラエルからとりつけ、対中輸出を困難にさせた。

だが、イスラエルが高い技術を誇るハイテク分野は、
軍事転用の可能性が否定できない「グレーゾーン」を含む。

在イスラエル中国大使館のホームページには、現地に
進出する中国企業13社が紹介されている。
華為技術(ファーウェイ)も、そのひとつだ。
米国から「スパイ行為への関与が疑われる」として、
大手向けの通信設備の販売を事実上阻止されている
同社は、現地法人を買収する形でイスラエルにR&D
(研究開発)センターを置く。

元イスラエル外務省高官のエラン氏は「イスラエルは、
対米関係と中国との関係強化で得られる利益の間で、
かじ取りを迫られている」と語る。

 ■米、投資銀と協調模索

AIIB構想が表面化して以来、米国は否定的な立場を
とってきた。だが、日本など一部を除く主要国が雪崩を
打って参加してから、軌道修正し、米国が強い影響力を
持つ世界銀行を始めとする、既存の国際金融機関を
通じて間接的に連携を深めつつある。

 「彼はプロの銀行家だ」

世銀ナンバー2、バドレ最高財務責任者(CFO)は、
今年初めて会った中国の金立群・元財務次官をこう評した。
金氏はAIIBの初代総裁に就く。

「AIIBの参加国の多くは、世銀の加盟国だ。有効な
組織になるよう、我々としても真剣に関与していく必要がある」

7月中旬、世銀のキム総裁は北京を訪れ、金立群氏と
会談した。これに先立つ7月1日には、パリの経済
協力開発機構(OECD)本部を李克強(リーコーチアン)
首相が訪れている。「先進国クラブ」ともいわれるOECDの
本部を中国の首相が訪れるのは、初めてだ。
グリア事務総長は中国語の成句を織り交ぜた
スピーチで首相の訪問を歓迎した。

開発援助の世界は、もはや中国抜きでは回らない。
予想を超える大所帯で船出するAIIBが、
そうした現実を象徴している。

(テルアビブ=渡辺丘、吉岡桂子、)
(北京=斎藤徳彦、ワシントン=五十嵐大介)


コメントです。
中国が、経済危機のギリシャに続いて、
兵器開発等で高度な技術を持つ
イスラエルに、圧倒的経済力を駆使して
触手を伸ばした内容記事です。
しかし、これ以上中国が軍事大国として
発展するのは、世界的平和秩序の観点から
見ても、かなり問題有りですね。







posted by salsaseoul at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2015年07月15日

イラン核協議、最終合意 開発制限・査察を容認 制裁解除へ

朝日新聞 2015年7月15日


イラン核問題をめぐってウィーンで協議を続けてきた
米英独仏中ロ6カ国とイランは14日、問題解決のための
「包括的共同行動計画」で最終合意に達した。
イランは今後10年以上にわたり核開発を大幅に制限し、
軍事施設への査察も条件付きで受け入れる。
核不拡散条約(NPT)体制のもと、外交交渉で新たな
核兵器保有国ができるのを防ぐ歴史的な合意となる。

2002年にイランのウラン濃縮が発覚し、核兵器開発が
疑われた問題は、13年かかって妥協点を見いだした。
見返りに、米欧や国連は原油禁輸や金融取引制限などの

制裁を解除していく。AP通信は数百億ドル(数兆円)分の
制裁が緩和されると伝えた。

世界有数の産油国イランと日本が取引を正常化させる
きっかけにつながり、ホルムズ海峡が焦点となってきた
安全保障法制の論議にも影響を及ぼしそうだ。

 オバマ米大統領は合意後に演説し、「(イランの)核兵器への
全ての道は断たれた」と成果を強調した。
また、イランとの立場の違いや困難な歴史はあるとしながら
「変えていくことはできる」と強調。
将来の関係改善にも含みを持たせた。

計画によると、イランはウラン濃縮に使う遠心分離器の数を
3分の1に減らし、1万2千キロある低濃縮ウランを
300キロに削減。今後10年以上はすぐに核兵器を
作れないレベルに核開発を制限する。争点だった査察は、
軍事施設を含めて認めるが、事前にイランと国際原子力機関
(IAEA)で調整する。武器禁輸は制裁解除後も5年続ける。

IAEAとイランは14日、核兵器開発疑惑を解明する
行程表で合意。10月15日までに、イランはすべての
疑問点をIAEAに説明する。イランのロハニ大統領は
テレビ演説し、「核兵器をつくることは決してない」とした。
イランは、経済の回復を最優先させた。米欧側も、
NPT体制の国際秩序を保てると判断したとみられる。
イランが核武装すれば、周辺国に「核のドミノ」が
広がる恐れもあった。

一方、イランと厳しく対立するイスラエルのネタニヤフ首相は
14日、「合意は世界にとって歴史的な誤りだ」と強く批判した。

 (ウィーン=奥寺淳、神田大介)

 ■最終合意の骨子(カッコ内は期間)

・イランは高濃縮ウラン、兵器級プルトニウムを製造しない
(15年間)

・イランは約1万2千キロある低濃縮ウランを300キロに減らす
(15年間)

・IAEAはあらゆる施設に査察をする

・合意の履行が確認されれば、欧州連合(EU)は核関連の制裁を
解除、米国は制裁を緩和、核問題に関する国連安保理決議は解除

・合意違反があれば制裁を再び科す


 ◆キーワード

 <イラン核開発問題> 2002年、イラン国内で
核施設の建設が進んでいることが発覚。国際社会は
核兵器製造を狙った動きだと疑った。イランは03年、
英独仏とウラン濃縮の一時停止で合意したが、05年に
強硬派のアフマディネジャド大統領が就任し、06年に
濃縮を再開。国連安全保障理事会の制裁決議を無視し、
「民生用」を口実に核開発を続けた。13年に穏健派の
ロハニ大統領が就任すると融和路線に転じ、15年4月、
米英独仏中ロとの間で核開発制限を盛り込んだ「枠組み」
に合意した。


関連記事です。

イラン核合意―流れを確かなものに

世界の政治地図が塗り変わる一歩になるかもしれない。

中東の大国イランの核開発をめぐる米欧ロシアなど
6カ国とイランとの協議が最終合意に達した。

イランは核開発を縮小することとなり、核武装の悪夢は
遠のいた。欧米の制裁解除により、1979年の革命
以来続く孤立状態から、国際社会への復帰へと歩を
進める。中東の安定に向けて米国とイランが手を
携える可能性も現実味を帯びてきた。

むろん長年の対立構造を解く作業は緒に就いた
ばかりだ。楽観は許されない。それだけに、この流れを
確固たるものにする国際的な結束が欠かせない。

米国とイランの対立は、数多くの分野で国際社会の
行動を制約してきた。核兵器の拡散を防ぐ努力でも、
世界のエネルギー政策でも、両国間の緊張が重い
足かせとなっていた。

しかし近年は、不毛な対立に当事国同士が疲弊
していた。イランは経済を再建したい。米国は
過激派組織「イスラム国」対策やイラクの安定で
イランの協力を得たい。隔たりを克服して合意に
こぎ着けたのは、双方の理性の勝利と言えるだろう。

 変化はあくまで始まりに過ぎない。合意の実を
あげるには課題が残っている。交渉の過程で培った
大局観のもと、関係各国は今後も大胆な妥協も
辞さない姿勢で臨むべきだ。

イランは、核疑惑を再び持たれないよう、核武装から
きっぱりと手を引き、今後も信頼回復への努力を
重ねる必要がある。この国の国際的な評価を
損ねてきたのは、度重なる秘密裏の活動に
他ならないからだ。

合意には、各国で抵抗勢力も残る。米国の野党
共和党や、イランの保守派。中東でもイスラエルや
サウジアラビアなどが、懐疑的な姿勢を変えていない。
米欧の各政府は今後も説得を重ね、イラン問題を
めぐる不信感をぬぐう作業が欠かせない。

エネルギー市場でのイランへの期待はかねて大きい。
ガス確認埋蔵量は世界1位、原油確認埋蔵量は
4位の大資源国だ。世界の資源戦略を一変
させかねない。シリアやイエメンなどの紛争への
影響力や、人口が8千万近い市場にも存在感がある。

 イランが米欧との接近を進めれば、日本の安全
保障にも大きく影響する。集団的自衛権行使の
場として、安倍首相はこの湾岸での機雷掃海を
挙げるが、もはやそんな想定は難しい。

 世界の流れから取り残されないよう現実を
見すえ、実のある真の国際貢献を考える。
発想の転換は、日本にも求められる。

コメントです。
米国(?)がキューバに引き続き、
イランとも和解方向に進みました。
現状では、中国の台頭や、砂漠の国の
やっかいな勢力とも対立していかなければ
ならないので、このような軟化政策を
とったのでしょうね。

いずれにしても、米国の和解政策は
賢明な選択だと思います。



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2015年01月29日

原油価格の下落容認は「シェールつぶし」か? ── OPECの原油価格戦略

THE PAGE 2015/1/28

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昨年夏以降、原油の国際価格は急速に下落し、指標となるテキサス産
軽質油(WTI)の価格は、1バレル=40ドル台で推移しています。
これは一時、110ドル近くに達していた昨年6月の水準に比べると
約6割も安くなっています。

シェール革命 vs. OPEC価格戦略

価格下落の原因の一つは、欧州や日本など主要国経済の低迷と、
中国など新興国経済の減速で世界的な原油需要が減少し、
「供給過剰」の状態に陥っているこ とがあげられます。
これに昨年11月下旬のOPEC(石油輸出国機構)総会での
減産見送りが重なり、産油国は価格下落を容認したとして、
原油価格は下落を続けています。

今回の価格下落局面で指摘されているのがアメリカのシェール革命と
OPECの価格戦略との「対決」です。アメリカはシェール革命で原油に
代わるシェール オイルの生産が増え、以前のように中東から大量に
輸入する必要がなくなったためエネルギーの中東依存が減っています。
このため、原油の市場シェアを失うことを恐れたOPECの盟主
・サウジ
アラビアが、1バレルあたり50ドルから80ドルとされる
シェールオイルの
生産コストを下回る水準に原油価格を誘導 し、
採算割れで生産を
成り立たなくさせるという見方です。
いわば「シェールつぶし」です。

市場価格の下落をあえて容認し、OPECの市場支配力を維持すると
いうシナリオと見る向きがあります。

しかしこれは「もろ刃の剣」ともいえます。価格下落で困るのはOPEC
自身でもあるからです。原油価格が下落すれば産油国の石油収入は
減少します。世界最大の産油国サウジのように豊富な外貨準備を持ち、
財政的な体力がある国はまだいいですが、OPECの中でもベネズエラの
ような国は財政基盤が弱く、石油収入が減ると経済を直撃し国民生活
が困窮する事態に陥りかねません。


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シェールつぶしは産油国側にも影響

国によって原油の生産コストは異なりますが、国際通貨基金(IMF)に
よる推計では、主要な産油国が財政を均衡させる原油価格の水準は、
イランが130 ドル前後、サウジが100ドル前後、クウェートで50ドル前後と
試算されています。OPEC加盟国ではありませんが、ロシアは110ドル
前後とみられています。産油国がシェールつぶしを狙っても、低水準の
原油価格が長期間続くと、産油国側にも影響が大きいのです。
ロシアでは通貨ルーブルが急落し、経済の先行きに懸念が生じる
「逆オイルショック」と呼ばれる事態となっています。

OPECは現在、市場価格とアメリカのシェールガス業界の動向を
にらみつつ、産油国にとって望ましい価格水準を研究しているものと
見られます。市場関係 者の間では、原油価格は1バレル=30ドル台
まで下がるとの見方もある一方で、原油価格が上昇に転じる時期は
さほど遠くないとの見方もあります。
原油価格 は当面、底値を探りながら不安定な状況が続く見通しです。

関連記事です。
米シェール企業を原油安が直撃 昨年来、初の経営破綻

原油価格の急落を受け、米国のシェールオイル関連企業が
経営破綻(はたん)した。昨年来の原油安以降、初めての
破綻ケースとされる。このまま原油の値下がりが続けば、
今後も同業の破綻が増える可能性がある。

破綻したのは、米南部テキサス州でシェールオイル・ガス開発を
手がけていた「WBHエナジー」。米メディアによると、4日付で
同州の連邦破産裁判所に、米連邦破産法11条
(日本の民事再生法に相当)を申請した。

負債の総額は最大で5千万ドル(約60億円)。急激な原油価格の
値下がりで、採算がとれず、資金繰りが悪化したとみられる。

原油価格の国際指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は、
昨年7月までは1バレル=100ドル台で推移。だが、その後
下落に転じ、今年に入って1バレル=50ドルの節目を
約5年8カ月ぶりに割り込んだ。

原油安の主な要因は、世界経済の減速による需要減と、
「シェール革命」を背景にした米国での急激な生産の増加だ。
2008年以降、米国の原油生産量は昨年までで8割も増えた。

ただ、地下数千メートルの硬い岩盤から原油の一種である
シェールオイルを取り出すには、コストがかかる。
原油安が広がるなか、米国では石油大手のコノコフィリップスが
今年の設備投資額を2割減らすなど計画の見直しが広がっている。

米調査会社のIHSは昨年11月、今年増産される米国の
シェールオイルの約8割の採算ラインは「1バレル=50〜69ドル」
との予想を出していた。だが今の価格は、その下限も下回っている。
さらに価格が下がれば、多くの企業で採算割れに追い込まれかねない。

WBHもふくめ、シェール開発業者には中小企業が多い。
こうした企業は主に、銀行からの借り入れや社債を発行してお金を
調達し、巨額の投資をしている。シェールの油井は掘り始めてから
数年で枯渇するため、次々と新たな油井を掘り続けないと
採算が取れない。

米シンクタンク、エナジー・ポリシー・フォーラムの
デボラ・ローレンス氏は「投資ファンドの間では、お金を
引きあげる動きもある。破綻が広がるおそれもある」という。

投資計画の見直しが広がるものの、今年の米国の原油生産量は
昨年より増えるとみられている。サウジなども減産に転じる兆しは
見えず、当面は原油安が続く見通しだ。米エネルギー省の
モニツ長官は7日、「今の価格が続けば、設備投資の削減が
さらに増えてくる。状況を注視している」と話した。
(ワシント ン=五十嵐大介、ニューヨーク=畑中徹)

■日本企業、投資を見合わせ

日本の資源開発会社では、シェール開発への投資を見合わせる

ケースも出てきた。石油資源開発(JAPEX)は、カナダ西海岸に
建設予定のシェールガスを液化するプラントへの投資を
延期すると昨年12月に発表した。

液化したシェールガスを19年以降に輸入する計画は変えないが、

カナダ政府の輸出許可が遅れたうえ、原油安で、事業コストの
再検討を迫られた。

同社広報は「現在、投資決定時期を見極めている。油価下落が
続けば、さらにコストの再検討が必要になる」と話す。

そもそも原油安は、シェールに限らず資源開発の多様化を進めようと
する各社に、どこに重点を置くか戦略の見直しを迫っている。

JX日鉱日石開発の三宅俊作社長は全体的な戦略として、
「新規の投資は良い案件を厳選して、採算性の悪いものは始末する
必要も出てくるかもしれない」と話す。

一方で、開発にはチャンスと見る向きもある。7日に開かれた
石油鉱業連盟の賀詞交歓会で、三井石油開発の日高光雄社長は
「資金的に厳しい状況が続くが、海外の企業も苦しい。
良い案件を安く獲得できる好機でもある」と話す。

日本は原油の輸入先の約8割を中東に依存している。
SMBC日興証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「開発会社は
投資を抑制して、守りに入るだろう。エネルギーを獲得するルートを
多様化しようとしてきたが、いったん後退することになる」と話す。


コメントです
ここ数ヶ月で急激に下落した原油価格ですが、
原油の密売で活動資金を調達している武装組織の
資金源枯渇対策かと思っていました。
しかし、そうではないようですね。
posted by salsaseoul at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2014年04月04日

「カート」、イエメンに影 覚醒効果・多幸感生む葉

「カート」、イエメンに影 覚醒効果・多幸感生む葉
朝日新聞  2014 4 1

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カートをかみながら語り合う弔問客たち=2月、サヌア市内、村山祐介撮影


201404041.bmp
水洗いしたカートの葉=2月、村山祐介撮影

中東の最貧国イエメンで、カートと呼ばれる覚醒効果のある葉の
過剰消費が、人々と社会をむしばんでいる。
社交の友として親しまれてきたが、長い独裁と「アラブの春」後の
社会不安で一段と広まった。他の作物からの転作も相次ぎ、
その影響で水や食料も不足。貧困がさらに深まる悪循環が起きている。

■社会不安で消費量増加

首都サヌア中心部の葬儀場。大広間でくつろぐ男たち約150人は
みなぷっくりと片ほおを膨らませ、もぐもぐと口を動かしていた。
かんでいるのは小枝から摘んだカートの新芽だ。

「人付き合いには欠かせないし、元気が湧く。若い頃は毎日9時間は
かんでいた」と元電気技師スリマン・バハリシュさん(61)。
イエメンでは葬儀や結婚式はカート抜きでは始まらない。
毎夕、あちこちの民家の客間でカートパーティーが開かれ、
旧交を温めたり、人脈を広げたり。社交の潤滑油になってきた。
仕事中や運転中に眠気覚ましにかみ続ける人も多い。

かむと青汁や抹茶のような青臭い苦みがある。
覚醒剤のアンフェタミンに似た成分が含まれ、覚醒効果や
多幸感をもたらすという。
産地や品質によって1回分500リアル
(約240円)から1万5千リアル(約7200円)ほどと、イエメンの
物価からすれば安くはない。運転手アブド・サレハさん(38)は
月給の半分以上をカートに費やすが「くつろげるし、やめられない」。

カートは、イエメンやエチオピア、ケニアなどで数百年前から
愛好されてきた。イエメンでは、サレハ前大統領が政権を握った
1970年代以降に急速に浸透し、政府の庁舎内にもカートの
ための部屋がつくられた。地元環境団体「持続可能な開発と
環境保護組織」によると、12年の市場規模は3570億リアル
(約1713億円)で、13年前の8倍に膨らんだ。

カート売りのフォージア・マシュダクさん(30)によれば、
「社会問題が起きるほど、売り上げも伸びる」。サレハ氏が
退陣に追い込まれた11年の民主化デモや武力衝突で、
治安が悪化し経済は低迷するなかで、カートの売り上げは
4割増えた。飲食店員マンスール・フセインさん(24)は、
仕事があまりなく「カート以外やることがない」と話す。
世界保健機関
(WHO)は、成人男性の9割、女性の5割、
12歳以下の児童の2割がカートを毎日かむと推測している。

■転作相次ぎ水不足拍車

巨岩に立つ別荘「ロックパレス」がそびえるサヌア郊外
ワディ・ダハール。かつてはブドウや桃、ザクロだった緑は、
今はほとんどがカートの木だ。
カート農家ファワズ・ムニフィさん(36)は「年に5回も収穫
できるし、手間もかからない。実入りは3倍以上になった」と話す。

政府情報センターによると、高級品「モカマタリ」で有名な
輸出作物コーヒーの栽培面積は08〜12年にほぼ横ばい
だったが、カートは14%増えた。農業部門の国内総生産
GDP)の3分の1を担う大黒柱だ。

だが副作用も出ている。

「昔は川だったんだ。子どもの頃はよく釣りをした」。
カート農家アブドラ・マソディさん(55)は車道に視線を落とした。
大量の水を使うカート栽
培が広がるにつれて、川は干上がり、
40年ほど前は30メートル下からくんでいた地下水も、
300メートル掘らないと出なくなった。

イエメンは元々、水資源が乏しい。1人が年間に使ってよい水は
120立方メートルで、世界平均の2%。年7%もの人口増が
続くサヌアでは水不足の危機が叫ばれてきた。カートは
地下水の7割を消費しており、世界食糧計画(WFP)は
水資源が枯渇する「主犯」と指摘する。

WFPによると、人口の4割に当たる1千万人以上が食料不足に
陥り、慢性的な栄養不良の児童の割合は58%とアフガニスタン
次ぐ高さだ。穀物自給率は2割に満たず、輸入に頼る小麦の
価格も高値が続く。外貨を稼ぐコーヒーや空腹を満たす穀物を
よそに、カート生産が増え続け、水がますます不足する――
そんな構図だ。食欲減退効果のあるカートで空腹を紛らわす
家庭も珍しくないという。

■国内は合法、国外も鈍い対応

カートへの過度な依存を減らそうと、政府は輸出入を禁止し、
栽培や消費も制限しようとしてきた。この3月にも内務省
勤務中の警察官にカート禁止を厳命した。ただ、カート関連
産業は全雇用の15%を占め、抜本的な対策には
踏み込めないのが実情だ。農家に他の作物への転換を
促すのは容易ではなく、そもそも武装闘争で政府の
統治が及ばない地域も多い。

コカインや覚醒剤など国際的な禁止薬物とは異なり、カートは
イエメンでは合法の「嗜好(しこう)品」。英国でも合法、
米国では違法と対応もまちまちで、国際社会の対応も鈍い。
地元NGO「反カート基金」代表を務めるサヌア大の
アデル・シュガ教授(45)は「貧困や食料不足、水危機に汚職
などの根っこにある問題と認識して対応すべきだ」と話している。

 (サヌア=村山祐介


関連記事です。
『カート』が禁止されていたとしたら・『イエメン人にとっての麻薬』
2008年5月1日付イエメンタイムズ紙にまさにこのタイトルで特集が
組まれた。カートという社会問題に国民がどういう認識をしているか
リポートした記事だった。タイトルは「『カート』が禁止されていたと
したら、あなたの生活はどのように変わっていたか?」というもので、
いろいろな立場の人たちが意見を載せていた。どこまで彼らは
本音を言うことができるのか果たして疑問だったのだが、
忌憚ない意見が載っていたことにびっくりした。
ここに寄せられているドクターの意見は、一般大衆の“カートは体に
いい”という信仰に真っ向から挑戦状をたたきつけている。カートが
無くなれば、癌が大幅に減ると明言している。そして、カートの栽培の
際に使われている、違法でとても殺傷能力が高い殺虫剤による中毒が
おきなくなるため、それが原因でおこる病気がなくなると指摘して
いるのだ。(カートをほとんど洗わずにそのまま口に入れるため
殺虫剤を舐めているに等しいのだ。>○<)
そして、彼らはその直接的な影響だけでなく間接的な影響、
つまり、これまでの回で説明してきたように、カートを噛むことに
よっておきる、生産性の低下、『悪の循環』を心配しているのだ。
『悪の循環』という言葉を理解してもらうには、ちょっと説明を
加えなくてはならないだろう。“循環”になってしまうのには、
カートを噛む時間とその効果の持続性に原因があるのだ。
一般的には、彼らは昼食後にカートを噛みはじめるのであるが、
葉っぱであるため、即効性・劇薬的効果はない。葉っぱを一枚
そして一枚と口の中に蓄え、噛み漉していく過程で、徐々に
覚醒をし始めるのだ。もちろん個人差があるし、噛み溜める量に
よっても効果が違うのだが、徐々に効き始めるのだ。
彼らが、その効果を持続できるのも、異常なまでの頬の
ふくらみでも判るが、カートをずっと口の中に噛み溜めしている
おかげなのだ。吸えば終わりのタバコとは違い、持続性がある。
そして何よりも高いお金を出して購入したカートをそうやすやすと
吐き出しはしない。だから夕方を越えて夜までずっと顔は
ハリセンボン状態なのだ。(^○^)
 前回【街に溢れかえる『癌患者』の症状とは? 
『イエメン人にとっての麻薬』 シリーズ第二弾】で説明したように、
頭が飛ぶというのはその効果の現れなのだが、覚醒の極みに
いけばもちろん仕事どころではない。座って宙を見つめている方が
安全というものであろう。(^○^)寝る時間が近づいてくれば、
さすがに覚醒をとめないと眠れないと彼らも知っているのか、
口の中で漉されたカートの葉っぱのカスをそこらじゅうの道端で
吐き始めるのだ。しかしカートの効果はそんな数十分で
消えるような生易しいものではない。数時間は持続する。
結果は見えている。寝ようと思っても眠れない不眠症の
人たちができあがるのだ。
これは非常に問題なのだ。この手の不眠症の人たちは意識的な
不眠症患者で、例えカートが原因だと思ってはいても、
『カートは体にいい』と信じ込んでいる人たちなので、毎日同じ
行動をとる。慢性的に不眠症になるのだ。もちろん毎日仕事が
あれば仕事にはいくが、その人たちが仕事を意欲的にこなすか
こなさないかは、火を見るより明らかであろう。
実際、職場の同僚で全く使えない人間は、カートの異常なまでの
愛好者であるのだ。働かない、いや、働く意思など湧いてこないと
いったほうが正確かもしれない。その意識を毎日カートにより、
常に不動のものとしているのだ。(悲しいかな)これこそ、
『悪の循環』であろう。
新聞記事に戻ろう。
この中にはカート業者のコメントも紹介されている。“カートには
イエメンの国民の大多数がなんらかの形で仕事に携わっており、
それがなくなることは国民を苦しませ、悲しませることだ”と。
確かに、カート生産業者、流通業者、販売業者、そしてそれを
支える購入者を考えれば、そうコメントするのも否定はできないが、
言葉を変えれば、麻薬で潤っている人たちを悲しませるから、
と言っているのだ。このコメント自体、常軌を逸している。(>○<)
実はこのカートの習慣は、その本人の体と精神を蝕むだけではない。
その周囲の人たちにも深い関係がある。この特集記事には
女性たちのとても興味深いコメントが載っている。
もし男性がカートをやめるなら、“こどもたちのためにお金を
使えるし、夫婦喧嘩は確実に減るだろう”と先生であるカウカブは
指摘する。学生のハナンによれば、“大学に行くことも可能になる”
とも。そして21歳の女学生サハールによれば“今よりももっと
ましな生活ができる”と述べているのだ。
カート購入がどれだけの負担を強いているか、家庭への影響を
考えてみたい。近くにあるカート市場に行けば、様々な産地からの
カートに出会えるが、品質および価格はピンきりなのだ。
一袋は安いもので300リヤール〜、高いもので4000リヤールと
いうものもあるのだ。一般公務員(イエメンでは安定している
かなり高い給料水準である)の所得一ヶ月150ドル
(=30000リヤール)を例にすると、仮にその激安のカートを
30日としても9000リヤール、約三分の一が消えていく。
それだけの所得者が300リヤールということは考えにくいから、
仮に500リヤールのカートとしても15000リヤール、つまり半分が
カートに消えていく計算になるのだ。
これは驚きの割合と言わねばならない。
このしわ寄せが行くのは、悲しいかな彼の家族であり
特に社会的弱者である女性なのだ。

ただでさえ機会が開かれない女性への教育の機会まで奪って
しまうとは・・・、これを悲劇と呼ばずなんであろう
(ほんとうに泣けてくる>○<)しかもここでコメントを寄せて
いるのは、恵まれた環境の人であることはほぼ間違いない。
女性でも定職についている、そして学校に通っているのは
その証である。紙面には取り上げられることの無い大多数の
イエメン人に至っては、どのような状況下にあるかを考えると
ほんとうに心痛い。(>○<)
しかしながらこのカートの問題は、外部の人間がだったら無くせば
いいじゃないかと考えるほど簡単に解決できる問題ではないのだ。
イエメンが発展途上国といわれる理由。世界ではあたりまえのように
禁止されている薬物が我がもの顔で氾濫し、またほとんどが意義を
唱えない世界。心と体を蝕まれているのに気づこうとしない社会。
自分はこれがゆえに、ある旅行書籍で何気なく取り上げられて
いるカートの記事を見るとき、心が痛む。自分は、最初は噛んで
みようと軽く考えていた頃もあった。しかし、カートに惑わされて、
次々と起こる社会問題に盲目にならされている現状を
知れば知るほど、なおのこと表面上でカートを彼らと一緒に
噛み、『タマーム(アラビア語で、良い、の意)』とは
決していいたくはないのだ。


コメントです。
ここでたびたびコメントしていることですが、
まず、世界各国でその国特有の文化があり、
それが、他の国の人たちから見れば目を
そむけたくなるような習慣であっても、
とりあえずはその事実の存在を認識
しなければなりません。
今日はイエメンの[カート]についての
話題ですが、もし、これがどう考えても
悪習慣だとしたら、今後グローバリゼーションが
より進んで淘汰されるのを期待するしかないですね。


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2014年01月13日

エジプト、軍靴の響き 憲法改正案、14日に国民投票 民間人を裁く権限明示

エジプト、軍靴の響き 憲法改正案
14日に国民投票 民間人を裁く権限明示

朝日新聞 2014年1月13日

昨年7月の軍クーデターでイスラム系政権が倒されたエジプトで
14日、憲法改正案の賛否を問う国民投票が行われる。軍主導の
暫定政権下で審議された改正案は、女性の権利などを新たに
盛り込む一方、民間人を軍事法廷で裁く規定など軍の権限を
明示し、憲法で裏づけた。軍総司令官のシーシ国防相兼副首相の
大統領就任に向けた布石との見方も出ている。

エジプトでは突然、身に覚えのない罪で軍事法廷にかけられる
ケースが後を絶たない。カイロでコンピューター修理会社を
営んできたシェリーフ・ホサリさん(34)もその一人だ。

発端は不動産を巡る義父とのトラブル。売却したアパートの
代金を義父が払わないため、民事訴訟になり、裁判所が義父に
代金の支払いを命じた。だが、義父は元軍人だった。

数カ月後の2012年秋、ホサリさんが出社すると、ドアが壊され
何者かが侵入した跡があった。だが、盗まれた物はなかった。
数日後、私服姿の男たちが現れ、パソコンを押収し、治安当局で
事情聴取すると通告。目隠しされたホサリさんが連れて
行かれた先は、軍施設だった。

そこで、「顧客の兵士の機密を漏らしている」として、義父に
告発されたと知らされた。尋問官は「携帯電話を3カ月間監視した」と
明かし、押収したパソコンから「士官学校の教材のファイルが
見つかった」と告げた。だが、ホサリさんには全く身に覚えがない。

1カ月半、勾留施設を転々とし、尋問は夜明けから晩まで続いた。
その途中で開かれた軍事法廷は非公開で、弁護士もつかず、
上訴もできない。家族がメディアに訴えて騒ぎになったためか、
最終的に懲役1年の執行猶予付き判決が言い渡された。
だが、信用を失ったホサリさんは廃業せざるを得なかった。
「証拠のファイルは、今まで見せられていない。この国では
武器を持つ者が力を持つ」

エジプト革命後の12年に採択された憲法は、市民が軍事
法廷
にかけられる罪を漠然と規定。軍主導の暫定政権に
よる今回の改正案では、細かく規定された。憲法起草委員会の
アムル・ムーサ委員長は「軍に対する犯罪が、軍施設や
軍人への攻撃などに限定された」と胸を張る。

だが、在カイロの人権団体のイスハク・イブラヒムさん(37)は
軍事法廷は不透明で、情報は外に出ない。改正案は犯罪の
対象を限定したように見えるが、軍の意向でいかようにも
解釈できる」と懸念する。

同国ではこれまで、様々な分野に軍が広く力を及ぼしてきた。
13年の調査では、11年以降少なくとも約1万2千人の市民が
軍事法廷
にかけられたとの結果が出たが、実数ははるかに
多いとされている。

■国防相、大統領選に意欲 ムルシ氏排除主導、同胞団は反発

憲法改正案が国民投票で承認されれば、数カ月後には
大統領選や議会選が行われる見通しだ。現在、大統領選で
唯一の有力候補に取りざたされているのが軍トップのシーシ氏だ。

「もし私が大統領選に出馬するとしたら、それは国民の求めと
軍からの委任による」。シーシ氏は11日、カイロで開かれた
軍主催の集会で出馬への意欲をのぞかせた。
エジプトの政府系メディアが伝えた。

シーシ氏は、クーデターでムルシ前大統領を排除した中心人物。
しかし表向きは、国民がムルシ氏の出身母体であるイスラム組織
ムスリム同胞団を政権から追い出すのに協力したとの立場だ。
「脇役」を演じてきた背景には、11年のエジプト革命直後、軍が
政権運営の表に立ち、反軍政デモを招いたとの反省がある。

だが、昨年8月に900人以上が死亡したデモの強制排除を
皮切りに、デモ規制法の導入、政権に批判的な記者や活動家の
拘束、同胞団のテロ組織指定と、軍主導の暫定政権による
強権的な動きは続いている。

これに対し、反発を強める同胞団は国民投票がある14、15日に
「投票拒否」のデモを呼びかけている。

国民が憲法改正案に賛成すれば、軍は自らが描く民政移行の
筋書きが承認され、軍の権力に「お墨付き」が与えられたと判断。
エジプト革命前まで続いた軍を柱とする体制の復権を進める
可能性がある。(カイロ=山尾有紀恵、金井和之)

キーワード

エジプト革命と政治的混乱> 中東の民主化運動アラブの春」に
呼応した反政権デモの激化で、2011年2月にムバラク独裁政権が
崩壊。初の民主的な選挙を経て、イスラム組織「ムスリム同胞団
出身のムルシ氏が大統領に就任した。国民投票で憲法が採択
されたが、今度は反ムルシ派のデモが相次ぎ、13年7月に軍部が
クーデターでムルシ氏を排除、拘束した。憲法は停止され、
軍主導の暫定政権が発足した。

■エジプトの現憲法と憲法改正案の主な内容
軍事法廷

<2012年改正憲法>市民は軍を害する犯罪を除いて
軍事法廷で裁かれない

<新憲法改正案>市民は軍の建物、基地、施設、国境地帯、
装備、武器、兵器、文書、軍事機密、工場、資産への攻撃の罪、
および軍での奉仕に関連する罪や軍職員への攻撃の罪を
除いては軍事法廷で裁かれない

【男女の平等】
<2012年改正憲法>なし

<新憲法改正案>政治、経済、社会、文化面などすべての
権利の男女平等。国はあらゆる暴力から女性を保護

表現の自由

<2012年改正憲法>すべてのメディアの出版の自由。
検閲の禁止

<新憲法改正案>エジプトメディアの検閲、没収の禁止。
暴力の扇動、差別、冒瀆(ぼうとく)は法により罰せられる

【教育】

<2012年改正憲法>国によりすべての国民に保障される
権利と義務

<新憲法改正案>義務教育は高校まで。GDPの4%以上を
教育に割り当て

【議会選挙】
<2012年改正憲法>議会は350人以上で構成

<新憲法改正案>議会は450人以上で構成。大
統領は議員の5%を指名




コメントです。
エジプトの憲法改正についての話題です。
どこの国も、軍部が力を持っていると
ろくなことがないですね。
国が混乱しているときは統治しやすい
でしょうけど、一旦国内が落ち着いても、
せっかくつかんだ権力はそんなに簡単に
手放しませんから。

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2013年09月15日

<シリア>米露、化学兵器の完全廃棄で合意…来年前半まで

<シリア>米露、化学兵器の完全廃棄で合意…来年前半まで
毎日新聞 9月14日(土)

【ジュネーブ福島良典】ケリー米国務長官とラブロフ露外相は14日、
シリア
の保有する化学兵器を国際管理下で来年前半までに完全
廃棄させる計画と行程表で合意したと発表した。スイス・ジュネーブでの
3日目の協議終了後、共同記者会見で明らかにした。アサド政権に
よる合意の受け入れと履行が条件となるが、米仏による対シリア
軍事攻撃の可能性は遠のき、シリア情勢は内戦の政治解決に
向けた転換点を迎えた。シリアが違反した場合、国連安保理が
国連憲章7章(平和への脅威)に基づく措置を取るとしているが、
具体的な対応には言及していない。
米露は合意内容を盛り込んだ安保理決議の採択を目指す。

合意文書で両国はシリアに化学兵器を「すみやか、かつ安全」に
廃棄させる決意を表明、8月21日にダマスカス郊外で化学兵器が
使用されたとみられる特殊事情を踏まえ、通常よりも迅速な
手続きを取るよう求めている。

米露はシリアが推定約1000トンの化学兵器を保有しているとの
認識で一致。行程表によると、シリアは化学兵器の種類・量、
保管場所、製造・開発施設などを1週間以内に申告し、11月までに
査察を受け入れる。製造機器は11月までに破棄し、来年前半に
「すべての化学兵器物質・機器の撤去または廃棄」を完了する。
化学兵器が再び使用されたり、国外などに移動されたりした
場合には「安保理は国連憲章7章に基づく措置を科す」としている。

国連憲章7章は経済制裁や武器禁輸、武力行使などの措置を
定めている。ラブロフ外相は記者会見で「武力行使や自動的な制裁
発動は(合意に)盛り込まれていない」と主張したが、ケリー長官は
「(軍事攻撃を含む)選択肢は減っていない」と強調した。

米露外相は合意を足がかりにシリア内戦の政治解決に向けた
国際和平会議を10月にもジュネーブで開催したい意向とされる。


コメントです。
シリアの化学兵器の話題です
ほとんど収束状況にあるみたいですね。



posted by salsaseoul at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2013年09月11日

シリア、ロシア提案受け入れ 化学兵器の国際管理

シリア、ロシア提案受け入れ 化学兵器の国際管理
朝日新聞  2013年09月11日00時04分

【モスクワ=駒木明義、ワシントン=鵜飼啓
シリア
のムアレム外相が10日、訪問先のロシアで、
シリアが保有する化学兵器を国際管理下に置くというロシアの
提案を受け入れる考えを表明した。オバマ米大統領も提案を
評価しており、シリアへの武力行使が回避される可能性が出てきた。
9日にロシアのラブロフ外相から提案を受けたムアレム外相はこの日、
ロシア下院のナルイシュキン議長と会談。「昨日のうちに我々は提案に
合意した。アメリカからシリア侵略の根拠を奪うためだ」と述べた。

ロシアの提案は、シリアへの武力行使が回避される前提で、
シリア
が保有する化学兵器をすべて国際管理下に置く
▽将来はシリア化学兵器禁止条約に加わり、すべての
化学兵器を破棄する――という内容。

ラブロフ外相は10日の会見で、既にシリアと共に国際管理のための
具体的な計画作りに着手したことを明らかにした。近日中に計画を
国連安全保障理事会や化学兵器禁止機関に示す考えという。

ホワイトハウスによると、オバマ大統領は10日、キャメロン英首相
オランド仏大統領
とそれぞれ電話で話し合い、提案の具体化で緊密に
協力することで合意した。安保理決議を念頭に、同日中に国連での
議論を始めるという。

オバマ氏は9日、米テレビで「実現するなら(攻撃回避は)可能だ。

提案を真剣に受け止める」などと前向きに評価。
「化学兵器を使わせないという目標を軍事行動なしで達成できるのなら、
その方が望ましい」とも語った。

ラブロフ氏は「ロシアだけの発案とは言えない。米国側との接触を
通じて出てきた」と述べて、米国が武力行使を断念することへの期待を
示した。オバマ氏もロシアのプーチン大統領と意見交換したとしている。

ただ、アサド政権が保有する化学兵器をすべて明らかにするのか、
懐疑的な見方も根強い。米側には「時間稼ぎ」との懸念もあり、
ケリー米国務長官
は10日の下院軍事委員会で「(具体的な)
提案を待っているが長く待つわけではない」と述べ、軍事的圧力を
続ける必要性を強調した。


関連記事です。

ロシア、シリアの化学兵器管理めぐり「具体案」を策定中

[モスクワ 10日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は10日、
シリア
の化学兵器を国際管理下に置くための「有効で具体的な」
計画の策定に取り組んでいると述べた。
シリア政府と詳細について協議していることも明らかにした。

ラブロフ外相は記者会見で「ロシア側としては目下、有効かつ
明確で具体的な計画案の策定に取り組んでおり、そのために
文字通り今現在もシリア側と連絡を取り合っている」と指摘

望んでいる。今後は最終案に向けた調整を進めるとともに、

国連事務総長や化学兵器禁止機関(OPCW)、国連安保理の
理事国とも協力していく」と語った。

国際管理下に置くという提案については、ロシアだけの提案
ではなく、米国と接触するなかで生まれた案であるとして
シリアのムアレム外相は10日、米国による軍事介入を回避

するため、化学兵器を国際管理下に置くとのロシアの提案を
受け入れることを明らかにした。ロシアのインタファクス通信が報じて

ムアレム外相は前日、ロシアのラブロフ外相と会談。

インタファクス通信によると、同外相はロシアの下院議長に対し、
「前日、ラブロフ外相と非常に実りある協議ができた。ラブロフ外相は
そのなかで化学兵器に関するイニシアティブを提示、夕方には
われわれはロシアの提案に合意した」と述べた

ムアレム外相は、化学兵器を国際管理下に置けば米国による
攻撃の根拠がなくなるため、ロシアの提案に合意したとしている。



コメントです。
今回のシリアでの騒動。
湾岸戦争やイラクへの武力行使の時と
比べたら、かなり慎重な各国の様子が
うかがえます。
正直言って、戦争なんて
誰だってイヤですし、
湯水のように費用を使っても、たいした
成果が得られていないのが現状ですから。


 


posted by salsaseoul at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2013年09月04日

イラクの亡霊、英のシリア介入阻む

イラクの亡霊、英のシリア介入阻む
朝日新聞  2013年08月31日

09041.jpg
29日、英下院で演説するキャメロン首相=ロイター

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【ロンドン=伊東和貴】その「根拠」は、A4判の紙3枚に過ぎなかった。
29日午後、シリアのアサド政権への武力行使に道を開く政府提出の
動議を審議する英下院臨時議会。キャメロン首相は「我々が何も
しなければ、シリアは何度でも化学兵器を使う」と声を張り上げ、
理解を求めた。読み上げたのは、情報機関を束ねる統合情報
委員会がまとめた報告書の抜粋。
「目撃証言、ソーシャルメディア、95本以上あるビデオ映像……。
化学兵器シリア政府が使用したことに疑いの余地はない」

ただ、中身は、ウェブ上の映像など公開情報の分析が中心だった。
キャメロン氏は言い放つ。
「決定的証拠はない。判断を下すのはあなたたち議員だ」

野党労働党のミリバンド党首は迫った。
「我々はイラクの教訓に学ぶ必要がある」。シリア介入の是非を
話し合うはずの約7時間の討論で、イラク戦争のことが
何度も取り上げられた。

結局、動議は13票差で否決。キャメロン氏率いる保守党
からは30人の造反議員が出た。

10年前の3月、「大量破壊兵器がある」という虚偽情報に
基づき英国が米国に追随したイラクへの参戦。今回、英国に
シリア介入を断念させたのは、その「亡霊」だった。

「過去の失敗の亡霊にとりつかれて、正義のために戦う力を
まひさせてはならない」。29日の英下院で、キャメロン首相は
シリアへの介入の必要性を訴えた。

イラク戦争への参戦は当時のブレア首相の最大の汚点となり、
後の退陣につながった。「イラクは命令から45分以内に大量
破壊兵器
を配備できる」といった開戦前に発表された政府文書は
後に情報操作が指摘された。約180人の英兵が死亡、イラク
民間人の犠牲は11万人を超え、開戦の正当性をチェックする
英独立調査委員会の検証は今も続く。

キャメロン氏は当時、野党議員としてイラク開戦に賛成票を投じ、
弁舌巧みなブレア氏の「後継」を自任しつつも、開戦のプロセス
自体は批判してきた。それが今回、「シリアの状況はイラクと
根本的に異なる」と弁明する立場に回ったのだ。

イラクで分裂した各国だが、シリア化学兵器使用は一致して疑い、
アラブ連盟もアサド政権を批判する。今回は政権打倒ではなく、
市民の保護が目的だ。国連安保理には英国が起草した
決議案を出している……。この日の議会でこうした違いを列挙した。

ただ、世論の厭戦(えんせん)気分は根強い。英YouGov社の
最新の調査では、海上からのミサイル攻撃への反対は51%で、
支持は22%。英国際戦略研究所のイラク専門家トビー・ドッジ氏は
「国民はイラクでウソの大義で戦争に加担させられた。
なぜもう一度やる必要があるのか、との思いがある」と指摘する。

今回のシリア介入断念が、英米の「特別な関係」の節目になるとの
指摘もある。ミリバンド氏は動議否決後「英国は過去の教訓に学んだ。

特別な関係は米大統領の望みどおりに動くことではない」と述べた。

否決劇から一夜明けた30日、キャメロン氏は英メディアに淡々と
語った。「民主主義を尊重したかった。
米国民もオバマ大統領も分かってくれる」

■米「同じ間違いしない」

【ワシントン=大島隆】英国の離脱は、米オバマ政権にとっても
想定外だった。ヘーゲル国防長官は29日、訪問先のブルネイで
「行動を起こすなら国際的に協調したものになる」と語り、
英国抜きの介入を否定したばかりだった。

国連安保理の決議が得られそうにない中、国際的協調の
アピールが重要で同盟国でも「特別な関係」と形容される
英国の離脱は今後のオバマ政権の軍事・外交戦略に大きく
影響する。
過去にイラク戦争を強く批判してきたオバマ
大統領
は、武力介入に積極的ではなかった。
ただ、アサド政権に対して化学兵器の使用を
「越えてはならない一線」と明言。28日のインタビューでも
武力行使を強く示唆し、後には引けない状況だ。
何も行動しなければ米国の威信が傷つき、化学兵器を使っても
罰せられないという誤ったメッセージにつながりかねない。

ここ数日、「イラクの二日酔い」「亡霊」「イラクの影」といった
言葉が頻繁に登場するのは、米メディアも同じだ。

「イラクとシリアは全く違う。我々はイラク戦争と同じ間違いは
繰り返さない」。米国務省のハーフ副報道官は29日、
アサド政権の化学兵器使用を裏付ける情報の確度を
問われると、何度も強調した。しかし、米記者から逆に
「今回のハードルは前回より高い。世界に対し、今度こそ
同じ間違いを繰り返さないと示す必要がある」と諭された。

シリア政府の化学兵器使用の根拠とされる情報には、
シリア軍内部の電話会話の傍受記録などがあるという。
だが、複数の米メディアは、アサド大統領や政権高官が
指示したという確実な証拠がないと報道。大量破壊兵器
発見されなかったイラク戦争の記憶がよみがえりつつある。

もう一つの「イラクの影」は、軍事作戦の長期化への懸念だ。
イラク戦争では開戦1カ月半でブッシュ大統領が大規模
戦闘の終結を宣言したが、完全撤退が2011年末まで
ずれ込み、米軍の死者は4千人以上に達した。
「大統領は終わりのない軍事作戦を考えているわけではない。
限定的な措置だ」。ホワイトハウスのアーネスト首席
副報道官はこう弁明に追われた。

ハフィントン・ポスト世論調査では、空爆賛成は25%に

とどまり、反対が41%と大きく上回った。
議会でも反対論や事前の議会承認を求める意見が
民主、共和党双方から出ている。

オバマ政権は駆逐艦からの巡航ミサイル発射軍事施設
攻撃する案を軸に検討。しかし、軍事専門家の間では、
短期的な空爆をアサド政権が持ちこたえ、紛争の泥沼に
はまるとの懸念も根強い。新米国安全保障センターの
デービッド・バルノ上級研究員は「限定攻撃が限定的な
まま終わることはほとんどない。シリアの場合も、米国は
危険な紛争の当事者にならざるを得ないだろう」と指摘する。

■仏、米との協調崩さず

【パリ=稲田信司】一方、米国と協調し、シリアへの軍事
介入に踏み切る姿勢を崩さないフランスオランド大統領
9月4日に開かれる議会の前に介入する可能性も示唆する。

国防省は既に臨戦態勢に入っている。
地中海
にフリゲート艦を派遣。アラブ首長国連邦のアブダビと
ジブチの仏軍基地に戦闘機ラファールを配備した。

フランスは大統領が軍の統帥権を握る。

議会承認なしに国外での軍事作戦への参加を決めることが
でき、開戦から3日以内に議会に報告する義務がある。
オランド氏は9月4日に議会を招集。30日付ルモンド紙で
「もし私の命令でフランスが介入していたら、政府は介入の
手段と目的について報告する」と語った。

ただ、フランスは米英が主導したイラク戦争を「国際法
違反する行動」と断じ、強硬に反対した過去がある。
当時、外相として反対の急先鋒(きゅうせんぽう)だった
ドビルパン元首相は28日、「軍事力は複雑な危機を
解決するのにふさわしくない」と発言。英国が不参加を
決めた後、与党社会党内部からも慎重論が出始め、
最大野党の民衆運動連合(UMP)ではフィヨン、ラファラン
両元首相が国連安保理決議のない介入に反対の
姿勢を示している。

オランド氏は同紙に「イラクの場合、(フセイン政権が)
大量破壊兵器
を保有している証拠のないままに介入した。
シリア
では化学兵器が使用された。(シリア介入は)
政権転覆を目的にしていない」と状況の違いを説明した。

30日の仏紙パリジャン(電子版)の世論調査では
国連安保理決議なしの介入」への反対は82・6%に上り、
賛成の17・4%を大きく上回った。

    ◇

イラク戦争〉 2003年3月、イラクのフセイン政権打倒を
目的に、米英主体の有志連合軍事作戦を開始。
5月にはブッシュ米大統領が戦闘終結を宣言した。
武力行使を明確に容認する国連安保理決議はなく、
仏独も強く反対したが、米は「イラクが大量破壊兵器
開発している」とする「証拠」を示し、「戦争の大義」とした。
その後「証拠」は虚偽だったと判明。米軍の完全撤退は
11年末までずれ込み、死者は4千人を超えた。
開戦からこれまで、民間人の犠牲者は11万人を超えるとされる。



コメントです

緊迫するシリア情勢の記事です。
英国のポジションが明確になってきましたね

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2013年08月30日

アメリカはどうしてシリア攻撃に踏み切ろうとしているのか?

アメリカはどうしてシリア攻撃に踏み切ろうとしているのか?
ニューズウィーク日本版 8月29日(木)

先週21日に「アサド政権は自国の反政府勢力に対して
化学兵器を使用した」というニュースが報じられたのを受けて
「シリアへの介入論」が高まっています。
今日(8月29日)から翌30日にかけて、アメリカが攻撃を開始する
という説も相当に濃厚になっているようです。
アメリカは、アフガンとイラクの戦争で大苦戦を強いられると共に、
国が大きく傾くほどの経済的なダメージを受けました。これを受けて、
国民の間には強い厭戦気分があります。
また、9・11以降続いていた、自国の安全のためには手段を選ばず
という本能的な心理も消えています。
何よりも現在のアメリカは2008年9月の「リーマン・ショック」以来の
不況をようやく脱しつつある中で「軍事費を聖域とはせず」という方針で
国家財政の健全化に取り組んでいる最中でもあります。
そうした時代の流れの中で、アメリカの世論は今回の「シリア攻撃」を
支持はしていません。
一部の調査によれば9%の支持しかないという報道もあります。
2016年の有力な大統領候補と言われている、ランド・ポール上院議員
(共和党)は議会決議なき開戦には強く反対するという声明を発表して、
大統領への非難を強めています。
では、そのような状況下でありながら、どうして難しいとされる
シリアへの介入に踏み切らざるを得ないのでしょうか? 
3つ大きな理由があります。
1つは、化学兵器の使用という問題です。現時点では国連の調査団が
入ってはいますが、その調査団への銃撃などもある中で十分なデータは
集まっていません。ですが、とにかく「WMD(大量殺戮兵器)」の使用と
いうのは重大な国際法違反であり、国際社会として何らかの懲罰が
下されなければならないというのは、アメリカの強い方針なのです。
例えば、ブッシュは「フセインはWMDを手にした」という理由でイラクに
侵攻しています。
オバマをはじめとする民主党はこれには批判的でしたが、それは
「WMDはなかった」という観点に基づくものであり、仮に「WMDが
実際に使用された」という場合に「それでも介入しない」という
選択肢は、基本的にはアメリカにはありません。
実際に「WMDは使われたがアメリカは何もしなかった」という事例を
作るということは、例えば核開発を続けるイランや北朝鮮、あるいは
非合法的に核を所有しているとされるパキスタンやインド、更には
イスラエルなどへの「絶対に使ってはならない」というプレッシャーが
「無効」になることを意味します。
世界の安全保障の秩序が崩れてしまうのです。
今回の件は、シリアの背後に存在するロシア、そしてロシアに
追随する中国が拒否権行使を行う可能性が濃厚であり国連安保理の
「お墨付き」を得ての軍事行動ということにするのは困難です。
従って枠組みとしてはNATOを前面に出すことになります。
いずれにしても、WMDの使用が事実であれば、アメリカは
「動かざるを得ない」のです。
第2の理由は、地域の情勢です。シリアのアサド政権の背後では、
ロシアが公然と支援を行っており更にはイランが支持をしています。
化学兵器を使用したという事実が判明したとして、アメリカがこれを
静観するということは、この地域におけるロシア、あるいはイランの
態度に対して、間接的に屈服したことになるのです。
イランとの間では、核開発の問題、イスラエル敵視の問題ということで、
長年の確執を続けてきたアメリカです。
ここで弱みを見せることはできません。
また、ロシアに関しては、人権問題での激しい応酬を続けてきた
だけでなく、最近ではボストンでのテロ事件を巡る駆け引き、
そしてスノーデン亡命事件と暗闘を続けています。
そうした文脈の中に、今回の「化学兵器の使用」という事件を
置いてみると、やはり静観はできないということになります。
第3の理由は、2期目に入ったオバマ政権として新体制となった
軍事・外交の責任者たちの「真価が問われる局面」だということです。
具体的には、ジョン・ケリー国務長官、チャック・ヘーゲル国防長官、
スーザン・ライス安保特別補佐官、サマンサ・パワー国連大使という
新任4名です。
この4人には、対シリアに関して「積極的」になるそれぞれ個人的に
強い理由があります。まずケリー国務長官ですが、彼は国務長官
就任に当たって「中東和平」を大きなテーマに掲げると言っている手前、
この地域での米国の主導権維持は重視しないわけには行きません。
次にヘーゲル国防長官ですが、基本的に彼は「軍事費のコストダウン、
ただし必要な場合は隠密作戦で」というタイプですが、対イラン政策が
「弱腰」だという批判を浴びたという「過去」があります。
ですから、今回は「決して弱腰ではない」という姿勢を見せたいようで、
積極的な姿勢を見せています。
ライス補佐官(コンドリーザ・ライス氏とは別人のスーザン・ライス氏)に
関しては、もっと大変です。
彼女は国務長官の椅子を狙っていたのですが、国連大使時代に
「ベンガジでのアメリカ大使館襲撃」の直後に
「デモ隊の延長での偶発的な事件」だという見解を示したことが
「認識が甘く不適切」だということで問題になり、共和党の執拗な
攻撃の前に「国務長官の座を断念した」過去があるのです。
彼女の場合も、「汚名挽回」を狙って強硬策に乗りたい口でしょう。
極めつけはパワー国連大使です。彼女の場合は「世界における
虐殺(ジェノサイド)を防止するアメリカの責務」というトピックを
個人的なテーマに掲げてハーバードのケネディ・スクール
(行政大学院)で論陣を張ってきた人で、過去のバルカン半島の
問題や、リビアの問題でもアメリカの積極的な関与を強く主張して
きた人です。今回のシリア情勢というのは、そのパワー大使の
「個人的なテーマそのもの」だと言えます。
最後に「何故、今なのか?」という問題ですが、オバマ政権は
「エジプトのモルシ政権崩壊」という事態を待っていたフシが
あります。仮にシリアが西側の攻撃への報復として、本格的に
イスラエルへの侵攻を行った場合、エジプトに「反イスラエル」の
モルシ政権が存在するようですとイスラエルの「挟撃される恐怖心」が
暴走して大変ことになる危険があったわけで、その要素が軽減されて
いるということが「今」まで待っていたことの理由だと考えられます。
そんなわけでオバマ政権は相当に「ヤル気」になってきているのですが、
カーニー報道官がいみじくも語っていたように今回の動きは
「アサド政権の交代を狙ったものではない」というのはホンネだと
思います。というのは、アサド政権が万が一崩壊した場合の
受け皿はないからです。受け皿がない中で、ではどうして強硬策を
取りつつあるのかというと、それは「化学兵器を二度と使うな」という
メッセージを送りたいからですが、そのメッセージを嘲笑するかのように、
アサド政権は色々なことを仕掛けてくる可能性は十分にあります。
その場合、問題になるのはロシアの出方でしょう。
アメリカは最終的にロシアを黙らせるためには「ソチ五輪のボイコット」を
チラつかせる可能性があると思います。
さすがにスノーデン事件を理由としてのボイコットは「格好悪すぎる」ので
思いとどまっているアメリカですが、「化学兵器使用を繰り返す」
アサド政権を支援して恥じることがない、ということになるようですと、
分かりません。
とにかく、シリアの背後にいるロシアとの駆け引きが今後のメイン
ストーリーになっていく、その一方で、エジプト情勢、イランの新政権の
性格などこの地域のそれぞれのプレーヤーがどう動くかによって、
このシリア情勢というのは複雑に変幻していくように思います。
欧米では「強硬策は不可避」と腹をくくる一方で、その一方で
「解決のシナリオはなし」という悲観論が広がっています。
その攻撃の具体的な方法ですが、アメリカやNATOの
過去のパターンからすると、シリア上空に「飛行禁止区域
(ノー・フライ・ゾーン)」を設定して制空権確保の後に、
標的となる化学兵器の保管が疑われる場所、あるいは
ミサイル関連施設などの空爆に進むのが「常套手段」です。
ですが、今回のシリアはロシアから購入した高性能の
「地対空ミサイル」を大量に保有しており、簡単に制空権は
取れないと言われています。
従って、地中海海上のミサイル駆逐艦からの誘導ミサイルによる
攻撃が主となるようですが、これも迎撃される危険があります。
また、情報戦に優れたシリアはミサイルが着弾したとして
「民間人の誤爆」などの事件を指摘して抗議するなど、
様々な可能性が予想されます。
米国は3日間程度のミサイル空爆で済ませたい考え方の
ようですが、その空爆自体がそう簡単に成功するかどうかも
疑わしいように思います。
とにかく事態の推移が大変に懸念されます。

冷泉彰彦(作家・ジャーナリスト)


コメントです

緊迫するシリア情勢の記事です。
今後の動向が気になりますね

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2013年08月29日

シリア政府軍攻撃、被害者の症状は「神経ガスと一致」 専門家ら

シリア政府軍攻撃、被害者の症状は「神経ガスと一致」 専門家ら
AFP 2013年08月23日

08281.jpg
シリアの首都ダマスカス(Damascus)郊外のドウマ(Douma)で、化学兵器の使用が
疑われるシリア軍の攻撃を受け、床に横たわって救急隊の到着を待つ負傷者たち
(2013年8月21日撮影)。(c)AFP/THE MEDIA OFFICE OF DOUMA

【8月23日
AFP】内戦が続くシリアで政府軍による化学兵器の使用が
疑われている問題について、専門家らは22日、被害者にみられる
けいれんや瞳孔の縮小、呼吸困難などは神経ガスの症状である
可能性があるとの見解を示した。そのうえで、確証を得るために
被害者の血液や尿の検査が必要だと指摘した。
■神経ガスの症状と一致
シリアの反体制派は、21日の政府軍の攻撃による死者は1300人
以上だと述べている。人権活動家らが公開した動画などには、
口から泡を吹く人や、呼吸困難に陥った被害者に酸素吸入して
いるとみられる医師、意識不明状態の子どもたちに蘇生を試みる
医師などの姿が写っている。化学兵器や防衛の専門家らは、
これらはサリンやVXガスといった神経ガスにさらされた際の
症状と一致すると述べている。
化学兵器専門家のジャン・パスカル・ザンダース
Jean Pascal Zanders)氏は、結論を導くにはさらに多くの
情報が必要だとしながらも、「症状のうちの多くが、確実に
(化学兵器使用の)可能性を示している。私が見た映像から
判断すると症状の多くが有機リン酸系の中毒症状と一致する」
ことは明らかだと述べた。
■急がれる被害者の検査
ただし、確証を得るには化学兵器の被害が疑われる患者らを
調べるしかないという。フランスのシンクタンク、戦略研究財団
Foundation for Strategic Research)のオリビエ・ルピック
Olivier Lepick)氏は「化学兵器が使用されたものと強く
推測できるが、(サリンが体内で分解された後に)血液や尿内に
残る代謝物の存在など科学的証拠が必要だ」と指摘した。
ザンダース氏によれば、シリア軍が化学兵器としてサリンガス、
マスタードガス、VXガスを保有しているとの見解は広く周知されて
いるという。さらにルピック氏は、シリア軍にはそうしたガスの
搭載が可能なロケット弾や航空爆弾、迫撃砲やスカッドミサイル
などの装備もあると述べている。
最初に公開された被害者の動画を見たザンダース氏は、青紫が
かった顔色、口の周囲に見られる黒い線、せき込みなど、典型的な
窒息の症状が出ていると指摘した。さらに後の動画では、瞳孔の
縮小やけいれんといった神経ガスに特徴的な症状が現れている。
武装解除や軍縮に関する専門家で化学者のラルフ・トラップ
Ralf Trapp)氏も「症状だけではなく、全体の状況からみて
(神経ガスを使用した可能性は)非常に強い」と話す。トラップ氏に
よれば、神経ガスの有毒物質は被害者の尿に数日間、血液中には
数週間残るという。このため、欧米諸国は化学兵器使用の有無を
調べるため19日にシリア入りした国連の調査団を攻撃現場に
立ち入らせるようシリア政府に要求しているが、トラップ氏は
「まだ間に合う」と強調した。
その一方で、患者の治療に当たった医師や看護師らが二次被害の
症状を呈していないとの指摘もあるが、これについてザンダース氏は、
患者の体に付着した有害物質は水で洗い流しているからだと
説明できると話した。
■既存の化学兵器ではない可能性も
スウェーデン・ストックホルム国際平和研究所
(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)の
「化学・生物兵器に対する安全保障プロジェクト」を率いる
ジョン・ハート(John Hart)氏は、「おそらく、何らかの有害化学
物質が関与しているだろう。必ずしも昔からある化学兵器とは
限らない」と述べている。サリンのような神経ガスに使われる
化合物である有機リン酸は、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの
科学者たちが開発した麻痺作用を持つ無臭のガスで、1988年には
イラクの独裁者だった故サダム・フセイン
Saddam Hussein)元大統領の政権がクルド人虐殺に使用した。
(c)AFP/Laurent BANGUET


コメントです

緊迫するシリア情勢の記事です。


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2012年12月01日

パレスチナ:「国家」格上げ、国連総会採択 138カ国賛成、米など反対

パレスチナ:「国家」格上げ、国連総会採択
138カ国賛成、米など反対

毎日新聞 2012年11月30日
001.jpg
地位の「格上げ」を祝う人たち=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラで
2012年11月29日、花岡洋二撮影

【ニューヨーク草野和彦】国連総会(加盟193カ国)は29日、
パレスチナの国連での資格をこれまでの「オブザーバー機構」から
「オブザーバー国家」に格上げする決議案を138カ国の圧倒的
賛成多数で採択した。国連の「加盟国」ではなく、投票権はないが、
国際社会の7割以上が「国家」と認めたことで、パレスチナ自治政府は
独立国家実現への弾みとしたい考えだ。
ヨルダン川西岸などパレスチナ自治区は喜びに包まれたが、
一方でイスラエルは反発しており、中断したままの和平交渉への
影響が懸念される。
賛成は日本やフランス、中国、ロシア、インドなど。イスラエルや米国、
カナダ、チェコなど9カ国が反対、ドイツや英国など41カ国は棄権した。

決議は、パレスチナに「国連のオブザーバー国家の地位」を与えることを
決定。イスラエルによる占領が始まった67年の第3次中東戦争前の
境界線を基本に、独立国家パレスチナとイスラエルの共存を実現する
決意を確認した。その上で、和平交渉を再開・加速させることの
「喫緊の必要性」を表明した。

アッバス議長は昨年、国家としての国連加盟を申請したが、加盟審査を
行う安保理で拒否権を持つ米国が反対し、頓挫した。
そのため、安保理を経る必要がなく、総会で投票した国の過半数の
賛成で決議案が採択される「オブザーバー国家」を目指した。

パレスチナはこれまでも「オブザーバー機構」ながら、98年の総会
決議で、国連総会の一般討論への参加や、中東和平に関する
決議案の共同提出などの「特権」が認められてきた。
「国家」に格上げされた後も総会における権利関係に変更はない。

一方、「国家」としての地位が認められたことで、国際刑事裁判所
(ICC)に加盟し、イスラエルを戦争犯罪で訴えることが理論的には
可能になる。

だが、和平交渉の障害になるとして、日本など今回は賛成した
国の中にもICC加盟は控えるように求める声が多い。

 ■ことば
 ◇オブザーバー国家


国際法上で承認された国家ではなく、あくまで国連での
資格にとどまる。投票権はないが、国連やその機関
の討議に参加できる。また国際刑事裁判所(ICC)など
国際機関への加入が可能になり、国際社会での発言力が
強くなるなどメリットは大きい。
ほかに、バチカンのみがこの資格を所持している。

 

関連記事です。
パレスチナの「国家」格上げで起こり得る変化

[国連 29日 ロイター] 国連総会(193カ国)は29日、パレスチナの
国連でのオブザーバーとしての資格を「組織」から「ノンメンバー国家」
に格上げする決議案を賛成138、反対9、棄権41の賛成多数で
採択した。
今後、パレスチナは国連で「国家」としての扱いを受けることになる。

今回のパレスチナ自治政府の対応と決議が、ヨルダン川西岸と
ガザ地区に住むパレスチナ人約430万人にもたらす意味に
ついてQ&A形式でまとめた。


Q:「ノンメンバー国家」とは
A:パレスチナ自治政府の国連でのオブザーバー資格はこれまで、
「組織」だった。今回の決議採択で、バチカン市国と同様に
「国家」に変更される。スイスも10年前に正式加盟するまで、
ノンメンバー国家だった。

ノンメンバー国家は国連での発言がより重要な扱いを受けるが、
総会で投票することはできない。

また格上げによって、パレスチナは国際刑事裁判所(ICC)のほか、
国際原子力機関(IAEA)など国連の専門機関に加盟できるようになる。


Q:国連はパレスチナを主権国家として認めるか
A:国家承認は国家間で行われるもので、国連が承認を与えることは
できない。しかし、ノンメンバー国家の地位が与えられたことは、
加盟国の大多数がパレスチナ自治政府を独立国家と認めたということ。
伝統的には、国連への正式加盟によって主権国家として普遍的に
承認されたことになる。パレスチナは昨年、正式加盟を目指す動きを
見せたが、米国が安全保障理事会で拒否権を発動すると警告し、
失敗に終わった。


Q:格上げで何が変わるのか

A:状況は直ちに変化しない。ヨルダン川西岸は今もイスラエルの
占領下にあり、入植地建設も続くだろう。
しかし、パレスチナ側は格上げが「ゲームのルール」を変えるとし、
もはやイスラエルが西岸地区を「係争中の」領土と呼べないことを
意味すると主張している。境界線は最終的に決定されていないものの、
同地区はパレスチナ側に帰属しているとの認識が広がるだろう。

同じことが、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するガザ地区にも
当てはまる。ただ同地区ではパレスチナ人160万人が暮らしているが、
自治政府は事実上影響力を持たない。


Q:イスラエルと米国は報復するか
A:米国とイスラエルはパレスチナ側の決議案提出に反対し、直接の
和平交渉のみが独立を達成する道だとしている。

イスラエルは国連資格の格上げをパレスチナが求めることに
報復措置を取ると警告。自治政府の代わりにイスラエルが徴収する
税や関税の支払い保留を示唆している。

しかし、ガザ地区での戦闘があっただけに、イスラエルは外交的に
孤立したくないとみられる。欧州の同盟国などをはじめ、多くの国が
パレスチナ格上げを支持する中、イスラエルは報復の姿勢を
トーンダウンさせている。
ただ、パレスチナ側がICCへの加盟を
目指した場合、イスラエルは厳しい報復に出る可能性がある。
国連の外交筋は、ICCでパレスチナに提訴されることが、
イスラエルにとって大きな懸念だと指摘する。

一方、米国もパレスチナへの財政支援を停止すると警告。
パレスチナが国連機関に加盟すれば、米議会はそうした機関に
拠出しないよう求めるとみられる。米国は国連の一般予算
22%分を拠出しており、世界で最も多い。


Q:和平交渉への影響は

A:自治政府のアッバス議長は、国連での決議採択後すぐにでも、
2年にわたり中断しているイスラエルとの和平交渉を再開する
用意があると述べている。この提案は、交渉再開前に西岸地区と
東エルサレムで全ての入植地建設を停止すべきだという
前提条件を放棄することを示している。

欧州連合(EU)の多くの国はこうした変化を評価しているが、
イスラエルと米国はパレスチナの決議案提出が交渉再開に
水を差したとしている。

多くの欧米の外交官も、パレスチナがオバマ米大統領の再選から
数週間後に決議案を提出したことで、米国に和平交渉再開の
時間を与えなかったと批判している。

ただ、パレスチナによる決議案提出は和平交渉断念の言い訳には
ならないとも指摘している。


コメントです

パレスチナの「国家」格上げの話題です。


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2012年07月31日

アラファト議長に毒殺説浮上 謎を解く鍵は遺体の調査

アラファト議長に毒殺説浮上 謎を解く鍵は遺体の調査
(CNN)
2012 7 5
2004年に死去したパレスチナ自治政府の
ヤセル・アラファト議長(当時)の遺品から高濃度の
放射性物質ポロニウム210が見つかったが、専門家からは、
これだけではアラファト議長が「毒殺」されたと結論づける
ことは出来ないとの見方が出ている。謎を解く鍵は、遺族が
求めている遺体を掘り起こしての調査となりそうだ。

スイス・ローザンヌの研究所がアラファト氏の遺品から
放射性物質ポロニウムが検出されたことを明らかに
したことを受け、アラファト氏の妻スーハ・アラファトさんは
4日、遺体を掘り起こして調べるよう求めていると述べた。
パレスチナ自治政府も同日、遺族の承諾が得られれば
掘り起こしには反対しないと表明した。

検査はローザンヌの放射線物理学研究所が今年2月か
ら6月にかけ、スーハさんの依頼を受けて実施し、アラファト氏の
歯ブラシ、衣類、同氏のトレードマークだった白黒模様の
スカーフなどを調べた。その結果、高濃度のポロニウム210を
検出。特に衣類などに付着していた汗や血液などの体液から
検出された濃度が高かった。

ただ、同研究所の研究者は今回の結果について、これだけでは
アラファト氏が毒殺されたと結論付けることはできないと指摘する。

研究者は、アラファト氏の診療記録に記された症状がポロニウム
被曝(ひばく)の症状と一致しない部分もあるといい、
「この謎を解く唯一の方法は遺体を調べることだ」と話している。
スーハさんは「どのような結果であれ、真実を知る手がかりとして
重要だ」と語った。

放射性物質の検査は、最初の検査で一般的な毒物が検出
されなかったことから、遺族の要請で行ったという。衣類などは
8年前に遺族に返還されて以来、スポーツバッグに入れたままに
なっていたとされる。

米国の専門家によれば、ポロニウム210を保有しているのは
米国、イスラエル、ロシアなどごく少数の国のみ。アラファト氏が
毒殺されたと考えた場合、「容疑者」は絞られるといい、
「ポロニウムを使うとすれば、犯行を隠すのではなく公言する
意図があったとしか考えられない」という。

「わざわざポロニウムを使う理由が分からない。密かに誰かを
殺害したいのであれば、もっと好都合な薬物はいくらでもある」と
この専門家は話している。

一方、パレスチナ解放機構の幹部は、アラファト氏の暗殺を
疑う見方は以前からあり、パレスチナ人の大部分は暗殺説を
信じていると指摘、「私も個人的にこの説を信じる。
私は同氏と共にいて事態を目の当たりにしたが、確かに
不自然だった」と語った。

パレスチナ自治政府のアッバス議長はアラファト氏の死に
まつわる真実を解明するため、報告の内容を検証し、
アラブ諸国および各国の専門家の助言を求めるよう
調査委員会に指示した。

パレスチナ自治政府の当時の発表によると、アラファト氏は
血液疾患の治療を受けるためにフランスを訪れたが
同国の軍の病院で死去した。75歳だった。

コメントです
アラファト議長・毒殺疑惑の話題です。
8年も時間を経て、なぜ、今頃…
といった感もありますが、逆に言えば、
イスラエル対パレスチナのにらみ合いが
続くかぎり、両者は事あるごとに何かしらの
理由(いちゃもん)をつけて、扮装を再燃
せるのでしょうね。


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2012年07月29日

ガスマスクを受け取る子どもたち、イスラエル

ガスマスクを受け取る子どもたち、イスラエル
AFP=時事 7月28日(土)
20120728-00000014-jij_afp-000-1-view.jpg
イスラエルは、化学兵器や生物兵器から身を守るための道具や
ガスマスクを市民に渡す配布所を国内各地に開設した。(c)AFP

関連記事です。

イスラエル軍、市民にガスマスクの試験配布を開始

304.jpg
【2月28日 AFP】イスラエル軍は28日、化学兵器や生物兵器攻撃に
対する備えとして市民にガスマスクの試験配布を開始した。
AFPの取材に応じた広報担当の軍高官によると、テルアビブ
Tel Aviv)近郊のオル・イェフダ(Or Yehuda)の住民に対し、
郵便局を通じて試験的にガスマスクを配布する。
「今回の配布計画で見つかる課題や政府の決定に従って、
国民全体への配布に拡大する」方針だ。
イスラエル政府は5日、2013年までにイスラエル国民1人に
つき1個のガスマスク、計約800万個を配布することを決定した。

同政府は、イランまたはシリアとの衝突が発生した場合、
自国に対し化学兵器や生物兵器を使用される可能性を
長年懸念しているが、今回の配布は特に差し迫った脅威に
よるものではないとしている。

アラブ国家に囲まれるユダヤ国家であるイスラエルは近年、
いくつかの大規模な防衛演習を行っており、前週もレバノン
またはシリアを想定した仮想軍事演習を行ったばかり。
また前年10月には米軍と共に、ミサイル攻撃を想定した
過去最大の合同防空演習を行った。

イスラエル軍による2006年のレバノン侵攻の際、
レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラ
Hezbollah)は34日間の戦闘で、イスラエル北部に
対し4000個を超えるロケット弾を発射し、イスラエル側の
住民数万人が南部への避難を余儀なくされた。(c)AFP


コメントです
今回のイスラエルのガスマスクの配布
は、
表面上は、中東情勢、特にシリアが不安定な
ことの理由による措置だと思いますが、
真の目的は、国民への危機管理に対しての
啓発を促すものでしょう。
いずれにしても、日本国内在住中の感覚では、
現地の日々の暮らしに関しての危険度を
想像することは無理でしょう。
その観点から見ても、今日の話題は興味深い
内容です。

posted by salsaseoul at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東