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2015年09月11日

(難民 世界と私たち)「人権とは」EU紛糾 難民16万人割り当て案発表

朝日新聞 2015年9月10日

201509101.jpg

欧州連合(EU)は9日、紛争地のシリア、イラクな どからの難民
計16万人を今後2年間で加盟国に割り当てる案を発表した。
7月に4万人で合意していたが、その後の難民らの殺到に
対応して12万人を上積みした。中・東欧各国は義務づけに
反発しており、議論の紛糾は必至だ。一方、豪州や南米各国は
欧州に連帯して難民の受け入れを表明。国連は、アジアを含めた
各国に公平な分担を求めている。

今回の12万人の内訳は、ドイツに約3万1千人
(7月合意分と合わせて約4万2千人)、フランスに約2万4千人
(同約3万1千人)など。EUの行政を担う欧州委員会が人口や
経済規模に応じて定めた。欧州の「玄関口」となり、すでに多くの
難民らが入国しているギリシャとイタリア、ハンガリーは対象外だ。
また英国、デンマーク、アイルランドは以前からEUの
移民政策の
適用除外が認められており、含まれない。

EUには、難民申請者が最初に到着した国が認定手続きを
する規則があり、難民への対応は各国任せだった。
「割当制」は、これまでの難民対策を大幅に改めるものとなる。

各地で混乱は続いている。ロイター通信によると、デンマーク
当局は9日、ドイツとの間を走る国鉄の国際列車の運行を
停止した。「国境での例外的なパスポート検査のため」と
している。ドイツに通じる道路も閉鎖した。難民保護が
手厚い隣国スウェーデンでの難民申請を希望する数百人が、
ドイツ方面から北上していたという。

 (ブリュッセル=吉田美智子)

 ■義務化に中・東欧反発

「EUと加盟国が協力し、大胆で決定的な行動をとる時だ」。
9日、仏ストラスブールの欧州議会。ユンケル欧州委員長が
演説で訴えると、拍手が起きた。「難民のための連帯」と
記した紙を手にした議員もいた。

前日、ドイツのメルケル首相は記者会見で「世界が我々を
見ている」と強い口調で語った。「『遠い国のシリアなんて自分には
関係ない』とは言えないはずだ」。東欧各国の反対が念頭に
あったのは明らかだ。

会見にはスウェーデンのロベーン首相が同席していた。
2013年9月、同国に逃れたシリア人に永住権を与えると
発表、難民受け入れの先陣を切った国だ。

ドイツの難民受け入れの背景には、労働力としての期待も
あると指摘される。

だがメルケル氏がいま強調するのは、「保護すべき人は
保護するのが欧州の伝統」という持論だ。
受け入れに積極的な国々には、難民問題は「人権」という

欧州共通の理念に関わるテーマだ、との認識がある。

この点で、西欧と東欧の考えの違いはあらわだ。ハンガリー
のオルバン首相は「彼らが欧州に来るのは、我々と同じ
レベルの生活を望むから」と発言。紛争地出身でも
「就労目的の不法移民」とみなす考えだ。

遅れてEUに加盟した東欧各国。自国民もよりよい生活の

ため、豊かな西欧各国へ移っている。「西欧を目指す難民を、
なぜ我々が受け入れなければならないのか」という思いは強い。

難民の受け入れには経済的、社会的に大きな負担が
予測される。欧州委は受け入れ国に補助金を出す一方、
正当な理由なく受け入れを拒否した場合は、国内総生産
(GDP)で最大0・002%分の「EU予算への財政的な貢献」を
求めるという「アメとムチ」で臨む方針だ。

 (ベルリン=玉川透、ブダペスト=喜田尚)

 ■豪・南米、受け入れ表明続々

欧州以外の各国も、相次いでシリア難民の受け入れを表明
している。まず手を挙げたのは、これまでも多くの難民や
移民を受け入れて国造りをしてきた国だ。

 オーストラリアのアボット首相は9日、シリア・イラクの紛争に
よる難民を新たに1万2千人受け入れると発表した。
「迫害された少数派の女性、子供、家族」に焦点を当て、豪州
政府のチームが現地入りして対象を決めるとしている。

中東戦争を逃れた人々などの大きなコミュニティーがある
ブラジル。ルセフ大統領は7日、独立記念日のメッセージで
「ブラジルは多様な国籍の人々が集まり、平和に暮らす国だ」と
演説。「両腕を広げて難民を迎え入れる」と述べた。

ベネズエラは2万人の受け入れを表明、チリは100家族の
保護を打ち出した。アルゼンチンも協力的だ。

カナダでは8日、ブリティッシュコロンビア州のクラーク首相が
シリア難民の受け入れに向けて100万カナダドル
(約9千万円)を支出すると表明した。

 (シドニー=郷富佐子、ボゴタ=田村剛)

 ■日本、シリアの難民申請60人 認定は3人のみ

国連で人口移動問題を担当するサザーランド事務総長
特別代表は8日、難民申請者への対応について、「すべての
国は公平に分担する義務がある」と述べた。米国やカナダ、
南米などと合わせて「極東アジアも含む」と述べた。

日本のNGO「難民支援協会」(JAR)によると、シリアから
日本に入国して難民申請したのは60人(10年〜14年11月)。
そのうち、難民と認定されたのは3人だけだ。

ドイツでは今、シリアから逃れた人はほぼすべて難民と
認定されている。だが日本で難民と認められるのは、
難民条約が定める「人種や宗教、政治的な理由などで
迫害される恐れ」がある人のみとされる。内戦が起きている
地域から逃れてきたというだけでは難民と認定されて
いないのが現状だ。



コメントです 
欧州の難民割り当ての話題です。
しかし、シリアについてですが、
例の砂漠の武装勢力に支配された
ことによって、もしかしたらネイティブ
シリア国民が皆無となるかもしれません。
大変な事態です。
もちろん、ヨーロッパ各国もそれぞれの
立場や経済事情、それに国民感情が
異なるうえでの今後の移民受け入れ活動
となるわけですから、「大変」のひと言に尽きます。



posted by salsaseoul at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2015年09月05日

英国、難民数千人規模で追加受け入れ、キャメロン首相が表明

産経新聞 2015.9.4


シリアなどから多くの難民が欧州に押し寄せている問題で英国の
キャメロン首相は4日、数千人のシリア難民を新たに受け入れる
方針を表明した。滞在先のポルトガルでの記者会見で語った。
キャメロン氏は難民受け入れに消極的な姿勢を見せていたが、
ハンガリーで広がる混乱やトルコの海岸 に漂着した男児の遺体に
関する報道を背景に、英国も難民を受け入れるべきだとの声が
国内で強まっていることに配慮した形だ。

英国は5千人を受け入れる計画を進めていたが、今回の追加で
規模は計1万人前後になる見込み。対象は既に欧州に入った
難民ではなく、シリアの国境付近など にある国連の難民キャンプで
暮らす人に限定される。また、アイルランドのフィッツジェラルド
司法・平等相も4日、新たに少なくとも1800人の難民を
受け入れる方針を明らかにした。(共同)

関連記事です。
「欧州全体で責任分担を」難民問題で独首相


ドイツのメルケル首相は31日、ベルリンで記者会見し、欧州に
押し寄せる難民や移民が急増している問題について
「欧州全体で動き、各国が責任を分かち合わなければならない」と
述べ、受け入れの公平分担を求めた。

メルケル氏は、オーストリアで保冷車から難民ら71人の遺体が
見つかったことについて「われわれの想像を超える残虐行為だ」と
非難。今年中に約80万人の難民申請が予想されるドイツでは、
受け入れを判断する時間の短縮が必要だとした。

ドイツ国内では難民排斥の動きがある。メルケル氏は
「人の尊厳を軽んじる者は容赦しない。彼らの心には冷たさ、
憎しみが宿っている。(難民排斥の)デモを呼び掛ける者に
従ってはならない」と国民に呼び掛けた。(共同)


コメントです。
欧州の難民受け入れに関しての記事です。
特にドイツは、ギリシャの支援だけでも
大変なのに、今後難民の受け入れによる
さらなる負担増加が危ぶまれています。
やはり地学的に、陸続きの国境を持つ国々
(世界中でほとんどですが)は大変ですね。
日本も、「対岸の火事」的な傍観者として
安心せず、今後も世界情勢に照らし合わせて
十分なリスク管理及び政策を取る必要が
ありますね。


posted by salsaseoul at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2015年08月15日

売買春合法化を「支持」=国際人権団体の決定が物議

時事通信 8月15日(土)

 【ロンドン時事】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル
(本部ロンドン)が、売買春の合法化を支持する方針を決定した。

性労働者の人権保護につながるという趣旨だが、反対派からは
「(人権団体としての)信用性に傷が付いた」と批判の声が
上がっている。

アイルランドのダブリンで11日に開かれたアムネスティの総会には、
70カ国から約400人の代表が出席。売買春のほか、売春あっせん、
売春宿の経営を 含む「合意の下での性労働に関わる行為」について、
全面的に合法化すべきだとする決議を賛成多数で採択した。
シェティ事務局長は「性労働者は世界で最も軽視された職業集団で
あり、差別と暴力、虐待の危険に常にさらされている」とし、合法化を
目指す意義を強調した。
世界中に700万人の会員・支持者を有し、国際的な発言力を
持つアムネスティの今回の動きに対しては、他の人権団体や
女性団体から非難が殺到。米拠点の NGO「女性の売買反対連合」は、
総会に先立ち「搾取される者を守るために搾取する側を合法化
するのは、筋が通らない」と批判する公開書簡を出し、
米女優 メリル・ストリープさん、英女優ケイト・ウィンスレットさん
ら多数の有名人も署名した。 

コメントです。
アムネスティ・インターナショナル、
なかなか思い切った発言にでましたね。
しかし、売買春を合法化して性労働者の人権保護を
する趣旨は古くからある意見で、実際に欧州では
売春合法の国も多数あります

よって、売春が合法か非合法かの判断は、最終的には
各国家の法律に委ねることになります。



posted by salsaseoul at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2015年07月31日

(世界発2015)ナチスに拉致され、揺れた半生 ポーランド人男性語る


朝日新聞 2015年7月29日

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トバルデツキさん=6月、ワルシャワ、玉川透撮影

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養子になって間もない頃のトバルデツキさん=「ぼくはナチにさらわれた」
(平凡社刊)から

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ドイツの家族。右が養父=「ぼくはナチにさらわれた」(平凡社刊)から

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ポーランドの実母(左)と、その2番目の夫=「ぼくはナチにさらわれた」
(平凡社刊)から

 第2次大戦中、ナチス・ドイツは「金髪・碧眼(へきがん)(青い目)」の
子供たちを他国から連れ去り、ドイツ人にしようと企てた。
「レーベンスボルン(生命の泉)」計画と呼ばれ、被害者は
数十万人にのぼるともいわれる。戦後70年の今、ポーランド人の
被害男性が拉致に翻弄(ほんろう)された半生を語った。

 ■4歳でドイツへ、養子に 16歳、実母に再会し「帰国」

「子供の出生に秘密があるなら、それを早く教えてあげるべきだ。
遅れるほどショックは大きい」

ワルシャワ市内の自宅で6月、ポーランド人の
アロイズィ・トバルデツキさん(77)は、数奇な半生を語り始めた。

独西部コブレンツの公務員家庭での暮らしが変わったのは、
終戦まもない1948年、11歳の頃のことだった。
当時の名前は「アルフレート」。学校 から帰宅すると、父母と
祖父母が暗い表情で待っていた。尊敬する父がこう言う。
「アルフレート、ポーランドのお母さんから、手紙が届いている」

自分が実子でないことは知っていた。幼い頃、養子縁組が
決まるまで預けられていた孤児院に、養父が引き取りに
来てくれた時のおぼろげな記憶もあった。
だが、実父はナチス親衛隊の高級将校で戦死し、実母は
出産時に亡くなったと聞かされていた。

「自分がポーランド人なんてあり得ない。ナチスの宣伝の
影響で、『ポーランド人は汚い、人間以下』と思い込んでいた」

ナチスの「生命の泉」計画は、周辺国から金髪・碧眼の
子供を誘拐し「ドイツ人孤児」として教育し、子供の
いないドイツ人家庭の養子にさせるというものだった。
戦後、国際機関などが拉致被害者の身元の特定を
試みたが、ナチスが子供の名前を変えたり、戸籍を
改ざんしたりしたため、作業は難航した。

トバルデツキさんの場合は、一緒に誘拐された7歳年上の
いとこが「アルフレート・ハルトマン」というドイツ名を
覚えていたことが身元判明のきっかけになった。だが証明は
難しく、トバルデツキさんは自分はドイツ人だと信じ続けた。

ポーランドの実母を再び意識するようになったのは16歳の
夏休みだった。育ての母はがんで亡くなり、養父は再婚。
「ポーランドに遊びに来ないか」 という実母の誘いに、
思春期の心が揺さぶられた。「息子ではない」と告げる
つもりでポーランド西部に赴いた。駅のホームに迎えに
きていた実母の目を見た瞬 間、我を忘れた。
「天使のように優しかった。私と同じ青い目だった」。
2週間後、ポーランドにとどまる決心をした。

 ■東西冷戦下、養父が病に 会えぬまま、届いた悲報

実母が再婚したポーランド人男性も、トバルデツキさんを
温かく迎えてくれた。4歳でナチス親衛隊に汽車に
乗せられ、孤児院に入れられた記憶が徐々に
よみがえった。
3人で暮らすうち、ポーランド人への偏見は消えていった。

だが、「ドイツ人」の自分も捨てきれなかった。
惜しみない愛情を注いでくれたドイツの家族を
恨む気にはなれなかった。

19歳の時、疎遠になっていた養父から長文の手紙が

届いた。「私は決して(ナチスの)犯罪に加担していない。
おまえにだけは信じて欲しい」

2年後、養父が病に倒れたと知り、トバルデツキさんは
ポーランド政府に西独に行くためパスポートの発給を
申請した。だが、東西冷戦のさなかで約60回に及ぶ
申請は却下。国際電話もつないでもらえず、悲報が届いた。
養父の手紙も盗まれた。「秘密警察の仕業」だと思っている。

トバルデツキさんはポーランドでしばらく出自を
明かさなかった。秘密警察を恐れたからだ。
自伝「ぼくはナチにさらわれた」(平凡社ライブラリー、
足達和子訳)を出したのは69年。各国で翻訳され、
ナチスによる拉致被害が広く知られるようになった。

戦後70年の今年1月、実母は101歳で他界。
トバルデツキさんも数年前から体を壊している。
「生命の泉」計画の生き証人は年々、少なくなっている。

 (ワルシャワ=玉川透)

 ■金髪・青い目の子狙う 「優秀な国民」増やす目的

ナチス総統のヒトラーから秘密組織レーベンスボルンの
全権を委ねられた親衛隊長官のヒムラーは、独国内で
優秀とされた青年男女を集めて組織的に出産を進めたほか、
周辺各国から金髪・碧眼の幼児ばかりをさらって
ドイツ人化した。「優秀な国民」を増やす目的だったという。
ナチスは、アーリア人が世界で最も優れた民族で、
その特徴が金髪・碧眼だと考えた。

トバルデツキさんの自伝を日本語に翻訳した足達さんに
よると、子供の連れ去りは40年代初めから欧州各地で
行われた。最終的に500万〜600万人をドイツ人化
する計画だったという。被害者数は、50万人にのぼると
いう説もあるが、実態は不明だ。

ベルリン自由大学のクリストフ・コッホ教授は「出自が
分かってもナチスの思想に染まり、親元に戻ることを
拒否した子が多かった」と語る。ポーランド政府は自国の
被害者を20万人と推計しているが、ドイツ側は2万人と主張。
西独で身元が判明したポーランド人被害者は約1万人で、
本国に送還された。



レーベンスボルン(ドイツ語: Lebensborn)は、
ナチ親衛隊(SS)が設置した母性養護ホーム、
福祉機関。ドイツ民族の人口増加と「純血性」の確保を目指した。
生命の泉」または「生命の泉協会」と訳されることが多い。


第一次世界大戦以降、1920年の894,928人から、1932年の
512,793人へと、ドイツの出生率は激しく落ち込んだ。
男性の戦死によって、200万人以上の女性が夫ないし
夫となるべき男性を失ったためと考えられる。また、当時、
第一次大戦後の世界恐慌による生活苦などのための堕胎が
流行し、60万から80万(1937)もあり、出生率を越える、
と見積られた。

そこで、1934年3月、ナチス福祉局(NSV)は、母子援助制度を
創設し、経済支援を行った。ドイツ児童手当制度
(Das Deutsche Institut für Jugendhilfe e.V.)は、
父親が養育費を払えない子供たちの世話に当たった。

1935年12月、SS長官兼ドイツ警察長官ハインリヒ・ヒムラーは、
未婚の母と子のために、ベルリンに「生命の泉」
(Lebensborn)協会を創設した。この協会は親衛隊の
本部のひとつであるカール・ヴォルフの「親衛隊全国
指導者個人幕僚部」の管轄下だったが、自立運営され、
SSと無関係の母子も利用でき、「民族的義務」として
SS兵士からの寄付でまかなわれた。

1936年8月15日、「生命の御泉」協会は、最初の生活保護
施設「高地荘」を、バイエルン州エーベルスベルク郡の
シュタインヘーリンクに開設した。この住宅には、母親の
ための30床と子供のための55床があり、1940年までに
倍増され、SS医官グレゴール・エープナー
(de:Gregor Ebner)が担当した。しかし、ここに収容
されるためには、SSと同様の人種的、係累的な条件を
満たすことが求められるようになった。

これに続いて同協会の生活保護施設が国内外の各地に
次々と創設された。

なおフィクション作品(後述)の中には、レーベンスボルンが
ナチズムの人種思想に基づく特別な施設であるような扱いを
している場合があるが、上記のようにレーベンスボルンは
SSの福祉施設であるため、SS隊員と同様の人種条件が
施設利用者である母や子にも課せられたことによっている。

子供達のその後

彼らはその親たちが手を染めた戦争犯罪には無関係で
あるが、第二次世界大戦後、親の世代の犯罪が暴かれる
ことによって非難され、彼ら自身の出自を意識するように
なった。1960年代に青春期と成年期に成長するとともに、
彼らは罪の意識を感じ社会に拒絶された親たちを恥じた。

コメントです
第一次世界大戦以後のドイツ・ナチスによる
優性政策記事です。
しかし、ここでもやはり決定条件は『見栄え』ですか。
ここ、数年、日本でも大流行のワード『イケメン』も、
基本思想は似たようなものかもしれませんね。





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2015年07月14日

ギリシャ支援条件合意 EU側、改革の法制化要求 ユーロ離脱、ひとまず回避

朝日新聞 2015 7 14
財政危機に陥ったギリシャへの支援を協議する欧州連合(EU)の
ユーロ圏首脳会議は13日、新たな支援交渉を始めることで
原則合意した。ただし、ギリシャが一部の財政改革を15日までに
法制化することなどが条件となっている。ギリシャがユーロから
離脱し、世界経済が混乱する恐れはひとまず遠のいたが、
当面、綱渡りの状態が続く。

首脳会議は声明文で「ギリシャ政府との信頼を再構築することが
不可欠だ」と強調。新たな支援交渉を始める条件として、
15日までに付加価値税(消費税に相当)や年金などの
制度改革を法制化することを求めた。条件が満たされたと
確認されたら、他の国は国内手続きに入る。

新たな支援総額は、820億ユーロ(約11兆1520億円)から
860億ユーロと試算。債務の返済や銀行の資本増強のために、
500億ユーロ相当の国有資産を国内に設立する基金に移し、
売却・民営化することも合意された。
電力公社や地方空港が候補になるとみられる。

一連の厳しい条件は、改革案を確実に実行するよう求める
ドイツやフィンランドなどの声に応えたものだ。ギリシャは
一部で抵抗したものの、ユーロ離 脱を避けるため、
最終的にはほぼ全てをのまざるを得なかった。
チプラス首相は会合後、「財政の窒息状態から抜け出る
ためにはやむを得ない決断だった」と 語った。

一方、声明文には「ギリシャの債務の持続可能性に重大な
関心がある」との文言が盛り込まれた。ユーロ圏各国は、
ギリシャの債務の返済期限の延長などを検討する
準備があるとした。

交渉開始の一連の条件には、ギリシャ国内からすでに
「屈辱的だ」などの声があがっており、国会審議は難航も
予想される。15日の期限まで、今後も予断を許さない
状況が続く。

首脳会議での合意を踏まえ、欧州中央銀行(ECB)は
13日の緊急理事会で、ギリシャの中央銀行を通じて
同国の銀行に供給する資金の上限を据え置いた。
13日までの予定だった銀行の窓口閉鎖は、
15日まで続く見通しになった。

すでに国際通貨基金(IMF)への返済が遅れている
ギリシャだが、20日にはECBが持つ35億ユーロの
国債の償還期限を迎える。これが返せなければECB
からの資金供給が止まる恐れがあり、13日のユーロ圏
財務相会合は短期的な資金繰り策を協議する見通しだ。

 (ブリュッセル=吉田美智子、寺西和男、アテネ=山尾有紀恵)


関連記事です。
ギリシャ危機 「借金」を返さなくても許される社会


欧州連合(EU)が求める財政緊縮案の是非を問うギリシャの
国民投票は、反対派が賛成派を大きく上回った。
チプラス首相は「民意」を盾に、EU側と 強硬姿勢で再協議に
入る意向を示したが、交渉は難航が予想される。
万事、度を越すなかれ。「借金」を踏み倒そうとするギリシャ人よ、
古(いにしえ)の賢者 の言葉をいま一度、思い出せ。

 ギリシャがついに破綻した。急進左派連合シリザ政権の誕生から
始まったギリシャ危機であるが、最悪の結果となってしまった。
ギリシャは2012年の救済合意により、年金改革と公務員
リストラを中心にした緊縮財政をとってきた。
しかし、もともと産業の脆弱(ぜいじゃく)な国家であり、
これがギリシャの貧困化 を招いたのである。

 この国民の不満に付け入ったのがシリザであり、年金受給を
従来通りに戻す▽解雇した公務員を復職させる
▽公的企業の民営化は行わない
▽低所得者への給付を増やす−という「配る」政策を掲げ、
その財源は債権者との交渉やドイツからの戦後賠償などで
賄うとしたのである。

それを国民が支持し、政権交代が実現したのだが、このような
政策を他国が当然認めるわけもなく、財政面から行き詰まった
というのが今回の結果だといえる。

モラルハザード悪化

そして、今回のギリシャ危機の最大の問題点は、国民の
モラルハザードの悪化である。もともと労働意欲と倫理観が低く、
産業基盤も脆弱なギリシャだが、極左政権の誕生で、
これがさらに悪化した。

「借りたものは返さなくてはいけない」。
これは当たり前の道理であるが、ギリシャでは通用しない。
ただでさえ、「働いたら負け、返したら負け」の風潮が
強い国である。11年にギリシャを訪れた際、アテネ空港で
自分の荷物が回転台に出てこなくなるロストバゲージに
見舞われ、クレームをつけてもまともに対応し ようとしない
職員や、航空会社から保証を得るのにもひと苦労した
覚えがある。これもギリシャの国民性なのだろう。

当時は地元の商店も最悪 の状況だった。
たばこはあって1銘柄、ジュースなども1、2銘柄しかなく、
商品棚はガラガラでモノがない。外資などが経営し、
品ぞろえがしっかりした チェーン店に客を奪われたものと
思われるが、アテネ五輪とユーロ加盟を機に、ギリシャにも
海外の大手チェーンが参入し、それがギリシャの脆弱な
地元産業を崩壊させてしまったのである。

観光産業を見ても、海外資金が潤沢に手に入るミコノスなど
外国人観光客向けの島や施設は他の欧州諸国と変わらないが
、それ以外の地域は開発途中のリゾート案件が雨ざらしに
なっており、建設中の建物や売り物件だらけの状態だった。
バブルの爪痕といえばその通りなのだが、問題はその後の
対応といえるのであろう。

また、港は役人とつるんだえたいのしれない人々が
支配しており、ヨットの係留には役人への支払いとは
別にチップを要求されるありさまだった。そして、
その役人たちも給料が払われていないので、係留代を
給料代わりに充てていたというのである。また、有料道路も
同様で、給料がもらえないから料金の着服が横行して
いたらしい。これでは公共事業の採算が合うわけがない。

人道に対する犯罪

 こうした国内情勢に、シリザの選挙公約がギリシャ危機に
さらなる拍車をかけている。シリザは低所得者向け融資の
差し押さえを許さないとしており、借金を払わなくても
差し押さえを免れる。そのため、低所得者は払える払えない
にかかわらず、借金を払おうとしないのである。

そして、これは個人の問題だけではない。国や地方公共団体
までも公共事業の代金を支払わず、受注企業も下請けや
従業員に代金や給料を払えない状態になっており、
これを手形のジャンプ(日付だけを先送りする)で
ごまかしている状態なのである。

要するに「借金」を返さなくても許される社会が既に
成立しているのである。これがギリシャの現実であり、
社会であり、文化なのだろう。

最後にギリシャ財務大臣の言葉で締めたいと思う。
「最も破綻した国に史上最大の融資を行うことは、
人道に対する犯罪である

コメントです 
ひどいですね。
古代・[スパルタ]の語源が泣きますね。





posted by salsaseoul at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2015年07月12日

(世界発2015)虐殺20年、真の終止符いつ ボスニア・スレブレニツァ、犠牲7000人超

朝日新聞 2015年7月9日

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スレブレニツァ。中央に見えるイスラム教のモスクの尖塔(せんとう)と、
右上のセルビア正教の教会が共存する

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ポトチャリ記念墓地で夫ユヌスさんの墓に手をかけ、黙想するハリア・チャティッチさん

1992〜95年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期に同国東部
スレブレニツァで起きた虐殺事件から、11日で20年になる。
いまだ遺体が発見されない犠牲者もおり、紛争の傷は癒えない。
短期間に7千人以上のボシュニャク系住民がセルビア人勢力に
殺された事件をめぐり、加害側が虐殺事実を認めた後も論争が
続いている。

 ■遺体捜索、ますます困難に

セルビア国境に近い山あいの町スレブレニツァから北に約5キロ。
白い墓標が並ぶポトチャリ記念墓地で、ハリア・チャティッチさん
(70)は、52歳で虐殺の犠牲になった夫ユヌスさんの墓の脇に
立ち、1人分空いた隣の地面を指した。

 「できるだけ早く、ここに息子を埋めてあげたい」

当時26歳だった長男のニハドさんの遺体はまだ見つからない。
セルビア人勢力がスレブレニツァに突入したのは95年7月11日。
ニハドさんは最後まで郵便局にこもってサラエボのラジオ局を
通じ外部に無線で戦況を伝える仕事をしていたが、家にかけ戻り、
ハリアさんとユヌスさんに逃げるように言って姿を消した。

セルビア人勢力は、かつてモスレム人と呼ばれたボシュニャク系
住民から男性だけを引き離し、山中で次々銃殺した。
ハリアさんは夫婦で国連平和維持部隊の基地があった
ポトチャリに逃げたが、ユヌスさんはそこで連行された。

虐殺の犠牲者の遺体はまとめて地中に埋められたあと、発覚を
防ぐためさらに分散して埋め直された。2000年代半ばから
DNA鑑定で身元確認が進み、これまでに6241人が記念墓地に
埋葬された。ユヌスさんの遺体は国境近くの集団遺棄現場で
見つかり、05年に埋葬された。

ニハドさんの手がかりは今もない。発見された遺体の身元確認
方法は確立される一方、肝心の遺体の捜索はますます困難に
なっている。数十〜数百人の集団遺棄現場の捜索が一段落し、
小規模な遺棄現場ばかりが残されたからだ。

山を通って脱出を図ったニハドさんが最後に目撃された場所は
最近まで地雷が除去されず、本格的な捜索ができていない。

ハリアさんは事件後、約90キロ離れたツズラで暮らし、01年に
町に戻った。夫が連れ去られた現場で男性住民をより分けて
いた地元警察官に対する裁判が行われ、目撃者として証言した。
しかし被告は間もなく逃亡し、裁判は中断した。

紛争前のスレブレニツァの人口は3万7千人。7割を占めた
ボシュニャク系住民が町を去り、今は7千〜9千人と推定される。
避難民の帰還は99年から始まったが、町の経済は立ち直らず
雇用に乏しいため、定住できたのは高齢者だけだ。

紛争後、国はボシュニャク系とクロアチア系が中心の
「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」と、セルビア系主体の
「セルビア人共和国」という二つの構成体に分かれた。
スレブレニツァはセルビア人共和国の管轄下。
歴代、ボシュニャク系が市長を務めるスレブレニツァ市当局と、
開発の許認可を持つ共和国政府との関係は微妙で、
それが復興を妨げている。

ハリアさんはもともとセルビア系住民の友人が多い。
「町の先行きが見えず、苦しんでいるのはセルビア系住民も
同じだ」と話した。

 ■被害と加害めぐり続く論争

今年4月半ば、セルビア人共和国のドディック大統領が
突然スレブレニツァを訪れて記念碑に花を手向け、
「大きな犯罪が行われたのは事実。すべての犠牲者に
哀悼を捧げる」と語った。

ドディック氏は強硬派のセルビア系政治家。スレブレニツァの
虐殺について、国連の旧ユーゴスラビア国際刑事法廷は
特定民族の抹殺を図った「ジェノサイド(集団殺害)」だと
認定したが、その見方をかたくなに拒否してきた。
そのドディック氏の訪問を、ドゥラコビッチ市長は
「歴史的だ」とたたえた。

だが、期待は裏切られた。20周年が近づくと、ドディック氏は
「ボシュニャク系の被害者はもっと少ない。スレブレニツァ
周辺ではセルビア系住民もボシュニャク人勢力に殺された」と、
再び声高に持論を訴え始めたからだ。

セルビア人共和国の強硬派も、国際法廷で
「事件を防げなかった」とされた隣国のセルビア政府も、
虐殺の事実は認めている。セルビア議会は10年、
自国の責任を認める決議を可決した。

ただ、セルビア政府は「全セルビア人に罪を負わせることになる」と
してジェノサイドと規定することを拒否。世論には「紛争全般を通じ、
セルビア系住民の被害が過小評価されている」という思いも強い。

6月、スイスで虐殺をめぐるシンポジウムに参加した
スレブレニツァ市代表団の元ボシュニャク系勢力司令官が
セルビア検察の逮捕状にもとづいて拘束される事件が起きた。
市のハジッチ司法問題参与は「記念日の前には必ず
政治的なゲームが行われる」と嘆く。

ボスニア・ヘルツェゴビナ下院に5月、紛争中の
「すべての側へのすべての犯罪行為」を非難する決議案が
提出された。だが、スレブレニツァの事件をジェノサイドだとしており、
セルビア人共和国の議員らが欠席して否決された。

ボシュニャク系のミルサド・メシッチ議員は「スレブレニツァの
虐殺がジェノサイドだったことは、戦争の真相にかかわる問題」
という。ただ「決議案を出したのは和解のためだ。可決されれば、
戦争に終止符が打てたのに」と悔やんだ。
(スレブレニツァ=喜田尚)

 ◆キーワード

 <ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争> 
1991年6月にスロベニア、クロアチアの独立宣言を機に
始まった旧ユーゴスラビア連邦解体の過程で、
ボスニア・ヘルツェゴビナは92年からボシュニャク、セルビア、
クロアチア系の主要3民族勢力間の紛争に突入した。
スレブレニツァは国連の「安全地帯」に指定されていたが、
95年7月11日にセルビア人勢力が制圧。約10日間で
少年を含むボシュニャク系住民の男性7千人以上を殺害した。
和平協議は同年11月に米デイトンで行われ、12月に英仏独、
ロシアの首脳も立ち会う中、パリで和平合意に署名、
紛争は終結した。


関連記事です。

バルカン半島は何でヨーロッパの火薬庫と呼ばれたのですか?


ひとつには、バルカン半島には主導権を握るだけの民族がなく
細分化されていることが理由です。

近代に入ると西ヨーロッパの影響で民族自決の機運が高まりました。
しかし、近年ユーゴスラビィアがスロバニア・クロアチアなどに細かく
分裂しても、なお居住区が入り乱れて戦争が起きたように、
民族ごとに国の境界線をひくことはできません。

また、複数の民族がまとまって一つの国を作ろうにも少数民族は
当然拒否します。

結局、常に紛争が燻り続けることから言われるようになりました。
次に、周囲の大国の陣取りゲームがあります。
元々は多くがトルコの支配下にあったバルカン半島において、
トルコの支配力低下と共に国民国家の概念がもたらされ、
ギリシア正教やスラヴ民族主義の関係を利用してロシア帝国が
この地域へ勢力を伸ばそうとしたことで、ロシアとオーストリア、
トルコの対立が先鋭化します。

1908年には青年トルコ党の革命によってトルコで「汎トルコ主義」
(トルコ系の民族でデカい国作ろうぜ思想)が推進され、他方
「汎ゲルマン主義」」(ゲ ルマン系の民族でデカい国作ろうぜ思想)の
オーストリアがセルビア系住民の多いボスニア・ ヘルツェゴヴィナを
併合し、これに反発したバルカン諸国がロシア帝国の後ろ盾で
「バルカン同盟」を結成し、トルコと戦争を開始します。

1912年に始まったこのバルカン戦争にはギリシアもブルガリアも
参加し、1913年にはロンドン講和会議で戦争は終結しましたが、
火種は残ったままとなったのです。

民族で細分化されたバルカン半島が細かい紛争で燻る一方、
あるときいずれかの大国が全てを飲み込んで欧州の
パワーバランスが崩れかねない。
ゆえに「ヨーロッパの火薬庫」なのです

コメントです
久しぶりにバルカン半島の話題です。





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(ギリシャショック)ギリシャ、銀行破綻懸念 窓口閉鎖延長、引き落とし増

朝日新聞 2015年7月10日


20150712-1.jpg
<銀行前に警官> 現金を引き出したばかりの人を狙う犯罪に備え、銀行前で警備する
警察官=9日午前、アテネ、矢木隆晴撮影


ギリシャで銀行破綻(はたん)への不安が広がってきた。
欧州連合(EU)側との支援交渉は12日が期限。
銀行の窓口閉鎖は9日も続いた。口座引き落としで高額なタブレット
端末や自宅用金庫を買う人が増加。危機拡大を警戒する米国や
国際通貨基金(IMF)はギリシャの債務減免に向け、EU側への
圧力を強めている。

 ■市民、モノに変え自衛

ギリシャ政府は8日、銀行の窓口閉鎖を13日まで続けると決めた。
2度の週末を含めて計15日間。ATMで1日60ユーロ(約8千円)
限りの引き出しを求める行列や高額の買い物は、銀行不信の表れだ。

アテネ市内の電器店を訪れていた銀行員のサノスさん(33)は
銀行が破綻するとみる。
「預金カットは間違いない」。預金はほぼ引き出したが、口座の
残高を少しでも減らすため約140ユーロのパソコン関連商品を
カードで買った。知人の企業経営者からは、ネット経由で預金を
取引先の口座に移したと聞いた。

「iPad(アイパッド)」などタブレット端末や携帯電話をカード払いで
買う人も増えている。
電器店の店員は「お金を失う前にモノに変えようとしているようだ」。
大半は口座からの即日引き落としだ。

欧州中央銀行(ECB)の昨年10月の調査では、ギリシャの主要4行の
うち3行が資本不足。預金流出はさらなる痛手だ。
ギリシャの中央銀行によると、個人と企業をあわせた国内の
預金残高は、5月時点で1299億ユーロ(17兆4066億円)と
1年で約2割減った。それに拍車がかかっている。

ただ、海外のネットショッピングなどはできないという。
ギリシャの口座から外国に資金が出るからだ。

市民は気が気でない。アテネ市内のホームセンターでは、銀行から
おろしたお金を入れておく金庫を買う客が、前年比で約15%増。
壁と床にネジで固定するタイプが人気だ。ECBは緊急融資の増額を
せず、銀行破綻への不安から市民は自衛に走る。
それが銀行の資金繰りをさらに苦しくする悪循環に陥ってい る。

 (アテネ=津阪直樹)

 ■債務減免へ、米が圧力

 ギリシャ経済を押しつぶしかねない約3200億ユーロ(約43兆円)の
債務を、軽くさせる時ではないか――。

米国は、そうしたメッセージを、特にギリシャの最大支援国ドイツに
向けて発し、危機収束へ圧力を強めている。

米国のルー財務長官は8日、米シンクタンクのイベントで
「ギリシャの債務は、長続きできる額ではない」と債務減免を訴え、
「ギリシャがユーロにとどまることが最良の結果だと多くの
関係者はみている」と強調した。

「債務減免が、ギリシャには必要だ」。IMF(本部ワシントン)の
ラガルド専務理事も同日、ワシントンでのイベントでこう発言した。
EU、ECBと共に「トロイカ」の一角としてこの5年間、ギリシャへ
金融支援を続けてきたIMFだが、債務減免に慎重なユーロ各国
への要求を強めている。

米オバマ政権が懸念するのは、ギリシャのユーロ離脱で地域が
不安定になる恐れがあるからだ。ウクライナ問題で米国と対立する
ロシアがギリシャに近づいていることに、神経をとがらせる。
緩やかな成長を続け、年内の利上げをにらむ米国経済にも
水を差しかねない。

 (ワシントン=五十嵐大介)

関連記事です。
中国が飛び付くジリ貧「ギリシャ」切売り政策

オリンピック開催地選考の最終局面、スペインのマドリードが
必死に経済回復をアピールしていたが、南欧を広く見回せば、
まだまだ状況は芳しくない。
中でもギリシャは身売り、切売りの日々である。


 外信部記者が言う。

「不景気で家賃の不払いが恒常化しており、不動産相場は下落の
一途です。そのためギリシャでは今年の4月、投資移民促進法案と
いうものが可決されました。 その国に投資すると、一定の居住権を
得られるというのは、世界各国で見られるものですが、ギリシャに
ついては25万ユーロ(約3300万円)以上の不動産を購入する
だけなのです」

米国のグリーンカードなどは、居住実態がないと、即取り上げに
なってしまうが、ギリシャの場合は定住も語学力も必要ない。
ただ買うだけ。
そこにつく「特典」に“あの国”が、当然食いついて来るのである。

「EUのほぼ全域を自由に動けるビザが付与されるのです。
そのため中国人から注目されている。何しろ、中国人の
パスポートはいまだに審査が厳しい。また億ションひしめく
上海の不動産事情と比べれば、安い買い物でもある。
欧州ビジネスを展開する中国人には、実にお得な投資です」(同)


となれば、ギリシャも必死に売り込む。北京特派員が最近の動きを追う。
「5月にはギリシャの首相が経済団体を引き連れて、港湾、空港など
への投資の呼びかけに北京を訪問しています。また7月には
ギリシャ軍の参謀長がアテネの 中国大使館を訪れ軍への
投資も呼びかけています。そして9月8日には福建省アモイの
コンベンションセンターで大規模なギリシャ投資の説明会が開かれた」

中国の投資に詳しいビジネス・ブレークスルー大学教授の
田代秀敏氏が言う。

「リーマンショック、欧州危機以降、世界各国がギリシャから
引き揚げる中、中国だけは商機と見て、積極投資を進めた。
すでにギリシャ最大のピレウス港は中国資本の支配下です。
中国は欧州に確たる拠点を築いて、市場とともに欧州ブランドを
手に入れようとしている。ギリシャがその入り口になろうとしています」


 新・ギリシャ神話――
『トロイの木馬』の中には中国人が入っていた……。


経済危機のギリシャでも「中国人の爆買い」

アテネを代表する観光地、アクロポリス。経済危機の中でも
連日、多くの観光客が詰めかけています。
中でも目立つのが「爆買い」でおなじみの中国人です。

「すばらしい景色ね。ギリシャには中国からの観光客がいっぱい
来ている。レストランには中国語のメニューもあったわ」
(中国人観光客)

観光の後はお買い物。買い物袋を提げて歩く彼らの姿は、今や
アテネでは見慣れた光景です。
しかし、中国人の購買意欲は、これだけにとどまりません。

アテネ市中心部から車で30分。
高級住宅街に建つマンションに入ってみると・・・

「こちらが今、売りに出されている物件なんですが、広いリビングから
ベランダに出ると、目の前にはエーゲ海が広がります」(記者)

「最近、海外からのお客様が増えています。一番多いのが中国です」
(不動産会社社長)

 実は経済危機の影響で、ギリシャでは不動産の価格が平均で3割も
下落。この部屋の場合、広さ330平米で価格は100万ユーロ、
およそ1億3500万円で すが7年前には倍の値がついていました。
今のうちに売っておきたい家主側の意向もあり、以前はほとんど
なかった中国人との契約件数は去年全国でおよそ 1000件に
上ったといいます。

「25万ユーロ以上(約3400万円)の物件が人気です。
別荘に利用したり投資目的で人に貸したりする人が多いです」
(中国側代理店)

「私たちにとって、まさに今がビジネスチャンスなのです。
経済危機のおかげで、ギリシャは良くも悪くも有名になりましたから」
(不動産会社社長)

ギリシャのユーロ圏離脱の可能性が出てきたことで、現在はやや
模様眺めの雰囲気となっていますが、ここでも中国マネーの存在感が
増しているのは明らかです。(10日14:55)


コメントです
ほとんだギャグ化しているギリシャ危機の話題です。
少しまとめてみると、
@ 本気で経済を立て直す気はなし。
A でも、消費を切り詰めた
生活はまっぴらごめん。
B だけど、民主主義の名の元、権利だけはしっかり主張する。
こんなところでしょうか?

ところで、余談になりますが、もしエーゲ海が中国のに押さえられて
赤の旗の軍事拠点になったとしたら、米国および西側国としては
ぞっとする事態でしょうね。



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2015年04月09日

失意の若者狙うイスラム過激派 戦闘員候補、巧妙に物色

2015年4月5日 朝日新聞

20150405.jpg

日本人3人を含む外国人観光客ら21人が死亡した博物館
襲撃事件が起きたチュニジアの首都チュニス。この街に住む
運転手マルウェンさん(25)は数年前、失意の日々を過ごしていた。

親友を交通事故やがんで亡くし、自分も失業中。近所のモスク
(イスラム教礼拝所)に通い始めた。

祈りの後、男2人に声をかけられた。高級車に乗り、カフェで2度、
朝食をおごってくれた。男らはイスラム教について語り、
「世界で何が起きているか学んでほしい」とDVDを渡された。

映画のように凝ったつくりの映像。ビーチで遊び、酒を飲む若者らを
津波が襲うような場面があった。不信心者は災いに襲われるという
警告だ。2001年の米同時多発テロの映像や、聖典コーランの
言葉も出てきた。
「良いイスラム教徒ならば悪と戦わねばならないと思わせる内容だった」

その後、男の一人が「私はジハード(聖戦)に行く機会があれば、
決してノーとは言わない」と諭してきた。

マルウェンさんはたまたま臨時雇いの仕事を得て首都を離れた。
仕事は忙しく、夜はディスコで遊び、男からの電話は無視した。

チュニスに戻ると「なぜ電話に出なかった」と詰問され、殴られた。
そして男たちは姿を消した。戦闘員候補を物色していたのだ――。
マルウェンさんはそう確信している。

イスラム過激派が若者を誘い込む手口は欧州でも巧みだ。

ベルギーの 首都ブリュッセル西部モランベークサンジャン
(通称モランベーク)。モロッコ系住民が集中する地区の
アパートの一室に、10代の若者数人が集まっていた。
ホームレスに食糧を提供するなど慈善活動をしている
グループの会合だ。近くに住むモロッコ系のハサンさん(28)も
声をかけられ、参加した。

だが、この日はいつもと少し雰囲気が違う。すると、中心に座って
いたあごひげを蓄えた白人の男が参加者に語りかけた。
「君たちは負け組だ。何をすれば良いか分からないだろう。
一緒においで。美しい国だ。ここみたいに寒くない。ひと月の
訓練に3千ユーロ(約39万円)払おう。そして、シリアで闘うんだ」

ハサンさんは「まずお前が行け」と抗議した。
だが、その場にいたモロッコ系の少年(14)は後で、こう打ち明けた。
「ベルギーが自分の国のように思えない。僕は外国人。僕の
本当の祖国はイラクかシリアかあの辺りにある」

■失業率4割…若者絶望、つけ込む過激派

ベルギーの首都ブリュッセル西部のモランベーク区の地下鉄の
改札口を出ると、自動小銃を持った警察官4人がじっとこちらを
見た。近くの警察署玄関は鉄柵で囲われ、重武装した警官が
見張っている。そばには数十メートルごとにイスラム教の礼拝所
モスクがあり、周りはアラビア語の看板も目立つ。

モランべークは、ベルギーの捜査当局が1月、国内で大規模テロを
計画した容疑でイスラム過激派グループの拠点とみられる
計6カ所を捜索した街だ。

捜索は国内各地で行われ、ベルギー東 部ベルビエでは、当局との
銃撃戦の末、モロッコ系の移民2世、カリ・ベンラビ容疑者(23)が
射殺された。同容疑者はモランべークで生まれた。地元紙によると、
銃撃戦で死亡したもう一人の容疑者と、逃走中の首謀者の
アブデルアミド・アバウド容疑者(27)もモランべークの出身だという。

19世紀前半の産業革命以降、モランべークでは街の東を通る運
河沿いに工場が多く建設され、労働者が移り住んだ。
1960年代半ばから、不足した労働力を補うため政府が受け入れる
ようになったモロッコ人が住むようになった。モランべーク区によると、
現在は住民約9万5千人のほぼ半数がモロッコ系だという。

国の統計によると、モランべークの住民の12年の平均年収は、
国全体の6割の約1万ユーロ(約130万円)にとどまる。
区は「ブリュッセルの自治体で下から2番目に貧しい」と説明する。
失業率は30%近く(国平均8・5%)で若年層になると
4割を超えるという。

モランべークに住むハサンさん(28)は、ベンラビ容疑者の
幼なじみだった。親しみを込めて、容疑者を「カリ」と呼ぶ。
「カリ」はモロッコ人の一 般的な家庭に生まれた。
高校卒業後、スーパーの配達員を半年やったものの契約を
切られ、その後、窃盗などで逮捕されるようになった。

その「カリ」が1年ほど前、突然ハサンさんに電話をしてきて告げた。

 「ここには何もない。俺は出て行く」

ハサンさんは後に「カリ」がフェイスブックに掲載した写真で、
シリアに渡り、過激派組織「イスラム国」(IS)に加わったと
知った。ハサンさんは、「カリ」がいつ過激なイスラム教の思想に
のめり込んでいったのか、見当もつかなかったと語る。ISは2月、
英字機関誌「ダビク」に、射殺された「カリ」たちの写真を「英雄」
として掲載した。

ハサンさんも高卒で、生活は楽ではない。昼は公共施設、夜も
警備員として働いている。「イスラム教は平和の宗教」だから、
シリアに行こうとは思わないが、「カリ」の絶望は理解できる。
「この街で生まれ、学歴も、職も資格もなく、この先、将来が
良くなるという希望もない時、どうやってここから抜け出せるのか」

過激派の戦闘員になりたいという若者の相談に乗るブリュッセルの
中央モスクの説教師モハメド・ガライエ・ンディアイさんは
「良い学校に行けず、就職できず、犯罪に手を染めた若者に
過激派戦闘員のリクルーターが目をつけて、『殉教者になれば天国に
行ける』と誘っている。これは宗教ではなく、社会の問題だ」と指摘する。

ロンドン大学キングスカレッジによると、ベルギーからシリアや
イラクの反体制派の武装グループに440人が加わった。
人口比では西欧諸国では断トツに多い。

モランべークではイスラム過激派のグループとのつながりを
疑われまいと、誰もが口をつぐむ。

モランべークのフランソワ・シェプマン区長は、「モロッコ系という
マイノリティーが多すぎることで、住民全体の社会参加の意識が
希薄になってい る。自治体は文化や社会、教育分野の施策の
実行を通じて、若者の過激化を防ぐ必要がある」と語った。
(チュニス=翁長忠雄、ブリュッセル=吉田美智子)

■武器取引は、静かな住宅街の一角

カリ容疑者ら、過激派戦闘員は自動小銃などで重武装していた。
1月の仏連続テロやベルギーのテロ未遂事件などで、専門家らは
「ベルギーが武器調達先になっている」と指摘する。

モランベーク近郊。比較的静かな住宅街の一角にその電気工事
会社の作業場があった。元従業員の男性(26)は作業場を指さし、
「ここで武器取引をしていた」と証言した。

男性は、3年前の夕方、2人のチェコ人が通常の資材搬入のような
格好で車のトランクから毛布にくるまれた自動小銃を運んで
いたという。「AK47(自動小銃)が6丁以上あった」と話す。
会社の経営者の40代の男性が「副業」でやっていたのだという。
経営者に聞くと、ベルギーに住むチェコ人が東欧から武器を仕入れ、
車で運んで来ると教えてくれたという。自動小銃は1500ユーロ
(約19万6千円)で買い、3千ユーロで転売するというが、売り先に
ついては口を閉ざした。経営者はブリュッセル南西の高級住宅街に
住んでいるという。

男性は「工事の仕事をやっていると東欧系の労働者と接する
機会が多い。そこで武器取引の接点を持ったのではないか。
取引を見たのは1回だけだが、今もやっていると思う」と話す。

「経営者は普通の人で、武器は売るが使ったことはないはず。
中産階級の彼は、摘発のリスクも少ないと思う。武器市場は、
どこかに集中してあるわけではなく、分散して存在する」とも語った。

経営者に取材の依頼をしたが、拒否された。

一方、フランスでは移民が多く住むパリ郊外で容易に武器は
手に入ると人々は口ぐちに言う。パリ北西の町セルジーに住む
コンゴ共和国系の男性は武器取引の仲介ができるという。
「自分でなくても、移民街に住む者は大抵、知人をたどれば
行きつく」と話す。
「旧ユーゴスラビアの人たちの武器が一番質がいい。自動小銃も
手に入るが、銃弾が手に入りにくい。短銃は数百ユーロだが、
強盗に使われた銃は半値以下になる」と語った。
(ブリュッセル=杉山正)

■新たな脅威…軍事訓練受け帰国し、テロ実行

ISなどの過激派組織で戦闘に参加したり、軍事訓練を受けたり
した人々が帰国後にテロを起こす事件が相次ぎ、国境を越えた
脅威が広がっている。

国連安保理の専門家パネルの報告書は、ISなどに加わった外国人
戦闘員の規模は「100カ国以上からの2万5千人以上」と指摘している。

チュニジアからは最大の3千人以上がISなどの過激派組織に
加わっている。AFP通信によると既に約500人が帰国したという。
北アフリカで治安がよいとされていた首都チュニスでは、3月に
日本人3人も犠牲になった博物館襲撃事件が発生し、実行犯は
過激派組織が勢力を伸ばす隣国リビアで軍事訓練を受けていた。

また、欧州連合(EU)各国からは過激派思想に共鳴してシリアに
渡った人々は3千から5千人とされ、1千人近くが既にEU内に
戻っているという推定もある。

今年1月に起きたフランス連続テロ事件では、実行犯の兄弟は
イエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」で
軍事訓練を受けたとされ、他の1人はISとの関連を自称していた。


コメントです
欧州で、移民系の若者が過激派組織にスカウトされる
関連の記事です。


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2015年03月01日

連日パリを脅かすドローンの正体は?

連日パリを脅かすドローンの正体は?2015年2月26日 News Week

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フランスの捜査当局は25日、ドローン(無人機)を飛ばしていた
アルジャジーラの記者3人を逮捕した。パリでは1月の連続テロ以降、
厳重な警戒が敷かれるなか、今週に入って連日不審なドローンが
目撃され、緊張が高まっていた。だが、これでドローン騒動が
解決したとはとうてい言えないようだ。

パリの検察当局によると、3人の記者はパリ西部の森林公園
ブローニュの森でドローンを飛ばしていたところを捜査員に見つかり、
拘束されたという。記者たちの目的は不明で、それまでに
目撃されたドローンと今回の逮捕は「今のところ関連性がない」と、
検察当局は述べている。

フランスでは昨年10月以降、原子力発電所や原子力潜水艦の
基地周辺で不審なドローンの出現が相次ぎ、1月20日には
大統領官邸の上空でも目撃されて警戒が高まっていた。

パリ上空に無許可でドローンを飛ばせば、最高で

懲役1年と8万5000ドルの罰金を科される。

3人の記者は70歳と54歳と36歳。カタールのドーハにある
アルジャジーラ本社は、「アルジャジーラのイギリス人記者3人がパリ
で謎のドローンについて報道するために撮影を行っていたときに逮捕
された」と発表。「詳しい情報が入りしだい改めてコメントする」と述べた。

3人のうち「1人がドローンを操縦し、もう1人は撮影を担当、あとの

1人はその様子を見ていた」と、フランスのメディアは捜査関係者の
談話を伝えている。

23日夜から24日未明にかけてパリのアメリカ大使館近くなどで
ドローンが飛んでいたという情報が寄せられ、警察が捜査に
乗り出していた。24日 夜から25日にかけても、パリ東駅近く、
オペラ座、チュイルリー庭園、エッフェル塔、トゥール・モンパルナス
など主要な建物や観光名所の周辺を飛ぶドロー ンが相次いで
目撃された。誰が何の目的で飛ばしたか、何機のドローンが
使用されたか、組織的な動きかどうかなど、すべてが謎に
包まれている。

1月7日に風刺週刊紙シャルリ・エブドの編集部が襲撃され、
その後に容疑者がスーパーマーケットに立てこもるなどで
合計17人の犠牲者が出た連続テロ以降、パリではテロへの
警戒感が高まっている。そうした中で正体不明のドローンが
出現し、市民の不安は募る一方だ。

フランスの捜査当局は、落下して歩行者に衝突する可能性を
除けば、ここ数日に現れたドローンは直接的な脅威ではないと
発表している。悪質ないたず らとの見方もあるが、テロ計画に
備えて警備体制を偵察する目的で飛ばされた可能性もあり、
警察はドローンの追跡と操縦者の特定に全力を挙げている。


関連記事です。

フランス政府が厳戒態勢
〜目的不明のドローン原発上空飛行

フランスの原子力発電所の上空で、謎めいた――また懸念を
招きそうな――ドローンの飛行が頻発しており、先日、フランス
中部で
3人の若い模型飛行機マニアが逮捕されたにも
かかわらず、謎は解明されていない。

たいてい夜間に目撃される、無人の小型ヘリコプターの違法な
飛行は当初、単なる迷惑行為で片付けられていた。
だが、最近になって、一晩で何百マイルも離れた
5か所の原子炉を
ドローンが統一多発的に「訪問」するにおよんで、フランス政府は
厳重警戒を余儀なくされるようになった。

反核活動家らによる嫌がらせ作戦が最も妥当な説明になると
考えられている。テロ集団がフランスの核施設
19か所の
警備体制を試している調査飛行である可能性も除外されていない。
その後、
6日になってシェール近郊のベルヴィル=シュル=
ロワール原発の近くで、
24歳と31歳の男性2名、21歳の女性の
3人が逮捕された。
警察発表によれば、
3人は比較的に簡単なドローン――
100ユーロ(14000円余り)ばかりでインターネット通販
されているタイプ――を飛ばそうとしていた。

彼らが起訴される可能性はあるが、10月初め以降の原子力
発電所
13か所の上空の飛行規制空域に対するもっと精巧な
ドローンによる侵入の嫌疑はないものと思われる。
捜査情報筋は、「彼らは模型飛行機マニアのようです」と
ル・ パリジャン紙に語った。「彼らが使っていたマシーンはじゅうぶん
高機能なものでしたが、軍用や専門家向きではありません。
おもちゃなのです。楽しみでやっ ていたのか、あるいは何らかの
政治的意図があったか、まだ解明されていません」

いずれにしても、逮捕された3名は、手の込んだドローン飛行を
仕組んだ集団の関係者ではなく、模倣犯であると信じられている。
緊急省庁間会合は飛行に関して、迷惑行為から要警戒行為まで、
ありうる解釈をいくつか検討した。会合で注目されたのは、
6時間の
時空間において、ノルマンディの英仏海峡沿岸からアルザスの
仏独国境までの範囲におよぶ核施設に対するドローンの侵入が
5件あったことである。何百マイルも隔てた飛行地点間の距離を
考えると、複数メンバーの集団によって念入りに練られた
事前計画の存在を思わせた。

先週の会合の後、複数の政府筋が、核施設の警備にあたる
特別憲兵部隊に将来の侵入機を撃墜する権限が付与されたと
述べた。その後、
3件の飛行が報告された。
いまのところ、撃墜されたドローンはない。

飛行の多くは夜間のできごとだったが、侵入の何件かは当局に
よってビデオと写真に撮影されている。当局者らは、映像や
画像を見て、驚き、心配になったという。写っていたのは、簡単に
入手でき、スマートフォンで操作できる“おもちゃ”のドローン
ではなかった。そのようなドローンはフランス国内に最大
40万機
存在すると信じられている。
侵入機はもっと複雑で高価なもの――航続距離数十マイル性能の
強力なエンジンを備えたヘリコプター様ドローン――だった。
三角形配置の白色灯
3基とより大きな赤色灯、それにおそらくカメラと
連動して“標的”に光線を断続的照射するサーチライトが備わっていた。

政府は公的には、飛行の重要性を軽んじているように見せている。
セゴレーヌ・ロワイヤル環境エネルギー大臣は、
「わたしどもはこれらのできごとを軽視していませんし、
脚色してもいません。ですが、核施設の安全に脅威になるものでは
ありません」と語った。

グ リーンピース・フランスは政府が「リスクを軽視」し、フランスの
原子力発電所がテロ攻撃に無防備であるという事実を隠蔽して
いると非難してきた。広報担当 者は、「中型ドローンは、使用済み
核燃料が貯蔵されている(冷却水)プールに損傷を与えるのに
じゅうぶんな爆発物を運搬できたでしょう」と語った。

グリーンピースは飛行への関与を真っ向から否定している。
グリーンピース筋は、「反核活動家は、えてして反ハイテクでも
あるのです」といった。

国民議会緑の党会派、デニス・ボパン議員は、「これらのできごとの
下手人はだれなのか、だれにも言えませんし、こういう物を操縦
している人物の善意をだれにも保証できません」と述べた。
フランスは、他の先進諸国に抜きん出て原子力に依存している。
同国内の電力のほとんど
80パーセントは原発由来のものである。

コメントです
フランス政府は今回の事件をそれほど重くみていないようですが、
いずれにしても、フランスにかぎらず、無人飛行機器は世界中で
テロ行為等の手段になる可能性が十分あります。
まるで、ひと昔前のSF映画のひとコマが現実化しているようです。


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「イスラム国」入り、英国・韓国の若者も 世論に衝撃

朝日新聞 2015年2月25日

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ロンドン・ガトウィック空港で17日、セキュリティーゲートを通過する英国の少女3人
(監視カメラ画像から)=AFP時事、ロンドン警視庁提供

■ロンドンの10代少女3人、失踪

 欧米などから過激派組織「イスラム国」(IS)入りを目指す若者らの
流れが止まらない。英国では今月中旬、15〜16歳の同級生の
少女3人が失踪し、トルコ経由でシリアのIS支配地域に入ったと
みられることが分かった。学校で優等生だったという少女たちが、
家族も気づかぬ間に過激な思想に傾倒した事態は、英世論に
衝撃を与えている。

英BBCなどによると、3人は同じロンドン東部の中等学校に通う
友達同士で、うち2人はバングラデシュ系という。学期の中間休み中
だった17日の早朝、「結婚式に出席する」などと家族にうそを
ついて出かけ、ロンドン近郊のガトウィック空港からトルコ航空で
イスタンブールへ向かった。

家族からの通報を受け、英警察は少女の顔写真や空港の
監視カメラの画像を公表。公開捜査に乗り出した。
家族はテレビのインタビューで涙ながらに「帰って来て」と呼びかけ、
キャメロン首相も「非常に心配しており、政府としても救出のために
できることをすべてやる」と力説した。

だが24日になって、3人がすでにトルコ南部キリス付近から
シリアのIS支配地域に入ったとみられることが分かった。

少女らが通う学校では、昨年12月にも少女らと仲が良かった

女子生徒(15)が同じ経路でシリアへ渡航した。今回失踪した
少女たちは当時、警察に事情を聴かれたが、同調するそぶりは
なかったという。少女らはインターネットやソーシャルメディアを
通じてひそかに過激思想に傾倒していったと考えられている。

ロンドン大学キングスカレッジの研究者によると、これまでISが
支配するシリアとイラクに向かった英国人は500〜600人
だという。戦闘員の男性と結婚するために渡航する女性もいる。
英BBCは、これまでにISに渡った英国人女性は50人以上に
上り、多くは若者だと伝えた。(ロンドン=渡辺志帆)

     ◇

■韓国の少年「訓練受けている」

韓国の情報機関、国家情報院は24日、トルコで1月に
行方不明になった韓国人の少年(17)が「イスラム国」(IS)に
加わり、訓練を受けていると国会の情報委員会(非公開)で
明らかにした。出席した議員らによると、同院は「正確な場所は
確認できていないが、ISで訓練を受けている」と説明したという。

ソウル地方警察庁などによると、少年は1月10日にシリアと
国境を接するトルコ南部キリスのホテルで朝食をとった後、
行方不明になった。警察が自宅のコンピューターを分析
したところ、ISやシリアなどのキーワードで検索した痕跡が
あったほか、ISの旗の写真などが保存されていた。

2月25日付の主要各紙は、この情報を1面で報道。
中央日報は「もう韓国もテロ無風地帯ではないという事実が
確認された」とし、政府にとって非常事態となったと指摘した。

米軍主導の有志連合は、昨年8月からイラク、同9月からは
シリアでISを狙った空爆を続けるが、同組織の勢力を
抑えられていないのが実情だ。

米国政府の「米国家テロ対策センター」は、ISに加入するために
イラクやシリアに渡った外国人戦闘員は90カ国から計2万人に
達すると分析し、今月、米下院で報告した。
多くは中東・北アフリカ諸国からだが、少なくとも3400人は
欧米などの西側諸国の出身者だとしている。

特にシリアへの外国人戦闘員の流入は、過去20年に起きた
アフガニスタン、パキスタン、イラク、イエメン、ソマリア
などへの流入をはるかに上回る規模だとしている。
(ソウル=貝瀬秋彦、イスタンブール=春日芳晃)


関連記事です。

欧州出身テロリスト3000人…原因は青年失業(1)

26日(現地時間)、米メディアはイスラム・スンニー派武装
反乱軍「イスラム国(IS)」 の隊員である米国人の死を
一斉に報じた。約10年前にキリスト教からイスラム教に
改宗したカリフォルニア出身のダグラス・マケイン(33)だ。
シリアで自 由シリア軍(FSA)との交戦中に死亡した彼に
ついて、家族と知人は「ユーモア感覚があり、家族を愛する
平凡な人」と語った。彼が極端主義に傾倒するほどの
理由を探せなかった家族は衝撃を受けた。
  ◆米国人記者を斬首したマジェド、裕福な家庭出身
 米国人記者ジェームズ・フォーリーを斬首したIS隊員
アブデル=マジェド・アブデル・バリー(23)はロンドンに
ある100万ポンド (約17億8000万ウォン)の家に居住
していた英国人と確認された後、ISで活動する西側出身の
若者に関する報道が相次いでいる。ほとんどの報道が
「いったいなぜ」という疑問に焦点が置かれている。
先週、米国務省はIS隊員を含め、イラク・シリアで活動中の
外国人ジハーディストが約50カ国出身の1 万2000人と
発表した。欧州連合(EU)情報当局はイラク・シリアなどで
活動するEU国家出身のジハーディストが3000人に
のぼると把握している。この人たちが祖国に戻ってテロを
起こすことを、米国など西側は最も憂慮している。

  ◆「貧困ではなく仕事がないため」
過去には学べず貧しい人たちがテロに加担する可能性が
高いというのが定説だった。実際、過去のテロリストの
成長環境は極めて劣悪な ケースが多かった。彼らにとって
テロ集団は現実から逃避する場だった。IS隊員になった
西欧の若者も同じだ。ただ、彼らが脱出しようとする
対象は以前のように貧困や無知ではないというのが、
専門家らの診断だ。
 米ノースイースタン大政治学科のマックス・エイブラハム
教授は「人をテロ集団に導く主な原因は失業」と述べた。
「職業がなくて貧しいからではなく、する仕事がないため」と
いうことだ。
エイブラハム教授は「本当に貧しければ目の前の現実的な
問題に没頭し、テロリストになる考えはしない」 と話した。
生活できるほどの余裕があるため目的のない人生について悩み、
ISに代案を発見し、加担するということだ。インターナショナル
ビジネスタイムズは
「自ら社会で疎外されたと考える若者が、仕事がないため、
または退屈を感じて急進主義に向かう」
と伝えた。
実際、ISの外国人隊員の多くは青年失業に苦しむ欧州出身だ。
英ガーディアンによると、最大1万2000人と推定されるISには
約 3000人の外国人隊員がいて、うち4分の1は英国出身だ。
ベルギー・フランス出身も数百人にのぼり、スウェーデン人も
少なくないと推定される。景気低迷が続く欧州の青年失業率は
20%を超える。全体失業率の倍だ。景気低迷の苦痛は少数者
にはよりいっそう過酷であり、イスラム教徒の青年の失業率は
平均青年失業率の倍以上も高いと把握されている。
職業がないスラム教徒の青年は、欧州で極右政党が躍進した
ことでさらに疎外された。極右派が高い失業率の原因を
外国移民者のせいにしているからだ。英国の国際急進
主義研究センター(ICSR)の研究員シラーズ・マホは
「欧州の主流社会で排斥された人たちは外部で自己を
見いだそうとする」と話した。IS外国人隊員を多数“輩出”する
英国・フランス・ベルギー・スウェーデンはともにイスラム教徒の
人口比率が高い国だ。


コメントです
じっさいのところはわかりませんが、欧州出身の志願者は、
貧困や社会の閉塞感に絶望して志願していったわけではなくて、
生活にそれほど困ってなく興味本位で志願を決定した感がありますね。
日本でも、オウム教等のカルトに傾斜していった若者が多数
いましたが、その現象に似ていないこともないですね。


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2015年01月28日

(時時刻刻)仏連続テロ、結束の陰で 「シャルリー批判、テロリスト扱い」


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連続テロ事件に抗議する370万人の大行進で、フランスは世界に
「結束」を示した。その一方で、疎外感を深めているムスリム
(イスラム教徒)たちもいる。ムスリムの若者たちはテロには反対
しながらも、風刺画や社会への反感を心の中にくすぶらせる。

 ■イスラム教徒、疎外感

北アフリカ系移民家庭に育った30代の会社員男性は、仏週刊新聞
「シャルリー・エブド」の襲撃事件の翌日から「違和感」を感じ始めた。

リュックを背負って地下鉄のホームに立っていると、周りの人が自分から
露骨に離れているのが分かる。
そして、遠巻きに不審な目でじろじろ見られる。

男性は肌色や風貌(ふうぼう)から北アフリカ系か中東系だと分かる。
がっちりとした体形で、顔つきも鋭い。これまでもレストランでの接客や
職場など日常生活で小さな差別をいくつも感じてきた。それがいま、
一気にエスカレートしているように肌で感じる。

事件はイスラム教徒全体への反発につながると直感し、すぐに母親に
電話をかけて、こう告げた。
「安全のためしばらくモスクに行かないほうがいい」。
実際、連続テロの発生以降、モスクやイスラム教徒への発砲や放火、
脅しなどが100件以上に上る。

男性は連続テロについて、「暴力に訴える戦いは現実逃避だ」と話す。
一方で、「シャルリー・エブドは全イスラム教徒を侮辱していた。
報復に値するとも思った。絶対に公言しないが、
こう考えるイスラム教徒は少なくない」と複雑な思いも口にした。

フランスではいま、パリ郊外のシャルル・ドゴール空港から街中まで
「私はシャルリー」の文字があふれている。
テロに屈せず、表現の自由を守ろうと、襲撃された「シャルリー・エブド」を
支持する動きは広がり続けている。

パリのシャルリー・エブドの事務所近くには、追悼に訪れる人々が
後を絶たない。
ブルーノ・ローダさん(49)は「『私はシャルリー』というのは、
自分が自由でいたいことを意味する。イスラムだけではなく、
いかなるものでも批判できるのを望むということだ」と話した。

ただ、一色に染まった仏社会に冷めた見方をする人もいる。

パリに住む銀行員アレクサンドルさん(31)は
「風刺画は不快だが死に値する人などいない」とテロを非難しつつ、
「『私はシャルリー』という新宗教ができた」と苦笑いする。

「今、シャルリーを批判すればテロリスト扱い。ユダヤ人批判については
政治的にも社会的にもタブーとされたまま、イスラム教徒への侮辱、
攻撃ばかりが強まっている。建国理念の『自由、平等、博愛』は
『すべての人に対してではない』と説明を付けた方がいい」と皮肉った。
キリスト教家庭に育ったアレクサンドルさんはイスラムに改宗している。

「イスラム憎悪に関する研究所」のアブダラ・ゼクリ所長は「テロリストを
強く非難する。イスラムの名において殺人は許されない」とした上で、
シャルリー・エブドも批判した。「資金援助を受け、イスラムへの挑発を
続けるだろう。一方でユダヤ人には触れない。
今、フランスで『私はシャルリーではない』とは自由に言えない。
二重基準だ。
表現の自由はどこだ」と話した。

 ■移民・失業者…社会に憎悪も

パリ中心部から南に約25キロの町グリニー。
華やかなパリの街並みから一変して、質素な住宅群が並んでいる。

テロ事件で射殺された西アフリカ・マリ系のアムディ・クリバリ容疑者が
育った町だ。クリバリ容疑者は9日、パリでユダヤ系食材の
スーパーマーケットを襲い、人質4人を殺害した。

パリであふれる「私はシャルリー」の標語は消える。
町を歩く人のほとんどがアフリカ系かアラブ系の移民らだった。
立っているだけの人もいる。
同行した運転手は「やつらは麻薬の売人だ」と言った。「
ここの住民は部外者を信用しない。社会そのものを憎んでいる」

フランスで最も貧しい地区の一つで、犯罪が多発する危険な町だという。
公式統計では、グリニーの2011年の失業率は22・3%で
全国平均の2倍以上だ。

クリバリ容疑者と同じ学校に通ったイブライムさん(31)はセネガル系。
「クリバリは子供の頃から警察沙汰を繰り返していた。だが、モスクで
姿を見たこともなく、宗教心は薄かった」と話す。

クリバリ容疑者は刑務所でイスラム教の過激な思想に傾倒していったと
される。イブライムさんは「グリニーがクリバリを刑務所に送り、刑務所が
テロ組織に送った」と話した。

パリの町には、激しい思いに駆られる若者もいた。

仏紙襲撃があった今月7日、ニュースを見たパリの20代の
店員の男性はすぐに友人たちに携帯電話でメッセージを送った。
「イスラムのライオンが今日、シャルリー・エブド紙を攻撃した。
勇敢な行為だ」と書いた。

アジア系の父親とフランス人の母親を持ち、パリ近郊の移民が
多い地区で育った。「職がない周りの友人の多くが『聖戦(ジハード)』に
行きたいと思っている」と話した。

米軍のアフガニスタン戦争を機に、不正義を感じるようになり、世界の
紛争を勉強するようになったという。
「自分はアフガニスタンで戦いたい」と話した。

男性を踏みとどまらせているのは、家族とのつながり、
そして仕事のやりがいだ。
「仕事と両親のことを考えると今は動かない」と心情を吐露した。
(パリ=杉山正)


関連記事です。
フランスの言論の自由はダブルスタンダードか?
コメディアンら逮捕めぐり批判も


パリの風刺新聞社『シャルリー・エブド』などが襲撃された
フランスの連続テロ事件に関連して、フランス司法当局は14日、
テロ行為を賞賛する言動を したなどの理由で、事件後に54人を
逮捕したと発表した。『シャルリー・エブド』のイスラム風刺が
支持される一方で、こうした取り締まりが行われていることに対し、
フランス国内では、「言論の自由のダブルスタンダードだ」などと
する批判的な意見も出ているという。

◆人気コメディアンも逮捕
英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)によると、フランス司法当局は先週の
テロ攻撃後、ヘイトスピーチを行ったり、テロ行為を賞賛した者に対する
取り締 まりを強化するよう検察に新たに命じ、それによって54人が
逮捕されたと発表した。
その中には、人気コメディアンのデュドネ・ムバラ・ムバラ氏のほか、
未成年や「酔った弾みで口が滑った」者まで含まれているという。

デュドネ氏は、最初に攻撃された『シャルリー・エブド』と、
ユダヤ食品店を襲って4人を射殺したアメディ・クリバリ容疑者の
名前をもじり、「俺は 今、シャルリー・クリバリな気分だ」と
Facebookに投稿。
これが当局によって、「反ユダヤ主義的」なヘイトスピーチであり、
テロ行為を賞賛したと受け止められた。ちなみに、
「シャルリー・クリバリ」のフレーズは、全仏で行われている
『シャルリー・エブド』の犠牲者を悼む集会などで掲げられる合言葉、
「私はシャルリー(Je suis Charlie)」のパロディでもあるようだ。

デュドネ氏は若者を中心に人気を集めるアフリカ系フランス人の
コメディアンで、きわどい政治ネタを得意としている。
特に「反ユダヤ的」なネタが多く、過去にも何度か今回と同様の
逮捕歴があるという(FT)。

◆「風刺」と「差別」は違う
一方、『シャルリー・エブド』は、襲撃後の最新号でもイスラム教の
予言者ムハンマドの風刺画を掲載し、テロに屈しない姿勢を示した。
ワシントン・ポスト紙(WP)は、この最新号が爆発的に
売れたことにより、「言論の自由のシンボルとなった」と記している。

しかし、『シャルリー・エブド』の風刺が賞賛され、デュドネ氏の
“ジョーク”が逮捕容疑となることについて、フランス国内では
「ダブルスタンダー ドだ」という批判も出ているという。
FTはその例として、夕刊紙『ル・モンド』の社説や著名作家の
ブログの書き込みを挙げている。

こうした批判に対し、言論の自由の問題に詳しいフランスの
法律家は、FTで「シャルリー・エブドは、フランス社会全体の
様々な対象に向けた風刺だ。
一方、デュドネの発言は、差別主義的な思想がベースになった
過度に政治的なものだ」とコメントしている。

また、ヴァルス首相は国会で「(風刺という)生意気で図々しい
態度を取る自由と、反ユダヤ主義、人種差別主義、テロ行為の
賞賛とホロコーストの否 定には根本的な違いがある。
後者はいずれも法が厳格に罰するべき攻撃的な行為であり、
犯罪である」と述べた(WP)。
デュドネ氏は2003年に、「ユダヤ 人ジャーナリスト」と「ガス室」を
結びつけたギャグを披露し、逮捕されたという前科がある(FT)。

◆イスラム系コメディエンヌは「テロに迷惑している」
同じフランス人コメディアンの発言でも、広い支持を集めている
ケースも報じられている。アラブ系放送局『アルジャジーラ』が
紹介するチュニジア系のコメ ディエンヌ、サミア・オロセマンさんは、
自身がイスラム教徒でありながら、
YouTubeに投稿した動画を通じてテロ行為を批判している。

彼女は動画で、「イスラム原理主義者」や「ジハード主義者」を
「間違った事に関与する頭のイカれた連中」と批判。
「(テロのせいで)私たち(ムス リム)がヨーロッパで暮らすことが
難しくなってきている。それに(大多数のムスリムが)疲れきっている
ことは分かっているよね?
だから、もう他の宗教を選 んでほしい」と発言。
この動画は、昨年10月にカナダで起きたイスラムテロ事件を
受けて作成し、今回再投稿したものだが、パリの事件後だけで
10万近いアクセスがあったという。オロセマンさんの訴えは、
テロ行為も辞さないという狂信的なイスラム教徒はごく一部で、
「その他大勢は迷惑している」という、ヨー ロッパのイスラム社会の
声を代弁していると好意的に受け取れられているようだ。

また、彼女は『シャルリー・エブド』については「好きだったことは
一度もない」とアルジャジーラに答えている。14日の新作動画では、
同紙の最新号の表紙を飾った予言者ムハンマドの風刺画に
ついて、次のように呼びかけている。

「今日、『シャルリー・エブド』は
『マホメット(Mahomet=フランス語表記)』の風刺画を
発表しました。マホメットって誰?私たちの予言者の名前は
確か『ムハンマド(Muhammad)』だよね。『ムハンマド』は
“崇拝される者”という意味。『マホメット』はその反対。
だから、過剰反応せず に無視しましょう」



コメントです
フランスの連続テロ後、被害者団体への批判が
タブーに成りつつある記事を掲載しました。
これではまるで、
「王様の耳はロバの耳」 ですね。



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2015年01月13日

(時時刻刻)連帯、宗教の壁越えて 犠牲の警官や避難誘導の店員もイスラム教徒 仏テロ

2015年1月12日 朝日新聞

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イスラム過激派のテロに揺れたフランスの首都パリに11日、
連帯を掲げて各国首脳らと多くの市民が集まった。
仏社会では、言論の自由を守って凶弾に倒れた警官や、
ユダヤ系食材スーパーで客を助けた店員もイスラム教徒
だったことに、注目が集まっている。
テロの憎悪と暴力を乗り越えることはできるのか



12人が殺害され、連続テロの最初となった仏週刊紙
「シャルリー・エブド」への襲撃事件で、容疑者が逃走しようとした際に
射殺された警察官、アフメド・メラベさん(40)を、言論の自由を
守った英雄として称賛する声が広がっている。

勤務していたパリ11区の警察署前では、献花に訪れる人が
後を絶たない。週刊紙への連帯を表明するスローガン
「私はシャルリー」に対比させ、ツイッターなどで
「私はアフメド」と掲げる人も相次いでいる。

メラベさんは移民も多いパリ郊外セーヌサンドニ地区の生まれ。
新聞社を襲撃した容疑者兄弟と同じ、アルジェリア系 移民の
家庭の出身で、敬虔(けいけん)なイスラム教徒だった。
転職して警察官の試験に合格し、8年前から働き始めた。
同僚のリュック・ポワニオンさん (51)は朝日新聞の取材に
「問題が起きると、『同僚を放ってはおけない』とすぐに動いていた。
いつも自分より人のことを考える愛にあふれた人だった」と 惜しんだ。

メディアの要望に応じて10日に会見した弟のアブデルさんは
「兄が、自由、平等、博愛という価値を守ってくれたことを誇りに
思う。イスラム教徒と過激主義者は違う。どうか差別やイスラム
嫌悪に向かわないで欲しい」と訴えた。

一方、パリ東部のユダヤ系食材スーパーで9日、アムディ・クリバリ
容疑者(32)が人質をとり立てこもった事件では、クリバリ容疑者と
同じ西アフリカ・マリにルーツを持つイスラム教徒の男性店員、
ラッサーナ・バティリさん(24)の行動が脚光を浴びた。

仏メディアによると、9日昼すぎ、買い物客でにぎわうスーパーに
重武装したクリバリ容疑者が押し入った際、バティリさんは銃撃を
逃れ地下に駆け下りてきた客たちを、機転を利かせ、身を隠せる
食品保存用の冷蔵室へと誘導した。

冷蔵庫の電源を落とし、小さな子も含む数人に、
「物音を立てないように」と指示。自身は容疑者に見つからないように
業務用エレベーターで店外に逃れてから、警察に客たちの
隠れ場所を伝えたとされる。

突入作戦で容疑者が射殺され救出された客たちは、バティリさんへの
感謝を口にしたという。

過激派組織「イスラム国」のメンバーを自称したクリバリ容疑者の
方は、立てこもり中に応じた仏テレビの電話インタビューでも、
スーパーを狙った理由を「ユダヤ人がイスラムの領土を
抑圧するからだ」と敵意を隠さなかった。

10日夜、仏テレビに出演したバティリさんは語った。
「私たちはみんな兄弟だ。ユダヤ教徒かキリスト教徒か
イスラム教徒かは問題じゃない。
私たちは、この危機を助け合って乗り越えなくてはいけない」

クリバリ容疑者の母親と姉妹も10日、AFP通信に声明を送り、
テロ行為を非難。「私たちは過激な思想を全く共有していません。
このような憎むべき行為と、イスラム教が混同されないように
願っています」と強調した。(パリ=吉田美智子)

 ■仏独、一方で嫌がらせも

連帯の機運の高まりをよそに、7日の新聞社襲撃事件後も、
フランス各地でイスラム教徒への嫌がらせや攻撃が相次いで
いるという現実もある。

AFP通信によると、フランス各 地で事件後、モスクに向けた発砲や
放火など少なくとも14件が確認された。東部エクスレバンでは、
8日夜から9日にかけて礼拝所が放火された。
南部コルシカ島でも9日朝、礼拝所の扉に、切り落とした豚の頭部や
内臓がつるされているのが見つかった。
イスラム教は豚肉食を禁じており、豚は宗教的タブーの象徴だ。

フランスのNGO「全仏・反イスラム憎悪協会」が把握した、
事件後のこうした行為はさらに多く、10日までの3日間に
33件が報告されているという。

一方、フランスと並ぶ水準のイスラム教人口をかかえるドイツでも、
憎悪はくすぶり続けている。

北部ハンブルクでは11日未明、シャルリー・エブドの風刺画を
転載した大衆紙「ハンブルガー・モルゲンポスト」社屋への放火事件が
起きた。事件の背景は解明されていないが、同社の記者は朝日新聞の
電話取材に、硬い口調で「今は何も答えられない」と答えた。

ドイツ東部ドレスデンでは10日、昨秋以降反イスラムデモを続けて
きた団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人」
(通称ペギーダ)に抗議する人々が、「仏襲 撃事件犠牲者を追悼する」
との名目で集会を開催。主催者側によると、約3万5千人が参加した。
一方、ペギータは12日も大規模「反イスラム」デモを予定しているという。
(パリ=渡辺志帆、ベルリン=玉川透)

 ■「屈しない」パリに集う

大行進の起点、パリ中心部の共和国広場は11日午後、人々で
埋め尽くされた。列の末尾側でも広場から500メートル以上
離れた地点まで群衆が詰めかけた。
午後3時(日本時間午後11時)過ぎ、人の波が動き出した。
「フランス万歳」「自由、自由」「連帯を」。拍手が続いた。

会社員アナタシャ・ペニャさん(36)は、「私は婚約者がユダヤ人。
容疑者がユダヤ人を狙ったので、彼には、多くの人が集まるところに
は行けないと言われた。でも、いま一番大事なのは連帯。
私が婚約者の分も行進し、その気持ちを伝えたい」と話した。

一方、パリ郊外に住むイスラム教徒というドルカス・マキーヤさん(24)は
「テロは必ず、市民の力に負ける。イスラム教徒として、フランスで
生きるのが難しいと感じることもあるが、自分から共存していく
工夫もし、少しずつ良くなっていると感じている」と強調した。
「この事件で、イスラム差別が強まることも決してない。
そのためにこの行進に参加する」(パリ=高久潤)


コメントです。
最悪の結果に終わったフランスのイスラム過激派
テロ事件ですが、現地の人たちが、この事件と
その後をポジティブに向き合っていこうとする姿勢に
ついての記事を転載しました





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2014年07月22日

機体散乱、調査団見張る武装兵 旅客機墜落現場ルポ

朝日新聞 2014年7月21日
グラボボ=石田博士 ハリコフ=渡辺志帆、キエフ=喜田尚 ジュネーブ=松尾一郎

20140722.jpg

20日、マレーシア航空機の機首部分が落ちた地点を調べるOSCEの調査チーム。
親ロシア派の武装兵が周囲を固めていた=ウクライナ東部ラシプノエ、石田博士撮影

マレーシア航空機が撃墜されたウクライナ東部の現場に20日午後、
陸路で入った。見渡す限り一面を鮮やかな黄色に染めるヒマワリ畑の
のどかな田園地帯の道沿いに、十数キロにわたって機体の破片が
点在していた。

しばらく走ると、機首の残骸が目に入った。車を降りると、小さな
ぬいぐるみが並べて置かれているのが目に飛び込んできた。

多くの子どもの遺体が、ここ、ラシプノエで収容された。
機体から落ちたり、近くの住民が犠牲になった子どもたちを悼んで
持ち寄ったりしたものだという。

そこからさらに約6キロ東に進むと、多くの残骸があるグラボボに
着いた。バリ島のガイドブック、ダイビングの機材、サングラス。
夏の旅を思わせる品々が、広大な小麦畑の一角に集めて
置かれていた。そばには収容を待つ複数の遺体が置かれていた。

現場で目についたのは、国際的な調査団を見張るように、
付きっきりで動き回る親ロシア派の武装兵たちだった。

大人の背丈ほどあるヒマワリ畑のなかで、欧州安保協力機構
(OSCE)の調査チームが残された機体などを調べていた。
周りでは、迷彩服姿の親ロシア派の武装兵たちが、自動小銃を手に
目を光らせていた。調査チームが移動すると、親ロシア派が車列の
前後を固めて走った。調査チームの一つひとつの動きを監視していた。

■「親ロ派が遺体搬出、証拠隠滅と思った」

州都ドネツクから墜落地点までは車で3時間。親ロシア派が
設けた5カ所の検問を経て、現場に着いた。

武装した大勢の親ロシア派の戦闘員が付近の警戒を続けている。
報道陣は、親ロシア派が自称する「ドネツク人民共和国」が発行した
取材許可証を所持していなければ、スパイ容疑で拘束される
可能性があり、緊張感が漂う。

自動小銃を手にした迷彩服姿の民兵が、運転手の身分証と荷物を
点検する。検問所周辺では、写真撮影や携帯電話での通話は
厳しく規制された。

現場で気になる話を耳にした。

墜落直後から何度も現場を訪れた住民は、親ロシア派の武装兵が、
ミサイル攻撃で傷ついたとみられる遺体ばかりを選んで、真っ先に
搬送するのを目撃したという。
住民は「ミサイルの破片などの
証拠隠滅を図っていると思った」と語った。

墜落機は25平方キロにわたって散乱したとみられる。現場には、
機体の一部と思われる金属片などとともに、ブランケットや
トランクなど、旅を思わせるさまざまなものが散乱していた。
機首部分はラシプノエに墜落し、本体部分は6キロほど
離れたグラボボに落ちた。

畑に育つヒマワリは大人の背丈ほど。遺体や遺品の収容は難航が
予想される。ところどころに白いテープが揺れている。遺体が
あることを示すものだった。

印象に残ったのは、撃墜事件が起こったときの様子だ。

現場近くに住むリリア・クフタさん(43)は17日夕、大きな爆発音を
聞いた。「とうとうウクライナ軍が空爆を始めた」と思って、外
に飛び出した。そして見た光景に目を疑った。

空から降ってきたのは、20以上の人影だったという。

機首が落ちた地点から500メートルほどの場所に住む
アレクサンドルさん(60)も17日夕、家の中で「ドゥドゥン」と
いう大きな爆発音を聞いた。

慌てて飛び出すと、機体が大きく二つに分かれて落ちていくのが
見えた。本体部分は地上に落ちた後に爆発し、黒煙を上げた。

はじめは「軍用機だ」と思ったが、路上や畑に落ちた多くの
遺体を見て「旅客機だ。大変なことが起きた」と思ったという。
(グラボボ=石田博士)

■223人の遺体を収容

ウクライナのグロイスマン副首相は20日、同日午後までに
現場の捜索活動で223人分の遺体を発見、収容したと発表した。
ただ、現場は武装勢力が支配したままで、作業はなお混乱している。

政府の国家安全保障防衛会議のルイセンコ報道官は同日、
朝までに収容された196人分の遺体について「武装勢力が
すべて持ち去った」と語った。その後、欧州安保協力機構
(OSCE)監視団が、現場から約15キロの鉄道駅で多数の
遺体が武装勢力によって保冷車両に収められているのを発見。
武装勢力は「専門家の到着を待っている」と話したという。

ウクライナ政府は、墜落した機体などをハリコフ市に運んで
詳しい検証をしたい考えで、収容場所として同市内の工場も
すでに確保している。ただ、現状では親ロシア派が勝手に
機体や遺体を管理下に置いている状態だ。
グロイスマン副首相によると、駐ロシア大使らが加わる連絡
グループを介して、遺体は親ロ派の支配地域から外に
移すよう交渉が続いているという。

飛行記録を収めたブラックボックスについても、
「ドネツク人民共和国の首相」を名乗る親ロシア派幹部の
ボラダイ氏は20日、「似た部品を回収した」と発言。
「国際調査団が来たら引き渡す」と話し、ウクライナ当局には
手渡す意思がないことを示唆した。

ただ、ブラックボックスをめぐってはこれまで、親ロシア派が
いったん自らが回収したことを認めた後で否定に転じるなど、
発言が二転三転。20日現在も所在は確認されていない。

親ロシア派幹部は同日、ロシアのイタル・タス通信に
「現場での調査活動の安全を保証する」と改めて語った。
ただ、ウクライナ政府との間の停戦の実現が前提だ。
停戦については各国がその重要性で一致しているものの、
その条件を巡って折り合いがつかず、実現に向けた見通しは
立っていないのが実情だ。(ハリコフ=渡辺志帆、キエフ=喜田尚)

■飛行記録隠し指示か ネットに会話内容

ウクライナ保安局は20日、マレーシア航空機の撃墜後、
親ロシア派の武装勢力司令官が墜落現場にいる仲間に対し、
飛行記録を保存している「ブラックボックス」を確保して隠すように
指示する会話内容を動画サイト「ユーチューブ」で公開した。

この動画によると、親ロシア派の主要部隊「ボストーク」の司令官が
撃墜の翌日、仲間との電話で「ブラックボックスはどこだ」と質問。
仲間がまだ確保していないことを告げると、「早くしろ。緊急事態だ。
モスクワがどこにあるか尋ねている」と命じた。

その後、この司令官は別の仲間に「上層部の友人たちが
ブラックボックスの行方にとても関心を持っている。
モスクワの人々だ」と指摘。
「他人の手に渡らないようにしなくてはならない」などと告げた。

その後再び、司令官は最初の仲間から電話で「何か見つけた」と
告げられ、司令官は隠すように指示している。
(ジュネーブ=松尾一郎)



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2014年03月09日

ウクライナ:「ガス紛争」再燃も 露、輸出停止に言及

ウクライナ:「ガス紛争」再燃も 露、輸出停止に言及
毎日新聞 2014年03月09日

201403091.bmp

ロシアと欧州を結ぶ主な天然ガスパイプライン

ウクライナ情勢を巡りロシアがウクライナ向けの天然ガス輸出を
停止する可能性に言及したことで、両国の「ガス紛争」が再燃する
可能性が出てきた。実際に停止されれば、ウクライナ経由で
ロシア産ガスの供給を受けている欧州諸国への影響も必至。
ロシアの強硬姿勢は対露制裁を決めた欧州連合(EU)への
対抗措置という側面もあり、ロシア産ガスに依存するEU側は
対応を迫られそうだ。
【モスクワ田中洋之、キエフ樋口直樹、ブリュッセル斎藤義彦】

ロシア政府系天然ガス企業「ガスプロム」のミレル社長は7日、
ウクライナ向けガスの2月分の支払いを期限だった同日に
なっても受け取っておらず、今年第1四半期の滞納金が
計18億9000万ドル(約1950億円)に上ると指摘。
滞納金の支払いがなければ、
「(ガス供給が止まった)2009年初頭の
状況に戻るリスクが出てくる」と述べた。

ガスプロムは09年1月、滞納金の未払いなどを理由にウクライナ
向けのガス供給を停止。ウクライナ経由でガス供給を受けていた
欧州諸国も大混乱した。06年1月にも両国のガス供給契約更新を
めぐる対立から同様の事態が起きていた。

ロシアには当時、エネルギー輸出を武器に、ウクライナで親欧米
路線を推進したユーシェンコ大統領を締めつける狙いがあったと
される。今回も親欧米のウクライナ新政権を揺さぶり、ロシアへの
段階的制裁を決めたEUに「脅し」をかける狙いがあるのは明白だ。

ガスプロムはウクライナのガス需要のほぼ半分を供給。ロシア産
ガスは欧州全体の需要の約3分の1を満たしており、ウクライナは
重要なパイプラインの通過国だ。ロシアはトラブルを起こしてきた
ウクライナやベラルーシを経由国から外すため、バルト海経由の
パイプライン「ノルド・ストリーム」と黒海経由の「サウス・ストリーム」の
建設を主導。ノルド・ストリームは既に稼働している。

ロシアは欧州で重要な経済パートナーであるドイツには、
ノルド・ストリーム経由でガスを供給しており、欧州を分断できるとの
読みもある。これに対し欧州側は、ロシア産ガスへの過剰な依存を
是正するため、トルコ経由でカスピ海地域の天然ガスを輸入する
「ナブッコ・ライン」の建設を予定している。

ガス備蓄量が最長4カ月分あると言われる西欧に比べ、ロシアへの
依存度が大きいウクライナやハンガリー、ブルガリアなど東欧諸国は
ガス供給のストップにより深刻な影響を受けることになる。

一方、EUはロシアがガス供給停止で脅してくることは織り込み済みで、
ロシアが態度を軟化させなければ数日中に資産凍結や渡航禁止など
第2段階の制裁を実施する方針だ。

関連記事です。

天然ガス紛争、被害者はどちら?

2009年、ロシア関連の最初のトップニュースは、ロシアの
天然ガス独占企業、ガスプロムが、ウクライナへの天然ガス
供給を1月1日から停止したというものだった。ウクライナは
かつてソビエト連邦を構成していた国の1つである。ロシアは
再度、隣国との「天然ガス戦争」に踏み切ったのだ。

2006年にガス価格交渉が決裂し、供給を停止された時、
ウクライナはもちろん、米もロシアを猛烈に批判していた。だが、
今回はその時ほどの激しい反応は見せていない。

当時、「ロシアがエネルギー供給を政治圧力に使用している」と
糾弾していた米国務省も、今回は「交渉を通じて問題の決着を
見出してほしい」と穏やかに反応している。ロシア産の天然ガスで
需要の20%を賄う欧州各国は、供給の削減を恐れて
「1日も早く問題を解決してほしい」と訴えるだけだ。

持てる国と持たざる国
この問題は複雑でエネルギー資源の偏在、世界的な経済危機の
影響、外交の駆け引きなど様々な問題が絡み合っている。
そのため、問題の真相を特定するのは困難である。

まずエネルギー資源の偏在に関して言えば、世界の天然ガス
確認埋蔵量(2004年時点)の27%はロシアにある。中東地域の
埋蔵量は40%でロシアを上回っているが、一国の埋蔵量としては
ロシアが世界一だ。ちなみにアジア太平洋地域の埋蔵量は8%
しかない。欧州と欧州に近接するアジア(中東抜き)は9%。
北米と中南米は8%である。

ソ連崩壊後、経済改革と民主化の道を歩んでいたロシアにとって、
エネルギー資源は大きな拠り所である。政府が内政や外交の
政策を立てる際の、いわば土台ともなっていた。

特に天然ガスはロシアにとって重要なエネルギー資源だ。
ロシアの石油埋蔵量は世界の6%。天然ガスの比率の方が
はるかに高い。また世界全体の平均可採年数を比べると、
石油の46年に対して天然ガスは63年。環境負担も天然ガスの
方が低い。さらには世界需要が急速に増えているが、価格は
石油ほどには暴落していない。

そのため、石油の開発に関しては国内外の民間企業の参加を
容認しているが、天然ガスに関してはガスプロムを半国営の
独占企業とし、世界最大規模のエネルギー企業にすべく
後押ししていた。ガスプロムはロシアで生産される天然ガスの
90%を押さえ、パイプラインのすべてを所有している。ロシアの
税収の約25%は、ガスプロムが支払っている。
欧米では「ロシアは “gazprom.com” だ」と皮肉る声も聞こえる。

このように天然ガス資源を豊富に持つことは、メリットだけではなく
デメリットもある。まず隣の国、特にその国が資源を持たない
貧しい国である場合、関係がどうしてもぎくしゃくとしたものになる。
問題は、国際世論がどうしても持たざる国の味方となることだ。
実際はそうでなくても、「大国が弱いものをいじめている」という
印象を与えてしまうのだ。確かにかつてのロシアは、親米国で
あるウクライナを敵視する時期もあったが、最近は対応を
変化させている。


コメントです。
ロシア・ウクライナ関係に関しては話題が
広がれば広がるほど、複雑な歴史的背景が
明らかになってきます。
そして、今日の話題のようにロシアの欧州に
対してのエネルギー供給問題と、当然、それに
関して傍観できないEUや米国の思惑が絡んで
くると、事態は複雑すぎて、簡潔にコメントする
ことはかなり難しいですね。


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2014年03月02日

検問「ここから先撃たれるぞ」 クリミア半島に記者入る

検問「ここから先撃たれるぞ」 クリミア半島に記者入る
朝日新聞 2014年3月1日

201403021.bmp

ロシアへの帰属を求める動きが強まるウクライナ南部クリミア半島の
クリミア自治共和国。駐留ロシア軍の基地がある南部セバストポリでは
空港が封鎖され、軍車両がひっきりなしに行き交っていた
1日、首都シンフェロポリから南西へ約120キロの沿岸部
セバストポリへ向かった。ブドウ畑が広がる田園地帯を貫く
幹線道路を進むと、ロシア国旗を掲げた検問所が突然現れた。
「ここはロシアだ」と書いた横断幕が張られている。

検問所を運営しているのは親ロシア派の市民だ。4日前から
テントを張って寝泊まりしながら検問を続けているという。
「キエフのファシストからクリミアを守らなければならない」。
運転手のバシリ・ブシュコさん(42)は話す。武装はしていないが、
「何かあれば、15分以内に武器を持った人々が来る」。
ロシア軍と協力しているのかと聞くと
「自主的にやっており、誰とも協力していない」と否定した。

ベルベク空港付近の道路には別の検問所があった。
3台の乗用車や金属棒で封鎖されている。道路の先には
ロシア黒海艦隊の基地があるという。
「ここから先へ入ると撃たれるぞ」。検問で見張りを続ける
ウラジーミル・ビノグラドフさん(56)に忠告された。
腕にはオレンジと黒のしまのリボンを巻いている。
過去の戦争でのロシアの勝利を象徴しているという。

その100メートルほど先に軍車両と約10人の武装した
兵士が見えた。所属を示す腕章は着けていない。
幹線道路をカーキ色の軍車両がひっきりなしに通り過ぎた。

一方、シンフェロポリの議会庁舎にもロシア国旗が掲げられ、
武装集団が占拠している。庁舎へ続く道は閉鎖され、
銃を持った兵士が警戒にあたっていた。発足したばかりの
ウクライナ新政権は、ロシアによる露骨な挑発とみる。
アバコフ内相は2月28日、同艦隊の部隊が半島内の
2空港や幹線道路に展開したと批判。トゥルチノフ大統領代行も、
「ロシアがクリミアに軍を送った」と強く批判。
「(ロシアの)プーチン大統領に、挑発をやめてクリミアから
軍を撤退させるよう強く求める」と話した。
(セバストポリ=山尾有紀恵)


関連記事です
ウクライナ ロシア軍事介入か重要局面

ウクライナ南部で、欧米寄りの暫定政権とロシア系住民の
対立が深まり、緊迫した状況が続くなか、ロシアのプーチン
大統領は議会上院から軍がウクライナ国内で行動するための
承認を取り付けウクライナ情勢はロシアが実際に軍事介入に
踏み切るのかどうかを巡って重要な局面を迎えました。

ロシアのプーチン大統領は、1日「ウクライナに滞在している
ロシア国民や協定に基づいて南部のクリミアに駐留している
ロシアの軍人の生命が脅威にさらされている」として、情勢が
正常化するまでウクライナ国内でロシア軍が行動することへの
同意を議会上院に求め全会一致で承認されました。
これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は
「ロシア軍の部隊を派遣する決定は出されていない」と
述べたほか、カラシン外務次官も「上院が承認したと言っても
ただちに実行されるという意味ではない」と述べ、ロシア軍が
すぐに行動に踏み切るわけではないと説明しています。
しかし、ロシア軍の最高司令官であるプーチン大統領は、
いつでもウクライナ国内での行動を命じることが可能となり、
ウクライナ情勢はロシアが実際に軍事介入に踏み切るのか
どうかを巡って重要な局面を迎えました。
すでにクリミアに駐留するロシア軍の黒海艦隊は、軍事施設
などの警備を強化するとして駐留地の外での動きを活発化
させているほか、ウクライナの暫定政権はロシア軍が大型
輸送機や軍用ヘリコプター、装甲車を展開し、ここ数日で
6000人を増派したと批判しており緊迫した状況が続いています。

首都キエフの市民は

ロシア上院がウクライナ国内でのロシア軍の行動を承認した
ことを受けて、ウクライナの首都キエフでは市民の間で
驚きと怒りの声が上がっています。
ヤヌコービッチ政権への抗議デモの拠点となったキエフ
中心部の独立広場では、設置された大型モニターで
ロシア議会上院の審議について伝えるニュースが流れると、
集まった人たちは、「恥を知れ」と口々に叫んでいました。
また、トゥルチノフ大統領代行が「世界中の文明的な国家が
われわれを支持している。外交的手段で打開策を
模索していく」と国民に呼びかけたテレビ演説も流され
人々は硬い表情で見つめていました。
友人と広場を訪れた若者は「ショックだ。ほかにことばが
見つからない。プーチン大統領は独裁者だ。21世紀の
いまこんなことが許されるなど信じられない。
犠牲者が出るのはもうたくさんだ」と話していました。
初めてニュースを知った女性は、「恐ろしい。ロシアが何を
考えているのかさっぱり分からない。神に祈るしかない」と
涙を流していました。また、テントを張って広場にとどまっている
男性は「軍事衝突が起こらないことを祈っている。国連の安全保障
理事会が正しい決議をしてくれると期待している」と話していました。

クリミアではロシア介入求める声

クリミア自治共和国の中心都市シンフェロポリではロシア系
住民が連日集会を開きロシアの介入を求める声が強まっています。
シンフェロポリでは、1日も行政府の前の広場でロシア系住民の
集会が開かれ、参加者の1人は「本当の名前に戻る時がきた。
私はロシア。ウクライナではありません」と書いた紙を掲げて
ロシアとの連帯を訴えました。
シンフェロポリでは、先月27日以降所属不明の武装した
グループが議会と地方政府それに空港を次々と管理下におき、
1日からは警察に代わって市の中心部でも警備にあたるように
なりました。この武装グループは、いまも自分たちについて明らかに
していませんが、市民の間では階級章を外したロシアの軍人では
ないかという見方が広がっています。
このため、ロシアへの編入を求めるロシア系市民には好意的に
受け止められていて、集会に参加した女性は「ロシアだけが
私たちを守ってくれる」と話していました。一方、暫定政府を
支持する少数民族クリミア・タタール人の男性は「ウクライナの
ままがいい」としたうえで「でもロシアはきっとこの町を奪ってしまう」と
話していました。

EUロシアに自制求める

ウクライナ情勢の緊張の高まりを受けてEU=ヨーロッパ連合の
アシュトン上級代表は声明を発表し「ロシアがウクライナ国内で
軍の行動を認めたのはむやみに緊張を高めるだけだ」と
強い懸念を表明したうえで「軍の派遣を取りやめるよう求める」と
してロシアに自制を求めました。
EUは週明け3日に緊急の外相会議を招集して対応を
協議するほか、アシュトン上級代表がロシアのラブロフ外相と
会談しウクライナの緊張緩和に向けた外交努力を強める方針です。

仏大統領 強い懸念

ロシアの議会上院がウクライナ国内でロシア軍が行動することを
承認したことについて、フランスのオランド大統領は1日声明を
発表し「ウクライナの領土と主権を著しく脅かすものだ」と
述べて強い懸念を示しました。
そのうえで「外部による介入と差し迫った危機を回避するため
あらゆることがなされなければならない」と述べ、週明けの
3日に開かれることが急きょ決まったEUの外相会議で
一致した対応を直ちに決断するよう呼びかけました。

NATOがロシアに自制促す

ウクライナ情勢の緊張の高まりを受けて、
NATO=北大西洋条約機構のラスムセン事務総長は
緊急の声明を出し、「ロシアはウクライナの主権と領土の
一体性を尊重しなければならない」と述べウクライナ国内での
ロシア軍の行動を承認したロシアに自制を促しました。
NATOは先月27日にブリュッセルで開いた国防相会議でも、
「緊張を高め誤解を招くような行動を慎むようロシアに対して
求める」とする声明を発表し、軍事介入をちらつかせる

ロシアを繰り返しけん制していました。
また、EU=ヨーロッパ連合は週明け3日に緊急の外相会議を
招集し、対応を協議することになりました。
ウクライナ情勢を巡ってEUが緊急の外相会議を招集するのは、
先月20日に続いて2回目です。
会議ではロシアの議会上院がウクライナ国内でロシア軍が
行動することを承認したのを受けて、ロシアに自制を促す
とともに緊張の緩和に向けた対応を協議するとみられます。


コメントです。
政権は崩壊したウクライナで緊張が続いて
いるようです。
しかし、欧州では、古今東西なにかしらの
緊張状態が絶えませんね。
その元をたどっていけば、ほとんどが
民族紛争、もしくは宗教戦争にいきつく
ような気がします。


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2013年10月27日

(ザ・コラム)医療費抑制 「命の値段」英国の仕組み 有田哲文

(ザ・コラム)医療費抑制 「命の値段」英国の仕組み 有田哲文
朝日新聞 2013年10月27日

人の生命には値段がつけられない。命は地球より重い、
というではないか。
しかし、英国には値段があるようだ。1年あたり、だいたい
2万〜3万ポンド(314万〜471万円)である。

あなたが英国人で重い病気にかかったとする。Aという薬を
使えば、これまでの実績からいって数年間は延命できそうだ。
1年の延命にかかる費用が2万ポンド未満であれば、
その治療を受けられる可能性が高い。
しかし、5万ポンドであれば望み薄だ。

治療のたびに自己負担のある日本と違い、英国は国民
保健サービス(NHS)
で誰でも無料で医者にかかれる。

しかし、費用に見合うだけの効果がなければ、簡単には
高い薬を出してもらえない。

   *

数年前、乳がんにかかり、望んだ薬を拒否された女性の
手記がある。NHSへの非難がつづられている。

「NHSはこの薬を認めないことで、人々が死んでいく間に
お金を節約できるのです」
「がんに関する限り、NHSは東ヨーロッパの官僚主義と同じです」
(Barbara Clark「The Fight of My Life」)

薬を手に入れるためには家を売るしかない。彼女は当局への
異議申し立てを始めた。運動は政治家を動かし、最後は
治療が認められた。しかし、高すぎるという理由で
拒否される薬は今もある。

乳がんの早期発見や治療の情報を提供している慈善団体
「ブレークスルー・ブレストキャンサー」は、二つの抗がん剤
NHSで使えるようにしてほしいと求めている。
政策担当のサリー・グリーンブルックさんは言う。
「この薬で完治はしません。でも、これがあれば家族や友人と、
数カ月の間、比較的いい状態で過ごせるんです」

政府は臨時のがん基金をつくって、高額治療への支援を
している。しかし、これも2016年までの時限措置である。

英国らしい、合理的だが冷たい仕組み?でも、医療費
抑えようと、多くの国が、この制度から学ぼうとしている。
費用対効果分析を担当する国立医療技術評価機構(NICE)の
幹部、カリプソ・チョルキドウさんは言う。

「海外の省庁から要望が来るんです。『あなたたちのやって
いることに興味がある。招待するから教えてほしい』と。
とくに中国は強い関心があるようです」。
NICEは、他国に助言するための部署を設けた。

英連邦オーストラリアではすでに同じような制度がある。
韓国も独自の費用対効果分析を進めている。

英国の制度では、1年の延命という効果は、さらに細かく
分析されている。
寝たきりだったり苦しみがひどかったりすれば
生活の質が低い」
「治療の効果が小さい」とされ、1年分とは見なされない。
マイナス要素が強くなるにつれ、0・8年分、0・7年分……となり、
その分、認められる治療費も下がる。

まるで命に値札をつけているようだ。
そう聞くと、チョルキドウさんは言った。

「値札ではありません。医療サービスの生産性を表示して
いるんです。教育でも投資でも、生産性を示す数字は
あるでしょう。もちろん、一般の経済活動にくらべれば
表示するのは簡単ではありませんが」

分析を一歩進め、幅広い社会の便益や費用を計算に
入れることも検討されている。病気が治って仕事に
戻ったことの便益をどう考えるか。
家族の介護負担はどうか。
しかし、識者たちはこの議論が進むことに、ある危惧を持つ。

「病人が2人いて、1人は平均的な収入、もう1人は10倍の
収入があるとする。前者には薬が使えないが、後者には
使えるということにならないか?」
サウサンプトン大のジェームズ・ラフトリー教授)

   *

英国のこの制度、ちょっと寒々とする。やさしい感じはしない。
でも、目をそむければいいとも思わない。限られる医療費
効率的に使おうとする意思が、そこにはあるからだ。

コレステロール抑制では、通常使われるのは月約1ポンド
(157円)の薬だ。効果が少し上がるだけの高い薬は認めない。
疾患のない普通の若者がインフルエンザになっても
タミフル
を出さない。休養すれば治るからだ。

日本の医療費は、国内総生産(GDP)比で英国と同じ9%台。
米仏独よりかなり低い。日本人の生活習慣が良いことも
あるだろうが、とりあえず結果は悪くない。

しかし、これからはどうか。医療費は毎年1兆円を上回る
ペースで増えている。理由は高齢化だけではない。
医療の高度化もそれに劣らず影響している。
いいことのようだが、そこに薬漬けのようなムダはないか。
不当に製薬会社や機器メーカーをもうけさせてはいないか。

医療費抑制はかけ声だけでは実現しない。
どうやって、どんな理由で抑えるか、道具が必要だ。

やさしさを取り繕うのではすまない。
私たちはそんなところに来ている。


コメントです。
英国・国民保健サービス(NHS)の話題です。


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2013年10月21日

謎の「金髪の天使」に照会8千件 ロマへの偏見強まる懸念

謎の「金髪の天使」に照会8千件 ロマへの偏見強まる懸念
木村 正人
 | 在英国際ジャーナリスト 2013年10月21日

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ダンスを踊る少女

ギリシャ中部ファルサラの少数民族ロマ居住キャンプで16日に
保護された金髪の少女に、米国、スウェーデン、フランス、カナダ、
ポーランドなど世界中から8千件を超える問い合わせが殺到している。

少女はマリアちゃんと名付けられており、身長1メートル、体重17キロ、
肌は白く、ブロンドの長髪、瞳の色はブルー。
2009年生まれの4歳とみられている。

地元メディアは事件について「謎の金髪の天使」と書き立てている。

マリアちゃんと一緒に暮らしていたロマ夫婦は、Hristos Salis
容疑者(39)と妻のEleftheria Dimopoulou容疑者(40)。
DNA鑑定の結果、血のつながりがないことがわかり、未成年者
略取・誘拐容疑で2人は逮捕された。

夫婦の自宅からはピストルと頭から肩の一部まですっぽり入る
軍隊用のバラクラヴァ帽などが押収された。

夫婦の親族が地元メディアに提供したビデオなどによると、
マリアちゃんは夫婦と一緒に野外の会場でダンスを
踊らされていた。マリアちゃんのベッドにはクマのぬいぐるみが
並べられ、床のじゅうたんの上にはお絵かき用のマーカーや
描きかけのスケッチブックがそのまま残されていた。

月110万円超の社会保障費

地元警察が16日、麻薬密売容疑でロマ居住キャンプを捜索した
ところ、夫婦とは外見がまったく異なるマリアちゃんを発見、保護した。

英大衆紙デーリー・メールによると、妻は10カ月の間に6人の
子供を出産したと届けるなど、夫婦は14人の子供がいると偽って、
月に7000ポンド以上(約110万9千円)の社会保障費を受給していた。

妻は2つの身分証明書と名前を使い分けていた。
マリアちゃんは幼いころ、ブロンドの髪を茶色に染められていたという。

夫婦は警察の調べに対して「スーパーの外に置き去りにされていた」
「ブルガリア人の母親から引き取った」と供述を二転三転させており、
21日に法廷に出廷、マリアちゃんを養育するようになった経緯に
ついて釈明する。弁護士は「ロマの夫婦と4歳の少女の間には
愛情以外には存在していない」と主張している。

また、夫婦の親族は
「マリアちゃんはダンス好きで無理矢理に踊らせていたわけではない」
「2人はマリアちゃんの面倒をきちんと見ていた」と反論している。

ロマの乳児売買組織

児童支援の慈善団体ザ・スマイル・オブ・ザ・チャイルドの責任者は
デーリー・メール紙に「少女が私たちのところに来たときはおびえて
一言も口を聞かなかったが、今は他の子供たちと遊んでいる」
「少女は悪い環境に置かれていた」と指摘。

その上で「少女は誘拐された疑いが濃厚だ。スカンジナビア半島の
出身だろう」「オカネのために踊らされていたと確信している」と話した。

この責任者によると、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャから英国に
乳児を売り渡すロマの組織があることがよく知られているという。

ロマとは

かつて「ジプシー」と呼ばれたロマは欧州全体で1千万〜1500万人
いるといわれる。10世紀ごろインド北西部から西方に移動し、
トルコなどを経て14世紀ごろ欧州に流入した。

言語、文化、生活習慣の違いから迫害され、ナチス・ドイツにより
少なくとも20万人が虐殺されたとされる。

東欧の共産体制下では強制的な同化や人口調整のため不妊手術が
行われた。冷戦終結後も差別は残っている。今回の「金髪の天使」
誘拐事件がロマに対する偏見と差別を増幅させる恐れがある。

ギリシャでは債務危機をきっかけに社会保障費が大幅に削減されて
おり、月に110万円超の社会保障費を不正受給していたロマ夫婦への
批判が強まるのは必至だ。

ギリシャの経済規模は縮小し、社会不安が増幅。排外主義をあおる
極右政党「黄金の夜明け」が台頭し、移民排斥に反対するヒップホップ
アーティストが「黄金の夜明け」の崇拝者に殺害された。

昨年の大晦日にはハンガリーのペシュト県で7歳ロマ系ハンガリー人が
口論になった若者2人をナイフで殺傷する事件が起きた。

ハンガリーの民主化を進めた民主化組織「フィデス(青年民主連盟)」の
創設メンバーの1人は全国紙へ投稿し、「ツィガーニ(ロマのこと)の
大半は私たちの社会と共存するのにふさわしくない。彼らは動物だ。
動物のようにふるまっている。こうした動物の存在を許してはならない」
とロマ排斥を公然と訴えた。

ルーマニアのロマ人口は2002年国勢調査で53万5千人とされたが、
欧州委員会は180万〜250万人と推定する。ロマの多くが差別を
避けるためロマであることを隠して生きていかなければならないのだ。

40万人超のロマが暮らすフランスでは10年7月、中北部
サン・テニャンでロマの若者が警官に射殺された事件を
きっかけに暴動が発生した。

当時のサルコジ政権は違法キャンプの撤去と送還を強化した。
フランスだけでなく、イタリアやデンマークもロマの違法キャンプを
撤去したり送還したりしていた。

これに対して、ロマの社会参加を促す欧州連合(EU)の
支援策は十分とはいえないのが実情だ。

ロマであることを公表しているハンガリー選出のヤロカ欧州
議会議員は「ロマの問題は政治に翻弄されてきた。失業、
教育など共通した社会問題として取り組むべきだ」と強調している。

マリアちゃんの本当の家族はどこにいるのだろうか。
一刻も早くマリアちゃんが家族のもとに戻れることを祈っている。

今回の事件が刑事司法手続きにのっとって適正に処理
されなければならないのはもちろんだ。しかし、社会全体が
安易にロマ排斥や排外主義に走らないよう、「人権」を旗印に
掲げるEUにはロマを取り巻く問題に本腰を入れて取り組む
政治的リーダーシップを望みたい。      (おわり)




コメントです。

ギリシャでのロマ人に関する話題です。
ところで、日本ではホント、ロマ人への
関心がうすいですね。



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2013年10月19日

15歳ロマの少女を学校行事中に拘束・送還、仏閣内に亀裂

15歳ロマの少女を学校行事中に拘束・送還、仏閣内に亀裂
AFP=時事 10月17日

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コソボ・ミトロビツァ(Mitrovica)の仮住まいで、フランス語の語学力証明書
を見せるロマ民族のレオナルダ・ディブラニ(Leonarda Dibrani)さん
(15、2013年10月16日撮影)。(c)AFP/ARMEND NIMANI


【10月17日 AFP】
フランスで、ロマ民族の15歳の少女が校外での学校行事に
参加中にスクールバスから降ろされて警察に身柄を拘束され、
その日のうちにコソボに強制送還されたことが分かり、
不法移民の取り扱いをめぐって仏政府内部で閣僚が
対立する事態となっている。
発端は今月9日、東部の町ルビエ
(Levier)でロマ民族のレオナルダ・ディブラニ
(Leonarda Dibrani)さん(15)が学校行事でバス移動中に
警察に身柄を拘束されたことだ。この事件は今週になって
初めて、就学年齢の子どもの強制退去処分に反対するNGO団体
「国境なき教育網(Network for Education without Borders、
RESF)」によって明らかにされた。

当日の詳しい状況は不明だが、その場に居合わせた教師の話と
内務省の主張はいずれも、レオナルダさんが他の生徒たちの
目の前で拘束されたわけではないとの点は一致している。
しかしこの教師がRESFを通じて公表したところによれば、他の
生徒たちは何が起きているのかを完全に認識しており、ひどい
ショックを受けているという。

レオナルダさん本人は次のように当時の様子を説明している。
「友達も先生もみんな泣いていました。中には、警察が私を
捜していると知って『誰か殺したの』とか『何か盗んだの』とか
直接聞いてくる子もいました。バスまでやって来た警察は
私に降りるよう言い、それからコソボに帰らなければならないと
告げました」

■割れる仏政界、「学校は聖域」と与党左派

バンサン・ペイヨン(Vincent Peillon)国民教育相は
「学校は聖域であるべきだ。われわれは権利と人間性に
基づいた指針を保持しなければならない」と主張している。

これに対しマニュエル・バルス(Manuel Valls)
内相は、レオナルダさんとその両親、1歳〜17歳のきょうだい5人の
強制送還は正しい措置だったと反論する一方、対応に
問題がなかったかどうか見直すよう関係各所に命じた。
同内相の説明によると、一家の強制送還は既存の手続きに
沿ったもので、亡命申請が却下されたためだという。

与党内の左派勢力から噴出した強い批判を受け、ジャン
マルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)首相もレオナルダさんの
権利が侵害されたことが確認されれば、一家がフランスに
戻れるように手配すると約束した。

一方、野党議員はバルス内相の見解を支持し、強制送還処分が
取り消されればフランスが不法移民を歓迎しているとの誤った
メッセージを発信することになると警告している。

■言葉分からず「怖い」

「怖いです。私はアルバニア語が話せません。私の生活は
フランスにあるんです。言葉が全く分からないのに、こっちの
学校には通いたくない。フランスには自由がありました。
ここ(コソボ)には住みたくはないです」。コソボ・ミトロビツァ
(Mitrovica)でAFPのインタビューに応じたレオナルダさんは、
こう述べた。一家は今、町が用意した仮の住居で暮らしている。

レオナルダさんの1日前に強制送還された父レシャット
(Reshat Dibrani)さん(47)は、一家はロマ民族だったために
犠牲となったと主張する。「フランスには、悪い移民がたくさんいる。
私たちは何も悪いことはしていない。強制送還されたのはロマ
だからだ。肌の色が違ったならこんな扱いはされなかっただろう」

フランスでは前月、バルス内相が「国内にいる2万人のロマ民族の
大半はフランスに同化するつもりがなく、祖国に強制送還
するべきだ」との趣旨の発言をし、物議を醸した。世論調査では
仏有権者の4人に3人がこの方針を支持しており、バルス内相の
人気は高いが、こうした発言を差別的だと批判する声もある。

一連の問題についてフランソワ・オランド(Francois Hollande)
大統領は一切声明を出しておらず、野党からは政府は混乱に
陥っているとの非難が出ている。
(c)AFP/Angus MACKINNON



コメントです。

フランスで15歳ロマの少女学校行事中に拘束・送還
された話題です

長い年月と歴史、それに陸続きの国境が数多くある
欧州。今日の話題のように、他民族に対しての
さまざまなトラブルは、海に囲まれた地理・日本とは
かなり事情が異なるようですね。



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2013年08月13日

夏休みで帰省した生徒が強制結婚の被害に、英政府が警鐘

夏休みで帰省した生徒が強制結婚の被害に、英政府が警鐘
AFP=時事 8月12日(月)

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パキスタンのカラチ(Karachi)で合同結婚式に出席する花嫁
(2012年1月29日撮影、資料写真)。(c)AFP/Rizwan TABASSUM

【8月12日 AFP】英国政府は10日、英国の学校に通う生徒たちが
夏休みで親の祖国に「帰省」した際、強制的に結婚させられる事例が
増加しているとして、教師や医師、空港職員らに警戒を呼び掛けた。
英内務省によると、少女たちを中心に英国籍の生徒が家族に
連れられて「帰省」したところ、本人が知らないうちに帰省先で結婚が
決められていたという報告は、1年のうち夏期休暇中に最も多いという。
英政府機関「強制結婚対策部(Forced Marriage UnitFMU)」は
2012年に約1500件の強制結婚を取り扱ったが、被害者の3分の1は
17歳未満だった。強制結婚させられた「帰省先」は60か国に及び、
およそ半数がパキスタンで、バングラデシュが11%、インドが8%、
アフガニスタンが2.1%だった。
また、男子が被害者となった事例も18%あったという。
ジェレミー・ブラウン(Jeremy Browne)犯罪予防相は、学校休暇の
間に強制結婚の報告が増えるという事実は衝撃的だと述べ、
「夏の終わりに成績発表を控えた10代の生徒たちは、輝かしい将来に
羽ばたいていくべき身だ。会ったこともない人物と望みもしない結婚を
強いられることがあってはならない」と語った。
さらに、若者たちに向けて「危険を感じたら、黙って苦しまずに一歩、
踏み出してほしい。必ず助ける手段はあり、結婚は止められる」と
呼び掛けた。
FMUは今夏、被害者になる可能性がある生徒たちに、強制結婚から
逃れるための情報が記されたカードを配布し、意志に反して結婚さ
せられる危険を感じたら警察官や空港職員に助けを求めるよう
注意を喚起している。
英国政府は昨年、イングランドとウェールズを対象に、親が子どもを
強制的に結婚させた場合は禁錮刑を科すと定めた新法を
導入する方針を発表している。(c)AFP



コメントです
強制結婚の話題です
おそらく、被害者となる可能性のある
生徒たちの出身国は途上国が主だと
思われます
そのため
、先進国の一般常識では
理解不可な風習によって強制結婚に
至るのだと思われますが、
ここで、ひとつ疑問点があります。
それは、子供を英国まで留学させる
ためにはそれなりの費用が必要です
それが可能だということは、生徒の実家は
かなり裕福なはずです。

また、子供を海外で勉強させる考え方自体、
柔軟な思考必要です。

なのに
、それでも前記した
奇妙な風習が未だ続いている。
不思議としかいいようがありませんね。



posted by salsaseoul at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2013年08月11日

「息子」の遺骨、発掘開始=モナリザ特定でイタリア調査団

「息子」の遺骨、発掘開始=モナリザ特定でイタリア調査団
時事通信 2013/08/10

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【ジュネーブ時事】イタリア芸術の巨匠レオナルド・ダビンチ
(1452〜1519年)の世界的名画「モナリザ」のモデルとされる
女性をめぐり、同国の調査チームは9日、女性に息子がいたとの
説を裏付けるため、中部フィレンツェで息子とされる遺骨の
発掘調査を始めた。
「永遠のほほ笑み」をたたえたモナリザのモデルは実在の人物か
どうかが論争になってきた。こうした中、ダビンチ研究家は2007年、
モデルの女性が「リザ・ゲラルディーニ」といい、余生を過ごしていた
フィレンツェの旧ウルスラ会修道院で63歳前後で死去し、そこに
埋葬されたとの説を提唱した。
調査チームは昨年、旧ウルスラ会修道院から8体の遺骨を発掘。
モナリザが描かれた1500年代初頭以降に修道院に埋葬された
女性は2人しかいないとされることから、放射性炭素を使った
年代測定でリザとされる遺骨の絞り込みを進めている。
一方、リザには息子がいたと言われ、息子が埋葬されたとの
記録が残るフィレンツェのサンティッシマ・アヌンツィアータ教会では
9日、遺骨の発掘調査が開始された。調査チームは、遺骨が
当時のものと特定できれば「リザと血のつながりのある息子」と
裏付けられるとみている。



コメントです
モナリザのモデル特定の話題です
学術調査のために、そこまでやりますかと
った感じです

おそらく宗教上の感性の違いでしょうか。
アジアではちょっと考えにくいですね


posted by salsaseoul at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州