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2018年10月07日

「刑務所に入る覚悟」 菜食主義者による襲撃相次ぐ フランス

2018年9月30日 16:16 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ ]

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【9月30日 AFP】精肉店を営むエリザベット・キュレ
(Elisabeth Cure)さんは今月後半に入り、伝統的に
肉食を好むフランス人の食生活を変革しようと活動している
「急進的ビーガン(完全菜食主義者)」グループの投石で、
パリの南西50キロに位置する静かな町、サンタルノーアンイブリン
(Saint-Arnoult-en-Yvelines)にある店の窓ガラスを
割られる被害を受けた。
 キュレさんがAFPに語ったところによると、投石があったのは
午前3時ごろで、店の上階で就寝中だったキュレさんは驚いて
目を覚ました。ここ1年、フランス各地で起きている似たような
事件と同様に、店頭には「(家畜への)弾圧をやめろ」と
いう示威的な落書きが残されていた。
「これで急進的ビーガンの仕業だと分かったのです」
 精肉店に対するビーガンの襲撃や脅迫がこのように
過激化したため、全国1万8000店が加盟している
「フランス食肉専門店・食肉ハムソーセージ専門店・総菜店
連盟(CFBCT)」は6月に緊急事態だと表明し、
政府に保護を要請した。ジャンフランソワ・ギアール
(Jean-Francois Guihard)会長はAFPに
「今年に入って17軒の精肉店が店の窓を壊された。
破壊行為は何十回もあった」と話した。
また「国は何らかの措置をとる必要がある」とした上で、
精肉店を脅かす活動を「一種のテロ」と批判した。
 フランスの食肉消費は、健康へのリスクや価格上昇、
アニマルライツ(動物の権利)への意識の高まりを
要因として1990年代末から徐々に減少しているものの、
多くの人は引き続き堂々と肉を食べている。
ただ、少数派の急進的なアニマルライツ擁護団体は、
畜産業界や食肉業界の動物虐待や残虐行為をことさら
強調することで、食生活を転換させようとしている。

■和解見えぬ一方、完全菜食主義も支持広げる
 従来こうした団体はパンフレットの配布やデモなどの
活動をしていたが、ここ数年は食肉処理場に不法侵入したり、
食肉加工プラントに血のりをまき散らしたりといった
直接行動に出るようになっている。
 このところの精肉店襲撃について責任を問われた団体は
今のところないが、「L214」や「269ライフ・フランス
(269 Life France)」、「ブシェリー・アボリシオン
(Boucherie Abolition、肉屋廃止の意)」などの団体は、
強硬な働きかけを行う戦術の先頭に立っている。
ブシェリー・アボリシオンと269ライフ・フランスは9月22日、
全国各地の精肉店の前でデモを実施した。パリ市内で
子豚の死骸を持ってデモを行った活動家の一人は、
精肉店の窓ガラスを割ることを非難せず、
「いざとなったら刑務所に入る覚悟はできている」
「われわれの活動で制限されているのは
対人暴力のみだ」などと語った。
 家畜飼養や食肉処理で生計を立てている人々と、
動物の大量殺害を止めさせようと活動している人々の間で、
衝突が発生するリスクは高まりつつあるようだ。
南部モンペリエ(Montpellier)にある
ポールバレリー・モンペリエ第3大学
(Paul-Valery University Montpellier 3)の研究者、
マリアンヌ・セルカ(Marianne Celka)氏は、
両者が和解する可能性は「ない」との見方を示した。
ただ、大手スーパーの精肉売り場の向かい側に
「100%ビーガン」の食品売り場が設けられている事例も
あると指摘し、ビーガニズム(完全菜食主義)は
フランス国内で支持を広げつつあると述べた。
(c)AFP/Guillaume DECAMME

コメントです。
フランスのビーガンが暴れている
話題です。
しかし、私的な意見ですが、
世界一個人主張が強いフランス人。
いくら言いたいことがあるといっても、
法に触れる行動を行ったうえで
アウトでしょう。
統治国家なんだから。
だったら自分の主張が通るように
政治の道を目指せばいいのに。
写真に掲載されている女性も
ただの愉快犯に見えてきます。
品格を保って日々過ごしていきたい
ものです。


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2018年07月05日

(世界発2018)リベルランド、自由なる「国家」 バルカン半島の空白地帯に「建国宣言」

朝日新聞 2018年7月4日


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バルカン半島北部のセルビア・クロアチア国境、ドナウ川の
中州を領土とする国家づくりが進行している。
「リベルランド自由共和国」。個人の自由を尊重し、独自の
仮想通貨を構想。市民権申請者は約15万人に上る。
(アパティン〈セルビア〉=吉武祐)
セルビア北部アパティンのマリーナから、ボートで30分ほど
ドナウ川をさかのぼると、草木が生い茂った無人の中州に着く。
2015年4月13日、ビト・イェドリチカ氏(34)が旗を立て、
「建国」を宣言した。
チェコの「自由市民党」の地方支部代表だったイェドリチカ氏は
3年前、グーグルマップを眺め、自身の国家観を実践する場を
探していた。「既存の国家を直すより、新しくつくる方が
やりやすい」。アフリカなどにも候補地はあったが、チェコと
文化が似ていて訪れやすいこの地を選んだ。
ドナウ川の中間が境界だとするセルビアと、
オーストリア・ハンガリー帝国時代の境界を採用したい
クロアチアのどちらも領有を主張していない場所だった。
国際法上の無主地に当たり、建国できると考えた。
自由を基本とする国家理念に賛同し、犯罪歴がなければ、
誰でも市民権を申請できる。ウェブサイトへの登録は約50万人、
有効な市民権申請は約15万人に上る。
ただ、今は拡大を急がない。市民になる人は5千ドルを
納めるか、労働や専門知識を提供する。


 ■クロアチアは警戒
どの国からも国家承認されていないが、欧州でメディアに
取り上げられるなどして支持が広がり、各分野の専門家が
国家構想を練るようになった。イェドリチカ氏を大統領として
外相、財務相、内務相を置き、法律と経済の助言チームがある。
今年4月13日にセルビアのノビサドで開いた
建国3周年パーティーには、クロアチア野党党首の
イバン・ペルナル氏(32)が参加。
「進歩的で、利益を生むアイデアだから支持する」と語った。
16年米大統領選に立候補したゲーリー・ジョンソン
元ニューメキシコ州知事や、複数の欧州議会議員の
支持も得たという。
セルビア側は、建国記念日などに訪れる人が増え、ボートで
中州へ向かう起点のアパティンやその周辺が潤う。
アパティンの町長や旅行業者が支援する。
だがクロアチア側は警戒し、中州への上陸を阻んでいる。
国境が未確定との認識は示しつつ、無主地とは認めず、
立ち入ろうとした「市民」を警察が逮捕している。
かつては立ち入ることができたが、河岸でパーティーを
して騒ぐ人がいたことがきっかけとみられる。
記者がボートで中州に近づいた際も、クロアチア警察の
巡視艇が見ていて、上陸できなかった。


 ■政府の役割を否定
リベルランドの名は英語の「liberate
(自由にさせる)」に由来する。
イェドリチカ氏らは「個人にとって限りなく自由な国」を
追求する。米国などで力を持つリバタリアニズム
(自由至上主義)の思想だ。個人の権利と責任を重んじ、
政府の役割を基本的に否定、規制のない経済をめざす。
4月13日の建国記念日は、米独立宣言の起草で知られる
トマス・ジェファーソンの誕生日だ。
IT起業を奨励し、タックスヘイブン(租税回避地)として
国際企業を呼び込み、実際に住む数万人とネットを通じて
関わる数十万人がITや貿易で繁栄する。
そんな将来像を思い描いている。
イェドリチカ氏は今、国家の土台となる仕組みづくりで
1億ドル(約110億円)の初期投資を集めている。
独自の仮想通貨「メリット」を創設して運用する構想があり、
仮想通貨の根幹であるブロックチェーン技術を電子的な
国家運営に採り入れる方針という。
税金は基本的にない。市民は自発的に出資金を納めて
仮想通貨メリットを得る。選挙は一人1票ではなく、
メリットの保有額に比例した票数を持つ仕組みとする。
司法は、市民から選んだ陪審員がネットで証拠を集め、
素早く判決を下す。こうした制度の基礎となる憲法と
基本法の草案を公開している。


 ■「いかなる同盟も組まない」 
「大統領」のイェドリチカ氏に聞く

 ――新しい国のアイデアの特長は何ですか。

「イスラエルは敵対する人たちがいる地域に建国した
けれど、我々は多くの人に歓迎されている。
もともと住んでいた人もいない」

 ――国連や欧州連合(EU)に加盟する考えは。

「外交政策はジェファーソンの考えが柱だ。すべての国と
友好関係を持ち、貿易をするが、いかなる同盟も組まない。
国連加盟が我々の利益になるとは思わない。
EUには膨大な規制があり、自由な国をつくる我々の考えと正反対だ」

 ――仮想通貨を推進する道具とみる人もいます。

「それは構わない。仮想通貨業界がリベルランドを発展させ、
我々も仮想通貨を発展させる。(ブロックチェーン技術で)
公正性、透明性を提供できる点で、仮想通貨は既存の
どの通貨より優れている」

 ――リベルランドが大きくなり、あなた自身の手に負えなくなりませんか。

「宣伝しなくても2分に1件、ウェブサイトへ登録があるが
成長を急ごうとは思っていない。同じ考えを持ち、一緒に
やれる人を見つけることが重要だ」

 ――大統領の役割は。

「将来は大統領を廃し、仮想通貨メリットを持つ人々に
よる権力分散型の自治行政府に移行したい。政治というよりは経営になる」


 ■リベルランド自由共和国

 ◆国家形態:「直接民主制の要素を持つ立憲共和国」

 ◆面積:7平方キロ

 ◆市民権付与:約600人

 ◆核となる協力者:約120人

 ◆有効な市民権申請:約15万人(日本から276人)

 ◆公用語:英語

 ◆標語「To live and let live」
(自分の思うように生き、他人も同じように自由に生きてもらう)

 (市民権関連の数値は今年4月現在)

コメントです。
20年ほど前でしょうか。
自衛隊員である原子力潜水艦の艦長が
任務中に独立国家を宣言するアニメが
ありましたが、今回の記事の元首は
案外このアニメを見て育った世代
だったりするのかもしれません。
現在、なにかと話題の仮想通貨ですが、
今一度、「統治国家」という言葉を
学習し直したほうがいいかもしれませんね。
今回の記事もですが、やっていることは
小学生
が好き勝手に「言ったもん勝ち」程度の
印象があります。

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2018年03月04日

多発テロ実行させる子ども「軍隊」を企て、男に有罪評決 英

多発テロ実行させる子ども「軍隊」を企て、男に有罪評決 英
AFP 2018年3月3日
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英ロンドンの中央刑事裁判所で有罪評決を下された
ウマル・アハマド・ハック被告の画像。
ロンドン警視庁公開(2018年3月2日公開)。
(c)AFP/METROPOLITAN POLICE


【3月3日 AFP】英ロンドンの中央刑事裁判所の陪審は2日、
ロンドン市内にあるマドラサ(イスラム神学校)
「ランタン・オブ・ナレッジ」の管理者の立場を
利用して生徒らを勧誘し、子どもの「軍隊」をつくって
多発攻撃を実行させようとしていたとして、
ウマル・アハマド・ハック被告(25)に有罪評決を下した。

ハック被告はロンドン東部出身で教員資格は持っておらず、

ロンドン警視庁の声明によれば、子どもたにテロリストに
よる過激な暴力映像を見せたり、警察官をナイフで刺す
「テロリストの役を演じさせ」たりするなどして急進化させ、
「ロンドン市内の企業や地域に多発攻撃」を行わせようと
していたという。

ロンドン警視庁テロ対策司令部のディーン・ヘイドン氏は、

「ハック被告は欧州や英ウェストミンスターで発生した
襲撃事件に触発された危険人物で、銃やナイフ、爆弾、
大型車両などを使って罪のない人々を同時多発的に
殺害する計画を企てていた」と述べている。

さらなる捜査で、ハック被告はリップル・ロード・モスクでも、
11〜14歳の子ども55人に対して急進化を試みていた
ことが明らかになっている。

ハック被告はこれまでに、テロを実行するための情報を
収集し、テロに関する文書を配布したなど、
4件の罪状について認めていた。

また同被告の共犯者として、アブサヘル・マムン被告(29)と
ムハンマド・アビド被告(27)にも有罪判決が言い渡されている。
(c)AFP


コメントです。
紛争地で子ども軍隊を組織化しているのは
周知ですが、まさか大都会のロンドンでこのような
蛮行が企れていたとは驚きです。
早期逮捕に至ってよかったですね。
しかし、ダメージの大きさから世界中のテロリストの
標的にされるロンドン。
気の毒です。
皮肉なことに警察や捜査機関も実力を
どんどん上げているのでしょうね。




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男性聖職者のためにほぼ無償で奉仕、修道女がバチカン誌で非難

AFP 2018年3月3日

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【3月3日 AFP】カトリック教会の修道女3人がバチカンの
月刊誌で、修道女たちが男性の聖職者のために無償で
させられることが多い雑用について非難していることが2日、
明らかになった。
カトリック教会における男性聖職位階制が
公然と批判されるのはまれ。

シスター・マリー、シスター・ポール、
シスター・セシルの3人の修道女は、
バチカンの日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノと
ともに刊行されている月刊誌
「女性と教会と世界」で日ごろの不満を吐き出している。

アフリカ出身で20年前にイタリア・ローマにやって来た
マリーさんは同誌で、「聖職者に雇われている修道女の中には、
夜明けとともに起床して朝食を準備し、夕食を出して、
住居を掃除し、洗濯してアイロンがけをしてからやっと
眠れるという人々もいる」と語り、「そうした修道女たちは
義務を感じて沈黙を守っている」と話している。

ポールさんは、修道女たちが、奉仕している上級の
聖職者や教区と契約を結んでいることはめったにないため、
彼女たちは「微々たる額か、または無償」で働いていると
述べている。

さらに、修道女が病気になった場合は元の教区に
送り返されて代わりの修道女が派遣され、
「代わりはいくらでもいるように」扱われるとし、
「ある教会で30年間働いてきた修道女たちを知っているが、
病気になったときに、自分がそれまで仕えた司祭で見舞いに
来てくれた司祭は1人もいなかったと話している」と述べている。

契約書を交わさずに教師として働いていたというセシルさんは、
修道女たちは「好きなように使い捨てできるボランティア」
だと見なされており、そうした状況はまさに
「権力の乱用」につながっていると主張している。

今回、告発した3人の修道女の実名はいずれも
明かされていない。発展途上国出身の修道女らにとって
批判の声を上げるのは、容易なことではない。
修道会などから身内の学費や医療費を出して
もらっている場合もあるからだ。

ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は2016年に、
修道女たちは理不尽な労働条件について意見などを
自由に言うべきだと述べる一方で、
「フェミニズムのわな」に陥ってはならないと戒めている。
(c)AFP

コメントです。
なんか、オウム真理教のやりたい放題を
思い出させる記事ですね。
男性聖職者、あまり自分たちのポジションに
甘えていると、足元からすくわれる事態になるのでは。



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2017年10月22日

欧州の人身取引・密航業者90人逮捕 ユーロポール

2017年10月21日 AFP

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【10月21日 AFP】欧州警察機構
(ユーロポール、Europol)は20日、欧州で子どもや
移民が被害者となっている人身取引・密航業者の
ネットワークに対して今月2件の一斉摘発を行い
90人を逮捕したと発表した。

摘発のうち一つは今月9〜13日の間に19か国で
行われたもので、未成年者34人と成人1072人が
「弱い立場、あるいは搾取される可能性のある状況」に
置かれており、容疑者16人が逮捕された。
ある例では、父親を装った男が偽のパスポートを
持った男児と空港に到着したところを警官が取り押さえた。

二つ目の摘発は密航を対象としたもので、
当局は74人を逮捕。うち4人は密航業者と
つながっていた。

 国際刑事警察機構
(インターポール、Interpol、ICPO)、欧州対外国境
管理協力機関(フロンテックス、Frontex)と連携して
一斉摘発したユーロポールによると、捜査期間中、
24万人以上に事情聴取を行ったという。

ユーロポールは、摘発は「性的搾取や強制的物乞い、
犯罪行為の強要などのホットスポット」となっている
移民受け入れセンターや国境周辺を中心に
行ったことを明らかにしている。(c)AFP


コメントです
人身売買、日本ではあまり話題にならない
犯罪ですが、欧州ではしばしば報道に
あがります。
やはり、他民族が共存する地域ならではの
文化の違いでしょうか?
言葉に語弊だあるかもしれませんが、
「民族格差」を感じさせる犯罪です。




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2017年02月25日

オランダの「妊娠中絶船」がグアテマラに入港、海軍が活動阻止

AFP 2017年02月24日

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グアテマラのサンホセの港で記者会見を行った、オランダの女性権利団体
「ウィメン・オン・ウェーブス」の創設者で中絶医のレベッカ・ゴンペルツ氏
(2017年2月23日撮影)。(c)AFP/JOHAN ORDONEZ


【2月24日 AFP】オランダの女性権利団体が所有する
「妊娠中絶船」が
中米グアテマラの港に到着し地元キリスト教
団体などの激しい反発を招いている。
グアテマラ海軍は23日、
「中絶船」を監視するため巡視船を派遣した。


物議を醸しているのは、オランダの非営利団体(NGO)
「ウィメン・オン・ウェーブス(Women on Waves)」が所有する船。
首都グアテマラ市(Guatemala City)南方のサンホセに
入港した船に乗っている活動家らは、中絶が禁止されている
グアテマラの女性たちを支援すると宣言。法律違反を回避するため
同国沖の公海上で5日間にわたり中絶手術を無料で行うと
表明していた。

これに対しグアテマラ海軍は、ジミー・モラレス(Jimmy Morales)
大統領の指示に基づき「この団体が国内で活動することを許可しない」
との公式な申し立てを検察当局へ送ったことを明らかにした。

 一方、ウィメン・オン・ウェーブスは声明で、海軍が同団体の船を
不当に拿捕(だほ)したと主張。「グアテマラは自国の女性が安全に
中絶する権利を規制している。その規制に対する合法的な抗議を
(軍が)妨害している」と非難した。

グアテマラでは、母体の命に危険が及んでいる場合を除き、
中絶は禁止されている。ウィメン・オン・ウェーブスによると、
同国では違法で危険な中絶が毎年およそ6万5000件も
行われているという。

ウィメン・オン・ウェーブス創設者で中絶医のレベッカ・ゴンペルツ
(Rebecca Gomperts)氏はAFPに対し、今回の活動は2012年に
モロッコで行った活動以来だと明かした。モロッコでも妊娠中絶は
違法かつ社会的タブーとされており、この時も海軍が中絶船の
入港を阻止するため港を封鎖するなどした。
(c)AFP/Edgar CALDERON



コメントです。
オランダ人のおせっかいな女性が
わざわざ他国まで出向いて
自分たちの価値観を押し付けようと
しています。
やはり現地の宗教や生活スタイルを
リスペクトするべきでしょう。
それにしても、話題にもならない
身勝手な男たちの存在の薄さ。
せめて議論に加わりなさいよ。


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2016年09月25日

イタリア買春事件で珍判決、「被害少女に本を買い与えよ」

AFP 2016年09月24日 15:14 発信地:ローマ/イタリア

【9月24日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)の裁判所で、
未成年の少女を買春した被告に対して、女性の尊厳に関する
書籍30冊をその少女に買い与えることを命じるという珍しい
判決が出された。イタリアのメディアが23日伝えた。

被告の男(35)は禁錮2年に加え、売春をしていた15歳の
少女に対して、英女性小説家バージニア・ウルフ
(Virginia Woolf)の小説やアンネ・フランク(Anne Frank)の
日記、米詩人エミリー・ディキンソン(Emily Dickinson)の
詩集などを買い与えるよう言い渡された。
さらにフェミニズムをテーマにした映画作品2本も提供するよう
命じられた。

ローマの高級住宅街パリオリ(Parioli)地区で14歳と15歳の
少女2人をあっせんしていたローマを拠点とする売春組織の
捜査が2013年から行われ、今回の裁判につながった。

最新の判決文は23日の時点では公開されていないが、
全国紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)は
「判事は少女に、彼女が受けた本当の『被害』は女性としての
尊厳が損なわれたことだと理解する助けとなる救済措置を
選んだようだ」と報じた。

一方、判事が被告に購入を命じた書籍に自身の著書が
含まれているベローナ大学(University of Verona)の
アドリアナ・カバレロ(Adriana Cavarero)教授(哲学)は、
判事はそれらの書籍を被告に読み聞かせる方が良かったと
同紙に語った。

「思春期は内省をする時期ではなく、被告の男性がしたことの
ほうがはるかに悪質だ。故意に未成年者との性行為に
金銭を払った大人なのだから」とカバレロ氏は述べた。
(c)AFP






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移民に親切にしたベルギー警官、「うっかり」仏警察に拘束される

AFP 2016年09月23日 17:22 発信地:リール/フランス

【9月23日 AFP】フランスとベルギーの国境で、行き先を間違って
ベルギーに迷い込んでしまった移民13人を親切心から警察車両に
乗せてフランス側へ送り届けたベルギー人警官2人が、
仏当局に身柄を拘束されていたこと分かった。
両国当局が22日、明らかにした。

仏内務省は、ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相が
駐仏ベルギー大使を呼んで「説明を求めるとともに、
不快感を表明した」と発表した。

ベルギーの警官2人は20日夜、イラク人とアフガニスタン人の
移民13人を連れて国境を越えた後、国境に接したフランスの町
ニエップ(Nieppe)で仏警察当局に拘束された。
仏警察によると、移民たちは英国へ渡る玄関口である仏北部の
港湾都市カレー(Calais)に向かおうとしてトラックに身を潜めたが、
車を降りたところで誤ってベルギーに来てしまったことに気付いたという。

ベルギー人警官らは、道路脇にいた移民たちを警察車両に乗せ、
フランス側まで連れて行った。拘束された警官の1人はベルギー
公共放送RTBFに対し、「彼らを沿道に放置して、そのまま国境まで
歩いていかせるのはしのびなかった。
だから、車に乗せて彼らの望む方向へ連れて行った」と説明した。

RTBFによれば、ベルギーのヤン・ヤンボン(Jan Jambon)
内相は「規則では、難民を国境まで送り届けることになっている。

問題は、路上に引かれた国境線が明確でないことだ。
彼ら(ベルギーの警官)がフランス領に侵入してしまったのは、
どこが国境なのか把握できていなかったからだ」と述べたという。
(c)AFP




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2016年09月02日

「血の復讐」におびえる子どもたち アルバニア、中世の慣習今も

AFP2016年09月01日

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アルバニア・シュコドラ付近にある自宅で母親と一緒に写真撮影に応じるアルバニア人の
少年クレビス君(左)と弟のアルバート君(2016年6月27日撮影)。
(c)AFP/DIMITAR DILKOFF

【9月1日 AFP】生活は苦しく、学校に通えないことも多い。そして日々、
誰かに殺される恐怖にさらされている。東欧のアルバニアで、
血の復讐の掟「ジャクマリャ(Gjakmarrja)」が残る世界に
生きる子どもたちの日常だ。

ジャクマリャは、ある一族の人が殺されれば、殺した相手の
一族の男性を復讐として殺せると定めたもので、歴史は中世に
さかのぼる。アルバニア北部の山岳地帯では現在でも
慣習として存続し、武器を持てる年齢の男性なら一族の
誰一人としてこの掟から逃れられない。

AFPは、この血讐の犠牲になるのではとおびえながら毎日を
暮らす子ども数人に話を聞いた。これらの男の子たちは、
首都ティラナ(Tirana)から北に90キロほどのところにあり、
モンテネグロとの国境に近いシュコドラ(Shkodra)町の
近郊に住んでいる。

クレビス君(13)は医者になるのが夢で、弟のアルバート君
(11)は将来、法務大臣になりたいという。マルセル君(13)は
歌手、タウラント君(仮名、13)はサッカー選手になるのが夢だ。

だが、彼らはそうした大志を抱いていても、学校に通うことも
できなければサッカークラブに所属することもできず、
音楽を習いに行くこともかなわない。

クレビス君、アルバート君の兄弟と、マルセル君は同じ一族の
出身。「ジャクス」と呼ばれる暗殺者に殺されないように、
質素な家に身を隠して生活することを余儀なくされている。

その理由は、親戚の男が2000年に、争いになった相手を
殺害してしまったからだ。そのため彼らは、明日にでも
襲撃に遭う恐れがあるのだという。

僕たちの一族は血まみれなんだ」。血で血を洗う報復と
死の連鎖にとらわれた生活をクレビス君はそんな風に表現した。

司法の機能不全

ジャクマリャの起源は、日常生活の規則を定めた
「カヌン(Kanun)」と呼ばれる社会規範がつくられた
15世紀の中世アルバニアにさかのぼる。カヌンでは、
誰かが殺害されたら、被害者の家族は加害者本人だけでなく、
加害者の氏族の男性全てを復讐の対象にできると
細かく規定している。

 シュコドラ町のボルタナ・アデミ(Voltana Ademi)町長は、
こうした血の抗争に巻き込まれた一族は「殺すか殺されるか」を
意識しながら暮らしていると話す。

一方で、問題はカヌンではなく、現在のアルバニア当局の
対応にあるという見方もある。憎み合う一族間の和解を
支援する団体で働くギン・マルク氏は、「国の機関や司法
システムが機能しなければ、人々は問題の解決策を
見つけられない」と指摘する。

アルバニアは特に、1990年代に一党独裁体制が
崩壊して一時無法国家に近い状態に陥った影響で、
伝統的な血讐文化の影響を受けやすくなっている。

今年4月に発表された公式統計では、66家族の計157人が
隠れて暮らしていると推定され、うち44人が子どもという。
このうち57前後の家族がシュコドラ周辺で暮らし、警察や
当局への通報はめったにないとされる。ただ、ジャクマリャの
脅威を口実に外国で虚偽の難民申請をする人もいるため、
正確な統計は入手しにくいのが実情だ。
(c)AFP/Briseida MEMA and Nicolas  GAUDICHET

コメントです

旧東欧の、古い習慣に関する記事です。
ここに限らず、世界中で古く常識外の

風習は多く残ります。

特に、復習殺人はそれほど珍しいのもではなく、
その地域の司法で違法であっても、現在も

まかりとおっているのが現状です。



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2016年07月24日

仏テロ、ニースの光と影 北部の貧困層、失業の不満 事件発生から1週間

朝日新聞 2016年7月22日

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フランス南部ニースでトラックが花火の見物客に突っ込み、
84人が犠牲になったテロから21日で1週間。事件は、
地中海に臨むリゾート地の二つの顔を浮かび上がらせた。
富裕層が住み、世界中から観光客が集う南部と移民らが
多く貧しい北部。テロの恐怖がさらなる分断を招きかねない。

現場となったビーチ沿いのニース南部の大通り
「プロムナード・デ・ザングレ」は、華やかなニースの象徴だ。
高級ホテルが軒を連ね、まぶしい日差しとテラスでの食事。
水着姿の人が行き交う。観光客らがそぞろ歩きする姿も
少しずつ戻りつつある。

だが、車で15分ほど北に向かうと雰囲気が一変する。
簡素な団地に洗濯物が無造作に垂れ下がる。
地べたに座り込んで所在なげな人たちの姿が目立つ。

チュニジア人のモアメド・ラウエジュ・ブレル容疑者(31)は、
北部に住んでいた。イスラム過激派の思想に染まり、
シリアなどに渡る若者も少なくないと指摘されてきた地域だ。

ニースの約8割のモスク(イスラム礼拝所)を束ねる組織の
オトマヌ・アイサウイ代表(46)は「過激化するのはモスクに
寄りつかない若者。インターネットを通じて過激派に接している」。
限られた人間関係に身を置き、過激な思想に染まるケースが
多いという。
追悼に訪れたバルス首相に18日、罵声が
浴びせられる場面があった。ソフィ・シャティさん(45)は
怒りをあらわに「彼は力強い演説をしなかった」。
追悼の場がテロを防げなかったオランド社会党政権への
批判の場になった。

ニースは、退職後に移り住む高齢世代も多く、保守層が強い。
足踏みする仏経済、高止まりする失業率などを背景に不満が
募る。イスラム過激派と移民・難民とがいっしょくたになって
攻撃対象にされかねない。

急先鋒(きゅうせんぽう)は、マリーヌ・ルペン党首が率いる
右翼・国民戦線(FN)。移民規制の強化を訴えるFNは
2015年末の地域圏議会の選挙で、ニースでは34%の
得票(第1回投票)で2位につけるなど支持を広げる。

厳しい風当たりに、北部の人たちの不安は高まる。
配送業を営むモロッコ移民のラッサンさん(34)は
「問題の核心は社会の不平等と差別だ。
多くの人はビーチ以外のニースを知らないが、北部では
若者は職にもつけない」と憤る。

北部の別の街で小さなスーパーを営むモアメドさん(40)は、
シリア行きの話をしている若い客がいると明かしつつ、話した。
「職や家族を持つために努力することが本当の聖戦だと、
彼らに気付いて欲しい」(ニース=福山亜希)

 ■容疑者、何度も下見

ブレル容疑者は14日夜、大型トラックでジグザグ運転を
しながら加速や減速を繰り返し、花火の見物客らをはねながら、
約2キロを暴走。警察官との銃撃戦で射殺された。

仏検察の捜査では、11日にトラックを借り、犯行直前まで
現場を何度も下見していたことが監視カメラの映像などでわかった。

押収されたパソコンには、7月以降ニースでのイベントの
開催予定や昨年のパリの同時テロなどの詳細を調べたり、
過激派組織「イスラム国」(IS)の宣伝ページを繰り返し
閲覧したりした記録が残っており、「短期間で急速に過激化した」
(カズヌーブ内相)とされる。ISが16日、犯行声明を出したが、
つながりは確認されていない。(パリ=高久潤)





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2016年07月08日

「母親になると後悔するのか」…ドイツで一大論争に

「母親になると後悔するのか」…ドイツで一大論争に
AFP 2016 7月 7日


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「母親になると後悔するのか」…ドイツで一大論争に
ドイツ・ベルリンで、学校に11歳の娘を迎えに行き、一緒に帰宅する母親
(2016年6月23日撮影)。(c)AFP/John MACDOUGALL

【7月7日 AFP】母親になったことを後悔する──
そんなことがあり得るだろうか? イスラエルの研究者が
提起したこの問いが、ドイツで長年のタブーに切り込んだ格好となり、
一大論争を巻き起こしている。

社会学者で、昨年「Regretting Motherhood
(母親になって後悔する)」という研究を発表したオルナ・ドーナト
(Orna Donath)氏は、「この話題はイスラエルでは1週間程度で
落ち着いたのに、ドイツでは何か月も続いている」と
その状況を比較する。

子どもを持たなければ「将来後悔する」という周囲の声に
うんざりしていたドーナト氏は、子どものことは愛しているけれども、
本音を言えば子どもを持たなければよかったと考える
女性23人からの言葉を集めた。

ドーナト氏の問題提起について、2001年に
「ドイツの母親という神話性」を題材に研究論文を発表している
学者のバルバラ・フィンケン(Barbara Vinken)氏は、
ドイツ人の心の琴線にこの研究が触れたのだと指摘する。

フィンケン氏は、「母親に何もかもが求められ、母親自身も自らに
全てを要求する社会で、子どもを持つことの喜びについての
根本的な問いを投げ掛け た」ためとその理由を述べる。
同氏によると、「ドイツでは、大学で教育を受けた女性の3
分の1以上が子どもを持っていない。これは欧州では他に
例を見ない状況だ」という。

ドイツには、子どもの幸福は社会や父親ではなく母親によって
決まるという考えが深く根付いており、女性のキャリア形成への
大きな問題となってい る。フィンケン氏はドイツに比べ出生率が
ずっと高い隣国フランスと比較して、「妊娠中でもグラス1杯の
シャンパンを飲むことができ、早期に断乳して産後3 か月も
すれば仕事に復帰し、以前のような『大人』の生活を取り戻すことが
容認されているフランスとは違う」ことを指摘する。

■「文化的な変化」は…

アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)氏が10年前に首相に
就任してからは政策的議論も活発となり、保育施設の増設や
父親の育児休暇取得奨励策など、出生率の引き上げを
目的に新政策が導入された。

だが、文化的な変化は、これに後れを取っている。
国内最大の発行部数を誇る日刊紙ビルト(Bild)紙は昨夏、
「キャリアを追求してパンツスーツを着用し、スムージーを飲み、
体を鍛える」女性を批判するコラムを掲載した。

寄稿した男性コラムニストはさらに、「(このような女性たちは)
まるで男のようだ。もはや母親ではない。自分の子どもが夜、
雷におびえていても起きやしない」とも続けている。

しかし、父親の関与を促そうという考えもさほど広がりを
みせていない。シンクタンク「ドイツ経済研究所(DIW)」が
最近発表した研究によると、家事に費やす時間では、
フルタイムで働く女性でも1日3時間と、男性よりずっと多いという。

他方で、この「母親論争」から距離を置くことを選択した
女性もいる。彼女たちは、子どもを持たないという権利を
擁護し、ドイツにおける親としての 役割や就業機会に
関して日常的に行われている論争には関わるまいとの
態度を示している。(c)AFP/Coralie FEBVRE



コメントです
ドイツでの婚姻男女の社会的地位は、

欧州の他の国と比べて微妙に差異が
ある話は聞いたことがあります。
少し話がそれますが、ドイツでは

ショッピングモールに
託児所ならぬ、「託夫所」なるものが
存在します。
買い物に来た時、夫を有料で預けるという
目的なのですが、ドイツ社会、経済に関しては
欧州一の規模を誇りますが、成人男性に関しては
かなりインマチュアーなのかもしれませんね。



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2016年06月16日

保護者同伴なしで海渡る移民・難民の子ども倍増、ユニセフ

AFP 2016年06月15日

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マケドニア国境に近いギリシャ・イドメニの難民キャンプを歩く子供たち
(2016年3月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/DANIEL MIHAILESCU



【6月15日 AFP】欧州を目指し耐航性のない船で地中海
(Mediterranean Sea)を渡る保護者同伴のない子どもの数が、

今年になって倍増している。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が
14日、報告書を発表した。

ユニセフの報告書「Danger Every Step of the Way
(行く先々で直面する危険)」によると、イタリアに到着する
未成年10人に9人は保護者の同伴がない。今年に入ってからの
5か月だけで、こういった 未成年の数は7000人以上に
上っているという。

ユニセフは、保護者の同伴がなかったり、離ればなれに
なった子どもたちについて、密航業者からの虐待や搾取の
リスクがとりわけ高いと報告書で指摘した。

他方で、国際移住機関(IOM)によると、現在、リビアから
イタリアへと渡るナイジェリア人女性や少女の急増が
懸念されており、その80%が人身売買の犠牲者と推定されている。

IOMによると今年、地中海で命を落とした人の数は2859人に
上っており、その多くは子どもたちだという。
昨年は、一年間で同3770人だった。

今後、欧州は夏季を迎えるこれから、アフリカや中東から
地中海横断を試みる人の数はさらに増えるとみられている。

ユニセフの報告書によると、現時点で移民と難民は、
リビアに23万5000人、サハラ砂漠南縁部のサヘル
(Sahel)地域に95万6000人いるとされ、そのうちの
多くが欧州への入国を希望しているという。
                          (c)AFP/Gilles CAMPION




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2016年05月05日

(人口減にっぽん 海外から考える:上)子だくさん、厚い支援 高い出生率、フランスは

朝日新聞 2016年5月3日
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32年間で162人の子どもの面倒をみてきた
保育ママのフローランス・キュイサールさん=パリ市

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2月に公表された2015年の国勢調査で、日本の人口は
5年前より100万人近く減った
。「保育園落ちた」の匿名ブログ問題は、子を産み育てにくい
日本の状況を改めて浮き彫りにした。
少子化・人口減に歯止めをかける有効な手立てはあるのか。
先進国では高い出生率を維持するフランスを訪ねた。

 ■保育ママ31万人/税優遇

パリ郊外に住む会社員、ギャラト・ビルジニーさん(35)は、
小学2年の長男を育てているシングルマザーだ。長男が
小さいときは、託児所に空きがなく、家で子どもを預かる
「保育ママ」に頼んだ。
「充実した保育サービスがなければ、仕事は続けられなかった」

フランスでも3歳以下の子ども約240万人のうち、託児所に
入るのは1割に過ぎない。それをカバーするのが保育ママ
の存在だ。国内に31万人いる。

「子どもたちの成長をみるのは、生きがい」。
パリ市東部の自宅マンションで、幼児3人を預かる保育ママの
フローランス・キュイサールさん(61)は話す。
32年間で162人の面倒をみてきた。

保育サービスに加え、給付面も手厚い。フランスで は、子育て
する家庭向けの代表的な家族手当は、2人以上の子どもが
いる家族だと、2人目に対し月約130ユーロ(約1万6千円)が出る。
子どもが14歳に なると加算され、20歳まで支給される。
子が3人以上になるとさらに手当が増える。保育ママを利用して
働く親には補助として手当も支給され、家族が多いほど
所得税が優遇される制度もある。

フランスでは、家族手当が医療や年金と並ぶ社会保障の柱の
ひとつだ。7千超の団体の71万家族が所属する非営利組織
「全国家族協会連合」や、政府や労組、有識者らでつくる
首相直属の「家族高等評議会」など、必要な家族政策を
実現させる「政治力」もフランス特有のものだ。

家族手当を支給する全国家族手当金庫の担当者は
「子育て支援は、将来年金を払ってくれる人の確保につながる」と
話す。フランスが現在の2程度の出生率を維持すると、
2060年の総人口のうち65歳以上の割合は3割以下に
抑えられ、推計で約4割に達する日本と大きな差が出る。

フランスでは、2度の大戦で隣国ドイツと戦った教訓として
出産奨励策が戦後に本格化した。70年代以降は、女性の
社会進出を支援することが家族政策の大きな目的になっている。

フランスの出生率は70年代半ばに2を割り込み、日本を
下回る時期もあった。政策効果が表れ、1・6台で底を打ったのは
90年代。2008年に「2」を回復するまで34年かかった。

 ■不景気、手当削減も

そのフランスの 家族政策も試練の時を迎えている。
今年1月に公表された15年の出生率(速報値)は1・96と、
10年ぶりの低水準。低下を招いたとみられているのが不景気と
緊縮財政だ。失業率は10%と高い水準が続く。財政赤字を
減らすため、家族手当の削減も始まっている。
これまで子どもの数に応じて同額支給されていたが、昨夏から
所得制限が設けられ、年収約6万7千ユーロを超える
世帯は手当が半額、約8万9千ユーロ超の世帯は4分の1となった。

仏西部ナント郊外に住む会社員ナデージュ・ケディラックさん(40)は、
共働きの夫と子ども2人と暮らすが、昨年、家族手当を
月約200ユーロから約50ユーロに減らされた。
「税金はたくさんとられているのに、どうして手当を
減らされるのか」と不満げだ。

リヨン第3大学のジャック・ビショ名誉教授は「老人が多くなり
年金は削りにくいが、家族手当は減らしやすい。富裕層の
出生率には手当削減の影響が出るだろう」と指摘する。

 ■<視点>政党は財源の具体像示せ

「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログが共感を呼んだ
日本の状況をフランスの母親たちに伝えると、
「考えられない。保育ママもベビーシッターもいる」との
声が返ってきた。

日本経済研究センターによると、フランスでは、子育ての

負担よりも、手当や税制優遇など給付が多く、
年収3万ユーロの家庭で第3子まで育て上げると
「給付超」の額は計約3900万円に達する。
家族政策への財政支出(国内総生産比)は
日本の1%台に対しフランスは3%近い。

同センターの試算では、日本が出生率2・1と仏並みの
手当や保育サービスを目指すなら年間13兆円の
財源が必要。消費税率を5%幅上げ、すべて子育てに
回す計算だ。増税に頼らず社会保障を組み替えるなら、
医療費の窓口負担増など、社会保障費のうち
高齢者向けの割合を8割台から7割台に減らす必要がある。

ブログ問題後、与野党は競うように子育て支援の充実を
訴える。その財源を増税で賄うのか、高齢者へのサービス
削減で賄うのか。本気で取り組むなら「負担」の具体像を
示すことこそ政治の仕事ではないだろうか。
(編集委員・堀篭俊材)

コメントです

フランスをやり方を取り入れることができるかといえば、
必ずしもそうではないですが、それでも参考にはなりますね。
いい記事です。



posted by salsaseoul at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2016年04月23日

エリートの資産隠し暴いたパナマ文書 ピケティ氏が警鐘

朝日新聞 2016年4月20日

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ピケティ氏

■ピケティコラム@ルモンド

タックスヘイブン(租税回避地)や金融の不透明さに
関わる問題が、何年も前から新聞の1面をにぎわしている。
この問題に対する各国政府の声明は自信に満ちたものだ。
だが、残念ながらその行動の実態とはかけ離れている。
ルクセンブルク当局が多国籍企業の租税回避を手助け
していたことが暴露された2014年のルクセンブルク・リークで、
多国籍企業が子会社を利用して欧州にほとんど税を納めて
いないことが明るみに出た。16年の「パナマ文書」が明らかに
したことが何かというと、先進国と発展途上国の
政治・金融エリートたちが行う資産隠しの規模が
どれほどのものかということだ。ジャーナリストが
自らの任務を果たしているのは喜ばしい。
一方で、政府が果たしていないのが問題なのだ。
08年の金融危機以来、何もなされてこなかった。
ある面では事態は悪化してしまっている。

順を追って見ていこう。欧州では税の引き下げ競争の
結果、大企業の利益に対する課税の税率がこれまでに
ないレベルになった。例えば英国は課税率を17%まで
引き下げようとしている。主要国では先例のない水準だ。
しかもバージン諸島や王室属領にある他のタックスヘイブンを
保護したままである。何もしなければ最終的にどの国も
アイルランドの課税率12%に並ぶだろう。0%に
なることもありうるし、投資に対する補助金まで
出すはめになるかもしれない。
そんなケースがすでに見られている。

一方米国では利益に対して連邦税が課され、税率は35%だ
(さらに5〜10%の州税がかかる)。欧州が民間の利権に
振り回されるのは、欧州は政治的に細分化されており、
強力な公権力が存在しないからなのだ。
この袋小路から抜けだすことは可能だ。ユーロ圏のGDP
(国内総生産)と人口で75%以上を占めるフランス、ドイツ、
イタリア、スペインの4カ国が民主主義と税の公平性に基づいた
新条約を結び、大企業への共通法人税という実効性のある
政策を取れば他国もそれにならうほかなくなるはずだ。
そうしなければ世論が長年求めてきた透明性の確保に
つながらず、しっぺ返しをうけることになるかもしれない。

タックスヘイブンに置かれている個人資産は不透明性が
非常に高い。08年以降、世界のあちこちで巨額の財産が
経済規模を上回る速度で成長し続けた。その原因の一端は、
他の人々よりも払う税が少なくてすんだことにある。
フランスでは13年、予算相がスイスに隠し口座は持って
いないとうそぶき省内でその事実が発覚する懸念はなかった。
ここでもまたジャーナリストたちが真実を明らかにしたのだった。

スイスは、 各国間で金融資産情報を自動的に交換
することに公式に同意した。パナマは拒否しているが、
この情報交換で将来的に問題が解決されると考えられている。
だが、情報交換は18年になってようやく始まることに
なっているのに加え、財団などの保有株には適用されないと
いった例外まで設けられている。しかもペナル ティーは
一切設定されていない。つまり、私たちは「お行儀よく
してください」と頼めば、各国が自発的に問題を解決して
くれる、そんな幻想の中にいまだに生 きているのだ。
厳格なルールを順守しない国には、重い貿易制裁と
金融制裁を科すということを実行に移さなければならない。
ここではっきりさせておこう。ど んなわずかな違反に対しても、
その都度こうした制裁を繰り返し適用していくのだ。
もちろんその中にはフランスの親愛なる隣国スイスや
ルクセンブルクの違反も含まれるだろうが。こうした
繰り返しがシステムの信頼性を確立し、何十年にも
わたって罰を免れてきたことで生み出された、透明性が
欠如した雰囲気から抜け出すことを可能にするだろう。

 同時に、金融資産を統一的な台帳に登録するように

しなければならない。欧州のクリアストリームや米国の
証券預託機関(DTC)などといった金融市場で決済
機能を果たす機関を、公的機関が管理できるようにする。
こうした仕組みを支えるため、共通の登録料を課すことも
考えられる。得られた収入は、気候 対策などの
世界全体に関わる公益の財源にあてることもできよう。

疑問がまだひとつ残っている。不透明な金融と闘うために、
各国政府は08年からずっとほとんど何もしてこなかった。
なぜなのか。簡単に言えば、自ら行動する必要はないと
いう幻想の中にいたからだ。中央銀行が十分な貨幣を発行
することで、金融システムの完全な崩壊を免れ、世界を
存亡の危機に追いやる 過ちを避けることができた。
その結果、たしかに景気後退の広がりを抑えることはできた。

しかしその過程で、必要不可欠だった構造改革、
行政改革、税制改革をせずにすませてしまった。
公的セクターと民間とが持っている金融資産は全体で、
国内総生産(GDP)のおよそ1千%、英国では2千%に
あたる。それに比べれば、主要中央銀行の金融資産の
規模は、GDPの10%から25%に上がったとはいえ
小さいままで、必要が生じれば、より増やすことが
できる水準であることは安心材料だろう。

 しかしここからわかるのは、とりわけ民間部門の
バランスシートが膨張し続けていることと、システム全体が
極めて脆弱(ぜいじゃく)であるということなのだ。
願わくば「パナマ文書」の教訓に世界が耳をかたむけ、
いよいよ金融の不透明さに立ち向かわんことを。
新たな危機を招かぬうちに。

(〈C〉Le Monde,2016)

(仏ルモンド紙、2016年4月10−11日付、抄訳)



関連記事です。
パナマ文書、流出元にメス 地元検察、電子データ押収

201604212.jpg


 各国首脳らのタックスヘイブン(租税回避地)への関与を
暴露した「パナマ文書」について、パナマ検察当局は
流出元の法律事務所を捜索し、大量の電子データを
押収した。報道を主導する「国際調査報道ジャーナリスト連合」
(ICIJ)には、各国の税務当局から情報提供の要請が相次ぐ。

「27時間にわたる家宅捜索を終えた。押収した情報の
多さに満足している」

13日夜、中米パナマの首都パナマ市中心部。
法律事務所「モサック・フォンセカ」前で、前日から続いた
捜索を終えたばかりの検事が、世界中から詰めかけた

報道陣に語った。

モサック社から流出した「パナマ文書」は、タックスヘイブンに
よる資産運用の実態を明らかにした。パナマ検察当局は
12日、同社の活動に違法行為があった可能性があると
して捜索に踏み切った。

検察は専門家の手を借りて大量の電子データを押収。

「パナマ文書」と同様の顧客情報が含まれていると見られる。
検事は「内容を分析し、(違法性の有無について)結論を出す」と
説明した。分析には時間がかかる見通しだ。

同国のポルセル検事総長も記者会見した。
「不正の有無についてしっかり捜査する」と述べる一方、
「パナマでは税逃れそのものは刑事責任に問えない。
タックスヘイブンに設立された会社が何らかの不正に
利用されていなかったか調べる」とも述べた。

モサック社の前では13日、市民数十人が生活の苦しさを訴え、
「不正は許さない」と抗議した。参加したルイス・ゴンサレスさんは
「金持ちの汚いやり方を許してはいけない。
徹底的に捜査してほしい」と話した。

パナマ文書の発覚で批判が強まる租税回避の問題に
ついては、14、15日に米ワシントンで開かれる
主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも
議論される見通しだ。麻生太郎財務相は14日、国際的な
取り組みに向けて「パナマ文書」が「ある意味追い風に
なっている」と述べた。

課題の一つは、税逃れに使われている恐れのある国際的な
金融取引の情報を共有する仕組みをどう整えるかだ。
G20や経済協力開発機構(OECD)は過度な節税や
税逃れを防ぐため、国際的なルールづくりで昨年までに
合意した。各国は国外で暮らす人の銀行口座の情報を
自動で交換するしくみも2017年から順次始めるが、
パナマなど一部の国は参加していない。G20ではこうした
国々に参加を求め、抜け道を許さない体制づくりを急ぐ。

 (パナマ市=田村剛、ロンドン=寺西和男)

 ■<ICIJ提携記事>10カ国超の当局、閲覧要求 
報道側は拒否「独立して公に奉仕」

パナマ文書の報道を主導している非営利の報道機関
ICIJと提携先の報道機関に、英国やスペインなど
10カ国以上の税務当局が文書の提供や閲覧を
求めていることが分かった。ICIJは「我々は政府の
代理人ではなく、公に奉仕する独立した報道機関」とし、
要請を拒否している。

ICIJによると、スペインの税務当局の幹部から
「スペインの個人や法人に関する情報を共有してほしい」
との要請が届いた。このほか、英国、ベルギー、カナダ、
インドネシア、ブルガリア、ラトビアなどで、ICIJと提携する
地元の報道機関にも、各国の当局から同様の要請が
相次いでいる。日本の提携先である朝日新聞や
共同通信には今のところ、そうした要請はない。

 南ドイツ新聞によると、パナマ文書と同様のファイルの
一部を入手している当局もあるが、すべてのファイルを
持っている当局はない、とみられる。

国際的な社会問題を報道してきたICIJは取材資料を
政府に渡さないのが長年の方針だ。パナマ文書の
データベースは、一般の私人に関して公開の公益性が
低いメールや旅券などの情報が含まれているため、
提携先の記者以外の閲覧は断っている。ICIJや
朝日新聞は2013年4月にも今回とは別のタックスヘイブンの
秘密ファイルに基づき、世界の政治家らの関わりを報道した。
当時、OECDの税務長官会議はICIJを名指しして
「情報を税務当局に提供すること」を奨励したが、

ICIJは応じなかった。

パナマ文書を巡っては、一部の国で記者を攻撃する
動きも出ている。エクアドルの ラファエル・コレア大統領は、
ネットで「腐敗に対する『選択的』な闘いは、さらなる腐敗で
あるだけだ」とツイート。ジャーナリスト6人の名前と
アカウント名も書き込んだ結果、記者に脅迫や侮辱の言葉が
浴びせられている。ベネズエラの国営メディアは
「政府首脳の周辺を選択的に取材している」として記者を
非難 しているという。ロシアのプーチン大統領は14日に
出演したテレビ番組で、「アメリカ政府の職員の陰謀だと
知っている」と改めて反発した。(編集委員・奥山俊宏)

 ■「暴露心配」「調査、来るのか」 日本の一部富裕層、動揺

「パナマ文書」をめぐり、日本の一部の富裕層にも動揺が
広がっている。ICIJが公益目的で5月に公表を予定する
法人や個人の情報をもとに、日本の国税当局も調査すると

みられるからだ。

「私の会社も暴露されないか」「国税が来るのか」。
香港が拠点の税務・投資コンサルタントの日本人男性には
顧客から問い合わせが殺到している。

開業以来、日本人約300人のタックスヘイブンの法人設立を
支援。手がけた案件にはモサック社が絡むものもあると
いう。男性は顧客に「直ちに問題があるわけではないので、
お待ち下さい」と説明している。

ただ男性は、顧客が日本で適正に税務申告しているかは
知らない。「もし顧客が脱税容疑に問われれば、私も
『幇助(ほうじょ)』ということになるのか。非常に不安だ」

日本の国税局OBの税理士は「公開された文書に
自分の名前が載っているのがわかり、修正申告する
動きも出てくるのではないか」。

東京の税理士法人の場合、顧客は60〜70代の上場企業や
中小企業の経営者が多いという。近年はIT企業の創業者ら
40代も増えている。目的の多くは節税だ。顧客は
「自分は人より頑張った」「従業員を養えるよう利益を
確保したい」などと考えているという。

日本人の節税策にも、モサック社のような法律事務所が
関わるのはなぜか。

日本に近い香港やシンガポールには、日本の富裕層を
相手にするコンサルティング会社がある。多くは日本人
スタッフが常駐。現地で伝統的に富裕層向けサービスに
強い欧州系金融機関の支店で、口座を開く。

ただ、長年こうしたサービスを手がける会社の代表は
「コンサル会社の多くは各国の税務や法律に精通しておらず、
自ら法人の設立はできない。モサック社のような
法律事務所などに直接または間接的に丸投げしている」と明かす。

 ■高度な税逃れ、国税も関心

日本では海外に5千万円超の財産を持つ人に、それら
をリストアップする「国外財産調書」の提出義務がある。
国税庁によると14年分は約8千人が提出し、財産総額は
3兆円を超えたが「提出していない人がいる」(担当者)。
タックスヘイブンを利用する富裕層が含まれるとみられる。

追徴課税される例もある。13年には証券会社元役員が、
香港の会社に移した約7億円について東京国税局に
所得隠しを指摘されたことが判明。10年には東京の
私立大学の元総長(故人)が欧州のリヒテンシュタインの
銀行口座で運用していた株式など約15億円分について、
遺族が相続財産の申告漏れを指摘されたことが分かっている。

日本の国税庁は富裕層への課税強化を重点課題と
している。14年から「超富裕層プロジェクトチーム」を東京、
大阪、名古屋の各国税局に設け、高度な節税策の
実態把握を進めている。17年から世界の100カ国・地域で
銀行口座などの情報を交換する仕組みも始まる。

パナマ文書には具体的な人名や会社名が記されている。
ICIJが公表すれば、日本の国税当局も申告漏れの
有無など必要な調査に乗り出すとみられる。

国際税務に詳しい国税局OBの税理士は「文書に名前が
載っている人物にはそれを根拠に調査ができ、会社が
判明すれば預金や資産の動きから申告漏れの
有無もわかる」と話す。(磯部征紀、水沢健一、中村信義)


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2016年04月10日

中国、狙いは欧州経済だけじゃない…ギリシャ・ピレウス港「獲得」、ちらつく海軍拠点化の野望

産経新聞 2016.4.9

201604091.jpg
中国海運最大手が経営権を握るギリシャ・ピレウス港の第2埠頭
2012年5月(宮下日出男撮影)
201604092.jpg

【ベルリン=宮下日出男、北京=矢板明夫】ギリシャは8日、
同国最大の港であるピレウス港の売却契約について、
中国海運最大手の中国遠洋運輸集団 (コスコ・グループ)と
正式に調印した。ピレウス港は地中海の海運の要衝で、
アジア・中東地域から欧州への玄関口にあたり、今後、中国の
欧州進出に拍車がかかる可能性がある。

コスコ・グループは中国政府の管理下にある国有企業で、
今回の買収は習近平指導部が主導する形で進められた。
現地からの報道では、中国側はピレウス港を運営する
国営会社の株式の67%を2段階に分け、
計3億6850万ユーロ(約450億円)で取得する。

中国側はこのほか港湾整備・開発に3億5千万ユーロを
投資する予定。当初は株式51%分の取得にとどめ、
これらの投資の実行を受け5年後に残りの株式を買い取る。
中国はすでにピレウス港のコンテナ埠頭の運営権を握っていた。

ギリシャは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の支援を
受けて財政再建中で、同港などの国有資産の民営化は

支援実行の条件。当初は民営化に反対したチプラス政権も
現在は推進姿勢に転じている。首相府付近ではこの日、
民営化反対のデモも行われた。

習指導部は現在、中国を起点に内陸と沿岸の2つのルートで
インフラ建設を通じて欧州まで経済圏を構築する
「新シルクロード(一帯一路)構想」を推進 している。
ピレウス港の取得は構想実現の鍵を握るといわれており、
将来は中国海軍が欧州に進出する際の拠点として
利用することも視野に入れているという。

中国はアジア回帰を強める米国へ対抗するため、欧州と
アフリカでの経済的、軍事的影響力の拡大を急いでいる。
中東欧やアフリカ諸国でもさらなる港湾などインフラの
買収を検討しているほか、セルビア−ハンガリー間の

鉄道建設計画も進めている。

中国の外交関係者は「今回の買収は中国とギリシャの
双方にプラスだ。中国企業がピレウス港をうまく運営

できれば、ほかの港を買収する際の抵抗が少なくなる」と
話している。

【用語解説】ピレウス港

 ギリシャの首都アテネ近郊に位置する、地中海沿岸で
最大規模の港の一つ。運営会社によると、2013年の
年間の利用旅客数は約1700万人、コンテナ埠頭での
取扱貨物量は約64万TEU
(1TEUは長さ20フィートのコンテナ1個)。

コメントです
日米と比べて、中国と欧州の関係はそれほど緊張感が
あるわけではありません。
むしろ、欧州は中国の経済力をあてにしている感さえあります。
ですが、確かにギリシャは欧州にとっては、お荷物国ですが、
それでも、地理的に見て守りの要に位置する国です。
そこを、よりによって中国の進出を許しますか?
おそらく、将来、脅威になるでしょう。



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2016年01月31日

ハンガリーの赤い有毒汚泥流出事故、工場関係者ら全員に無罪判決


AFP 2016年01月29日

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ハンガリー西部で、決壊したアルミニウム精錬工場の廃液貯水池から流出した
有毒汚泥で赤く染まったコロンタール村の家々(2010年10月8日撮影)。(c)AFP

【1月29日 AFP】ハンガリーで2010年にアルミニウム工場の
廃液貯水池が決壊し、大量の有毒汚泥が流出して地元住民ら
10人が死亡、150人がやけどを負った事故の責任を問う裁判で
同国西部べスプレーム(Veszprem)の裁判所は28日、
工場の経営者ら被告15人全員に無罪を言い渡した。
被害者らは怒りの声を上げている。

この事故は、ハンガリー西部アイカ(Ajka)で2010年10月4日、
MALハンガリーアルミニウム製造販売会社(MAL)のアルミニウム
精錬工場の廃液貯水池が1週間続いた大雨の後に決壊し、
赤い有毒汚泥が流出したもの。110万立方メートルもの廃液は
洪水と化して近隣の3つの村を押し流し、家々は高さ2メートルの
汚泥に埋まった。

最終的に汚泥は40平方キロの範囲に広がり、ドナウ(Danube)川に
まで達した。貯水池に近い河川の生物は、ほぼ完全に死滅。
政府は非常事態を宣言し、約8000人が避難するハンガリー
史上最悪の化学事故となった。
現在も、数百ヘクタールの土地が立ち入り禁止となっている。

工場の責任者だったゾルターン・バコニ(Zoltan Bakonyi)
被告とMAL幹部ら社員15人が業務上過失、廃棄物管理違反、
環境破壊などの罪で起訴され、検察側は全員に禁錮刑を求刑していた。

しかし28日、裁判所は事故原因は「土壌の安定性が失われたため」と
判断。15人に刑事責任は問えないとして、全員に無罪の判決を
下した。検察側は上訴する方針だ。

無罪判決は、傍聴席を埋め尽くした事故の被害者や犠牲者遺族らの
間に強い怒りを巻き起こした。破壊された家々の写真を掲げた
男性が「とんでもない 判決だ!断固、抗議する!」と叫び、
警備員に法廷の外へ連れ出される一幕もあった。
(c)AFP/Peter MURPHY、Geza MOLNAR


コメントです
ハンガリーのアルミニウム工場の事故記事、
ここでも掲載しましたが、最近、工場関係者の
判決が出たようです。
それで全員無罪だそうですが、現地司法の
下した判決、はたして正当なのでしょうか?





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2016年01月05日

ネオナチ糾弾の歌、22年の時を越え1位に 難民を応援

朝日新聞 2016年1月3日

201601041.jpg
シェーネ牧師(左端)の指導を受け、ギターを練習する難民たち
2015年12月、独ラーテノー、玉川透撮影

東西統一後まもない1993年のドイツで、移民を襲うネオナチを
糾弾し、人々の共感を集めた歌があった。
「シュライ・ナハ・リーベ(愛への叫び)」。
この曲が昨秋、22年の時を越えヒットチャート1位に輝く
「奇跡」が起きた。

歌うのは、過激な表現が持ち味の男性3人組ロックバンド
「ディ・エルツテ」。このバンドの研究本を書いた
フランク・ゴイケさん(54)は「愛への叫び」について
「物議を醸すこともあった彼らが、初めて強い政治的な
メッセージを込めた曲」と話す。

曲の中で、荒ぶるネオナチにこう呼びかけた。

おまえの暴力は愛への無言の叫びにすぎない/
おまえの軍靴は愛情を切望する

異例のリバイバルには、「仕掛け人」がいた。

独北部オスナブリュック在住のソフト開発者、
ローランド・タプケンさん(33)。昨年8月末、友人の
結婚パーティーでディ・エルツテの曲が流れたのを聞いて
ひらめいた。「『愛への叫び』を難民への応援歌にできないか」

シリアなどから欧州への難民流入が激化する中、
極右勢力による保護施設襲撃や放火が増えていた。

タプケンさんの提案は、ソーシャルメディアで反響を呼んだ。
友人の音楽教師ゲルハルト・トルゲスさん(46)が
専用ホームページをつくり、CD購 入やラジオへの
リクエストを呼びかけると、支援の輪は急速に広がった。
ディ・エルツテ自身も、曲の収益を難民支援団体に
寄付する考えをサイトで示した。

発表当時でも最高位9位だった曲が、昨年9月には
ドイツの週間ヒットチャートで1位に。独語圏の
オーストリアでも1位、スイスでも上位に入った。
ドイツのチャート集計会社は「これだけ長期間を
経て再び成功した曲は、過去に例がない」と驚いた。

一方、トルゲスさんの元には、極右勢力からと
みられる脅迫の電話やメールが相次いだという。

ドイツは今、岐路に立っている。

あまりの難民の数に、歓迎ムードは下火に。難民に
寛容な姿勢を示したメルケル首相への政治的な圧力も
強まるばかりだ。極右勢力による難民への攻撃や
排斥デモも、やむ気配はない。

歌の面でも変化が起きている。ドイツでは戦後しばらく、
大ヒット曲の多くは英語で歌われてきた。若者たちが
ナチスの台頭を許した親の世代を嫌悪し、自国文化から
距離を置いたことが背景にあるといわれる。

ポピュラー音楽・ビジネス大学(独マンハイム)の
ウード・ダーメン教授は「当時の若者たちは、国や家族から
解放された自由の楽園を求めた。
その象徴が英語の曲だった」と見る。

だが政治・経済両面でドイツの存在感が増す中、
独語の曲がチャート上位を占めるように。2015年6月には
史上初めて上位10曲全てを独語の曲が占めた。
独音楽産業協会のフロリアン・デュリュッケ氏は
「自国の物を愛する欲求が高まっている」と分析する。
ナショナリズムの過度の高揚を警戒する声もある。

それでも、タプケンさんやトルゲスさんが「愛への叫び」
復活に込めた思いは、確かに伝わっている。

昨年12月、難民約700人が身を寄せる独北部ラーテノーの
保護施設。寒空の下、ギターの音が響くと人々に笑みが
こぼれた。中東やアフリカから逃れた十数人が
不慣れな手つきでギターやキーボードを奏でる。

地元の牧師ウォルフ・シェーネさん(53)が呼びかけ、
11月から演奏を教えている。
楽器は地元の住民らが寄付してくれた。

シリア南部シュワイダー出身のシャディル・ナセルさん(24)は
「ドイツ語は勉強中。会話はうまく通じないけど、音楽なら
笑いあえる。早くうまくなりたい」と声を弾ませた。

シェーネ牧師は言った。「将来、難民のバンドを結成し、
みんなで『愛への叫び』を演奏します」(ベルリン=玉川透)

     ◇

〈欧州への難民流入〉 紛争地シリアやアフガニスタン
などから欧州に渡る難民が、2015年に急増。
国連難民高等弁務官事務所などによると、同年だけで
100万人を超えた。多くは受け入れに積極的なドイツなどを
目指している。欧州連合(EU)は加盟国に受け入れの
割り当て義務化を決めたが、東欧など一部の国は反発している。


コメントです
旧東欧の崩壊も、西側から流れてくる、音楽にのせた
自由の叫びが引き金になったといわれています。
また、音楽を媒介に、しばしば大規模なチャリティーの
呼びかけが行われることがあります。
もちろん、自然発生ではなく、仕掛け人がいてのことですが、
それがうまく働けば、得られる成果は莫大なものです。




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2015年11月19日

パリ郊外の「ふつうの若者」 数年前から過激思想に


朝日新聞 2015年11月18日

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パリ同時多発テロは、過激派組織「イスラム国」(IS)の
国境を超えるネットワークの存在を浮かび上がらせた。

シリアで立案し、ベルギーで準備。過激思想に染まった
フランスの若者らが自身命を投げ出して市民の命を奪う。
ふだんの暮らしのすぐ隣に、闇が広がっていた。

パリ北東の移民が多い郊外の町ドランシー。
赤や青の遊具を備えた子どもの遊び場を囲むように、
れんが造りの公営団地が立ち並ぶ。
ここでサミー・アミムール容疑者は育った。

3階にある容疑者宅を訪ねると、玄関の扉は木の板で

ふさがれていた。テロの直後、警察が突入したと聞いた。
容疑者は13日夜、パリのコンサートホール「ルバタクラン」で
自動小銃を乱射し、観客らを無差別に殺害したと疑われている。
自身はその場で死亡。28歳だった。

「静かで、礼儀正しい青年だったよ」。
容疑者宅の隣に住むリシャル・ベラセムさん(65)は取材に
そう語った。
アルジェリア出身の両親と、姉、妹の家族5人暮らし。
容疑者はエレベーターで近隣住民と乗り合わせると、
気軽にあいさつを交わすような「ふつうの若者」だったという。

目立たないとはいえ、変化はあった。向かいの部屋に住む
イスラム教徒のハムダさん(63)は「何年か前にアラブの
民族衣装を着るようにはなった。急にジムにも通い始めた」。
ただ、容疑者が過激思想に傾倒していると感じたことはない。

容疑者はなぜ、凶行に走ったのか。仏メディアによると、
容疑者は2012年10月、国際テロ組織アルカイダの拠点が
あるイエメンに渡航しようとして、友人とともに仏警察に
逮捕された。パスポートも押収されたという。

逮捕される前、容疑者は地元の路線バス運転手として
1年半ほど働いていた。この間に起きた変化に、同僚の
女性は気づいていた。「採用されたころは気さくだったのに、
だんだん目を合わせなくなっていった。運転手の休憩所で
会っても、握手を拒否されるようになった」

この会社は運転手を採用する際、心理的な耐性を調べる
テストを義務づけている。同僚は「問題があれば不採用に
なるはず。ここにいた間に洗脳されたんだと思う」と話した。

容疑者宅と同じ団地に住む40代の女性は、若者たちが
昼間から過激主義について話しているのを見たことがある。
「勧誘だったのだと思う。年長者がほかの若者を説得
するような口調だった」

16日に記者会見したドランシー市長は容疑者の母親の
話として、容疑者は12年ごろ、隣の市のモスク
(イスラム礼拝所)に通うようになりイマーム(宗教指導者)に
過激な思想を吹き込まれたと語った。

13年夏ごろ、容疑者はISが勢力を伸ばしていたシリアへと

渡った。
連れ戻すため後を追った父の説得にも応じなかったという。
そして今回、生まれ育った母国で犯行に及んだ。
(パリ=渡辺淳基)

■ベルギーが「準備拠点」 独警察の逮捕者は7人に

シリアで計画され、ベルギーで犯行グループが
組織され、フランスで共犯者を得て実行された――。
フランス当局が描くパリ同時多発テロの構図はこうだ。

仏・ベルギー当局の発表などを総合すると犯行グループは
少なくとも計11人で構成されていた。現場で死亡した
実行犯7人のうち、2人はベルギーに住んでいた。

犯行グループが、今回のテロで関係の深いベルギーを
「準備拠点」としていた実態が浮かびあがる。

ベルギーは人口約1150万人、日本の九州より面積が
小さい国だが、国内のイスラム過激派は約500人に上り、
多くがISに参加するためシリアやイラクへの渡航経験がある。
欧米メディアによると、人口あたりではEUで最も多い。

過激派が多く潜んでいるとされるのが、ブリュッセル西部の
モランベーク地区だ。首謀者とみられる
アブデルアミド・アバウド容疑者(27)=シリア滞在中=と、
カフェで自爆した容疑者弟のサラ・アブデスラム容疑者(26)
=国際指名手配中=は、いずれも同地区の出身だった。

ベルギーの 捜査当局は15日に同地区を捜索し、16日には
アブデスラム容疑者の関係先のアパートにも踏み込んだ。
その間、道路が封鎖され、警察官が通りを埋めた。
爆発のような音も聞こえた。学校に子どもを送り届けた
主婦セファ・アクトゥムさん(43)は「モランベークの評判が
悪いのは確かだが何が起きているのか分からない」と語った。

街のあちこちに、仏語とアラビア語を併記した看板があり、
通りを行き交う女性の多くが髪をスカーフで覆う。
モスクも多い。

実行犯がベルギーを拠点としたのは理由がある。
フランスと国境を接する南部はフランス語圏で、パリまで
列車で約1時間。「シェンゲン協定」の下で、両国間は
人やモノの自由な移動が認められている。

武器の闇市場の存在も指摘されている。今年1月の
仏週刊新聞シャルリー・エブドなどの襲撃事件やベルギーの
テロ未遂事件でも武器の調達先になったといわれる。

また、国の北部はオランダ語圏で南部は仏語圏。
言葉の壁が、警察組織の連携にとってマイナスに
働いているとの指摘もある。テロ組織にとっては厳戒態勢の
隣国フランスよりも拠点がつくりやすいとの見方もある。

17日、ベルギーに接する独西部アーヘン近郊でドイツ警察は
今回のテロに関与したとされる男女計7人を逮捕。
各国は背後関係の解明を急いでいる。
(パリ=高久潤、ブリュッセル=吉田美智子、玉川透)


コメントです
パリ同時多発テロ関連の記事です。


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移民地区、たびたび捜索 高失業率、募る不満 ベルギー

朝日新聞 2015年11月18日

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パリ同時多発テロの犯行グループが拠点としていたブリュッセル
西部のモランベーク地区。ベルギー捜査当局が大規模な捜索を行った。
移民国家ベルギーを象徴する街に17日、記者が入った。

テロに関与したとされるサラ・アブデスラム容疑者(26)
=指名手配中=は、同地区の中心部から約1キロ離れた
閑静な通りに住んでいたとみられる。捜査当局の大規模な
捜索から一夜明けた17日、3階建てアパートの玄関は
当局にこじ開けられ、窓ガラスが割られていた。

住民の男性は「実行犯の男なんて知らない。警察はみな壊して
いったが、何も見つけられなかった」と話した。
同地区では、1月にベルギーで警察署などを狙った
大規模テロ計画が発覚して以降、
捜査当局がたびたび捜索しており、住民には不満が募る。

アルジェリア系移民の販売員アリ・タヘさん(33)は
「若者をイスラム過激派に向かわせているのは政治だ。
学校に行けず、職もなく、希望をなくしてシリアに行く
しかなくなった気持ちは分かる」と訴えた。

イスラム系移民が多く住む同地区は、レストランや商店の
看板は仏語とアラビア語が併記され、イスラム教徒のスカーフを
かぶった女性が目につく。1960年代後半から中東やアフリカの
移民たちを労働力として迎え入れてきた。

現在、地区に住む約9万5千人の8割が移民系とされ、
国籍は約100に上る。移民国家ベルギーの象徴的な街だ。

だが、若者の失業率は4割以上。満足な教育も受けられない。
欧米メディアによると、2004年のスペイン列車爆破テロの
首謀者や今年8月にパリ行き国際特急で取り押さえられた
武装犯も住んでいたという。

ミシェル首相は15日、地元テレビで「(テロを)未然に防ぐための
様々な手は打ってきたが、不十分だった」と認めた。

 (ブリュッセル=吉田美智子、玉川透)

 ■<考論>移民への偏見、過激行動の一因 
ダニエラ・クリムケ独ハンブルク大学教授(国際テロ・犯罪学)

パリの同時多発テロは1月の仏週刊新聞社襲撃に比べて
脅威の拡散という点でも桁違いだった。
欧州の難民政策も大きな影響を受けるだろう。
すでにポーランドが欧州連合(EU)の難民受け入れ
分担に反対するなど波紋が広がっている。

シリアなどから流入する難民の中に、過激派組織
「イスラム国」(IS)の息のかかった者が紛れ込んでいないか、
警戒する必要はある。しかし、問題の本質は欧州諸国が
長い間、移民らの社会統合に力を注いでこなかったことにある。

フランスはドイツと並ぶ移民大国だが、社会統合策が
成功しているとはいえない。
むしろ社会の偏見は強まっている。
移民らの大半は経済社会の中心にはなれず、常に不満を
抱えている。これが彼らの孤立化を助長し、過激な行動に
走らせる一因ともなっている。

移民の側も西洋社会がイスラム社会を敵視していると
主張する代わりに、溶け込めない理由を受け入れ先の
人々に根気強く訴えていかなければならない。

イスラム過激派とイスラム教は、区別して考えなくては
ならない。だが、テロの脅威にあおられて感情論に傾けば、
その重要な区別は容易にできなくなってしまうかもしれない。
二つを結びつけて外国人排斥を訴えてきた右翼勢力などに
とって、今回のテロは願ってもない機会になってしまう。

 (聞き手・玉川透)

 ■ベルギーと関連のあるテロ

2003年5月 モロッコ・カサブランカのベルギー
         領事館周辺などで連続爆破テロ

  04年3月 スペイン・マドリードの駅で同時爆破テロ。
         首謀者がベルギー在住との情報

    05年 イスラム教に改宗したベルギー人女性が
         イラクで自爆テロ

  10年9月 デンマーク・コペンハーゲンで、ベルギー国籍の
         チェチェン人がテロ未遂

  15年1月 仏週刊新聞「シャルリー・エブド」などで連続テロ。
         容疑者の1人がブリュッセルで武器を購入か

     8月 オランダ・アムステルダム発パリ行きの国際特急で
         テロを企てた男を米軍人が取り押さえた。

         男はブリュッセルで乗車

    11月 パリで同時多発テロ。容疑者3人がベルギーに在住歴



コメントです
パリ同時多発テロ関連の記事です。



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2015年11月17日

(時時刻刻)仏、ISと全面対決 国際テロへ、IS戦術転換か

朝日新聞 2015年11月17日
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パリ同時多発テロについて、仏政府は、過激派組織「イスラム国」
(IS)がシリアで計画を立て、戦闘員に実行させたとの見方を固め、
全面対決を決めた。仏捜査当局は国内各地で捜索を実施し、
次々と身柄を拘束。シリアのIS拠点を空爆し、軍事介入を強める
姿勢も鮮明にした。米国主導のIS封じ込めは新たな段階に
入ったバルス仏首相の発言や、フランスやベルギーの捜査からは、
今回のテロ事件をISが組織的に計画自ら指揮した疑いが強まっている。

仏警察は13日夜のテロ事件発生直後から警戒態勢を敷き、
15日夜から16日にかけて、イスラム過激派の拠点を一斉に
捜索。168カ所で23人を拘束し、AK47など自動小銃4丁、
ライフル銃8丁、短銃19丁、防弾チョッキなどを押収した。
殺傷能力の高いロケット砲も見つかった。

1月の仏週刊新聞シャルリー・エブド襲撃事件や、その後に欧州で
起きたテロ事件は、いずれも「一匹おおかみ」型犯行の性格が
色濃い。実行犯は単独か2人のケースが大半で、ISと直接の
関係があるという形跡はなかった。

ISがテロの戦術を変えた背景には、「支配地」での劣勢を
外国でのテロで取り戻そうとする意図が垣間見える。

ISは最近、10月31日に224人が死亡したエジプト東部
シナイ半島でのロシア機墜落、11月12日にレバノンの
首都ベイルート南部での連続爆発で犯行声明を出した。
他にもトルコやサウジアラビアなどで積極的な動きを見せる。

一方で本拠地とするイラクとシリアでは苦戦を強いられている。
イラクでは13日に北部の拠点であるシンジャルが、
クルド人部隊に奪還された。西部アンバル州ラマディでも、
イラク治安部隊が攻勢を強めている。
また、シリア政府軍は10日、ISが2年間占拠を続けてきた
北部アレッポ近郊の空港を解放した。

今回の同時テロが標的としたのは、ISと敵対するフランスの
首都で、世界的に著名な国際都市パリ。そこで、大規模な
テロを「成功」させれば、組織の知名度が格段に上がる。
IS側には過激思想を支持する各国富裕層から寄付金を集め、
戦闘員の志望者を増やしたいとの思惑もあったとみられる。

AP通信によると、イラク政府はパリでテロ事件が起きた前日の
12日、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が
戦闘員に対し、欧米やロシア、イランなど交戦する国に対する

攻撃命令を出したとの情報を覚知。
フランスを含む関係国に通知していたという。

米中央情報局(CIA)のブレナン長官は16日、ワシントンで
講演し、パリでのテロについて「単発の行動ではないと見ている」と
述べ、今後もISが同様のテロを企てる可能性が高いとの
認識を示した。

ISは16日、新しい動画をネット上に投稿した。戦闘員と
みられる男は「十字軍に参加している国々に告ぐ。
フランスの中心地パリを攻撃したように、我々は
必ず米国の中心地ワシントンを攻撃する」と予告した。

 (パリ=神田大介、渡辺淳基)

 ■仏大統領「戦争をしている」

オランド仏大統領は16日午後、上下両院議員を集めた
ベルサイユ宮殿に姿を見せた。テロ犠牲者らに黙祷(もくとう)を
捧げた後に始めた異例の演説を、こう切り出した。
「フランスは戦争をしている」。
そして、シリアでのIS攻撃の強化を表明した。

「同じだけの報いを与える」(バルス首相)として、フランスは
テロのわずか2日後の15日にISが首都と称するシリア北部
ラッカの空爆に踏み切った。「ISによる犯行」と断定していた
オランド大統領は、この日も「ISを撃破する」と力を込めた。

オランド政権が素早く報復攻撃した背景には、最大野党の
右派・共和党(旧民衆運動連合)や、反移民の訴えを強める
右翼政党・国民戦線などによる治安対策の批判をかわす
狙いもあるとみられる。

フランスは、米国が主導する対IS作戦をいち早く支持して
参加した。エジプトにラファール戦闘機のほか、ミストラル級
ヘリコプター空母を売却。カタールにも戦闘機を売るなど、
対IS包囲網を狭めるために軍事的関与を強めてきた。

フランスの軍事作戦への傾斜は、英国にも波及している。
英国は対IS有志連合に同じく加わるが、軍事作戦は原則
イラクに限定してきた。キャメロン政権は2013年8月に
対シリア軍事作戦の承認を議会に求めたが、否決された。
米国につき従い泥沼にはまったイラク戦争の後遺症で、
介入にアレルギーがあった。

しかし、英BBCラジオで16日、シリア空爆の是非を問われた
キャメロン首相は「議会を説得する必要がある」としつつ、
「私は常にそうするのが賢明だと考えてきた」と述べ、
フランスと歩調を合わせる意欲を示した。
(パリ=青田秀樹、梅原季哉)

 ■リビア・マリ… 仏の介入次々

フランスのサルコジ前政権は2011年3月、米英などで
つくる多国籍軍を主導する形で、内戦下にあったリビアに
対して空爆を開始。カダフィ独裁政権の人権侵害を
封じるとの目的を掲げていた。

しかし、フランスの旧植民地であるにもかかわらず、

チュニジアで始まった民主化を支援することが遅れたため、
北アフリカで薄れた自国の存在感を取り戻したいとの焦りから
軍事介入に踏み切ったとの見方もある。カダフィ政権が
倒れたが反体制派だった軍事組織が各地に割拠。IS系組織も
勢力を伸ばし、事実上、無政府状態に陥っている。

オランド大統領は13年1月、イスラム武装勢力が支配した
旧植民地マリの北部への空爆を命令。地上部隊も派遣し、

武装勢力の掃討作戦を展開した。
そして14年9月には米国が主導する有志連合の一角として、
イラクのISの拠点などの空爆に参加した。

また、シリアのアサド政権の打倒を掲げ、反体制派を
支援する一方、ISを掃討する名目で15年9月に
米国などとともに空爆に踏み切った。

 ■空爆8千回、遠い掃討 「憎悪の連鎖」懸念も

「米国の目標は(ISの)封じ込めであり、我々は
封じ込めてきた。彼らはイラクやシリアで、支配域を
拡大してはいない」。オバマ米大統領はパリでの
同時テロが起きる直前、米ABCのインタビューで、
こう語った。

ISはシリアの内戦に乗じて勢力を急速に拡大した。
危機感を抱いたオバマ政権は14年8月にイラク北部で、
翌9月にはシリア領内で空爆に踏み切った。
ただ、地上戦闘部隊は送らず、英仏などと共にISの拠点や
リーダーを狙った空爆に限定した。また、イラクの治安部隊や
シリアの反体制派への訓練や武器供与などの側面支援をしてきた。

しかし、ISの勢力拡大は食い止めているとはいえ、
「掃討」とはほど遠い情勢だ。AP通信によると、米情報機関は
イラク空爆開始から1年後の時点 でIS戦闘員の規模を
2万〜3万人と推計。空爆前から実質的に減っていない。
米軍主体の空爆は既に8千回以上に及ぶが、イラク第2の
都市モスルなど重要拠 点の奪還は見通しが立たない。
シリアで反体制派に行ってきた訓練計画も頓挫している。

そんな中、アサド政権の転覆に慎重なロシアは、ISの拠点
だけでなく、欧米などが支える反体制派に対しても空爆を加えたと
される。地域によっては、ISが再び息を吹き返す可能性もある。

米軍はフランスを含む有志連合の各国と連携し、イラクと
シリア内外でISの組織弱体化を急ぐ。
ただ、軍事介入を強めれば民間人の犠牲者も増え、
過激思想がさらに拡散するおそれがある。
(ワシントン=佐藤武嗣、カイロ=翁長忠雄)




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