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2019年03月10日

レイプ後に火付けられた女性、犯人を炎に引きずり込み殺害 インド




【3月7日 AFP】インド東部コルカタ(Kolkata)郊外で4日、
レイプされた後に生きたまま火を付けられた女性(35)が、
犯人の男(42)を炎の中に引きずり込んで殺害した。
警察が6日、明らかにした。

女性は顔と両手にやけどを負った一方、犯人の男は
病院に搬送されたが、やけどにより死亡した。
女性が警察に語ったところによると、夫を亡くした女性は
コルカタ北方の自宅で娘たちと暮らしていたが、娘たちが
外出している際、男に襲われレイプされた。その後、
体に灯油をかけられ火を付けられたという。(c)AFP



コメントです。
レイプ大国インドからの
報告です。
いつまでたっても減らない
インド発のレイプ被害記事。
確かに人口数世界二位の
大国ですが、第一位の中国より
断然報道数が多いです。
報道の透明性の違いでしょうか?

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posted by salsaseoul at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年10月09日

インドの教員、カースト下層の男性を「斬首」 警察当局

AFP 2016年10月07日

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インド西部グジャラート州アーメダバードで、身分制度カーストの最下層ダリットの
人々への襲撃に抗議する集会に参加した人々(2016年7月31日撮影、資料写真)。
(c)AFP/SAM PANTHAKY

【10月7日 AFP】インド北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州で、
身分制度カーストの最下層ダリット(Dalit)の男性が製粉機を
使ったことに腹を立てた教員が、口論の末、ダリットの男性を
斬首した。警察当局が7日、述べた。
インドではダリットの人たちへの攻撃が後を絶たない。

PTI通信(Press Trust of India)によると、容疑者の教員は、
ダリットのソハン・ラムさん(35)が製粉機を使ったことに腹を立て
製粉機を「不浄」にしたと非難したという。

インドでは「不可触民」という考えが違法化されているものの、
今でも一部のヒンズー教徒は、下層カーストの人との接触が
不浄をもたらすと信じている。

警察本部長のスクビル・シン(Sukhbir Singh)氏はAFPに
「ソハン・ラムさんは製粉機を使ったことによりののしられ、
それに抗議したところ、鎌で襲われた」と語り、「容疑者を逮捕した」と
述べた。

インドに深く根付いた社会階層の中で、かつて「不可触民」と
呼ばれたダリットは、今も単純労働を担わされていることが多い。

ダリットの人々は人口の16.6%、約2億人いるが、カーストに
よる差別が禁止されてから60年が過ぎた今でも迫害は続いている。
(c)AFP


コメントです
大馬鹿者風習継続の
典型的な例ですね。
人間って、都合の悪い
未来には耳を閉ざす
傾向にありますから。



posted by salsaseoul at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年09月25日

銃がスマホより安価なパキスタンの町

AFP 2016年09月24日 12:10 発信地:ダッラ・アダムケール/パキスタン

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【9月24日 AFP】銃声がこだまするパキスタン北西部の町
ダッラ・アダムケール(Darra Adamkhel)には、同国最大の
銃のブラックマーケットがある。そこではカラシニコフ
(Kalashnikov)銃が鉄くずから手作りされ、スマートフォンより
安価で売られている。(c)AFP


posted by salsaseoul at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年06月21日

字幕:病院から闇市場へ売られる新生児、インド中部

AFP  2016年06月20日

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【6月20日 AFP】インド中部マディヤプラデシュ
(Madhya Pradesh)州グワリオル(Gwalior)の政府が
運営する病院の集中治療室(ICU)で、看護師が赤ん坊を
あやしていた。道を挟んだ向かい側にある民間のパラシュ病院
(Palash Hospital)が、新生児を闇市場に売っている疑いで
警察の強制捜査を受けた際に救出された赤ん坊だ。

「この女の子は衰弱していて特別なケアを必要としている」と、
その看護師は未熟児で生まれ、今はこの病院で治療を受けて
いる赤ん坊の背中を優しくたたきながら語った。

「素敵なカップルがこの子を養子に迎えて、わが子のように
育ててくれることを祈っている」と、看護師は言った。

警察は、パラシュ病院のスタッフが赤ん坊を10万ルピー
(約16万円)ほどで売っていたとみている。
未婚で出産した母親に対し、仲介人が赤ん坊を放棄するよう
説得しているという。

「彼ら仲介人は、人工中絶を希望していたが、説得に応じて
出産してくれるような妊婦を入念に探し出していた」と、先月の
強制捜査を率いたクマル・プラティーク(Kumar Prateek)
警視はAFPに語った。

彼女たちは未婚の母で、弱い立場だ。病院は彼女たちを
搾取して、赤ん坊をもらう代わりに出産の事実を秘密にすると
約束していた」。警視によれば、保守的なインド社会では
未婚の母には汚名が着せられるという。

 グワリオルで政府が運営する病院から道を挟んだ
場所にあるパラシュ病院は、強制捜査を受けて閉鎖された。
警察は、同病院で生まれた5人の赤ん坊を追跡し、
ほかの都市に住む夫婦に違法に売られたことを突き止めたという。

捜査官たちは、実際に売られた人数はもっと多いとにらんでいる。
同病院の記録によれば、この数年で700人以上が
生まれているからだ。

「私たちが問題視している堕胎や違法中絶と違い、病院で
出産されている赤ん坊については疑いをかけたことがなかった」と、
グワリオルの医務部長、アヌープ・カンタン
(Anoop Kamthan)氏はAFPに語った。
「母親は自らわが子を放棄していた」

活動家たちによれば、女性や子どもの人身売買が横行している
インドでは、闇市場での養子縁組は一般的に行われているという。
ただ、公式な統計がないため、実態は分かりづらい。

「新生児が虚偽の死亡宣告をされ、後で養子として売られていく
事例を、私たちは見てきた。巧妙に構築された闇のネットワークが
全土に広がっている」と、子どもの人身売買への反対活動を行う
国際NGO「アゲインスト・チャイルド・トラフィッキング
(Against Child Trafficking)」のアンジャリ・パワル
(Anjali Pawar)氏は言う。

これまでの捜査で、同病院は子どものいない中間層の夫婦から
10万ルピーを得ていたことが判明している。

ある夫婦は、自分たちが養子にした赤ん坊が、この病院の
スキャンダルに含まれる一人だと警察から告げられ、大きな
ショックを受けたという。

「私たちは養子縁組に際し、すべての手順に従った。
文書も問題ないように見えた」と、父親は匿名を条件に語った。
「私たちは養子にした子どもをわが子のようにかわいがっている」

(c)AFP







posted by salsaseoul at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年06月07日

臓器売買グループ、先進医療の病院で腎臓を「調達」 インド

AFP 2016年06月05日 14:33 発信地:ニューデリー/インド

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臓器売買グループ、先進医療の病院で腎臓を「調達」 インド
インド・アーメダバードの病院で患者の治療に当たる医師(2013年2月6日撮影、資料写真)。
(c)AFP/SAM PANTHAKY

【6月5日 AFP】インドの先進医療を提供する病院が、臓器売買
グループが関与していることを知らずに、被害者から腎臓を
摘出する手術を行っていたことが分かった。
病院側は、摘出した腎臓が手術を受けた人々の親族に
提供されると信じ込んでいたという。病院の広報担当者が4日、
売買に関与した疑いで5人が逮捕されたことを受けて明らかにした。

警察によると、首都ニューデリー(New Delhi)にあるアポロ病院
(Apollo Hospital)の職員2人を含む臓器売買グループは、
低所得者に対して30万ルピー(約48万円)で腎臓を売るよう
持ち掛け、その後、さらに高額でそれを転売していた疑いが
持たれている。

容疑者らは偽造書類を利用して、摘出手術を受ける人の腎臓が
移植を必要としている親族に提供されるかのように装い、
病院側をだましていた。関与が疑われている病院職員2人は、
上級の腎臓専門医の助手を務めていたという。

インドでは臓器取引が法律で禁止されており、非親族に
移植臓器を提供するには特別委員会の承認が必要。
アポロ病院で腎臓の摘出手術を受けた被害者たちは、
南部タミルナド(Tamil Nadu)州から東部の西ベンガル
(West Bengal)州まで、全国に及んでいる。(c)AFP


コメントです
なにかと、「お粗末な」事件が多いインドの話題です。



posted by salsaseoul at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年05月10日

貧困救った幸せのバッグ 日本企業、途上国従業員を厚遇

朝日新聞 2016年5月9日


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バッグの仕上げをするホセインさん。収入は召使時代の2・5倍になった=ダッカ郊外


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マザーハウスの工場。従業員180人ほどがバッグをつくっていく=ダッカ郊外

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マザーハウスの工場でバッグを縫う従業員。増えた収入で自宅を建て、
息子の結婚費用も出せたという=ダッカ郊外、福田直之撮影

■2030 未来をつくろう

古びた自動車や人力車が行き交うバングラデシュの首都ダッカ。
渋滞で車が止まると、物売りや物乞いが窓を小突く。そんな街の
中心部から車で1時間半ほど西に行った郊外に、180人ほど
が働く工場がある。布や革を切り出し、ミシンで縫い上げ、
バッグを仕上げていく。

国連によると、バングラデシュは1日1・25ドル(約134円)
未満で生活する人が人口の4割超(2010年)を占める貧困国だ。
13年、違法に増築された衣料品工場が入るビルが崩落し、
1千人あまりが亡くなった。先進国の衣料品メーカーが安い
労賃を求めて拠点を構える「世界のアパレル工場」と言われる
裏で、労働環境の劣悪さが見逃されていた。

だが、このバッグ工場は様子が違う。仕上げ担当の
ジャハンギール・ホセインさん(27)は、富裕層の家で召使を
していた。そこから転職してきて7 年。月収は1万タカ
(1万4千円)を超えた。前職の2・5倍だ。
「冷蔵庫やテレビがある大きい部屋に住めて家族も養えています」。
最近、家を建てるため の土地も買った。

平均給与は業界平均の7800タカより5%ほど高い。
責任者のモハマド・マイヌル・ハックさん(38)は
「医療保険も完備していて、大きなお金が必要なときは
会社の無利子ローンも使えます」。検品部門の明るい
照明をまねするなど、他社が待遇面の参考にし始めている。

工場の所有者は日本のベンチャー企業「マザーハウス」
(東京都台東区)だ。大手メーカーと異なり、デザインから
製造、販売まですべて責任を持つ。現地調達した革や
植物のジュートでバッグをつくり、手厚い待遇で従業員を
貧困から救う。デザインも担う山口絵理子社長(34)は
「途上国発の世界に通じるブランド」をめざす。

工場から約5千キロ離れた東京都心。ナチュラルな内装の
マザーハウス本店に並ぶバッグは、革素材ながら軽く、
デザイン性の高さなども女性に喜ばれている。
2万〜5万円ほどで決して安くないが、それでも貧困を
減らす新しい支援のかたちに魅力を感じる消費者に
支えられ、経営は軌道に乗り始めた。

■倫理性を重んじる消費者が支持

貧困や格差といった課題の解決に役立つ製品・サービスを
提供する企業、それを選ぶ消費者が増えている。
国連による2030年までの「持続可能な開発目標
(SDGs)」にも一役買う新たな動きだ。

2日午後、東京都台東区のマザーハウス本店。8日の母の日が
近づき、買い物客らがプレゼントを探していた。
20代の女性は「バングラデシュで働く人のためにもなる。
商品選びのプラス材料です」。

こうした考え方は「エシカル(倫理的)消費」と呼ばれる。
売り上げの一部がカカオ産地の児童労働を防ぐ取り組みに
寄付される森永製菓のチョコレート、原材料の安全性テストに
動物を使わない英ラッシュの美容用品――。
倫理性を重んじる消費者の支持こそ、マザーハウスの強みだ。

同社は3月、創業10年を迎えた。ダッカの大学院で開発学を
学んでいた山口絵理子さんが、単なる資金援助では貧困を
解決できないと考え、布の材料になる現地の植物ジュートを
使った「かわいい」バッグを輸出しようと起業した。

順風満帆ではなかった。当初は工場の確保もままならず、
買い付けた素材を丸ごと持ち逃げされたこともあった。
それでも、できた商品は消費者が意義を感じて買ってくれた。
開発拠点にしてきた工房の退去を迫られたのを機に、
いまにつながる自社工場を建てた。

品質とデザインにこだわる。山崎大祐副社長(35)は
「自社企画だから良いものがつくれる。なるべく在庫を持たず、
セールもしません」。ただ、そ れが現地で十分に給料を支払い、
職人を育てている対価であるというストーリーとなり、ファンを
増やした。経営的には、ここ4年でようやく安定し、直近の

年間売上高は10億円、営業利益は1億円をそれぞれ超えた。

生産地や品目は増えている。09年に進出したネパールでは、
地元名産のシルクやカシミヤを使ったストールを、糸紡ぎから
染色まで一貫生産する。さらに源流を追って養蚕にも
乗り出す予定だ。15年には、インドネシアのジョクジャカルタに
伝わる線細工フィリグリーを使ったジュエリーの生産も始めた。

売り上げは、ほとんどが直営店での販売だ。日本の18店の
ほか、台湾に6店、香港に2店を構える。「途上国から世界に
通用するブランドをつくる」という哲学への共感は、海外の
顧客にも広がる。

台湾の会社員、曹斯永さん(33)も、そんなうちの一人だ。

「品質やデザインにもひかれています。友達や家族にも
薦めているところ」という。昨年、台北でマザーハウスが開いた
イベントで山口さんに頼み、特注の結婚指輪をつくってもらった。

山口さんは「『人生とつきあうブランドにしたい』と思い始めた
ところでの依頼でした。結婚という場なら、きちんと表現できる」
と話す。起業当初、採用面接したバングラデシュの女性は
「15人の家族のために頑張ります」と言った。最近、
途上国では「家族の絆こそがすべての核」と改めて思っていた。

途上国での経験と、消費者との対面が、商売の新たな
コンセプトを生み出しつつある。マザーハウスは今夏、
オーダーメイドによる指輪の受注を始めるつもりだ。
(ダッカ=福田直之)

     ◇

《持続可能な開発目標(SDGs)》 
昨年9月の国連総会で決められた、2030年までの
15年間で取り組む行動計画。今年1月にスタートし、
30年末までの達成を目指す。「貧困をなくす」
「ジェンダー平等」といった17項目からなる。
国連は01年に「ミレニアム開発目標(MDGs)」をまとめ、
15年の達成期限までに途上国の貧困改善などに
成果を上げた。その後継としてSDGsがつくられ、

従来の途上国支援に加え、気候変動への対策など
幅広い課題も盛り込まれた。法的拘束力はないが、
国連を中心に進み具合を監視していくことになっている。




posted by salsaseoul at 01:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年05月05日

(世界発2016)5兆円開発、中国が丸抱え 港湾や発電所整備 パキスタン

朝日新聞 2016年5月3日

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中国の支援で建設されたパキスタン南西部のグワダル港=武石英史郎撮影


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成長著しい新興国インドと制裁解除で投資熱に沸くイラン。
その間に挟まれたパキスタンに、空前の開発ブームが訪れている。
総事業費は約5兆円。
その内実は、アラビア海への出口を求めて
南下する友好国・中国の「丸抱え」だ。

ペルシャ湾の入り口、ホルムズ海峡から東へ約600キロ。
アラビア海に面したパキスタン南西部のグワダルは、2001年から
中国の支援で港が建設されている町だ。
インド洋に点在する中国の戦略拠点「真珠の首飾り」
一つとして注目されてきた。

町外れの空港から、ホテルの送迎バスに乗った。数人の乗客の
うち外国人は私だけだが、自動小銃で武装した警察官4人が
乗るトラックが警備のため先導。すべての交差点に警察官が立ち、
バスが猛スピードで通過するまで一般車両を通行止めにした。

グワダルでは04年に中国人の技師3人が地元の分離独立派に
よる爆弾テロで死亡しているが、治安が悪いパキスタンでは
珍しいことではない。町は軍の管理下に入っており、異例の
厳重警備はグワダルがいかに特殊な町かを物語る。

中国が建設した港には接岸中の船は一隻もなく、人影も
ほとんど見えない。大小のクレーンが稼働せずに立っている
ほかは、前回訪れた03年と何も変わっていないように見えた。

グワダルは、最も近い国内の都市カラチから500キロ以上も
離れた砂漠地帯にある。8万人の人口をまかなう水源がなく、
電気、ガソリン、生鮮品はイランからの輸入。07年に港の
一部が完成して以来、開発が止まった状態が続いていた。

その空気が一変したのは昨年4月。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席がパキスタンを
訪問し、シャリフ首相と会談。
グワダル港と中国新疆ウイグ ル自治区を結ぶ輸送路の
建設と、沿線のインフラ整備からなる事業規模約450億ドル
(約5兆円)の中パ経済回廊計画を発表した。
グワダル港と海岸沿いの約 8平方キロの土地の管理を
40年間、中国国有の港湾企業にゆだねる契約も結ばれた。

以来、町の警戒態勢は一気に強化され、中国が管轄する用地は
フェンスで区切られ、中国が造る新空港の建設準備も始まった。
グワダル地区議会のバ ブー・グラブ議長は「5月には、中国の
関係者が大挙やって来る。ただ、どう開発が進むのか、
明かされない部分が多い」と話した。地元の不動産業者に
よる と、01年からの港湾建設で不動産ブームが起きたが、
バブルはまもなく崩壊し、地価はピーク時の1割程度まで
下落した。だが最近、再び8割程度まで急回復 したという。

 ■砂漠に太陽光パネル、原発1基分

インドとの国境に近いチョリスタン砂漠。荒れ地を切り開いた
真新しい一本道に、パキスタンと中国の無数の国旗が
はためく。厳重警備の検問所を抜け、建物の屋上に案内された。
見渡す限り、太陽光発電のパネルが広がっている。

敷地は40平方キロ。すでに100メガワット分が稼働を始め、
17年までに13億ドル(約1400億円)を投じて、1千メガワットに
増強する計画だ。原発1基分に匹敵する発電能力で、
太陽光発電所としては世界最大規模になる。

建設に当たるのは中国の通信大手「中興通訊」系列の
「中興能源」。約800人の中国人と、2千人のパキスタン人が
住み込みで建設作業を続けている。

中国にとって中パ経済回廊計画は、習近平指導部が進める
シルクロード経済圏構想「一帯一路」の代表例との位置づけだ。
多数のインフラ事業からな り、起点となるグワダルの空港
などの整備にかかる8億ドルは、中国からの無償援助や
無利子融資が大半を占める。さらに、グワダルから中国へ
国内を南北に貫 く道路網を整備する計画で、建設費1
0億ドルは中国からの低利融資でまかなわれる。

金額的に最も大きいのが回廊の沿線に造られる発電所だ。
パキスタンは地域によって1日に10時間以上停電するほど
電力不足が深刻で、その解消のた め24カ所の
発電所建設に344億ドルが投じられる。両国の
合弁企業による投資と説明されているが、事業主体や
業者の選定、契約内容の詳細は明らかにされ ていない。

チョリスタンの太陽光発電所は、その中の優先プロジェクトに
位置づけられている。現地責任者のムハマド・アスカリ氏は
「太陽光パネルの価格は世界的に下がっている。
いい時期に建設できた」と話す。太陽光発電ブームだった
欧州の景気減速で、大量の過剰在庫を抱えた中国企業に
とってパキスタンでの大量受注は救いだったとみられる。

回廊計画とともに中国人が急増し、地元紙によると
内務省は国内に滞在する中国人は15年の約8千人から
倍増すると見込む。首都イスラマバードの旅 券事務所では、
ビザの更新に訪れる外国人の6割近くを中国人が占める。
中国人の安全を確保するため、軍と警察は1万7千人
規模の専門警護部隊を創設した。

 (グワダル=武石英史郎)


真珠の首飾り戦略

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真珠の首飾り戦略(英語: String of Pearls)とは、香港から
ポートスーダンまで延びる中国の海上交通路戦略である。
海路は、海軍が戦略的な関心を持っているパキスタン、
スリランカ、バングラデシュ、モルディブ、ソマリアだけでなく、
戦略的チョークポイントであるバブ・エル・マンデブ海峡、
マラッカ海峡、ホルムズ海峡、ロンボク海峡などを通っている。
この表現はアメリカ国防総省部内報告書の
"Energy Futures in Asia"で使われていた。
"真珠の首飾り"は中国の南シナ海、マラッカ海峡、インド洋、
ペルシャ湾までの港と空港へのアクセスの増加のための努力、
特殊な外交関係の構築、近代化した軍事力の伸張を通した
地勢的な影響力の向上の兆候を表している。

 

中国の国家主席胡錦濤は中国の海軍戦略のゴールを
「調和の海」、「中国は覇権を求めないし、他国との
軍事力拡大や軍拡競争も求めない」としている 。
しかし、いくらかのインド人は真珠の首飾りはインドを
軍事的な不利益に押し込めると感じており、これに対する
インドの大戦略の喪失は中国にインド洋沿岸諸国との
関係の拡大を許していると考えている。

コメントです

つい、数ヶ月前の報道で、中国がギリシャの主要港を
抑えたとありました。
ここから欧州への進出が容易になります。
そして、今日の記事によると今度はパキスタンです。
中国は、航路やエネルギー供給を着々と確保して、
最終的に世界制覇を目指しているのでしょうか?
余談ですが、韓国、済州道も中国がそうとう触手を
伸ばしている場所です。過疎化が進むことに
つけこんで、土地を買い漁る動きがみられます。

韓国政府は、もう少し緊張感を持つべきですね。




posted by salsaseoul at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2016年04月03日

(興流インド)大国志向:下 HIV治療、変えた後発薬 価格「1日1ドル」、南ア向け進出

朝日新聞 2016年3月31日

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簡素な家々が立ち並ぶカエリチャ地区で暮らすアンディールさん。
自らHIV感染者であることを公表し、感染者らの支援活動もしている
南アフリカ・ケープタウン、都留悦史撮影

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 南アフリカのケープタウン郊外にある黒人居住区カエリチャ。
簡素な家々が密集する地区では、失業率は4割を超える。
アンディールさん(38)は月2回、近所のプレハブの診療所に通い、
エイズウイルス(HIV)の病状進行を抑える治療薬を受け取る。
「薬を飲み始めて、すこぶる体調はいい」

HIVが陽性と診断されたのは、頭痛や下痢などの症状が続いて
いた12年前。当時美容師だったアンディールさんの月収は約1万円。
妻と3歳の娘を養うので精いっぱいだった。「医療費が払えない。
一時は首をつって死のうとしたが、妻に止められた」という。

救われたのは、インド製の後発医薬品(ジェネリック薬)の
おかげだった。新薬を使えば月1千ドル(約11万円)の
支払いが患者側に生じるが、安価なジェネリック薬は政府が
購入し、低所得者に無償提供する。
1日1ドル前後で暮らす患者も多く、命綱となっている。

カエリチャで医療支援を続ける「国境なき医師団」の
エリック・ゴーマエル医師も「私たちが使う薬の8割がインドの
ジェネリック薬。インドなしでは活動は立ちゆかない」と話す。

世界のHIV感染者は、その60%以上がアフリカ大陸南部に
集中する。
人口5300万人の南アは感染率が最も高い国の一つ。
感染者数は約640万人にも上ると言われる。

インド製のジェネリック薬が、この国で本格的に普及し始めたのは
2000年以降だ。特許で守られた新薬は値段が高すぎて治療が
受けられず、年25万人のエイズ患者が亡くなる状況を改善しようと、
政府が安価な医薬品を輸入できるように薬事法を改正した。

特許を持つ欧米の製薬会社は「新薬が売れなくなる」と反発したが、
インドのジェネリック薬大手シプラ社は「1人1日1ドルでエイズ
治療薬を販売する」と表明。年間約1万2千ドルかかった薬代に
価格破壊をもたらし、南アでは約220万人のエイズ患者が新たに
治療を受けられるようになった。南アのモ ツァレディ保健相は
「インドは私たちのヒーローだ」と持ち上げる。

「エイズ治療薬の供給をきっかけに、政府との結びつきが強まった」と
シプラ幹部。14年には総額20億ランド(約150億円)分のエイズ
治療薬を 17年まで南ア政府向けに提供する契約を交わした。
昨年11月には約400種類のジェネリック薬の供給基地を
ケープタウンに建設し、攻勢を強める。
インドの同業他社にとっても、南アは成長市場だ。

 ■政府後押し、途上国への「外交ツール」

インドは近年、世界の医薬市場で目を見張る存在となっている。
製薬企業は3千社を超え、200カ国以上にも輸出。
世界のジェネリック薬の5分の1がインドで生産されている。

背景には、公衆衛生上の目的で手頃な価格で医薬品を
供給するという政府の方針がある。1970年に定めた
特許法では、医薬品の成分に与える「物質特許」を認めず、
医薬品の作り方についての「製法特許」だけを保護対象にしてきた。

このため、インドの製薬企業は、他国では物質特許で守られた
新薬でも、成分を調べて違う作り方をすれば、合法的に
同じ効能の薬を製造、販売できた。

世界貿易機関(WTO)のもとで95年に発効した協定で、
医薬品の特許保護が強化され、インドも05年の特許法改正で
物質特許を認めるようになったが、それでも欧米に比べて
特許の付与には厳しいとされる。

インドの姿勢に対し新薬を開発する欧米や日本などの不満は強い。
しかしWTOの協定は、公衆衛生の保護を促進する権利を
加盟各国に認めており、貧困層を多く抱えるインド側にも一理ある。
インド政府が先進国の圧力に屈し、特許法をすぐに再改正
するとの見方は少ない。

インドのジェネリック薬大手ルピンのニレシュ・グプタ社長も
「守るべき知的財産は守るというインドの特許法は公平だ」と
主張。米国や日本などに加え、ブラジルやメキシコ、南アなど
成長が見込める新興国や途上国で事業拡大を急ぐ。

そんな動きを途上国はとりわけ歓迎する。エイズだけでなく、
結核やマラリアなどの患者を多く抱える一方で、高価な薬に
手が届く国民は少なく、医薬は国家の将来にもかかわる。

ジェネリック薬の世界展開は、インドに経済面だけでなく、
外交上の利益にもつながるとの見方もある。

昨年10月、ニューデリーで開かれた「インド・アフリカサミット」。
アフリカから40カ国以上の首脳が参加した会議で、大きな
関心事の一つは医薬だった。

モディ首相は「インドとアフリカの医薬の発展に協力する」と
明言。医療や教育、農業分野の開発支援を官民一体で
進めるため、今後5年間で総額100億ドルを融資すると申し出た。

インドのNGO「CUTSインターナショナル」のプラディープ
事務局長は「国連安全保障理事会で常任理事国入りを
目指すインドにとって、ジェネリック薬は、途上国や新興国の
支持を取りつける外交ツールになり得る」と指摘する。

 (ケープタウン=都留悦史)


コメントです。
匿名条件で複数の薬剤師を招いた
座談会に参加したことがありますが、
ジェネリック薬を使用するかというと、
あくまでも主観的な意見ですが、
「自分は使いたくない」と発言する方が
ほとんどでした。

さて、余談はさておき、インドの製薬産業が
実力をつけてきて、結果的に貧困国の
医療に貢献している話題です。
確かに、貧困国では安価で薬が調達できることが
患者の命綱になりますし、がん治療等で使用する
高額な薬が後発薬の効き目が
十分期待できるのなら、
先進国でも、少しでも医療費を抑えたい政府にとって
インド製後発薬の使用は必須になっていくはずです。






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2016年03月11日

(世界発2016)豊かなカースト、不満爆発 就職で「不公平」、デモ暴徒化 インド

朝日新聞 2016年3月8日

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暴徒に略奪されて火を放たれた商店=いずれも2月23日、ロータク、貫洞欣寛撮影


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インドの首都ニューデリー近郊で2月、被差別カースト向けの
優遇策の適用を求めたデモが暴徒化し、日系企業の操業停止や
首都での断水につながる騒ぎが起きた。
デモをしたのは、比較的豊かなカーストの人たち。
「持てる者」の反乱の背景には何があるのか。

 ■公務員に優先枠「自分たちも後進階級に」

「税務署の採用試験で僕は395点も取ったのに205点の者が
採用された。こんな不公平は許せない」

首都近郊のハリヤナ州ロータク。2月23日、大学前で座り込みを
していたスニート・ナンダルさん(28)が語った。
伝統的に農業に従事してきた「ジャート」というカーストに属する。
ジャートの学生や住民らが19日、公務員採用の優先枠を
自分たちにも割り当てるよう求めて、デモを開始。
ナンダルさんも加わった。

近くには黒こげの車が転がり、焼き打ちされ、略奪された商店が
見える。デモ隊はやがて暴徒化し、19日夕には商店などを襲い、
各地で道路を封鎖したのだ。暴動は軍や武装警官隊が
派遣された22日まで続き、28人が死亡した。

インドでは、かつて「不可触民」と呼ばれ過酷な差別を受けた
カーストや、カーストの枠外の少数民族に、政府が公務員採用や
大学進学で優先枠を設け てきた。1990年代以降は
「その他後進階級(OBC)」と呼ばれるカーストの人たちにも
同様の優遇をし、公務員採用のおよそ半分が優先枠となった。

ジャートは今回、自らもOBCと認めるように求めた。自作農が多く、
同州で人口の3割を占める。動員力があり、
政治家も「集票マシン」とみなしてきた。

2004年の州議会選で、ジャートへの優先枠適用を公約に
掲げた国民会議派が勝ち、ジャートのフダ氏が州首相になった。
フダ氏は14年の州議会選の直前に優先枠の適用を発表したが、
選挙に敗れて退陣。最高裁は昨年、「ジャートはOBCではない」と
適用を取り消す判決を出した。

プラデープ・フダさん(27)は昨年、優先枠で決まりかけた公務員

採用が最高裁判決で取り消された。大学でコンピューター科学の
修士号を取ったが良い仕事に就けず、公務員を目指していた。
「我々にも優先枠を適用するか、制度そのものをやめるべきだ」

ハリヤナ州には多くの日系企業が進出している。
在インド日本大使館などによると、近くの工業団地から
帰宅できなくなった邦人駐在員ら26人が軍のヘリで救出された。
スズキは道路封鎖などで部品の納入が困難になり、
20日午後から23日午前まで二つの工場で操業を停止した。

暴徒がニューデリーの水源となる用水路などを一時占拠
したため、首都の広い範囲で断水が続き、国鉄も運行が
妨害されて約100万人の足に影響が出た。

インド商工会議所連合会は、商店の焼き打ちや工場の
操業停止、断水などによる経済的な損害を
計1800億〜2千億ルピー(約3千億〜3400億円)と見積もる。

 ■「農業に未来ない」…転職に壁

比較的豊かとされるカーストの優先枠の要求は昨年、
西部グジャラート州でもあった。「パテル」と呼ばれる人々が
最大都市アーメダバードなどでデモを繰り返し、警官隊との
衝突で死者も出た。パテルも伝統的に農民で、
かつ村の「徴税役」を意味する。

なぜ、「持てるカーストの反乱」が続くのか。ネール大学の
スリンダル・ジョドカ教授(社会学)は、背景に社会の変化をみる。

ジョドカ教授によると、インドでは、品種改良などで穀物を
増産した60年代以降の「緑の革命」で農村が豊かになり、
自作農のジャートやパテルが経済的、政治的に力を得た。

だが、政府が91年に経済開放政策をとると、94年に
就業人口の61%を占めた農業は、13年には50%に低下。
14年に発足したモディ政権は製造業を振興して経済成長と
雇用創出を目指す政策を進め、農地の買収手続きを
簡素化しようとしている。こうした変化に「農業に未来はない」と
いう考えが、ジャートやパテルの間で広がっているという。

だが、民間企業に就職しようにも、上層部は伝統的に
司祭や商人だったカーストの人たちが占め、公務員採用での
競争率は高い。ジョドカ教授は「こうした人々が見つけた
出口が優先枠だ」と話す。

 ■根強いカースト意識

50年に施行されたインド憲法は、カーストによる
差別を禁じている。

ただ、姓がカーストや出身地を示していることが多く、カーストを
意識せずに暮らすのは難しい。新聞などに掲載される結婚相手を
募集する広告も、「同じカースト限定」といった記載があることが多い。

そのため、姓を非公開にしたり、カーストがわからないように
改姓したりする人も少なくない。
こんな現実が、騒動が起こる土壌としてあるとも言えそうだ。

NGO社会調査センターのランジャナ・クマリ理事長は
「カーストが集団のアイデンティティーと なり、他の国の民族集団と
似た役割を果たしている」とみる。
インドでは近年、女性への性暴力事件が問題になっているが、
多くは異なるカースト間で起こると いう。
「仲間と見なさないから起こる。90年代のユーゴ内戦で
異民族への強姦(ごうかん)が相次いだのに近い」と話す。
(ロータク=貫洞欣寛)

 ◆キーワード

 <カースト> 
バラモン(司祭)を頂点に、かつて不可触民と呼ばれた
被差別カーストを底辺とする形で区分けされた身分制度。
職業や地域などで細分化され、数千のカースト集団が
あるとされる。インド政府はカースト差別を禁じる憲法に
基づき、被差別カーストを「指定カースト(SC)」、少数民族を
「指定部族(ST)」、SC・STに次いで社会的に疎外された
カーストを「その他後進階級(OBC)」として、公務員採用や
大学進学で優先枠や奨学金などを設けている。
SCはインド総人口の17%を占める。OBCは4割程度とみられる。



コメントです
インドのカースト制度についての話題です。
このトピックに関しては、掘り下げていくと
書物何冊分になるかわからないぐらい
膨大な時間と情報量です。
今日はそのうちのほんの少しだけですが、
興味深い記事があったので掲載しました。



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2015年12月26日

北京を超える大気汚染最悪の都市(ニューデリー)年1万人超の死亡報告

朝日新聞 2015年12月25日

201512161.jpg


大気汚染が「世界最悪」の都市は? 世界保健機関(WHO)に
よると、答えは、北京ではなくインドの首都ニューデリーだ。
当局や裁判所が今月、マイカーの通行規制などを相次いで
打ち出した。環境の専門家は歓迎するが、「性急すぎる」と
批判も上がる。

「故郷の村に住んでいた頃は、何ともなかった。ここは
空気が悪すぎる」

旅行会社に勤めるラムニワス・シャルマさん(28)は西部
ラジャスタン州出身。3年前からニューデリーで暮らす。
昨年からせきが止まらなくなり、呼吸器科クリニックに通う。

クリニックのアミターブ・セングプタ医師(59)によると、
患者の数は5年で約3倍になった。多くはぜんそくと
慢性閉塞(へいそく)肺疾患。「その原因は、大気汚染」と
言い、処方箋(せん)には「できればニューデリーから
引っ越すこと」と書き添える。

WHOが昨年発表した世界約1600都市の調査では、
大気汚染と健康被害の原因となる微小粒子状物質
(PM2・5)のニューデリーの年間平均値は、日本の基準の
10倍を超える1立方メートルあたり153マイクログラムで、
世界最悪だった。

汚染の主な原因は、気温の下がる11〜2月の間に、
周辺の農村部で広範囲に行われる野焼きの煙や、
年々増える自動車の排ガスだ。この時期は、調理や
暖房などで木材や固形燃料の消費も増える。
風が弱まり、空気が滞留しがちなのも要因とみられる。

インド環境当局の調査では今月、PM2・5は市内の
ほとんどの地点で連日300マイクログラムを超える。
政府系研究機関の報告では、汚染が原因でぜんそくや
肺がん、心臓疾患などにかかった市民が年に
1万〜3万人死亡しているという。

こんな状況に、デリー首都圏政府は4日、来年1月1日から
平日の午前8時から12時間、市内の自家用車の通行を、
ナンバーの末尾の偶数と奇数ごとに交互に制限すると
発表した。まず、15日間試行するという。

州政府に相当するデリー首都圏政府の首相は、
「反汚職」を掲げる新興政党の庶民党(AAP)の
ケジリワル党首だ。自ら呼吸器の不調に苦しんでいるうえ、
急進的な規制で党の人気アップを狙ったようだ。

だが、公共交通機関が不十分で流しの四輪タクシーも
ほとんど来ないのが現状だ。「実行不可能」との批判が
続き、規制差し止めを求める訴訟も起こされた。

そこで、首都圏政府は18日、市内の小中高校を
1月1〜15日に休校にすると決めた。
「スクールバスを路線バス用に提供させる」という。
今度は、保護者らから「子供を犠牲にするのか」
「16日以降も交通規制が続けばどうするのか」との声が
上がっている。

 外国人学校は規定の適用外で、ニューデリー日本人
学校は通常通り1月11日から授業を再開する予定。
教室に空気清浄機を2台ずつ設置し、汚染の計測値が
ひどい日は体育の授業を屋内で行っている。

■ディーゼル新車登録規制、反発も

もう一つの規制が、首都圏で排気量2リットル以上の
ディーゼル車の新車登録を来年3月末まで禁じる
決定だ。販売は事実上できなくなる。最高裁判所が
16日、1985年に提訴された市内の大気汚染対策を
求める訴訟に関連して命じた。

最高裁は同時に、製造から10年以上たったトラックの
首都への乗り入れも禁じ、タクシーも来年3月からは
圧縮天然ガス(CNG)車だけに乗り入れを許可するとの
判断も示した。

首都では、自家用車の登録台数264万台のうち
ディーゼル車が約2割を占める。燃費が良い
高級ディーゼル車も人気を集め始めていただけに、
独自動車大手メルセデス・ベンツは「ビジネス環境の
不確実性を招く」と反発。日系メーカー関係者も
「ディーゼル車の環境対応は進んでいる。
年式の新旧を問わず禁じるのは説得力がない」と話す。

一方、訴訟原告のマヘシュチャンドラ・メータ弁護士(69)は
「社会が犠牲にすべきなのは、経済的な利益か、
呼吸器疾患に苦しむ人々か、答えは明らかだ」と述べた。
(ニューデリー=貫洞欣寛、シンガポール=都留悦史)

     ◇

■主な都市のPM2・5の年間平均濃度

・ニューデリー 153

・アブダビ    64

・北京      56

・ソウル     22

・バンコク    20

・ベルリン    20

・ロンドン    16

・ニューヨーク  14

・東京(千代田区)10

(WHOの2014年の統計から。
単位はマイクログラム/立方メートル)

     ◇

 〈微小粒子状物質(PM2・5)〉 大気に浮遊する
大きさ2・5マイクロメートル以下の微粒子。
工場などのばい煙や自動車の排ガスなどが
主な発生源で、肺の奥まで入りやすいため
ぜんそくや気管支炎などの呼吸器疾患に
影響を与えるとされる。日本の環境基準は、
1立方メートルあたり年平均15マイクログラム
以下で、かつ1日平均35マイクログラム以下。


コメントです
PM2,5による大気汚染の話題です。
中国にばかり目をとられて、インドの
情報があまり入ってきませんでしたが、
気がつけば、中国よりひどい状態になって
いるようです。




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2015年09月24日

インド人口の爆増で変わる地球の人口動態

ニューヨーク・タイムズ・ニュースサービス
2015年9月20日

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インド西部ムンバイのローカル列車(AP)。車内に入りきれない乗客が車体にぶら下がる

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ムンバイの駅近くの通りを行き交う人々(AP)。人であふれかえる

 人口学者たちの間では、インドの人口がいずれ中国を
追い越すであろうことは知られていた。
しかし、その時期がこれほど早くくるだろうとは予測されて
いなかった。

国連は2年前、インド人口が世界1位になる時期を
2028年とする見方を明らかにしていたが、7月29日の
最新発表では、もっと早まって22年になろうと修正した。

国連社会経済局(DESA)の人口部は、この15年修正
報告書で、現在の中国の人口を13億8千万人とし、インドを
13億1千万人としている。しかし7年後には、両者はそれぞれ
14億人に達するとみる。

報告書によると、インドの人口はその後も数十年間は
増え続け、30年に15億人、50年時点では17億人になる。
一方の中国は30年代までは14億人レベルで推移する
ものの、その後は減少に転じる。

地球全体の人口については、この報告書は現人口を
73億人とし、50年までに97億人に増加すると推計。
2年前に発表された推計値96億人よりも1億人ほど多い。
さらに、21世紀末には112億人に達するとしている。

現在から50年までの間の推計だと、人口増加が目立つのは
主にアフリカ諸国や従来の人口大国だ。この間の人口
増加の約半分は、以下の国々に集中するとみられている。
つまり、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国
(旧ザイール)、エチオピア、タンザニア、米国、インドネシア、
ウガンダの計9カ国である。

一方、上記と同じ期間に、計48カ国で人口の減少が
見込まれる。その多くはヨーロッパの国々で、数十年前から
すでに出生率の低下が目立ち始めてい た。報告書によると、
50年までに人口が15%以上減るとみられる国は、
ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、
ハンガリー、日本、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、
セルビア、ウクライナなどだ。

人口が多い国のトップ10をみると、
アフリカが1カ国(ナイジェリア)、
アジアが5カ国
(バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、パキスタン)、
ラテン・アメリカが2カ国(ブラジル、メキシコ)、
北米が1カ国(米国)、ヨーロッパが1カ国(ロシア)である。
このうち、ナイジェリアの人口は現在世界第7位だが、
増加率が高く、50年までには米国の人口を抜き、世界で
3番目の人口大国になるとみられている。

今回の人口修正報告書は、人口の高齢化についても
いくつかの顕著な事実を指摘している。地球の全人口の
うち、80歳以上は50年時点で現在の3倍 に増え、
2100年までには7倍になると推定。しかし、ヨーロッパに
限っていえば、現在80歳以上の人口が28%を占めて
いるが、50年には16%、 2100年には9%にまで
低下するとみられるという。

近年、平均寿命は著しく伸びているが、同報告書も
この傾向が続くと見込む。

平均寿命は、地球人口全体でみると、2000年〜05年で
男性65歳、女性69歳だった。それが10年〜15年では
それぞれ68歳、73歳にまで伸びている。

報告書によると、地球人口の男女を合わせた平均寿命は
10年〜15年が70歳だが、45年から50年には77歳に
なり、95年〜2100年には83歳まで伸びる。

こうした国連による人口統計や展望は地球規模の
トレンド(動向)を知る重要な手掛かりになる。
同時に、この人口の動態データは世界の健康など
さまざまな重要問題を考える際の資料として役に立つ。
(抄訳)

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2015年08月05日

世界各地を熱波襲う イランで体感温度74度、インド2300人死亡、アルプスの氷河ピンチ

2015年 8月5日 産経新聞


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パキスタン南部カラチで、病院に運ばれる熱中症患者


日本で猛暑日が続く中、世界各地も記録的な熱波に
見舞われている。イランでは体感温度74度という
「天文学的」(米紙ワシントン・ポスト)な暑さを記録したほか、
欧米では山火事が相次いだり氷河の解けるペースが
速まったりしている。

イラン南西部のペルシャ湾に面したバンダルマズハーで
は7月31日に気温が46度となり、湿度などを加味した
体感温度は74度に達した。同紙によると体感温度に
関する公式記録はないが、2003年7月にサウジアラビアで
観測された81度に次ぐ数値とみられる。

 AP通信などによると、イラクの首都バグダッドでは
7月30日、気温が52度に達した。政府は酷暑の
予想を受け、同日から4日間を公休日とすることを
急遽 (きゅうきょ)決定。03年のイラク戦争以降、
同国では発電設備の破壊などで電力不足が深刻化し、
クーラーや扇風機が満足に使えない状態だ。

ただ4日には南部アマラで、暑さと電力不足に不満を
募らせた市民らが街頭でアバディ政権を批判するなど
反政権デモが頻発。イスラム教スンニ派過激組織
「イスラム国」の支配地域奪還を目指す政権に
とり頭の痛い問題となっている。

 一方、インドでは1年で最も気温が高くなる4〜6月、
熱波による死者数が記録のある1990年以降最悪となり、
インド政府は5日、2037が熱中症などのため死亡したと
発表した。パキスタンでは6月、南部シンド州を熱波が襲い、
州当局によると1200人以上が死亡する過去最悪の事態となった。

欧米でも熱波の影響は深刻だ。米ニューヨークでは7
月29日、同日の気温としては過去3位タイとなる35.6度を
記録。オーストリアでは気象当局が「過去248年の
観測史上で最も暑い7月」と認定した。

スペインでも7月上旬、気温が記録的な水準に上昇。
国内各地では山林火災が発生し、焼失面積は少なくとも
計1万5千ヘクタールとも報じられている。

欧州の専門家は最近の調査の結果、世界各地で近年、
氷河が解けるペースが加速していると指摘。
アルプス地方では「氷河が数キロも後退している」とし、
特に深刻な現象とも警告した。
(西見由章、ニューデリー 岩田智雄、ベルリン 宮下日出男)


コメントです。
つまり、世界中、どこにいっても
猛暑からは逃れられないようです。


posted by salsaseoul at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2015年08月02日

インドとバングラデシュが領土交換―住民「権利取り戻せる」

 【クリグラム(バングラデシュ)】インドとバングラデシュが国境付近の
飛び地領土を交換した。5万人を超える人々に事実上の無国籍
状態を強いた長年の問題が解消された。

両国を分ける約4000キロメートルの国境は非常に入り組んでいる。
歴史の気まぐれのせいで一方の領土がもう一方の領土に完全に
取り囲まれた飛び地がいくつもあるからだ。

8月1日午前0時になると、バングラデシュ領内にある111の
インドの飛び地と、インド領内のある51のバングラデシュの
飛び地は新たな国旗を掲げた。
飛び地の住民は今の土地に残って国籍を変えるか、
自国領内に移住するかのどちらかを選ぶ。

バングラデシュ政府関係者が発表した数字によると、
ほとんどの住民が住んでいる土地にとどまるという。
バングラデシュ・クリグラム県の地元政府関係者によると、
移住後の生活への不安からインドでもバングラデシュでも
多くの住民が移住を選ばなかったようだ。

インドのクーチ・ビハール県内の飛び地カララに住む
アブドゥル・ジャリルさん(51)は土地を守るために
バングラデシュからインドに国籍を変えるという。
仕事は農業だ。

ジャリルさんは「私はここで生まれ、父と祖父はここで
死んだ」と話す。カララは十数軒の住宅とジュート畑と
田んぼがあるだけの狭い土地だ。
「土曜(8月1日)から私はインド人だ」。

カララは今では正式にインド領になったが、これまで飛び地の
中の飛び地という珍しい土地だった。
広さ約13平方キロほどのバングラデシュ領はインドの領土に

囲まれ、そのインド領もバングラデシュとの国境に囲まれていた。

飛び地は他に例を見ない歴史の歪みから生まれた。
歪みは修正されず、18世紀にこの地域を治めていた王国間の
政治的取り決めによって陸の孤島は別国に囲まれたまま残された。

インドが1947年に英国から独立し、インドとパキスタンに
分離すると、各地域は帰属する国を選ぶことが認められた。
周辺が別の国への帰属を決めた地域は本土から切り離され、

新たな国境線が引かれた。バングラデシュは1971年に
パキスタンから独立した。

1970年代以降、インドとバングラデシュは何度も飛び地解消に
乗り出したが、具体的な方法で合意できなかった。
今年6月になってやっと両国は土地交換で最終合意に達した。

本土から切り離された飛び地には行政機能もインフラも
ほとんどなく、住民は両国のはざまに取り残された。
ジャリルさんは子どもの頃、バングラデシュ人であることを隠し、
国境警備隊員の目を盗んで国境を越えてインドの学校に通った

そうだ。

「厳密には私はバングラデシュ人だったが、どちらの国にも
承認されていなかった」。

インド領内の飛び地に暮らすバングラデシュ人で、インドへの
国籍変更を選んだ住民は約1万5000人。
ジャリルさんもその1人だ。
バングラデシュ領内の飛び地では、約3万7000人のインド人の
大多数が移住より国籍変更を選んだ。

バングラデシュ・クリグラム県内の飛び地Dasiacharaに
住むMadhusudan Mohantoさん(58)は言う。
「私たちには病院も学校も電気も何もなかった。
これからは権利を取り戻せる」

ジャリルさんはイスラム教徒、Mohantoさんはヒンズー教徒だ。
いずれも、自らが少数派となる国の国籍を選んだ。

Dasiacharaでは284人がインド領への移住を申請した。
カシェム・アリさん(65)は今後2、3週間のうちに妻と子ども
3人を連れて移住する。しかし、2人の兄弟と娘1人は飛び地に
残って国籍をバングラデシュに変更する。

アリさんは「私は家を離れるが、インドで新しい人生を手に
入れることを願う」と話した。


コメントです。

インド、パキスタンの領土スワップの話題です。

バルカン半島のように、内戦が起きなくてよかったですね。
地理上、どうみてもイビツな状態を、
話し合いで和解できた
わけ
ですから。




posted by salsaseoul at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2014年01月20日

汚物を素手で清掃=カースト呪縛、130万世帯−禁止法にも抜け道・インド

汚物を素手で清掃=カースト呪縛
130万世帯−禁止法にも抜け道・インド

時事通信 1月19日(日)

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インドの首都ニューデリー近郊の村で、清掃作業で回収した汚物を頭上に載せて歩く女性
本文とは関係ありません  2012年8月撮影(AFP=時事)

ラジュ・ラジョリアさん(45)は「私の手は汚れている」とつぶやいた。
インド古来の身分制度カースト制の底辺「不可触民」出身で、
父も祖父も代々、くみ取り式トイレや下水管を素手で清掃する
仕事が生業だった。1日の稼ぎは200ルピー(約320円)程度。
ヒンズー教の神々の像に手を触れることすら許されず、貧困と
差別にまみれて生きてきた。
カースト制のどの階級からもはじき出された不可触民はインドの
全人口12億人のうち約2億人とされる。身分差別廃止を定めた
憲法施行から64年が過ぎた今も、その大半が過去の呪縛に
縛られている。
◇「地獄」の悪臭
「この地獄から抜け出したい」。午前7時、首都ニューデリー南部に
ある高級住宅地の大家から仕事の依頼が入る。ラジョリアさんの
仕事道具は長さ約1.5メートルの鉄製の棒だけ。下水管の中で
四つんばいになり、詰まりの原因になった汚物を取り除く。
体に染みついた悪臭をぬぐい去ることはできず、仕事後は食事も
喉を通らない。25年間、非衛生的な環境で働き続けたせいか
「慢性的に体調が優れず、せきが止まらない」。仕事を終えても
コップ1杯の水すらもらえず、追い払われるように次の仕事場へ向かう。
生活は苦しい。4人の子供には「公務員になってほしい」と願って
いたが、次女(16)と次男(14)は、家計を助けるために同じ仕事を
始めた。「これ以外ならどんな仕事でもしたいが、『汚れた者』に
そんな機会はほとんどない」。ラジョリアさんは肩を落とす。
◇「写真撮らないで」
インド国会は2013年9月、手作業によるトイレ・下水管清掃業の
禁止と、それによって失業する職人の社会復帰を定めた法律を
成立させた。同法はこうした職業を「非人道的」と断じ、
「個人が尊厳を持って生活できるよう保証する」と規定した。
ただ、「『防護装備』を提供した場合は規制の対象外」とも
記している。専門家は「マスクや手袋など簡易装備を与える
だけで合法と認められる恐れがある」と批判する。
11年の国勢調査によれば、代々手作業でトイレなどの清掃を
してきた職人の家庭は75万世帯。市民団体は、実際には
その数はもっと多く、130万世帯に上るとみている。
ラジョリアさんは法律施行後もマスクや手袋なしで排せつ物を
処理し続ける。「写真だけは撮らないでほしい」。
自らを恥じるように丸めた背に、いまだ解けぬカーストの呪縛が見えた。 



コメントです。
インドのカースト。
長年続いてきた文化には違いありませんが、
この手のバカバカしい習慣は、その国のトップ連中が
自分たちの都合のいいようにシステムを作り上げてきた
だけのことでしょうね。

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2013年10月25日

フェイスブック使用を注意された17歳が自殺、インド

フェイスブック使用を注意された17歳が自殺、インド
AFP=時事 10月25日(金)

10251.jpg

【AFP=時事】インド西部マハラシュトラ(Maharashtra)州で、
親からフェイスブック(Facebook)の使用をやめるよう注意された
17歳の女子学生が自殺した。警察当局が24日、発表した。
捜査官によると同州パルバニ(Parbhani)で23日夜フェイスブックや
携帯電話で話してばかりいないで勉強に集中するようになどと親に
しかられた女子学生は親と口論した後自室に鍵を掛けて閉じこもった。
その後、首を吊って死んでいるのが見つかった。そばには遺書が
残されていた。現在、警察が遺書を調べているが、親との口論や
フェイスブックに言及しているという。
インドのインターネット人口は多くはないが急速な勢いで増加しており、
今年中にも2億人に達するとみられている。ある調査によれば、
インドの高校生のおよそ75%は電話よりもフェイスブックでの
交流を好むという。
【翻訳編集】 AFPBB News

関連記事です。

MixyやFacebookはカルトか?

国営放送『FRANCE2』局の20時〜の45分の
NEWSを観るようにしている。

先週で気になったのはFacebookのようなSNSに
ハマる若い女の子たちや成人男性一人を扱った
「私のカルト」(Le culte du Moi)であった。

16歳と14歳の少女2人は下校時間の16時に
なって、校門を出ると、スマホでFacebookに
繋いで、コミュニケーションを始める。

フランスはインターネット環境の普及が
遅れていたが、近年、Wifi(ウィフィと発音)が
人口に膾炙してネット環境が整備された。

光ファイバーとかは及びでない。
あくまでコードレス。

そして、Facebookが爆発的に人気に……。

フランス国営放送は幼い年齢からSNSに
依存する出会い・人間関係に疑問を呈する。

それはカルトではないのか?と。

culteは1570年に発生した語で
ラテン語のcultusが語源だ。

神への崇拝から派生して敬愛や
崇敬などの意味を持つ。ネガティヴに
金への崇拝などにも遣われる。

SNSは崇敬・崇拝の対象になっていないか
番組では問うている。



コメントです。

SNSって、いったいなんなのでしょうね?


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2013年10月22日

日本の革靴、川濁る原料の街 バングラデシュ

日本の革靴、川濁る原料の街 バングラデシュ
朝日新聞  2013年10月21日

10211.jpg
皮革なめし工場の中では、労働者たちが素手で化学物質を扱っている=
ダッカ市ハザリバーグ、小暮哲夫撮影

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皮革なめし工場から排水溝に、汚水が垂れ流しされている=
ダッカ市ハザリバーグ、小暮哲夫撮影

AS20131021000584_comm.jpg

日本の革靴輸入国/バングラデシュの革靴輸出国


灰色の濁った水が、壁から外に突き出たパイプから、勢いよく
排水溝に流れ出す。
バングラデシュ・ダッカ南部のハザリバーグ地区は、革靴の
原料になる皮革のなめし工場が並ぶ。その数は大小200。
国内の皮革の9割がつくられ、3万人ほどが働く。
汚水や悪臭の原因は、工場で使う化学物質だ。クロムや硫黄の
化合物など数十種類。有毒だが、労働者たちは素手でマスクを
つけずに作業を続ける。毎日、約2万立方メートルの排水が、
市内を流れるブリガンガ川に注ぐ。
排水は浄化して外に流さなければならないが、
「処理施設がある工場はゼロ」(環境森林省)だ。
NGO「環境と人材開発の会(SEHD)」が1999年に労働者
179人を調べると、国内平均と比べた罹患(りかん)率は
皮膚炎で52倍、胃炎は37倍、ぜんそくで6倍に達していた。
この地区の皮革原料とした革靴が日本でも大量に売られている。
(ダッカ=機動特派員・小暮哲夫)


関連記事です。
原料調達先、知る責任 革靴輸出国バングラデシュ

革靴はバングラデシュの主力輸出品だ。日本への2011年度の
輸出額は6553万ドル(約64億円)で、国別で世界トップだ。
年間20万足を日本に輸出しているバングラデシュの靴メーカーは、
おもな最終販売先として日本の複数の大手靴小売りチェーンを挙げ、
「原料の皮革は(環境被害を引き起こしている)ハザリバーグ地区
から仕入れる」と答えた。
名指しされた大手チェーンの1社によると、自社ブランドの革靴は、
輸入卸商社とやりとりしながらデザインを決定。商社が海外の
協力工場に生産委託する。バングラデシュ製の靴もこの方法で
生産して仕入れ、09年から現在までに約10万足販売したという。
ただ、輸入商社がどの現地工場と取引をしているかや、原料の
調達先については「把握していない」とし、「当社にできるのは、
できあがった靴の品質をしっかり検査することだ」と説明した。
一方、輸入商社は取材に「原料(皮革)の調達は、委託先の
バングラデシュの靴メーカーに一任している。
その先の原料工場の状況は把握していない」と答えた。
日本の貿易統計によると、12年に同国から輸入された革靴は
全体で410万足に上る。ハザリバーグ地区が同国の皮革の
9割をつくる現状からみて、日本で出回っている同国製の靴の
多くがこの地区の皮革を使っているとみられる。
別のバングラデシュの靴メーカーも取材に対し、日本に年間1
0万足ほど輸出する革靴の原材料を「ハザリバーグ地区から
買っている」と答えた。

関係者が「周辺国の皮革地区と比べても、こんなひどい
状況はない」と話す同地区の環境問題は1990年代から
指摘されてきた。政府と業界団体は03年に覚書で
「有害な排水が、人々の生活を危うくしている」と認め、
ダッカ郊外に工業地区全体を移し、共用の排水処理設備を
整えることで合意。さらに環境団体が訴えた訴訟で最高裁
09年、「住民に大きな被害をもたらし、労働者らは病気を
患っている」と政府と業界団体に速やかな移転を命じた。

だが、いまだに移転は実現していない。費用負担を巡って
業者と政府に意見の違いがあるからだという。
企業の社会的責任に詳しい斉藤誠弁護士は「皮革は、革靴で
最も重要な原材料だ。日本企業は、例えば『皮革地区が
移転しないままでは、取引停止もありうる』と持ちかけるなどして、
靴メーカーを通じて改善を促す働きかけをすべきだ」と指摘する。
■供給網調査、先行く世界
取引先、調達先の問題なので、関係ありません――。
企業活動を巡って起きた社会問題について、こんな対応で
通じる時代は、国際的には終わりつつある。

ナイキ(米国)などスポーツ用品・衣料品業界は90年代
後半から、海外の委託工場の児童労働が批判されてきた。
そこで、生産から販売までのサプライチェーン(部品供給網)に
目を配る必要性に迫られた。
人権を守るのは従来、政府の役割。だが、国境を超える人や
物の動きが増えると、政府の対応では限界があり、企業向けの
国際ルールづくりが近年、進む。
国連人権理事会は11年、「ビジネスと人権に関する指導原則」を
採択。日米欧など34カ国が加盟する経済協力開発機構
(OECD)は、企業を対象にした「行動指針」を改訂した。
いずれも法的な拘束力はないが、サプライチェーンに連なる
取引先の事業に問題がないか注意を促す。想定する内容は、
取引先が引き起こす労働問題や環境悪化、健康被害、
先住民の伝統破壊、など幅広い。
バングラデシュでは4月、英企業が生産を委託した衣料品
工場で1千人以上が死亡する崩落事故が起き、安全確認や
補償などの対応を余儀なくされた。
事故後、H&M(スウェーデン)や「ユニクロ」を展開する
ファーストリテイリング
なども、バングラデシュでの委託工場の
安全検査を始めざるをえなくなった。
供給網を巡るルール化では、米国は今年、さらに一歩進んだ。
自動車や家電の部品などに使われるスズなど4種類の鉱物が、
内戦が続くコンゴ(旧ザイール)産でないかの情報開示を、
法律で上場企業に義務づけた。
鉱物を売ったもうけが武装勢力に流れ、戦争犯罪や人権侵害に
加担する恐れがあるとの理由だ。
米国で上場するトヨタ自動車やソニーなども、世界中の供給網を
さかのぼって調べなければならなくなった。
■日本企業、対応は一部
日本国内でも対応に乗り出している企業はある。
スポーツ用品のアシックスとミズノだ。
両社は商品のほとんどを海外企業に生産委託する。
それぞれ約150の委託工場を、社員が訪れて従業員が
適切な条件で働いているか、環境への配慮はされているか
などを調べる。不十分ならば、改善を求める。
ただ、ここまでするのはまだ例外だ。
日本総合研究所
の足達英一郎理事は「日本企業は製品の
QCD(品質、費用、納期)には熱心だが、どうやって製品が
できたかというプロセスに対する意識に欠けている
と指摘する。
(ダッカ=小暮哲夫)
 ■委託・調達先の問題で社会的責任を問われた例
 ◇ネスレ(スイス) 
 チョコレートの原料になるパーム油の調達元が、インドネシアの熱帯雨林を破壊 
 ◇カーギル・コットン(米)など 
 綿摘み作業での児童労働が批判されているウズベキスタン原産の綿を輸入 
 ◇プリマーク(英) 
 バングラデシュの委託先縫製工場ビルが崩壊し、多くの労働者が死亡 
 ◇ギャップ(米) 
 インドネシアの生産委託工場の排水が河川を汚染 

コメントです。

バングラデシュ内で、靴等の材料となる革製品の
製造による環境破壊の問題です。
確かに、もう先進国企業は『調達先は知らない』などの
態度では許されない時代でしょう。
搾取から共存をめざすといったところでしょうか。



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2013年10月18日

インドで強姦犯の妻が直面する厳しい現実―外出や労働阻む「伝統」


インドで強姦犯の妻が直面する厳しい現実
外出や労働阻む「伝統」

ウォール・ストリート・ジャーナル 10月17日(木)

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プニタ・デヴィさん(中央)、息子、義理の母

【インド、KARMALAHANG】ニューデリーからの電話があったとき、
プニタ・デヴィさんは最悪の結果に対する心の準備をした。
彼女は自分の夫が絞首刑の宣告を受けたことを知った。

アクシャイ・クマル・シンら4人の男は、インドでの女性に対する暴力で
世界の注目を集めた犯罪で有罪となった。昨年12月にバスの中で
起きた23歳の理学療法を学ぶ女性への集団暴行・殺人事件である。

死亡した被害女性両親にとって、この判決は一定の幕引きとなったが、
やはりまだ20代のデヴィさんと2歳の息子にとって、夫の犯罪と刑罰で、
まったく不透明な将来に導かれることになった。

デヴィさんは義理の家族に見捨てられ、インドの保守的な内陸地域で
村八分と極貧に直面することになると考えている――彼女が殺人犯の
妻だからではなく、夫がいなくなるからだ。
「未亡人となれば、私の名誉は永遠に失われる」と彼女は嘆く。

夫の親族は彼女を食べさせていくことができないと言っている。
彼女の両親も貧し過ぎて彼女を引き取ることは不可能だという。
この地域に根付いているパルダ(女性隔離の習慣)のせいで、
彼女が自宅から出て働くことはほぼ不可能である。

「私は教育を受けていない。私は家から出ることもできないという
伝統もある」とデヴィさんは話す。
「私と息子が食べていくためのお金は誰が稼ぐのか」

デヴィさんと夫の家族が住むビハール州東部にある村では、
女性たちは概ね隔離され、ベールをまとって暮らしている。女性たちは
男性の親族と一緒でなければ外出することも許されない。自宅裏の
原っぱに排便に行くにも暗くなるのを待たなければならない。

シンさんの兄、ビナイ・シンさんは「われわれの伝統に女性が
働きに出るということはない」と言う。デヴィさんの義理の母親、
マラティ・デヴィさんはもっと率直だ。「わが家では、女たちはみんな
家で死ぬ。外に出ることなどないのだから」

1960年代に初の女性首相インディラ・ガンジーを輩出し、今日も
注目を集める女性政治家や企業経営者がいることを自慢に
している国において、こうした考え方はインドらしくないと思えるかも
しれない。ところが、12億というインドの人口の70%近くが住んで
いる田舎は息苦しい場所だ。女性たちがかなり制限された生活を
送っているそうした場所には、都市部の中間層の女性たちが
謳歌し始めた自由など存在しない。

田舎は敵意に満ちた場所にもなり得る。そうした村々では、女性に
対する犯罪が警察に報告されないことも多く、事件の決着は法律で
はなく、慣習を守ることを強いる長老たちによってもたらされる。

注目を集めた犯罪者の妻という不運な立場が、デヴィさんの境遇を
特別悲惨なものにしているかもしれない。
しかし実際のところ彼女が直面しているような困難はインドの田舎では
現実の姿なのだ。最も貧しい人々にとって1回の挫折――大黒柱の死、
農作物の不作、病気など――で、一家が危機に陥りかねない。
田舎に住む女性にとっては特に悲惨な現実が待ち構えている。

デヴィさんはKarmalahangから130キロほど離れた小さな村で
育った。彼女の家族はジャールカンド州の干ばつが頻発する地域に
1エーカーの農地を持っている。デヴィさんは自分の年齢を21歳だと
言っているが、学校の記録に照らすと24歳のはずだ。

彼女には3人の姉と1人の弟がいる。学校は6年生が終わると
退学させられた。母親が病気になったので、炊事や掃除をしなければ
ならなくなったのだ。姉たちはすでに家を出たか、出ようとしており、
両親は彼女よりも弟を学校に通わせる方が重要だと判断した。

インド全域でも女性の読み書き能力は男性よりも劣っている。イ
ンドの国勢調査データによると、田舎で字が読める男性の割合が
80%なのに対し、女性は60%未満に過ぎない。

デヴィさんは自分の名前といくつかのヒンディー語の単語を書く
ことができ、読みも少しはできるという。女性に期待されているのは
育児と家事だということも幼い頃からわかっていたという。

「結婚して夫の家族の家に行ったらどう振る舞うべきかは、自分の
母親を見て学んだ」とデヴィさんは言う。

彼女の母親、リラヴァティ・デヴィさんは、まだ子供のときに
数歳年上のラジ・モハン・シンさんと結婚した。現在60歳の
リラヴァティ・デヴィさんは、大人になってからの人生のほとんどを
土壁でできた小さな家の中で過ごしてきた。

この地域に住む女性の多くがデヴィというラストネームを
使っている。デヴィはヒンディー語で「女神」を意味するが、
女性の相対的な立場を表しているわけではない。
「私たちにとっては夫が神だ」と話すのは、Karmalahang
在住の医療従事者のスーダ・ デヴィさん。彼女は「夫と平等の
立場になることなんて考えられない」と話す。

デヴィさんの両親は、彼女とシンさんの結婚を2010年に
決めた。この縁談を仲介したのは、シンさんの兄の1人と
結婚していた近くの村に住む女性だった。

「無理やり結婚されられたわけではないが、親が決めたこと
だった。田舎ではそういうことになっている」とデヴィさんは話す。
「女性の人生では、結婚と夫がすべてだ」

両家とも比較的高い地位のカースト、ラジプートに属し、農業を
営んでいる。「良い縁談だった」とリラヴァティ・デヴィさん。
2010年5月、彼女は木製のベッドと台所用品という質素な
嫁入り道具と一緒に娘を送り出した。

「娘には家族と、新しい家族と元気で仲良く暮らしなさいと言った」と
リラヴァティ・デヴィさんは振り返る。

結婚して最初の2年間は順調だった。28歳の夫、シンさんは
3人兄弟の末っ子だった。そこでデヴィさんは義理の両親だけ
ではなく、シンさんの兄弟とその妻や子供がいる家でいっしょに
生活することになった。

Karmalahangというその村は、インド東部のコルカタと
アフガニスタンの首都カブールを結ぶ古くからの幹線道路から
30キロほど離れており、カーイムルヒルズのふもとにある。

Karmalahangには1500人が住んでいるが、湿気を含ん

だ空気が山々に遮られるせいで雨蔭となり、農業を営むのが
かなり難しい。加えて何の産業もないため、職を求める多くの
若者がこの地を離れて都市部に向かっている。

高校を卒業していないシンさんとその兄弟たちも例外ではない。
大人数の家族を支えていくため、3人それぞれが稼ぎから
月に30‐45ドルを仕送りしていた。

「夫にどこで何をしているかなど聞いたことがなかった」と
デヴィさんは言う。「出稼ぎだということはわかっていたから」

2011年6月、デヴィさんは息子を出産した。その子は
肺感染症になりやすかったが、月々の診療費と薬代は
シンさんの稼ぎで賄うことができた。

2012年8月、出稼ぎから戻っていたシンさんは、家を離れて
いるときも話ができるようにと妻に携帯電話を買い与えた。
夫はジャールカンド州ダーンバードの酒屋で働いていたと言った。

今回はデリーへ出稼ぎに行くことにしたシンさんは、家を
出発する前に彼女に20ドルを渡した。彼女はそれで息子用の
シャツ、息子に食べさせるための果物などを買った。

ヴィさんが次に夫に会ったのは12月だった。何日だったかは
議論の余地がある。今年8月の初めに行われたインタビューでは、
デヴィさんと彼女の義理の父親は、シンさんが12月21日に
帰ってきたと言っている。つまり、12月16日にデリーで起きた
集団暴行事件の件で警察がシンさんを捜しにやって
来た翌日となる。
その事件はすでにインド中で大きく報道されて
いた。ところが、テレビを観ようにもKarmalahangには電気が
通っておらず、新聞もなかった。シンさんが帰宅したとき、
ひげこそ生やしていたが、「特に心配したり、ピリピリしている
ようには見えなかった」とデヴィさんは振り返る。

それ以来、デヴィさんとシンさんの家族は、シンさんの帰宅日に
関して話を変えている。彼らは8月の終わりに裁判所で、
シンさんが実際に村に戻ったのは12月15日、つまりデリーで
事件が起きる前日だったと証言した。シンさんの弁護士、
A・P・シン氏はこれに基づく弁護を展開した。

その裁判を司ったヨゲシュ・カンナ裁判長は、そのアリバイを

却下した。その理由として、裁判長は家族の証言の不一致、
それとは矛盾する警察の事件説明、共犯者の1人としてシンさんを
犯罪現場であるバスと結び付ける証人や物的証拠を挙げた。

シンさんが昨年12月に逮捕されて以来、彼の家族は大混乱に
陥っている。やはりデリー周辺で働いていた兄であるビナイさんと
アバイさんは家族のために3カ月間仕事を休み、家計を苦しめる
ことになった。一家の世間体も損なわれてしまった。

デリー郊外にある塗装工場で働くアバイ・シンさんは「村人は私たちの
ことを不可触民(カースト制度にも外れた最下層の人々)の
ように扱っている」と話す。
織物染色工場で働くビナイ・シンさんは
「生活は以前よりも落ち込んだが、今後はさらに苦しくなっていく
だろう」と述べた。 今年4月、デヴィさんは刑務所にいる夫に
会うために、夜行列車に乗ってニューデリーに向かった。首都に
行くのはこれが初めてだった。面会エリアでガラスの仕切り越しに
初めて夫の姿を目にしたとき、彼女は思わず泣き出して
しまったという。
デヴィさんによると、シンさんは「2人とも元気で
いてくれ。いずれ家に帰る。私は無実だ」と言ったという。

ところが、夫からの送金がないため、デヴィさんは息子を治療
してもらうこともできずにいる。デヴィさんと息子はシンさんの
兄弟やその妻たちからの施しでなんとか生き長らえている状態で、
息子の食事にも困っている。

「元気がでない」とデヴィさんはつぶやく。「生活を支える夫が
いない女を良く思う人などいない」

昨年12月の集団暴行事件や似たような犯罪に関して、田舎では
当たり前の伝統的な社会的習慣とインド都市部の現代性との
衝突を原因の1つとして挙げる人もいる。田舎からの出稼ぎ
労働者が都市部で遭遇するのは、違ったルールに従って生きて
いる都会人の価値観である。たとえばデリーの残忍な事件でも、
裁判の証言によると、犯人たちは「夜間になぜ男女で外出している
のか」と聞きながら若い女性と一緒にいた男性に近づいてきたという。

その晩の出来事に関してデヴィさんは、どうして女性が夫でも
ない男性と夜間に出かけられるのか理解できない、と述べている。

その夜、2人の被害者は高級ショッピングモールで映画を観た
帰りにバスに乗り、そこで襲われた。女性は強姦された上に
金属棒による性的な暴行を受け、内臓に数々の怪我を負った。

2人の被害者は裸で、血を流した状態で道路脇に放置された。
女性はその後死亡した。

しかし、都市部と田舎との価値観の対立が原因だと言うのは
単純過ぎる。ニューデリー在住のシンさんの弁護士、
A・P・シン氏は9月13日の判決の後、自分の娘が婚前交渉を
持つと言い張ったら、「焼き殺すだろう」と言った。そのコメントの
真意を問われると同氏は「適切な精神状態にあるインドのあらゆる
家庭が」婚前交渉について同じように感じているはずだと述べた。

A・P・シン氏はデヴィさんの夫に対する有罪判決に控訴すると
語った。その過程には数年かかる可能性がある。

弁護士によって公表された文書の中で、シンさんは妻について
こう述べている。「彼女は強くなって戦うべきだ。仕事を探すべきだ。
彼女には生きて欲しい。息子に教育を受けさせ、立派な人にして
欲しい。成長したら、息子には私の真実を知らせたい。
私が無実だということを」
しかし、デヴィさん自身は時間的な猶予が
なくなりつつあることを心配している。義理の家族である
サルジュ・シンさんとマラティ・デヴィさんはデヴィさんとその息子を
援助し続けるだけの蓄えがないという。シンさんの兄たちも
自分たちの妻と子供たちを養うのが精一杯だ。

デヴィさんは去年夫に買ってもらった携帯電話を使って母親に
電話した。リラヴァティ・デヴィさんによると娘は「どうすればいい
のか」と聞いてきたという。娘に返す言葉がなかったと
リラヴァティ・ デヴィさんは涙ながらに言う。

緑のサリーに身を包んだ娘の写真のそばに座った母親は
「教育を受けていれば、娘は自分で稼ぐこともできた」と言う。
その写真に写る彼女は庭を背景にして立ち、かすかな
笑みを浮かべている。

デヴィさんの父親、ラジ・モハン・シンさんは、自分と妻、
そして息子の家族が住む家に娘を呼び戻すわけには
いかないと話す。「われわれには娘の面倒を見ることなど
できない。息子にも娘の援助はできない。自分の世話もで
きない息子にプニタの世話などできるはずがないではないか」

デヴィさんは誰を頼ればいいのかわからない。夫への死刑宣告を
聞いたあと、彼女は泣きながら問いかけた。
「私のことを考えてくれる人は誰もいないの?
私は生きていて、幼い息子もまだ息をしているというのに」



コメントです。
インドでは、毎日といっていいほど
強姦事件の記事を目にしますが、
今日は、強姦事件の犯人が死刑に
なり、死刑囚の残された家族に
ついての話題を掲載しました。

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2013年05月09日

もやしの種、自立の芽に ビジネス通じ途上国支援、日本でも

もやしの種、自立の芽に ビジネス通じ途上国支援、日本でも
朝日新聞デジタル・ヘッドライン 2013年5月8日

もやし.jpg
収穫されたもやしの種を手にする村人たち。品質も水準に達し、
日本へ輸出された=バングラデシュ西部

発展途上国の貧困層をビジネスを通じて支える仕組みが、
日本企業の間でも広まっている。一方的な援助ではなく、
互いに利益のある形を模索し、息の長い支援をめざす。

もやしの種(緑豆)から、バングラデシュの自立の芽を育てたい。
そんな願いを込めたもやしが、まもなく日本の食卓にのぼる。
商品名は「もやしのきずな」。現地で収穫した緑豆を日本で育てた。

■現地で緑豆生産
発売するのは、キノコ生産で有名な雪国まいたけ
(新潟県南魚沼市)だ。
2011年、現地で貧困層を支える事業を展開する
グラミングループなどと合弁会社を設立。日本からは
栽培技術を、グラミンからは農家指導や融資のノウハウを
合弁会社に提供し、緑豆生産に取り組んできた。

「以前は何を作っても仲買人に買いたたかれ、利益が出なかった。
作業も楽になったよ」と、現地で生産に取り組むムラド・マリサさん(45)。

世界銀行によると、同国の11年の1人あたり国民総所得は
780ドルで月1万円に満たない。ムラドさんは米や野菜を
作っているが、ニンジンやジャガイモの買い取り価格は
1キロ5〜10円ほどだ。一方、肥料や農薬など決められた栽培
方法を守った緑豆は合弁会社が10倍程度の値段で買い取る。

「正当な価格で買い取ることで、農民の自立につなげたい」と、
雪国まいたけの上席執行役員、佐竹右行(ゆうこう)さん(57)は話す。

出発点は金融業界での経験が長い佐竹さんの個人的な思いだ。
リーマン・ショックを目の当たりにして、金融のあり方に限界を
感じた。貧困層に無担保で融資する「非常識」な仕組みが
成功している理由を知りたいと、10年1月にグラミングループの
現場を見るツアーに参加。同じような事業をできないか、と考えた。

目を付けたのが、自社で生産していたもやし。「安くておいしい」と
重宝される食材だが、緑豆の大半は中国から輸入している。
レアメタルのような大幅な値上がりに備え、種の仕入れ先を
分散し、リスクを回避する狙いもあった。

同年6月、グラミン銀行の創始者でノーベル平和賞受賞者の
ムハマド・ユヌスさんと対面し、計画を説明。
「ぜひやってほしい」と後押しを受け、事業化は一気に進んだ。

■昨年は8000人参加

当初は100人ほどで始まった。畑に種をばらまく栽培方法を
改め、うねを作って植えるよう指導し、収穫量も上がった。
「成功例」を目にして賛同が広がり、昨年は国内各地で8千人が
参加、1500トンを超える収穫があった。
中国産を購入するよりは、安く抑えられているという。

輸入した緑豆は現在、もやしとして商品化するため、新潟県の
工場で試験栽培中だ。もやしはスーパーなどで特売の
目玉商品にされることが多く、利益が出にくい。
それに「支援につながる」という付加価値を付けたいという
思いもある。「双方に利点があり、ビジネスとして成立して
こそ、続けられる」と佐竹さんは力説する。

■利益追求・生活向上を両立

こうした活動は「BOP(ベース・オブ・ピラミッド=低所得層)
ビジネス」とも呼ばれ、欧米を中心に広がってきた。

途上国の働き手を「安い労働力」とみるのではなく、労働環境を
整えて正当な対価を支払い、企業の利益追求と現地の
生活向上の両立をめざす取り組みだ。

日本でも、経済産業省がBOPビジネス支援センターを10年に
設立。事例の紹介など後押しを始めた。

衣料品ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング
(山口市)は、11年にグラミングループと合弁会社を設立。
バングラデシュで服の生産や販売の事業を始めた。

06年に設立された「マザーハウス」(東京都台東区)は
バングラデシュやネパールで、バッグなどを生産。
日本の市場でも勝負できるよう、デザイン性が高
く、良質なバッグ作りをめざしている。同社幹部は材料を
求めて暴動の中を駆け回ったり、現地の人と激しく
議論したり、曲折もあったが、日本や台湾に15店舗を構え、
年間5万個を販売する。バングラデシュの自社工場では
100人を雇うまでに成長した。

山崎大祐副社長(32)は「社会貢献を考える時、お金を
どう使って支援するかに目が行きがちだが、続けるために
大切なのは、お金をどう生み出すか。商品の競争力を高め、
ビジネスとして上をめざしたい」と話す。

(仲村和代)

■BOPビジネスの事例

・インドで少量の小袋に分けた洗剤やシャンプーを農村女性が
戸別販売。女性の自立を支援(ユニリーバ)

・アフリカでマラリア予防の殺虫剤を練り込んだ蚊帳を供給。
現地の雇用創出にも貢献(住友化学)

・アフリカで農業用ポンプを使った農法を普及。
生産性の向上やコスト削減に寄与(ヤマハ発動機)

・バングラデシュ、アフリカなどで水質浄化剤を使い、安全な
飲み水を普及。現地の女性が販売も担う(日本ポリグル)

 
 

関連記事です。
ケシ畑をソバ畑に 北九州市出身の吉田さん 
ミャンマーで技術指導

 ケシ畑をソバ畑に−。ミャンマーでそんな取り組みが
続いている。麻薬撲滅、貧困対策の一環として始まり、
今では年間200トンを生産する産業に成長した。
現場で指導に当たったのは北九州市八幡東区出身の
吉田実さん(45)だ。 (バンコク進藤卓也)
「自分の専門知識が生かせるのはうれしい半面、熱帯の
イメージがあるミャンマーでソバができるのか。
ケシ撲滅をソバでできるのか。不安を抱えたスタートでした」と
吉田さんは振り返る。
吉田さんは信州大学農学部・大学院を卒業したソバの研究者。
1999年、大学の恩師・氏原暉男(あきお)氏から「ケシ撲滅の
ためにソバを植える仕事をしないか」と誘われ、国際協力機構
(JICA)の専門家としてミャンマー北東部、北シャン州
コーカン特別自治区に赴いた。
複数の少数民族が住み、150年以上もアヘンの原料となる
ケシの栽培が続く同区。着任当時、ミャンマーで生産された
約900トンのアヘンのうち、9割がこの地区に集中していた。
同区は89年、「ケシ栽培をやめたら代わりに支援を与える」
とのミャンマー政府との交換条件を受けて、ケシ栽培の撲滅を
目指すと宣言。代替作物に注目されたのがソバだった。
しかし、吉田さんに対する農民の反応は複雑だった。
「ソバをもってきてくれてありがたい」と歓迎の一方で、
ケシほど儲からないなら作らない」と冷めた声も多かった。
試算ではケシ栽培は約90日の労働で収入は225ドル
(約1万8千円)。ソバではその5分の1程度しかない。
吉田さんは根気強く説いて回る。栽培技術が容易なこと。
手間とリスクの少ない現金収入であること。それでも農民の
やる気は上がらず、「ケシが現に存在する中での
代替
作物導入の難しさ」を痛感した。
意識が変わったのは2003年。同区がケシ栽培の撲滅
達成を宣言し、違反者には厳しい処罰を科したことだ。
「農民たちがワラをもすがる思いで『ソバを栽培したい』と
言ってきた。こちらの指導にも真剣に耳を傾けるようになった。
やっと代替作物として認めてもらえたと思いました」
課題もあった。他の代替作物がないため不適地でもソバが
栽培された。嫌々向き合っていたり不慣れなために、品質は
まちまち。懐に入れて運べたアヘンに比べ、へき地山間部
からの輸送の問題も。夜間、国籍不明機が飛来してケシ
種を空中散布する妨害にも遭った。品質不均一のため約束の
全量買い取りを断られ販路を断たれたときは、
「もうダメか…」と弱気に襲われたこともある。
今、栽培面積は約千ヘクタール。収穫の半分、約90トンは
日本に送られ、「ミャンマーソバ」の趣旨に賛同する長野県の
そば屋などが購入する。
ミャンマーではクッキーや焼酎などにも加工している。
「アジアの片隅で育ったソバは、いろんな方の情熱と努力の
結晶です。今後は単収を上げ収量を安定させる。ソバをもっと
収益の上がる作物にしていきたい」。吉田さんは謙虚に語った。
=2011/07/18付 西日本新聞朝刊=


コメントです。
途上国向けの自立支援目的によ産業育成の話題です。
単一企業が、自社の営業活動の一連として育成補助活動を
している点が少し気になりますが、それでも、やはり採算を
あげないことには長期支援は不可能なので、営業収支は
不可欠ですね。
いずれにしても、双方の利害関係が一致して特に第三者に
弊害や摩擦を引き起こさないうえで、息の長い支援が可能に
なればいいですね。



posted by salsaseoul at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2013年05月05日

ミシン2000台・発電機の振動でビル倒壊か

ミシン2000台・発電機の振動でビル倒壊か

読売新聞 5月4日(土)20時50分配信


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【ニューデリー=田原徳容】バングラデシュの首都ダッカ近郊で
8階建てのビルが倒壊した事故で、軍は4日死者が543人に上り、
100人以上が依然行方不明となっていることを明らかにした。

犠牲者のほとんどはビル上階の縫製工場の労働者。事故から
10日が過ぎたが、がれきの処理は続いており、死者数はさらに
増える見込みだ。

事故原因について、政府の事故調査担当者は3日、手抜き工事で
強度の低い建物が、縫製工場の大型発電機と2000台超の
ミシンの同時稼働による振動に耐え切れなくなったとの見方を
示した。停電が発生し、ビル上階に設置された発電機4機が
フル稼働した数分後にビルが倒壊したという。

警察によると、ビルは、改良されていない湿地帯に粗悪な
建材で建設され、5階建てが8階建てに無断変更されていた。
また、ビルの使用目的を商業用としながら、縫製工場を
入居させていたことも判明した。

関連記事です。
バングラデシュのビル崩壊:欧米諸国に広がる波紋
世界各地で行われたメーデーの祝典に合わせ、ローマ法王は
先週バングラデシュで多くの犠牲者を出したビル崩壊の原因と
なった「奴隷労働」状態を非難する声明を発表した。

AP通信によれば、フランシスコ法王はダッカの衣料品工場で
亡くなった400人以上の人々の月収がわずか5,000円ほどで
あったという報道に憤りを見せたという。「それが亡くなった人々の
収入だったのだ。これは奴隷労働というものだ。今日、世界では、
この奴隷状態が神から与えられた美しいもの――すなわち創造し、
働き、尊厳を保つという能力に反して行われている。どれほど多くの
兄弟姉妹たちがこの状態に置かれているのだろうか。利益を
最大化するというためだけに、きちんとした給与も支払われず、
職が与えられないのだ。これは神に背いている」と語った。

ダッカで倒壊したラナ・プラザに入居していた5つの衣料品工場では、
3,500人ほどの人々が働いていた。最新の情報では、402人が
倒壊により死亡、2,500人以上が重軽傷、そして少なくとも150人が
未だ行方不明となっている。なお、この事件の5か月前には、112人の
死者を出す工場火災がバングラデシュで起きていた。

法王はまた、「働きたいのに働けない人々が数多くいる。働く機会を
すべての人が得られない社会というのは公正ではない」とも述べた。

一方、1日には、数千人の労働者や活動家がダッカ中心部の路上に
繰り出し、労働条件の改善と倒壊したビルのオーナーの死刑を
求めた。AP通信によれば、デモ参加者の1人はトラックの荷台から
スピーカーで「兄が亡くなりました。妹が亡くなりました。彼らの
犠牲を無駄にしてはなりません」と叫んでいたという。

倒壊したビルのオーナーであるムハンマド・ソヘル・ラナ容疑者は、
現在警察に拘束されており、違法建築と、労働者を危険な
条件下で働かせた罪などで訴追される見通しである。
他の罪状が追加されなければ、最長7年の懲役となるが、死刑を
求める人々は怒りをあらわにしている。

「ビルオーナーには死刑を求めます。きちんとした給与の支払い、
昇給、それから何より工場の安全性の向上が必要です」と
衣料品工場の労働者はAP通信に述べた。

他方、バングラデシュ高等裁判所は、犠牲者遺族や生き残った
労働者らへの補償に充てられるよう、ソヘル・ラナ容疑者の
資産差し押さえとラナ・プラザで操業していた工場所有者らの
資産凍結を命じた。

欧州連合(EU)もまた、バングラデシュに与えている特恵関税、
関税免除などの見直しにより、バングラデシュの衣料品産業に、
設備や労働条件の改善を要求する措置を取る可能性があるとした。
「EUはバングラデシュ当局に対し同国内の工場が国際労働基準に
適合するよう即時対応することを求める」と、EUの外務政策を
統括するキャサリン・アシュトン氏と通商担当委員の
カレル・ドグヒュト氏は声明で述べた。

バングラデシュの衣料品産業は年間輸出額190億ドル
(約1兆9000万円)に上り、その60%が欧州との取引である。
米国市場がこれに続き、23%を占める。

同産業で働くバングラデシュ人は360万人で、その多くが
女性である。バングラデシュの総輸出業のうち、衣料品の
占める割合は80%に上る。



コメントです。
バングラデシュの縫製工場で起きたビル倒壊事件の
話題です

この問題はいろんな要が重なって起きたものですが、
いちばんの原因は建築物のお粗末さでしょう。
また、バングラデシュに限らず、発展途上国での
建築物の強度不足はどこでも見かけますが、
いずれにしても、今回の事故を教訓にして、
先進国は可能な限り、現状で考えられるすべての
問題点をピックアップして、それらの改善進める
手助けをしなければなりませんね



posted by salsaseoul at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国

2013年01月27日

インド極右政党が女性に護身用ナイフを配布

インド極右政党が女性に護身用ナイフを配布
AFP 2013年01月24日
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インド・ムンバイ(Mumbai)で、ヒンズー教至上主義を掲げる
シブセナ(Shiv Sena)党が党大会で配布した護身用ナイフを
掲げる女性たち(2013年1月23日撮影)。
(c)AFP/PUNIT PARANJPE
【1月24日 AFP】インドで昨年12月に起きた女子大学生に対する
集団強姦殺人事件を受け、ヒンズー教至上主義を掲げるシブセナ
Shiv Sena)党は23日、ムンバイ(Mumbai)で開いた党大会で
女性たちに護身用のナイフを配布した。
シブセナ党は脅迫や騒乱を重ねてきたことで名高い政党だが、
この日は昨年11月に死去したバール・タッカレー(Bal Thackeray
総裁の生誕日に当たることから、これに合わせて刃渡り7センチの
ナイフが党大会に出席した女性たちに配られた。
ナイフの配布にあたって、シブセナ党ムンバイ支部長の
アジャイ・チョーダリー(Ajay Chowdhary)氏は「野菜を切るように、
あなた方に触れる者があれば、その者の手を切り落として
やりなさい」と女性たちに語りかけ、財布の中にナイフを
入れて常に携帯するよう諭した。
シブセナ党は、党が拠点を置くインド西部マハラシュトラ
Maharashtra)州で計2万1000本のナイフを女性たちに
配布する計画だという。ムンバイはマハラシュトラ州の州都だ。

首都ニューデリー(New Delhi)で前月に起きたバス車内で
女子大学生(23)が男たちから集団で性的暴行を受けた事件で、
インド全土に怒りの輪が広がるとともに、女性の身の安全が
守られない社会に対する抗議行動も呼び起こした。
この女子大学生はシンガポールの病院に搬送されたが
死亡した。                      (c)AFP

関連記事です。
レイプだけでない!嫉妬、報復…女性への凶行やまぬインド

インドでは首都ニューデリーで昨年起きた残忍なレイプ
殺人事件を受けて、性犯罪の防止や女性の人権尊重を
訴える学生らが連日、政府への抗議デモを展開している。
しかし、女性を標的にした悪質な犯罪はレイプだけではない。
嫉妬や報復に狂った男が女性の顔面などに強力な酸をかけ、
人生を破壊しようとする凶悪事件も多発している。被害者らは
取り締まりの甘さに怒り、治療費の捻出に悲鳴を上げている。
(ニューデリー 岩田智雄)

インド南部カルナタカ州バンガロール近郊に住むジャヤラクシュミさん
(35)が酒に酔った夫から顔面に酸を浴びせられたのは
2003年のことだった。

「夫はいつも私に暴力を振るい、カネを無心していた。ある晩、
酒代ほしさに私の宝飾品を差し出すよう要求した。拒絶して、
もう実家に帰るというと、私が再婚するつもりだと邪推した夫は、
私に酸を浴びせて顔をめちゃくちゃにした」

ジャヤラクシュミさんは、電話口でこう当時を振り返った。

左目は光を失った。計8回の形成手術を受け、1回の手術費だけで
4万ルピー(約6万4千円)かかった。それでも痛みは消えず、あと、
最低4回の手術が必要だ。被害を警察に届け、夫は事件から
4年後に逮捕された。懲役10年の刑を受け服役中という。

バンガロールを拠点に、被害女性らを支援する非政府組織
(NGO)「女性への酸攻撃反対運動」を設立したスシマ・バルマさんに
よれば、こうした犯罪は被害女性の顔を醜くし、残りの人生を
破滅させようという動機によって起こされるケースが多い。
交際を断られた男や報復心を燃やす夫、ストーカーらが犯行に及ぶ。

過去、何人もの被害者の治療に当たってきた東部ジャルカンド州の
医師、アナント・シンハさんは、「これまで診た患者の7〜8割は、
病院から遠く離れた村に住んでいたために、治療を受けるまで
24時間以上たっていた。こうした場合、失明したり、耳が聞こえなく
なったりするケースが多い」と酸攻撃の深刻さを指摘する。
また、「都会の私立病院なら、費用は一般的に100万〜150万ルピー
かかり、庶民にはかなりの高額だ」と話した。

インドには酸攻撃を取り締まる特別な法律はなく、正確な被害件数は
分からない。英ロンドンを拠点にする国際酸生存者基金(ASTI)の
ジャフ・シャー氏によれば、酸攻撃を罰する法律がある隣国
パキスタンでは報告されているだけで毎年150件の事件が
起きており、実際の被害は約400件とみられる。人口が約7倍の
インドでの件数は、こうした数字や被害報道から年間500〜1千件と
推測されるという。

被害に遭ったジャヤラクシュミさんにまだ救いだったのは、酸攻撃
反対運動の裁判所への訴えが実り、カルナタカ州政府が被害者に
20万ルピーの支援金を与えることを決めたことだった。

ただし、こうした制度は全国的には広がっていない。ほとんどの

被害者は自前で治療費を工面したり、ボランティアの医師の
好意にすがったりしている。

ソナリ・ムカジーさん(28)もその1人だ。大学生だった10年前、
ジャルカンド州ダーンバードで男3人に酸を浴びせられた。
日ごろから性的いやがらせを受けていたムカジーさんだが、
ある日、これ以上の行動には法的措置を取ると告げると、
就寝中に侵入してきた3人の凶行に遭った。

治療のために滞在しているニューデリー市内で取材に応じた
ムカジーさんは「両眼は光しかみえず、耳も右側は40%しか
聞こえない。頭と首には皮下組織を再生させるための
器具が入っている」と話す。

公的な援助は一切なく、両親は土地や財産を売り払って
これまで22回に及ぶ手術費を工面したが、追いつかない。
手術は少なくともあと6回必要だという。

思い悩んだムカジーさんは昨年11月、インドのテレビ局が
放送するクイズ番組に出演し、賞金250万ルピーが贈られることに
なった。お金は今後の治療費に充てる予定だ。勇気を出して
出演したムカジーさんに、多くのインド人が拍手を送っている。

そんなムカジーさんにとって、いまなお許せないのは、3人の犯人は
最長で4年半拘束されただけで保釈されたことだ。
「たった5千ルピーの賠償金さえ、受け取っていない」と憤る。

酸攻撃反対運動のバルマさんは、犯人の報復を恐れてひっそりと
暮らす被害者もいるとし、「酸攻撃の罰則は現在、最高で10年の
懲役だが、終身刑にし、保釈も認めないようにすべきだ。酸攻撃を
取り締まる法律を一刻も早く成立させてほしい」と訴える。
酸攻撃に使われる清掃やサビ落とし用の液体は誰でも容易に購入
できることも問題で強力な酸の販売を規制する必要性も強調している。

ただし、バルマさんは、重要なのは「法が適正に運用されることだ」とも
指摘する。パキスタンやバングラデシュでは、酸攻撃への処罰が
強化されたものの、捜査が十分に行われておらず、「犯罪抑止には
ほとんど効果を上げていない」としている。

インドでは、レイプ事件も取り締まりの甘さが指摘されている。
インド政府によると、11年に被害届があったレイプ事件は
約2万4千件。この年の同事件の有罪率は26%しかなかった。

経済では、昨年まで高成長を続け、新興国の一角として存在力を
高めているインド。日本など外国企業の進出も加速している。
その陰で、女性の人権を尊重する国民の意識はまだ低く、
貧困層も多い。各地では、レイプだけでなく、酸攻撃や家庭内暴力に
抗議するデモが連日続いている。全インド民主女性協会の
アルビーナ・シャキルさんは「他国と競争していく上で、女性差別だけで
なく、カースト制度、貧富の差などあらゆる分野の差別をなくして
いかなければならない」と話す。ムカジーさんも「レイプや酸攻撃の
被害者は、家に閉じこもっていてはだめ。団結して声を出して、
政府を動かさなければ」と訴えた。

    ◇   ◇

酸攻撃 製品加工、洗浄用などの強力な酸が使われる。
英NGO国際酸生存者基金(ASTI)によれば、インド、パキスタン、
バングラデシュ、カンボジアなど世界では年間約1500件が
報告されており、被害者の8割が女性。4割が18歳未満の子供。
カンボジアでは夫の不倫に怒った女性が加害者となるケースも多い。

 
コメントです

インドで女性に対する差別や暴力への抗議活動記事です
確かに、ナイフ一本で性暴力から未然に身を守ることは
難しいと思われますが、それでも、抗議活動としては、
インパクトあっていいですね。
しかし、上記にあるように、女性に対して卑劣な暴力を
平気で行う国々の男性人は、これだけ情報が瞬く間に
世界中に広がる現代において、それらの低次元で卑劣な
行動がやはり世界中で
嘲笑の対象となっているのに、
少しは
「恥」という感覚持ちあわせてはいないのでしょうか?



posted by salsaseoul at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 南アジア・インド周辺国