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2017年06月07日

体力調査で圧倒的日本一の福井 そのヒミツはどこに?

朝日新聞 2017年6月6日

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 各地の小学校、中学校で4月から7月にかけて実施中の
「全国体力調査」で、圧倒的な成績を誇るのが福井県だ。
過去8回の調査で、小学5年男女はすべて1位。
中学2年も1位が男子で3回、女子で5回ある。
その秘密はどこにあるのだろうか。
4月下旬、福井県内であった小中学校の体育科と
保健体育科の研修会。県教育庁が全国体力調査の結果分析や、
2013年から取り組む、1日1時間は体を動かそうと
いう小学校での試みについて説明した。
その後、休み時間を延ばして体力作りをする「業間体育」
などについて、現場の教員同士が話し合った。
「業間体育」は福井の特色とされているが、同様の取り組みは
全国に広がっている。県教育庁の担当者は
「昔ながらの取り組みを続けているだけで、他と比べたら
遅れているかもしれない」と話した。
では、好成績を挙げ続ける秘密はどこにあるのか。
県内の小、中学校で25年以上の指導経験があり、
全国的な研修にも参加したことがある男性教諭は
「子どもががんばろうと思う環境を作ること」を
ポイントに挙げた。
「福井県は学級作りが優れている」と自負する。
背景に、三つの独自策があると県教育庁は説明する。
一つ目は少人数学級。国の標準は小1が35人、
小2〜中3が40人だが、福井では小1から小4まで
35人、小5、小6は36人、中1は30人、中2、中3は
32人としている。
小学校は31人以上の学級を複数の教員で指導している。

二つ目は中学の「縦持ち」。
一人の教員が同学年の複数学級を担当する「横持ち」の
方が授業準備の面などで効率がいいが、福井では一人の
教員が複数学年を担当し、教員同士が協力する。
そして三つ目は、頻繁な教員の学年会議。週1回は開き、
子どもの状況などについての情報共有を心掛けている。
視察に訪れる他の都道府県からは、
きめ細かさに驚かれるという。
文科省が小6と中3を対象に行っている全国学力調査でも
福井は全国トップクラスだ。県教育庁は「体力作りに限らず、
学校が一体となって取り組む文化がある」と胸を張る。

■「現場の熱意」が影響か
全国体力調査の検討委員を務める内藤久士・順大スポーツ
健康科学部長も、順位は現場の熱意の影響が
大きいと見ている。
調査に反対していた教職員組合もある。
体力作りに取り組んでも、測定は重視しないという
教員もいる。いい記録を出したいという子供に何度でも
やり直しをさせる教員もいれば、
1回で終わりだという教員もいる」
1964年東京五輪をきっかけに始まった旧文部省の
かつての調査は、人数を絞り込んでサンプルを
取り出す方式だった。
福井県はそれに先がけ、小4から高3までの子ども全員を
対象に、県独自の体力調査を63年に始めた。
結果をもとに各校が体力作り推進の「計画」と「報告」を
作成し、県に提出する。
全国調査で福井に次ぐ好成績を挙げる茨城県も同様に、
67年から独自の調査を行ってきた。茨城県教育庁の
担当者は「親世代や教員が子供の頃から、体力調査が
当たり前に実施されてきた。伝統があるので地域や
家庭の関心が高い」と好成績への影響を認める。
「体力日本一」の福井県には、実は気になる結果が
あるという。
16年度の調査で、体育の授業が「楽しい」と
答えた中2男女の割合が全国平均を下回っていた。
県教育庁の担当者は4月の研修会で「日本一にな
りましたが、子供たちが感じていることを見逃さないように
してください」と教員に呼びかけていた。
全国体力調査では、体力テストの測定値や順位だけでなく、
アンケートから体力作りの課題を探っている。
内藤学部長も「学校は数値だけでなく、子供の運動への
意識との関係を分析した上で、
各家庭に伝えるようにして欲しい」と話している。
(忠鉢信一)

     ◇

 〈スポーツ庁の全国体力調査〉
 正式名称は
「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」。
現在の調査は文部科学省が2008年度から始めた。
全国の小学5年と中学2年のほぼ全員が対象で、
例年4〜7月に実施。体力テストの種目は握力、
上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、
50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール
(中学はハンドボール)投げ、20メートル
シャトルラン(中学は持久走でも可)の八つ。
結果は点数化し、各都道府県別の成績も示す。
動習慣などについての質問紙調査は、
学校と教育委員会も対象にして同時に行う。




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2016年11月25日

ダウン症の人「毎日幸せ」9割超 「検査前に実態知って」 厚労省研究班調査



ダウン症の人の9割以上が「毎日幸せ」と感じている。
厚生労働省の研究班による、当事者への初の意識調査の
結果がまとまった。産む前に、ダウン症など胎児の
染色体異常を調べる「新型出生前診断」が広がる中、
当事者のことをよく知ってもらうことで、適切なカウンセリングや
支援体制につなげる狙いで行われた調査だ。

調査は昨年10〜12月、日本ダウン症協会の協力を得て、
協会員5025世帯にアンケートを送付。12歳以上の852人
(平均年齢22・9歳)が回答した。働いている人が約6割だった。

「毎日幸せに思うことが多いか」との質問には「はい」が
71%、「ほとんどそう」が20%だった。「友達をすぐ
作ることができるか」との質問にも、計74%が肯定的に
回答した。海外で過去に行われたダウン症の当事者の
研究結果ともほぼ一致する。米国で284人の当事者に
聞いた調査(2011年)でも、99%が「幸せ」と回答していた。

日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「ふだん接している
我々からすれば驚くべきデータではないが、数値化されたことに
意味がある。当事者は自分の障害を深刻に受け止めている
わけではないことを知って欲しい」と話している。

新型出生前診断は、導入から3年で計3万615人が
受け、染色体異常が確定した417人のうち94%が
中絶を選択した。

ダウン症は、知的発達の遅れや心疾患を伴うことが多い。
発達はゆっくりだが、豊かな感性や知性を発揮して
活躍する人もいる。調査を担当した三宅秀彦・京都大特定

准教授(遺伝医療)は「検査を受けるかどうか決める前に、
ダウン症の実態を知って欲しい」としている。

 ■人生に厚み、子のおかげ

東京都に住むダウン症の加藤錦さん(33)は2001年から、
都内のパン屋で契約社員として働く。月給は約10万円。
結婚に備えて貯金し、休日にはカラオケでKinKi Kidsの
曲を歌う。「毎日、仕事のみんなと仲良くできるのが楽しい」と
話す。

母の美代子さん(67)は、錦さんの生後約1カ月で
ダウン症の告知を受けた。「障害児なんていらない」との
思いがよぎったが、「ゆっくりだが普通に成長できる」と
いう担当医の言葉で前向きに考えられたという。

美代子さんは「この子のおかげで、私の人生には厚みや
幅がでた。錦がダウン症だったことは、私にとって
プラスになりました」と話している。

 (岡崎明子)





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がん新薬「オプジーボ」半額に 政府、薬価制度見直しへ

朝日新聞 2016年11月17日


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患者1人で年間約3500万円かかる新型のがん治療薬
オプジーボの薬価が、緊急的に50%引き下げられることが
決まった。製薬技術の進歩で、高価な薬は今後も
増え続ける見通し。医療保険財政の厳しさが増すなか、
政府は薬価制度の抜本的な見直しに着手する。

オプジーボの値下げは、16日の中央社会保険
医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)の
総会で了承された。対象となる患者が大幅に拡大し、
販売額は2015年度決算の212億円が16年度見込みで
1260億円と急増。薬価の改定は本来2年に1度で次回は
18年4月だが、「高すぎる」という批判から来年2月に
特例で値下げされる。

オプジーボのような生物由来の原材料を使ったバイオ

医薬品など高額な薬剤の発売は近年、相次いでいる。
高額な薬を使っても患者の自己負担には毎月の
上限額(一般的な所得がある70歳以上で約4万4千円)が
定められているため、公費や保険料の負担が
増え続ける構図になっている。

そこで政府は、随時値下げできる恒久的なルール
づくりに着手する。菅義偉官房長官は16日の記者
会見で「市場規模が拡大するような事態にも対応
できるような薬価算定ルールの見直しを行う」と表明。
厚労省は、使える病気が広がって販売額が急増した
薬について、その都度値下げする仕組みなどを検討する。

薬価は企業の申請をもとに厚労省側が原価や類似薬の
価格、海外での販売価格を参考に決める。こうした
過程で原価の計算方法などが「不透明」との批判もあり、
中医協の総会では日本医師会副会長の中川俊男委員が
「厚労省は薬の原価を厳しく査定していると言うが、
我々には全く見えない。抜本的に見直して欲しい」と
強調した。

ただ、オプジーボ以外でも新薬の値下げが続けば、
安倍政権が進める成長戦略にマイナスになるとの
懸念も出る。中医協の総会に先立って開かれた
専門部会では、塩野義製薬の加茂谷佳明常務執行役員が
「新薬から十分な収益が得られなければ、
次の新薬開発への投資が非常に困難になる」と
釘を刺した。オプジーボの開発元の小野薬品工業は
「唐突なルール変更によって経営の予見性を損なう
ことのないようにしてほしい」という談話を出した。

■保険適用を制限する国も

薬剤費の増加は先進国共通の悩みで、薬の費用に
見合う効果があるかを計算して製薬会社と値下げ
交渉をしたり、保険適用を制限したりする国も少なくない。

英国では、従来の薬と比較した新薬の費用対効果を
算出しており、費用対効果が悪ければ使えないこともある。
オプジーボの場合、英国では皮膚がんには使えるが、
肺がんでは費用対効果が悪いとして、まだ認められていない。
価格は日本の5分の1だが、製薬会社はさらなる
値下げなどを条件に国側と交渉中だ。

日本では有効性や安全性が確認された薬は原則的に
保険が適用され、一定の基準で薬価が決まるため、
高額化に歯止めがかかりにくい。五十嵐中・東大特任
准教授(薬剤経済学)は「保険料や自己負担を引き上げて
保険制度を維持してきたが、限界に近い。
保険でカバーする薬を制限したり、高額で患者が多い薬の
価格は柔軟に価格交渉したり、といった仕組みを
検討すべきだ」と指摘する。

厚労省は、オプジーボやC型肝炎治療薬ソバルディなど
七つの薬を対象に費用対効果の導入を試行中。
結果は18年度の薬価改定に反映する予定だが、
詳細な制度設計はこれからだ。(生田大介、伊沢友之)

コメントです
効くかどうかわからない抗がん剤の値段が、
高いとか、下げるとか、ほとんど公費負担とか、

けっきょく、何を焦点にしているのかぜんぜん
伝わってきません。



posted by salsaseoul at 02:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年09月22日

人工知能ワトソン、がん診断支援 8割で有用な情報提供

朝日新聞 2016年9月18日

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米IBMの人工知能「ワトソン」をがん患者の診断支援に使った
東大医科学研究所の研究で、8割近くの症例で診断や治療に
役立つ情報を提示したとの研究成果がまとまった。がんの
原因となっている遺伝子変異を10分程度で特定し、適切な
抗がん剤の処方につながったケースもあった。

より早い正確な診断・治療につながると期待される。

ワトソンは文章の意味や文脈を理解し、膨大なデータの中から
特徴を見つけ出して学習し、回答する能力がある。

同研究所の研究では、患者から採取したがん組織の、がんに
関係する遺伝子の塩基配列を解析してオンラインで入力する。
ワトソンは過去に発表された2千万本以上の医学論文や
薬の特許情報などを参照し、がん発症や進行に関係している
可能性のある遺伝子変異の候補を見つけ、根拠となるデータや
抗がん剤の候補と一緒に提示する。

同研究所分子療法分野の東條有伸教授(血液腫瘍(しゅよう)内科)
によると、昨年7月以降、血液がん患者ら71人の延べ約100例で
遺伝子情報を入力し、診断支援に活用。今年3月までの54人で
分析すると、30人で診断や病態の解釈に役立つ情報を提示し、
ほかの11人でも治療方針の参考になり、8割近くで有用な情報が
得られた。

昨年7月には、敗血症のおそれがあった急性骨髄性白血病の
60代の女性患者について、原因の遺伝子変異を10分で特定。
医師らがワトソンの情報に基づいて抗がん剤を変更したところ、
治療が効果を上げ、2カ月ほどで退院できたという。東條さんは
「医師なら2週間かかる変異の特定を、10分で突き止めた」と話す。

ほかにも、ワトソンが提示した遺伝子変異に関する情報を元に、
医師が血液がん患者への臍帯血(さいたいけつ)移植を決める
など診断や治療方針に影響を与えたケースが数例あった。
2割の症例では関係する変異を見つけ出せなかったが、患者の
入力情報を増やせば改善される可能性が高いという。

東條さんは「かなりの速度と正確さで遺伝子情報から必要な
情報を提示し、役立つという実感がある」と話す。
ただ、現場で広く活用されるには精度向上が必要といい、
今後も研究を続ける方針だ。

ワトソンを導入した同研究所の宮野悟・ヒトゲノム解析センター長は
「がんの黒幕となっている遺伝子変異を突き止めるのに、医師が
人海戦術で様々な文献やデータベースを調べるのは限界がある。
良い医療を提供するためには、ワトソンのような技術の活用が

今後欠かせない」と話す。(川村剛志)

     ◇

〈ワトソン〉 米人気クイズ番組向けに開発された
「認知型コンピューターシステム」。会話や論文など様々な
自然言語の意味・文脈を解釈して、データ間の関連性や
規則性を見つけて分析していく「機械学習」の能力を持つ。
日本IBMによると、医療分野では藤田保健衛生大(愛知県)などと
共同で、糖尿病患者の症状や治療などの情報をもとに重症化
リスクなどを予測する研究を実施している。また大塚製薬と共同で、
精神疾患のある患者の電子カルテ情報を分析する会社も設立した。

コメントです

医療分野もどんどんSF化してきていますね。

余談になりますが、長年、難病で苦しんで
いる患者さんの中には、脱西洋医学で
病気を克服された方もいます。
これだけ時代の進歩が進むと、選択肢も
多岐にわたるので、逆に自分に合った答えを
見つけにくくなるかもしれませんね。
今日の記事ですが、客観的に考えて
がん検査の精度向上、時間短縮、このふたつの
メリットを考慮すれば、今後はかなり有力な検査法の
主流になると思われます。



posted by salsaseoul at 08:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年09月18日

虐待死の子ども、0歳が6割超 背景に「望まない妊娠」

朝日新聞 2016年9月17日

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2014年度中に虐待で亡くなったと確認された18歳未満の
子どもは71人で、無理心中を除けば前年度より8人多い
44人に上った。そのうち0歳児は27人で初めて6割を超え、
15人は生後24時間以内に死亡していた。厚生労働省が
16日、児童虐待による死亡事例の検証結果を公表した。
公表は05年から行われ、今回で12回目。14年度中に発生や
発覚した子どもの虐待による死亡事例について、自治体からの
報告をもとに検証した。

無理心中以外では39人が3歳までに亡くなり、9割近くを占めた。
主な加害者は実母が28人と最も多く、次いで実父が3人だった。

亡くなった44人の子どもの実母が抱えていた問題を複数回答で
聞くと、「望まない妊娠」が最多の24人で54・5%を占め、過去
11回の検証の平均割合(21・7%)を大きく上回った。
そのうち19人は0歳児の親だった。
妊婦健診を受けていない実母も18人いた。

虐待をした動機を複数回答で聞くと、
「子どもの存在の拒否・否定」(14人)、
「保護を怠った」(5人)、
「しつけのつもり」(4人)などが挙がった。

虐待の内容別では、「身体的虐待」が24人、
「ネグレクト(育児放棄)」が15人だった。
また、14年7月に東京都西東京市の中学2年の
男子生徒が養父から虐待を受け、
「24時間以内に自殺しろ」と迫られて
自殺した事件について、今回の検証で初めて
「心理的虐待による死亡」と認定した。

14年度までの3年間に乳児院や 一時保護所などから
家庭に戻った後で死亡した14人の事例も分析。
家庭に戻ってから半年未満で亡くなった子どもが
9人もいた。
検証チームは「環境の変化が 虐待の再発に
つながりやすい。少なくとも半年程度はとりわけリスクが
高まる期間として養育状況を把握し、援助すべきだ」とした。

■背景に望まぬ妊娠

望まない妊娠をした母親が孤立したまま出産し、虐待に
つながった――。生後24時間以内に死亡した15人を
分析すると、こんな背景が浮かぶ。子どもの虐待死を防ぐ
には、妊娠中や周産期の母親に対する支援体制の強化が
求められる。

生後24時間以内に死亡した15人の加害者は、
全員実母だった。14人は望まない妊娠で、11人は
母子健康手帳を受け取らず妊婦健診も受けていなかった。

一方、13人の実父は同居していなかった。
このうち5人は実父が特定できず、3人は行方不明などで
連絡が取れなかった。

出産場所は14人が自宅としており、助産師らの立ち会い
なしに産んでいた。医療機関で出産した人はおらず、
社会とのつながりを持てていなかったようだ。

そのうちの一人、高校2年の女子生徒(当時17)は、自宅の
トイレで女児を出産。そのまま窒息死させてしまった。
妊娠後、家族や学校関係者にも言い出せないまま、
大きめの服でおなかを隠し、出産前日まで高校に
通っていたという。

検証に関わった関西大の山縣(やまがた)文治教授
(児童福祉)は「父親が逃げてしまうなどして母子が残され
孤立してしまうケースが多い。ある意味では母親が
被害者の立場」と指摘する。

子育ての悩みには児童相談所が相談に応じているが、
虐待があれば親子を引き離すといった強権的な役割も担う。
山縣教授は「より相談に行きやすい窓口をつくることが重要だ。
学校の先生や民生委員など、身近な人が悩みに気づけるような
視点を持つことも、自ら相談に行けない親を救うことにつながる
」と話す。

厚労省は望まない妊娠をした人を支援する事業を来年度から
始める方針。児童虐待に対応する児童福祉司らを産院や
助産所などに常駐させ、相談窓口につなげる計画だ。
(伊藤舞虹)

コメントです。
虐待死の子供についての話題です。
記事内容によると、出産したかどうか
わからない事実があるようです。
これでは、公的機関も対策の実施のしようが
ないですね。



posted by salsaseoul at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年09月06日

(小さないのち)ある日、突然:7 命つなげて 立ち上がる、社会を動かす

朝日新聞 2016年9月4日

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事故防止に向け活動する栗並秀行さん(右)、えみさん夫妻=愛知県碧南市

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生前の寛也ちゃん=栗並さん提供


かけがえのない子を亡くし、悲しみや後悔を抱えながらも、
失われた命を少しでも次につなげようと努力する人たちがいる。

「今動かないと子どもの死がなかったことになる。そんな気持ちで
活動してきた」と話すのは、愛知県碧南市の栗並秀行さん(37)、
えみさん(37)夫妻だ。

2010年10月、1歳4カ月だった長男寛也ちゃんが市内の
認可保育園でおやつの幼児用カステラをのどに詰まらせて
意識不明となり、約40日後に亡くなった。当初、保育園側は
「隣で見守りをしていた」と説明した。腑(ふ)に落ちないことが
多く、園に十数回通って保育士たちから話を聞いた。
すると、だれも寛也ちゃんを見ていない時間があったことや、
保育士の目が届きにくい「詰め込み保育」だったことがわかった。

栗並さん夫妻は3万人の署名を集め、第三者による調査を県に

求めた。事故から1年7カ月後、県と市による委員会ができた。

 国が動くきっかけにもなった。保育施設などでの重大事故の
防止策を話し合う国の検討会で、えみさんは委員となり、
遺族として発言した。検討会は昨年末、重大事故が起きた
場合に検証を促す報告書をまとめ、国から自治体に通知した。
今春には予防策や事故時の対応についてのガイドラインも出た。

だが、国の通知に法的拘束力はない。認可外施設には
事故の報告義務もない。

大きな一歩だが、まだ不十分だと、えみさんは感じている。
「だれに責任があったかを追及するのでなく、子どもが
亡くならないための包括的な仕組みづくりをしていくべきだ」

 (編集委員・大久保真紀)

 ■学会で体験談

7月、日本小児救急医学会などが主催した仙台市でのセミナーで、
生後10カ月の息子を亡くした一人の女性(35)が語り始めた。

「4年半過ぎましたが、息子の動きに気づけなかった自分への
強い嫌悪感や後悔は消えません」

事故は11年秋、東北地方の温泉旅館で起きた。和室で
くつろいでいると悲鳴が聞こえ、振り返るとテーブルの
電気ポットが倒れ、息子が全身に熱湯をかぶって座り込んでいた
。搬送された病院では治療できず、大学病院へ。
泣き声はどんどん小さくなっていき、1日半後に息を引き取った。

息子はつかまり立ちができるようになっていた。女性はポットに
ロックがかかっているのを確認し、安心していた。

同じような事故が起きてほしくないと、地元の市の窓口に相談し、
メーカーに連絡してもらった。だがメーカーからは
「構造上の問題ではない」と回答があったという。

「子どもが思いも寄らない動きをする危険を知ってほしい。
万一の事故に備え、応急処置を学べる場ももっとあるといい」。
息子への愛情と、せめてもの償いの気持ちから、つらい体験を
語り始めた。「息子のことを、いなかった命にしてほしくない。

少しでも失われる命が少なくなればいいと願っています」

 (山田佳奈)

 ■保育士、遺族とともに

子どもの安全を願うのは親だけではない。

60代の女性保育士は数年前、勤め先の都内の保育園で、
1歳の男の子がおやつをのどに詰まらせた現場にいた。
「だれか来て!」。担任の叫び声で駆けつけ、救急対応をしたが、
数日後に亡くなった。事故を受け、都からの指導で、緊急時の
マニュアル作成や模擬訓練などに取り組んだ。

だが、懸命に動く中で心にあったのは「園を批判から
守ることばかりだった」。

事故から1年後、マニュアルの完成を遺族に知らせると、
言われた。「うちの子が死ぬ前にやってほしかった」。
遺族のためにできることをやろうと決めた。

 昨年秋。大阪であった事故予防を考える講座に参加した。
子どもを亡くした親など約100人が会場を埋める中、
震える手を挙げて発言した。

「事故があった園の保育士です。同じような事故をどうしたら
なくせるか、考えたくて来ました」。責任を問われかねない立場での
発言は怖かったが、ある遺族は受け止めてくれた。
「遺族の前で声を上げてくれたことがうれしい」

 施設側のさまざまな情報を共有できれば、より細やかな
予防策につながると感じている。今後も遺族とともに
事故予防を考える会に参加するつもりだ。

 (板橋洋佳)




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2016年08月28日

(小さないのち)子どもの死、防ぐために 事故・虐待の記録、朝日新聞と専門家が分析

朝日新聞 2016年8月28日

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過去10年間の子どもの死/解剖記録からみた子どもの死因/予防につながる要因がある死


 小さないのちを守りたい――。睡眠時の窒息、浴室での溺れ、
転落などで、子どもの命が失われている。痛ましい虐待や自殺も
後を絶たない。朝日新聞は、過去10年間に亡くなった子どもの
うち約5千人について、原因などが書かれた解剖記録を専門家と
分析した。約1900人の記録から、今後起こりうる事故や虐待を
防ぐための手がかりが見えてきた。

「母親の腕枕で就寝。目を覚ますと母親の左腕が覆いかぶさり
意識がない状態」。2014年に亡くなった0歳男児の記録からは、
母親の添い寝中に起きた窒息だったことが読み取れた。

同じ年には、家族4人が「川の字」で寝ていたところ、0歳男児に
きょうだいが覆いかぶさり、亡くなった。分析では、添い寝や
川の字で寝ていて亡くなった例が110件あった。

また、窒息などを引き起こす危険が指摘されている「うつぶせ」
状態も240件あった。その8割近くは、まだ寝返りを打つのが
難しいとされる「生後180日以内」だった。

このような睡眠時の事故は全体で469件あり、分析した中で
最も多かった。リスクを減らすには、うつぶせ寝ややわらかい
寝具を避けたり、なるべくベビーベッドを使ったりすることが
有効とされる。こうした情報が社会でさらに共有されていけば、
同じような事故を減らしていくことができるかもしれない。

今回、分析を試みたのは、05〜14年に行われた
司法・行政解剖のうち14歳以下の子どもの記録4952件。
事件性の判断や死因の解明のために解剖されたもので、

亡くなった子ども約4万6千人の約1割にあたる。記録は
法医学者の間で研究用に共有されており、非公表だ。
氏名などの個人情報はなく、原因や状況がある程度記されている。

事故予防に詳しい山中龍宏医師、日本子ども虐待防止学会長の
奥山真紀子医師の協力を得た。日本小児科学会は今年、
東京などの368の死亡例を、予防につながる要因があるか
どうかの観点で試行的に分析しており、その手法や、子どもの
死の検証制度がある海外の事例などを参考にした。

その結果、今後起きうる事故の予防につながる要因が
読み取れたのは849件。睡眠時に次いで多かったのは

浴室やプールでの溺死(できし)、転落・転倒、食べ物を
気管に詰まらせる誤嚥(ごえん)などだ。

 一方、虐待や無理心中、自殺など、社会的な対応に
よっては防ぎうる要因を見いだせる記録も1067件あった。
うち379件と最多だったのが、出産直後の赤ちゃんを
遺棄するなどの「産み落とし」だった。
産み落としの全体を把握する国の統計はない。

 ■<視点>海外には検証制度

いまの社会はまだ、一人ひとりの子どもの死ときちんと
向き合えていないのではないか。

「子を失うと親は自分を責め、周囲からも責められる。
でも一番つらいのは、うちの子の存在がなかったことになること」。
取材した多くの遺族たちの思いだ。責任を追及することよりも、
子どもの命を少しでも守るためにできることを考えたい。

米国や豪州などでは、事故や虐待、自殺などによる子どもの
死亡について、医療機関や捜査機関などが情報を持ち寄って
検証する制度が定着している。予防につながる要因がある
ケースを「プリベンタブル・デス(予防可能な死)」ととらえる考えが
広がり、事故などを減らす対策や啓発活動につなげている。

日本には、こうした検証制度はまだない。厚生労働省の人口
動態統計によると、子どもの事故死は減りつつあるとはいえ、

同じような事故が繰り返されている。厚労省研究班の11年度の
報告書によると、日本の新生児の死亡率は先進19カ国で
最も低い水準だが、1〜4歳児では中位になってしまう。

今回分析した記録では、死に至る経緯が比較的詳しく
書かれている一方で、家庭環境などの情報はほとんどなく、
検証には限界があった。私たちの分析も十分とはいえない。

政府は6月、事故死の情報を共有・分析する連絡会議を
立ち上げたが、本格的な検証制度づくりを考える時期に
きている。(板橋洋佳、座小田英史)

 ◇かけがえのない子どもの命について考える企画
   「小さないのち」を始めます。


コメントです
こどもの事故死の記事です。

事例について少しでもデータベース化を
進めて、防止策を強化して欲しいですね。



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2016年07月30日

高額薬、価格引き下げへ 利用者急増の場合 厚労省

朝日新聞 2016年7月28日

201607301.jpg

高騰する薬代が将来の医療保険財政を圧迫しかねないことから、
厚生労働省は27日、2年に1度の改定を待たずに値下げする
仕組みづくりの検討を始めた。利用者が急激に増えた高額な
薬が対象。まず、1人あたり年約3500万円かかる新型の
がん治療薬「オプジーボ」の値下げを年内に決める方針だ。

 ■使用量減へ指針も

27日の中央社会保険医療協議会(中医協)。高額な薬の
販売が相次いでいる現状について、厚労省は「従来の仕組みでは
対策を講じているとは言えない。薬価の抜本的な見直しを
行ってはどうか」と提案した。

高額な薬でも安全性や有効性が認められれば保険が適用され、
患者の自己負担は1〜3割ですむ。さらに自己負担の上限を
一定に抑える「高額療養費制度」があるため、保険からの
支出は増え続けている。

そこで厚労省が値下げの新たな仕組みの対象とするのは、
有効性が広がって販売量の急増が見込まれる薬だ。
値段だけでなく、使用量を減らして副作用 のリスクを
軽減させるため、病院や医師向けの最適使用推進ガイドライン
(指針)づくりに向けた考え方も提示。薬ごとに各分野の
学会などと協議し、薬が使え る患者や医師・医療機関の
基準を決めていくと説明した。

中医協の委員からは「目の前に患者がいて、助けられるのに
使えないことがないように」との懸念も出た。ただ、大きな
異論はなく、「国民皆保険を壊さないようにしないといけない」と
いう意見が主流だった。薬剤費高騰への危機感は共有されている。

 ■技術発展、高コストに

薬が高額になるのは製薬技術の発展が背景にある。

肺がん治療薬「イレッサ」の薬代は平均的な男性患者で
月約20万円かかる。がん細胞内の物質を狙い撃ちにする
「分子標的型」で、従来の薬より高額になる。オプジーボは
さらに進化させたもので、がんに働きを抑えられた免疫を
再活性化し、がんを攻撃させる「新型」だ。生物由来で
製造工程が複雑なバイオ医薬品の一種で、開発コストが高く、
薬代は月300万円を超える。

もともとオプジーボは皮膚がんの薬として承認され、年470人
程度の患者が使うと想定されていた。だが、昨年12月に
患者数が数万人規模の肺がんの一種にも使えるようになった。
8月には腎細胞がんにも認められる可能性がある。
27日には頭頸(けい)部がんにも使用の承認申請があった。

高齢化に伴い、日本の医療費は2014年度で40兆円と、
10年前の1・3倍になった。その間、薬局調剤費の割合は
全体の13%から18%へと伸びた。さらにオプジーボなど
主に病院内で使われる高額薬の費用も押し上げることになる。
医療費の5割弱は保険料で、4割弱は公費で負担。
医療費の増加は将来的に保険料の引き上げや増税に
つながるため、抑制は急務となっている。
(生田大介、竹野内崇宏)


コメントです
実際の医療現場では、場合によっては日本で認可
されていない未承認薬を個人輸入して、さらに
それを投薬可能な医療機関を探して使用している
例もあります。
もちろん高額な抗がん剤がほとんどで、ここでも
「命の格差」が生じています。
さて、今日の話題は日本で承認済みの高額薬の
価格を下げるとのことですが、可能なら企業努力に
よって実行してほしいですね。

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2016年07月18日

新型出生前診断、3万人超が受診 臨床研究3年間で集計

朝日新聞 2016年7月16日

201607188.jpg

妊婦の血液からダウン症など3種類の染色体異常を調べる
「新型出生前診断」の臨床研究を実施している病院グループが
16日、導入から3年間で計3万615人が検査を受け、
1・8%に当たる547人が陽性と判定されたと発表した。
確定診断のため、おなかに針を刺して採取する羊水検査などで
染色体異常が確定した417人のうち94%に当たる394人が
人工妊娠中絶を選択したという。

集計によると、陽性と判定され羊水検査を受けた458人の
うち91%に当たる417人が染色体異常と診断され、高い精度で
判定できることがわかった。一方、陽性と判定されたうち89人は
羊水検査を受けず、その多くは死産だとみられる。89人の中の
13人は研究から離脱し、人工妊娠中絶を選択したケースが
含まれるとみられるという。

94%が中絶を選択したことについて、病院グループ事務局の
関沢明彦・昭和大教授は

「当事者たちは悩んで苦渋の決断をしている。

最終的な判断は尊重されるべきだと考える」と話した。

新型出生前診断は十分な情報がないまま中絶が広がれば、

命の選別につながりかねないとの指摘もあり、2013年4月、
適切な遺伝カウンセリング体制を整備するなどの目的で
臨床研究として始まった。対象となるのは、他の検査で
染色体異常が疑われるケースや出産時の年齢が35歳以上の
妊婦で、20万円程度の自己負担がある。

日本産科婦人科学会の 指針に基づき日本医学会が認定した
施設で実施され、現在は71施設が登録されている。
病院グループへの参加は1年目の37施設から現在は66施設に
増加。 検査を受けた妊婦も1年目の約8千人から3年目は
約1万2千人と大幅に増えた。さらに同グループに参加して
いない認定施設でも検査は実施されている。関沢 さんは
「臨床研究としての目的は終えつつある。一般の診療への
移行に向けて、議論すべき時期にきている」と話している。
(南宏美)


コメントです
2013年4月に実施開始された新型出生前診断の話題です。
3年間経過して資料も集まったようで、実状の発表が
ありました。
本文にもありますが、

「当事者たちは悩んで苦渋の決断をしている。

最終的な判断は尊重されるべきだと考える」

これが実状でしょうね。



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2016年07月06日

快楽中枢への刺激、免疫力高める可能性 研究

AFP 2016年07月05日

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快楽中枢への刺激、免疫力高める可能性 研究
フランスパンの中に巣を作ったハツカネズミ。東京都内の井の頭自然文化園で
撮影(2008年1月6日撮影、資料写真)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO

【7月5日 AFP】マウスの脳の快楽中枢を人工的に刺激すると
免疫力が高まるとの研究論文が4日、英医学誌
「ネイチャー・メディスン(」に発表された。プラセボ(偽薬)の
効力を説明する一助となる可能性のある結果だという。

論文の主執筆者で、テクニオン・イスラエル工科大学医学部の
アスヤ・ロールズ助教は「好ましい期待に関連する脳の部位を
活性化させることが、病気に立ち向かう体の働きに影響を及ぼす
可能性があることを、今回の結果は示している」と話す。

今回の研究成果が「病気を治すために脳の潜在能力を利用する
新薬の開発につながる日が来るかもしれない」と、
ロールズ助教は述べた。

有効成分を一切含まない偽薬であっても本物の薬だと信じて
服用すると、人間の脳の快楽をつかさどる報酬系を活性化
できることは以前から知られていた。

ロールズ助教は、AFPの取材に「だが、これが肉体の健康に影響を
及ぼす可能性があるかどうかは不明だった」と語った。

また、実際に免疫反応が強化されるとしても、その場合に
免疫信号が体中に伝わる正確な仕組みも科学的に
解明されていなかった。

ロールズ助教と研究チームは、マウスの脳の報酬中枢にある
特定の細胞を刺激した後、そのマウスから採取した免疫細胞を
致死性の大腸菌にさらして培養した。

論文によると、これらの免疫細胞は、細菌を殺傷する効力が
通常の免疫細胞の2倍以上高かったという。

研究チームは次の実験で、これと同じ免疫細胞を
別の複数のマウスに接種した。

30日後、この新たなマウス群も同様に、感染症の撃退に
成功する確率が通常の2倍以上高かった。


■摂食と性行動

免疫を高める信号は「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」
と呼ばれる脳の部位から発せられる。この部位には、
気分を変える化学物質のドーパミンによって作動する
報酬系がある。

マウスや人間が、おいしい食事や性的接触による快感を
近い未来に体験できると知ると、脳スキャン画像では
この部位が明るくなる。

腹側被蓋野から発せられる免疫向上の指令は、危機的
状況での急な反応に関与する交感神経系を経由して体中に

送られ、細菌と闘う免疫反応を誘発することが
今回の研究で分かった。

今回の実験で観察された関連性では、進化的圧力が
重要な役割を果たしている可能性があると
研究チームは推測している。

摂食行動や性行動によって、個体は細菌にさらされる」と
ロールズ助教は説明する。「報酬系が活性化されると
同時に免疫が高まるとすれば、進化上の利点が
もたらされると考えられる」

研究の次の段階では、この因果関係を再現できると
考えられる分子を見つけるためのマウス実験を実施する
予定だ。これらの分子は、薬剤として利用できる可能性がある。
「これらは、新たな治療標的として使用できるかもしれない」と、
ロールズ助教は指摘した。(c)AFP/Marlowe HOOD


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2016年07月02日

がん発症、男女で地域差 日本海側で高い傾向 47都道府県別、初の分析

朝日新聞 2016年6月30日

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国立がん研究センターは29日、2012年に新たにがんと
診断された患者数などの推計値を発表した。47都道府県
すべてのデータがそろい、地域別の比較が可能になった。
がんと診断された人の割合(発症率)は日本海側で
高い傾向が示された。

 ■患者新たに86万人

がん拠点病院などでがんと診断された患者のデータを
都道府県から集め、がん研究センターが全国や各都道府県
ごとに患者数や発症率などを推計した。

12年は埼玉、東京、福岡など大都市から初めてデータが
提出され、推計の精度が高まった。この年に新たに診断された
患者数は86万5238人で、11年と比べて1万4千人増え、
過去最多になった。男性が50万3970人、
女性は36万1268人だった。

都道府県別のデータは患者の住所ではなく、診察した病院の
所在地でまとめた。大都市には周辺から患者が集まるなど
実態とずれる面もある。

地域住民の年齢構成の差を調整したうえで、都道府県ごとの
発症率を全国平均と比較すると、男性では秋田、和歌山、
石川の順で高く、女性では東京、福岡、石川の順で高かった。
東京は男女とも高く、特に女性の乳がんが目立っていた。

がん研究センターによると、発症率は塩分の摂取や飲酒、喫煙と
いった生活習慣のほか、肝がんにつながる肝炎ウイルスの感染者の
多さなどが反映して いるという。東京で女性の乳がんが高い理由に
ついては、リスクが高いとされる出産経験がない女性が多いことや、
初産年齢が高くなっていることが影響している可能性と説明する。

12年に診断された患者数を部位別でみると、
男性が(1)胃がん
     (2)大腸がん
     (3)肺がんの順で多く、
女性は(1)乳がん

     (2)大腸がん
     (3)胃がんの順だった。
男性では前立腺がんの増加が頭打ちになり、
大腸がんが増加しているという。

 データは国立がん研究センターの公式サイト

http://www.ncc.go.jp/jp/別ウインドウで開きます)にある。

 (川村剛志)

 ■地域で対策を

門田守人・大阪大名誉教授(消化器外科)の話 
がんにかかる傾向で地域の特徴がはっきり出たことで、
地域で日常生活の何に気をつければいいかがわ かる。
食事の塩分を減らしたり、ウイルス感染対策をしたり
するなど、行政や医療関係者らも関わって積極的に
がん予防に役立ててほしい。



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2016年06月12日

「プチ整形」まさか失明 「鼻を高く」未承認剤の注射後

朝日新聞 2016年6月11日

201606111.jpg
鼻の高さや輪郭の矯正といった「プチ整形」に使われるフィラーは、注射器で注入される

注射だけで気軽にできる「プチ整形」の一部で、失明や皮膚の
壊死(えし)といった重篤なトラブルが起きている。専門医によると、
鼻を高くすることなどに使う充塡(じゅうてん)剤(フィラー)が
原因だという。詳しい調査はされておらず、現在も使っている
クリニックは少なくない。

近畿地方の大学病院に2014年、体のふらつきと右目の
異常を訴える20代の女性が運び込まれた。翌日、目は光を
感じなくなり、右眉から鼻にかけて皮膚が壊死した。
女性は鼻を高くするため、美容クリニックで鼻の付け根の
骨膜付近にフィラーを注射された直後だった。

検査の結果、フィラーが血管に入って周辺の血流を止めたことが
原因と判明。女性は約2週間入院し、ステロイド剤を使って
炎症を抑える治療を受けた。だが右目の視力は失われ、
顔には大きな傷が残った。

女性に使われたフィラーは、歯の主成分と同じ
ハイドロキシアパタイトの微細な粒を含んだジェル状の
注入剤。国内では未承認だが、顔の整形で一般的に
使われているヒアルロン酸より矯正した形が長持ちしやすい
として、数年前から使われ始めた。

美容医療の事故情報に詳しい日本形成外科学会理事長で
大阪大医学部の細川亙教授によると、この製品による
事故は関東や北海道の病院で報告されている。

 ハイドロキシアパタイトは分解することが難しく、術後に
血管を圧迫するなどのトラブルが起きると処置は非常に
困難だという。ヒアルロン酸でも同様の事故は起こりうるが、
薬剤注射で分解できる。

視力障害、皮膚の壊死は多くの基幹病院が経験していると
いう医師の一人は「被害者は事前に危険性について説明を
受けていなかった。自分が治療した人を含め、多くは
クリニックとの間で示談になっているため問題が知られない
できている」と話す。

この製品は米国など海外では、ほうれい線などのしわを
目立たなくするための医薬品として承認を受けている。
国内の輸入代理店の担当者は「事故については把握しており
医師には説明している。医師の技量の問題だ」と話す。

美容クリニック側の対応は分かれる。札幌市のクリニック院長は
この製品を使った隆鼻法を「安全が保てないと判断し、
昨年秋にやめた」と話す。一方、大阪市内のクリニックは
ウェブサイトで「メイク感覚」などと宣伝し、危険性には
触れていないところも多い。

フィラーを使った美容整形は、しわの治療や顔輪郭の矯正など
幅広い。皮膚を切ることなく矯正部分に注射するだけで
済み、気軽さから「プチ整形」と呼ばれる。しかし、
「統計がない」(厚生労働省)ことから実態は不明。
使用は広がっているとみられているが、国はトラブルに
ついて注意喚起をしていない。

細川教授は「プチ整形は簡単に受けられるから安全だと
思っている人が多い。だが、事故が起きた際の危険は、
整形手術より大きいこともあると認識してほしい」と話す。

■事故情報、共有されず

「論文などで事故が報告されているのに野放しなのは
美容医療ならではだ」。フィラーが原因の皮膚壊死を
治療したことがある関東地方の形成外科医は嘆く。

 美容外科などの美容医療は、医師法で医療行為として
定められている。だが、病気が原因ではない場合、
健康保険は使えない自由診療となるのが一般的だ。

 保険診療は、厳しい審査を受け、認可された手術や
薬剤に限定されている。これに対し、美容医療で
使われている薬剤の多くは未承認だ。過去には
海外製のフィラーから猛毒のヒ素が検出されたこともある。

患者の安全のためには事故や合併症の情報共有が
不可欠だが、美容医療の関連学会は出身科で二分された
ままの状態が続く。
統一的な対策を取るのが難しいのが実情だ。

日本美容外科学会(JSAPS)の百束比古(ひゃくそくひこ)

理事長は「営利追求になっていることや、形成外科の知識が
ない医師が参入していることが、問題を深刻にしている。
医師教育を高める取り組みはしているが、改善には時間が
かかる」と話す。

厚労省医療安全推進室は「現行の事故情報の収集制度では、
小規模クリニックが多い美容医療の情報はなかなか入って
こない」という。消費者事故を担当する消費者庁消費者
安全課も「こちらで医療機関のリスクを把握するのは困難。
施術を希望する際は担当医師の経歴や専門を確認してほしい」と
話している。(重政紀元)


コメントです
美容整形手術での事故についての記事です。
誰もが美を追求する気持ちはわかりますが、
健康障害や、QOL(生活水準)を落として
しますと。本末転倒ですね。
サービス提供側医療機関も利益重視に走らず、
きちんと安全性を見極めたうえで施術しないと
いけませんね。


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2016年06月09日

誕生日の自殺、普段の1.5倍 孤独感などのストレス増か

日本経済新聞 2016/6/4

誕生日に自殺する人は他の日の約1.5倍になることを、大阪大の
松林哲也准教授(公衆衛生学)らのチームが、厚生労働省の
人口動態調査データの分析で明らかにし、4日までに発表した。

チームによると、欧米では、記念日を期待通りに過ごせず
孤独感などの心的ストレスが増え、自殺が増加するとする
「誕生日ブルー」という仮説がある。

松林准教授は「文化が違う日本でも同じ傾向が示された。
自殺の恐れがある人の誕生日が近づいたら、周囲がいっそう注意、
サポートをする必要がある」と話した。

チームが1974〜2014年の人口動態調査データを分析した
結果、自殺や事故で死亡したのは約207万人で、うち約8千人が
誕生日に亡くなっていた。このうち誕生日に自殺した人は
約4100人で、それ以外の日の平均約2700人の
約1.5倍だった。

交通事故や溺死、転落などによる死者数も誕生日に
増える傾向があった。

成果は国際科学誌電子版に4月掲載された。〔共同〕


関連記事です。
「誕生日ブルー」で自殺率1.5倍 ネット民から納得の声


こうした事実にTwitterでは、

「気持ちはわかる。孤独感、、誰かに気づいてもらいたい
わけじゃないけど、自信がなかったり自分の存在価値を
考えてしまう日だよね」

「わかる気がする また生きてしまった、こんなに
生きてしまった…って誕生日思うもんな」

「わかる気がする。1年前と比べて一切成長してないのに、
なんも、めでたくねえわってなるもん」

「誕生日の自殺率上昇、何か分かる気がする。
誕生日が近付いてくると、何かちょっと憂鬱になる。
何故生まれてきたのか?何故生きているのか?
何故生きなきゃいけないのか?何の為に生まれてきたのか?
何の為に生きてるのか?いつまで生きねばならないのか?
を、一番考える日。」


と実体験と照らし合わせながら納得する声が相次いだ。
一方で
「世の中に希望を持ち過ぎてるんだよ。幸も不幸も無い、
平坦な人生を歩めば何事もなく生きていける。ホント何事も
無いんだけどね。(生きている意味は考えない)」

「容姿の美醜やらリア充だの勝ち組負け組だの、
人を追い込む要素を面白おかしく垂れ流す風潮が
いかんのじゃない?」

と社会背景を引き合いに出して、誕生日に自分を追い込んで
しまう要因を独自に分析する声もあった。

この調査結果から、松林准教授らは、自殺リスクの高い人が
誕生日を迎える際には、医療関係者や家族・友人が格段の
注意を払ったり、普段以上のサポートを提供したりする
必要があることを呼びかけている。

コメントです
友人に、最近フェイスブックを止めた者がいます。
彼女の言い分としては、もともと作文や写真が
好きではないので自分の投稿はほとんどできず、
それで人の投稿を読むだけの日々の連続で、
それも最初は楽しかったけど、そのうち、人の幸せや、
仲間どうしで仲良くやっているのを見るに耐えなくなって、
もともと友だちも少くなかったから思い切ってアカウントを
削除したと言っていました。
それから、彼女はもうひとつ言いいました。
「SNSなんて参加しようと思ったらそれなりの精神力が必要」
この言葉が痛々しかったです。


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2016年05月02日

進行性うつ病、認知症初期症状の恐れ 研究

AFP 2016年05月02日

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進行性うつ病、認知症初期症状の恐れ 研究
仏東部アンジェルビリエの老人ホームで親族の手を握るアルツハイマー病患者の女性
(2011年3月18日撮影、資料写真)。(c)AFP/SEBASTIEN BOZON

【5月2日 AFP】55歳以上で進行性のうつ病を患っているケースでは、
将来の認知症リスクが高まる恐れがあるとの研究論文が4月30日、
発表された。論文は、特定のうつ病について、認知症の初期症状で
ある可能性があるとしている。

うつ病と認知症が強い相関関係にあることは、これまでの研究で
知られていたが、その詳細については分かっていなかった。
今回の研究論文では、初めてうつ病のタイプによって、
その関係性に違いがあることが示されている。

うつ病には、一度のみ発症するものや何度も再発するものの

他にも、時間の経過とともに症状が軽減するケースや
逆に悪化するケース、さらには慢性的 なケースもある。
また、その原因をめぐっては、日常生活での有害事象に対する
反応であったり、脳内化学物質や情報伝達機能の異常で
あったりとさまざまだ。

英精神医学専門誌ランセット・サイキアトリー(Lancet Psychiatry)に
掲載された研究論文では、オランダの研究チームが1
993〜2004年に、55歳以上を対象に収集した3325人分の
データを分析。その後10年間にわたる追跡調査を行った。

研究開始当初、対象者全員にうつの症状がみられたが、
認知症患者は一人もいなかった。
最終的には434人が認知症を発症し、このうちの348人が
アルツハイマー病と診断された。

研究チームは、患者のデータをうつ病の種類に応じて

5グループに分類した。進行性のうつ病がみられた
グループでは、255人のうち55人が認知症を発症していた。
他のグループの発症率は約10%であったのに対し、
このグループでは約22%と約1.5倍高かった。

論文の執筆者らは声明を発表し、一定の年齢以上に
おける進行性のうつ病が認知症の初期症状である
恐れがあるとしながら、また、認知症と一部のうつ病では、
その原因が同じである可能性を研究は示唆していると
述べた。(c)AFP


コメントです
進行性うつ病と認知症の関係についての記事です。

まだまだわかっていない点が多いですが、
少しでも解明することによって、治療に向けての
研究材料になればいいですね。
今や、誰にとっても「人ごと」ではありませんから。



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2016年04月21日

脳死女性、延命55日後に出産 ポーランド

AFP 2016年04月20日

201604205.jpg
ポーランド南部ウロツワフの町役場(2016年1月15日撮影、資料写真)。
(c)AFP/Natalia Dobryszycka

【4月20日 AFP】脳死に陥ったポーランド人女性が、
55日間の延命治療後に子どもを出産した。
病院関係者が19日、明らかにした。女性から生まれた
未熟児には、重篤な合併症の兆候はみられないという。

ポーランド南部ウロツワフ(Wroclaw)にある大学病院の
新生児部門部長バルバラ・クロラク・オレイニク
(Barbara Krolak-Olejnik)氏は、

「このように17〜18週目の初期段階にある妊娠状態を、
これほど長期間維持することに成功したのは
非常に珍しいケースだ」と語った。

この41歳の母親は、昨年末に救急車で病院に搬送され、

脳腫瘍による脳死と判定された。

クロラク・オレイニク部長は、AFPの取材に
「彼女の家族全員が、子どもの命を救うことを試みて
ほしいとわれわれに訴えた」と述べ、この男の子が1月に
妊娠26週目で生まれたことを明らかにした。

「長い55日間の闘いだった。われわれ医師チームは、
この小さな男の子にできるだけ大きく育ってもらいたいと
願っていたが、命が危険にさらされる状況となったため
(帝王切開による)分娩を選択した」

男児の出生時の体重は1キロにすぎなかったが、3か月間の
集中治療後には3キロにまで成長した。
また「合併症も全くみられない」との理由から、
先ごろ退院している。

クロラク・オレイニク部長は「われわれは辛抱強く、彼が
どのように成長するかを見守る必要がある」とコメントし、
男児が哺乳瓶からミルクを飲んでおり、自発呼吸を
していることを付け加えた。

母親の生命維持装置は、男児が生まれた後に外された。
(c)AFP


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2016年04月15日

救急隊の蘇生中止に基準 家族ら望まぬ場合、主治医指示で 学会策定へ

朝日新聞 2016年4月14日

201604151.jpg
救急隊員が蘇生処置を中止するまでの流れ

 末期がんなどで心肺が止まった患者を救急隊員が運ぶ際、
人工呼吸などの蘇生処置を家族らが望まない場合の対応に
ついて、日本臨床救急医学会は、統一的な基準作りを始めた。
主治医の指示が確認できれば処置を中止する方向で検討し、
年内にもまとめる方針。朝日新聞の調査では、
4県で中止できる独自ルールを定めていた。

 総務省消防庁の 基準は、生命に危険がある場合、隊員に
応急処置を求めている。蘇生を望まないのに、家族らが
救急車を呼ぶ背景には、死の迎え方について事前の
意思表示が広がる一方、自宅や高齢者施設でみとる態勢が
不十分なことがある。容体が急変した時に主治医と連絡が
取れなかったり、慌てたりして119番通報につながって いる。

こうした状況を受け、日本臨床救急医学会は統一された
基準を作るための委員会を設置。救急隊からの連絡で
中止を的確に指示できるよう、本人や主治医が事前に
意思表示する書面のひな型を作ることも検討している。

委員長の丸川征四郎・医誠会病院名誉院長は
「医師の判断と合わせ、現場で患者や家族の希望に

応えられる仕組みが大切」と話す。

本人や家族が蘇生処置を望んでいない時の対応について、
朝日新聞が47都道府県の担当者に聞いたところ、
36都道府県が「国による統一のルールが必要」と回答。
岐阜、広島、長崎、大分の4県では、主治医に確認した上で
蘇生処置をやめることをルール化していた。

4県のルールは、隊員が患者らの意思と、職責との板挟みに
なって困らずに、意思に沿えるようにすることが狙い。
救急隊の対応を助言・指導するために自治体が設ける
「メディカルコントロール協議会」が2003年以降に作った。
埼玉県や千葉県の一部地域でも、同様のルールを設けていた。
一方、沖縄県では、家族らが中止を希望しても必ず
蘇生処置することを明確にしていた。

救急業務の法律問題に詳しい橋本雄太郎・杏林大教授
(医事法)は「現状では、救急隊には応急処置が求められており、
処置を続ける方が後でトラブルになりにくい」と指摘している。

 (阿部彰芳、石倉徹也)

 ◆キーワード

 <蘇生処置> 救急隊員は通常、心肺停止の人に
心臓マッサージや人工呼吸をするほか、状況に応じて
電気ショックなどを使う。救急救命士は医師の指示で、
救命効果の高い気管挿管や薬を使うこともできる。

コメントです
救急隊の蘇生措置中止の基準つくりですか。
費用負担なしで要請できる救急制度だけでも
ありがたいのに、そのうえに蘇生中止も
場合によっては選択可能になるようです。
そうなると医療行為に上乗せして倫理哲学も
考慮しなければなりません。
あくまでもガイドライン上での行動決定に
なりますが、それでも第一線の救急隊員の方々に
敬意を表します。




posted by salsaseoul at 02:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年04月12日

動物から人、移植容認へ 1型糖尿病にブタ細胞 厚労省研究班

朝日新聞 2016年4月10日


201604121.jpg

動物の臓器や細胞を人に移植する「異種移植」について、
厚生労働省の研究班
(班長=俣野哲朗・国立感染症研究所エイズ研究センター長)は、
これまで事実上、移植を禁じていた指針を見直す。
国内の研究グループは数年後にも、1型糖尿病の患者に
ブタ細胞の移植を計画。患者にとってインスリン注射の
重い負担を減らせる可能性がある。

異種移植は、人からの提供不足を解決する手段として
世界で研究されている。
臓器の大きさや管理のしやすさから、ブタがおもな対象で、
近年は細胞を使って強い拒絶反応を避ける技術が一部で
実用化。海外では人の治療に応用され始めている。

国内では、厚労省研究班が2001年度に作った指針で、
ブタが進化する過程で遺伝子に組み込まれたウイルスを
「人への感染の危険性が排除されるべき病原体」と
している。取り除くことが難しいため、これまで移植が
実施されたことはなかった。

だが、海外ではこのウイルスが人やサルに感染した
報告がないことなどから、危険性の評価を見直し、
新指針では移植後30年間経過を観察することを条件に、
認めることにした。
5月にも厚労省の部会に報告され、事実上の解禁となる。

国内初の臨床研究として、国立国際医療研究センター
研究所(東京都新宿区)などは、1型糖尿病の患者に、
インスリンを分泌するブタの膵島(すいとう)細胞を
移植する計画を進めている。

拒絶反応を避けるため、人の免疫細胞や抗体を通さない
特殊な膜でブタの細胞を包み、患者の皮下に移植する。
実験用のブタを生産している企業と協力して、ほぼ無菌の
ブタを供給する仕組み作りも進める。

研究グループは2〜3年後にも、安全性や動物の細胞を
人に使う倫理面について第三者委員会に諮った上で、
患者に移植する方針。同研究所の霜田雅之・膵島移植
プロジェクト研究長は「異種移植の実現で、膵島の不足を
解消したい」と話している。

 (野中良祐)

 ◆キーワード

<1型糖尿病> 膵島(すいとう)細胞が壊れて血糖を
安定させるインスリンを分泌できなくなる病気。
国内の年間発症率は、10万人当たり1〜2人と
推計されている。生涯にわたってインスリンを注射する
必要がある。膵島を移植する方法もあるが、人からの
提供は極めて少ない。


コメントです
京都大学の山中教授がips細胞を実用化したあたりから、
この類の治療法の実用化が目立ちます。
また、治療法の安全性に対して、疑念の声もあまり聞かれません。
本当に大丈夫なのでしょうか?
 


posted by salsaseoul at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年03月03日

脊髄損傷患者の幹細胞治療、承認審査の期間を短縮へ

朝日新聞 2016年2月11日

脊髄(せきずい)を損傷した患者自身の骨髄から採取した幹細胞を
使って神経の機能を再生させる治療法について、厚生労働省は
10日、画期的な効果が期待できるとして、承認審査の期間を
短縮する「先駆け審査指定制度」の対象とすることを決めた。
脊髄損傷の患者は国内に約20万人いるとされ、リハビリ以外に
有効な治療法がほとんどなく、新しい治療法が求められている。

制度の対象になると、事前調整を進めることで通常1年程度の
審査期間を半年程度に短縮するなど、優遇措置を受けられる。

この幹細胞治療は、札幌医科大が開発。脊髄損傷を対象と
した初めての再生医療の臨床試験(治験)が進められている。
患者から骨髄液を数十ミリリットル採取し、神経や骨、筋肉などに
なる能力を持つ「間葉系幹細胞」を取り出す。1万倍に培養し、
患者の静脈に注射する。傷ついた神経に集まって、神経の
働きを取り戻すという。

治験の成績は明らかにされていないが、厚労省は
「高い有効性を示唆する結果が出ている」という。
同大は2018年までの承認取得を目指している。

厚労省によると、脊髄損傷の患者は、交通事故などで
年に5千人程度増えている。脳からの指示を伝える神経が
傷つくため、手足に重いまひなどの障害が残る場合もある。

同大の本望修教授(神経再生医療学)は「指定で実用化への
スピードが上がるのはよかった。治験を着実に進め、新しい
治療法をなるべく早く患者さんに届けたい」と話す。

先駆け審査指定制度は15年度に始まった。
今回は、再生医療と医療機器を対象に計5種類を指定した。
1〜3年以内の承認を想定しているという。

指定されたのはほかに、ウイルスを用いた悪性脳腫瘍
(しゅよう、神経膠腫〈こうしゅ〉)の遺伝子治療、小児先天性
心疾患への幹細胞治療、若い女性に多い発声障害を改善
させる治療、糖質の一種の水溶液を使って手術後の臓器
の癒着を防ぐ治療。(竹野内崇宏)



コメントです
脊髄損傷による肢体麻痺は、リハビリで車椅子の
自立生活にまでたどり着くことさえ困難なのが
現状ですが、再生医療で失った運動機能が
取り戻せる可能性がでてきたようです。

最近の医療技術の進歩は、まるでひと昔のSF映画の
ようで少し怖い気もしますが、それでも
脊髄損傷患者
だけでなく、難病指定の患者にとっても明報です。


posted by salsaseoul at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年02月19日

疫抑制剤なしで生活=生体肝移植、拒絶抑える−北大

時事通信社 2016 2 18

201602181.jpg
記者会見で生体肝移植の拒絶反応抑制法を発表する山下健一郎特任教授(手前右)ら
18日午後、札幌市

生体肝移植を受ける患者とドナー(臓器提供者)のリンパ球から
培養した特別な免疫細胞を使い、免疫抑制剤を使わず拒絶反応を
抑えることに成功したと、北海道大病院が18日発表した。
移植の1年半後には免疫抑制剤が不要になり、治療法として
確立されれば、患者の負担を大きく減らすことができる。

一般的に、臓器移植を受けた患者は拒絶反応を抑えるため、
免疫抑制剤を飲み続けなければならない。
患者にとっては多額の医療費負担に加え、免疫抑制剤の
副作用として感染症にかかりやすくなるなどのリスクがあった。

北大病院は順天堂大と共同で、2010年11月から臨床研究を
実施した。患者とドナーの血液から移植前に採取したリンパ球を
混ぜ合わせ、特別な制御性T細胞を培養。
この細胞を再び患者の体内に戻すことで、移植された肝臓を
患者の免疫システムが異物と捉えて攻撃する拒絶反応が
起きなくなるという。

北大病院で臨床研究の対象となった30〜60代の男女10人の
うち、7人は移植から18カ月後に免疫抑制剤の使用を中止。
その後2年以上服用せず、生活しているという。

山下健一郎特任教授は記者会見で「良い結果が出た。
なるべく多くの患者に、この治療が役に立てるよう
尽力していかねばならない」と語った。 
(2016/02/18-17:30)

コメントです
臓器移植手術後の免疫抑制剤を不要にする
治療法は、前から研究が盛んに行われていましたが、
今日の北大の発表によると、かなり具体的に
posted by salsaseoul at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2016年01月31日

母乳で36兆円の経済損失回避、賢く高収入の子ども育つ

AFP 2016年01月29日

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コロンビアのアンティオキア州メデジンで母乳推進イベントに参加する母子
(2015年7月31日撮影、資料写真)。(c)AFP/RAUL ARBOLEDA

【1月29日 AFP】より多くの赤ちゃんにより長期間にわたり母乳を与え、
賢く高収入の子どもを育てることで、世界で年間約3000億ドル
(約36兆円)の経済損失を防げるとの研究論文が29日、
英医学誌ランセット(Lancet)に発表された。

論文はまた、年間80万人以上の子どもと約2万人の乳がん患者の
死を回避できるとしている。

論文執筆者の一人、ブラジル・ペロタス連邦大学
(Federal University of Pelotas)のセザール・ビクトリア
(Cesar Victora)氏は、「母乳は、富裕国も貧困国も同様に、
あらゆる国で命とお金を救う」と述べている。

研究結果は、健康面と経済面で実証された母乳の効果に
対する科学的検証とメタ分析28件の結果を基にしたもの。

論文は、母乳は平均寿命を「劇的」な向上に導くと結論づけている。

高所得国では、幼児の突然死のリスクを3分の1以上低下させ、
中低所得国では、下痢症状の約半数と呼吸器感染症の
3分の1以上を減らせるという。

合計すると、毎年約80万人の子どもの命を救えることになる。

声明では、「知能も増す」とされており、研究で実施された
モデリングでは、母乳を与えないことが原因の認知力の
低下による2012年の世界経済の推計損失額は、
3020億ドル(約36兆円)に達したという。
(c)AFP/Mariëtte Le Roux

posted by salsaseoul at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療