2010年1月6日
ProFauna Indonesia(プロファウナ・インドネシア)の
2009年年次報告書
Butet Sitohang
International Communication Officer
ProFauna Indonesia
2009年のインドネシアにおける保護野生生物の
違法取引と密輸の水準は非常に高い
ProFauna Indonesiaの最新の調査では、Java(ジャワ)島の
70の動物(鳥)マーケットで183の保護種が取引されたことが
報告されていた。 異なる58の都市に存在した70のマーケットの
うち、14のマーケットでオウムが売られており、21のマーケットで
霊長類が、11のマーケットで哺乳類が、また、13のマーケットで
猛禽類が売られていた。これらの標的種のほかさらに、保護を
受けている鳴き鳥も11のマーケットで売られていた。
保護種を最も多く売買していた州(地方)は、East Java
(東ジャワ)であった。保護種を最も多く売買していた都市は
Solo(ソロ)で、Central Java(中央ジャワ)のバードマーケットで
あった。第二番目はAmbarawa市であった。Surabaya
(スラバヤ)、SemaragおよびJakarta(ジャカルタ)の大規模な
マーケットでは保護種が売られており、取引業者は動物を表に
出さずに動物小屋や住居の中に野生生物を目立たないように
隠していた。野生生物の違法取引はJawa島のみならず、
Sumatora(スマトラ)島やBali(バリ)島などの他の島でも
起こっていた。官庁は、Sumatora島のPalembangで横行して
いる取引にもっと注意を払うべきである。その拠点は、ワシ、
フクロテナガザル、ラングール(ヤセザル)、スローロリス、
センザンコウなどの多くの絶滅危惧種を売っている16の
Ilirマーケットにあった。PalembangはまたSumatora島の
センザンコウ取引の中心として悪名が高かった。
特にBali島については、特筆すべき野生生物のケースは
絶滅の危機に瀕したウミガメであった。2000年以前の取引と
比較して急激に減少したにもかかわらず、ウミガメの密輸は
なおひそかに続いている。官庁により明らかにされたケースの
1つは、2009年5月30日に7匹のウミガメのBaliへの密輸を
阻止した時であった。ProFaunaはまた、Tanjung Benoa地域を
飼っている場所が少なくとも6箇所あるという報告を行った。
このことは、Baliがなおインドネシアにおけるウミガメの取引の
主要な到達地であることを示している。
2009年に、Bali島州知事は伝統的および宗教的な式典のために
1000匹のウミガメの捕獲割り当てを提唱し論議した。その提案は、
環境に優しい観光旅行先としてBaliのイメージを創るという
Bali政府の取り組みに反していた。この割り当ての提案はまた、
インドネシアのウミガメすべてを保護種として掲げた野生生物法にも
違反している。2009年には、ProFaunaは、野生生物の密輸の
国際的な出口と疑われていたいくつかの場所を監視した。
それらは、JakartaのSoekarno Hatta(スカルノハッタ)空港、
BaliのNgurah Rai(ングラライ)空港およびSulawesi
(スラウェシ)のTalaud諸島であった。2009年3月8日に、
2人のアラブ人がJakartaのSoekarno Hatta空港から
数十匹の絶滅危惧種を密輸したために逮捕された。数か月後の
2009年10月2日に、16羽のワシがBaliのNgurah Rai空港から
日本に密輸されるところであった。一方インドネシアの北東では、
Talaud諸島が海上輸送によりインドネシアの野生生物を
フィリピンに密輸する出口地点となっていた。2009年1月8日に、
地方自治体はフィリピンに密輸されようとしていた234種を
押収した。以前2008年に、ProFaunaは、Talaud諸島から
フィリピンへ密輸された数千羽のインドネシアオウムを明らかに
した「Pirated Parrots」と呼ばれる報告書を発行した。
法の執行
野生生物の取引と密輸の件数は依然として多いが、犯罪に
関する官庁(警察、森林官、および税関)による作戦行動は
2009年に増加した。ProFaunaの記録によれば、官庁により
執行された野生生物に関する犯罪が53あった。ProFaunaは、
それらのケースから守られた金額は9080万円
(100億IDR(インドネシアルピア):100万米ドル
2010/2/3:1ドル90.8円)に値すると推定している。
ProFaunaは、27の野生生物犯罪に関する作戦行動を行った
インドネシア警察を賞賛している。これはすべてのケースの
51%である。ProFaunaはまた、インドネシア警察が
East Java、BaliおよびJakartaなどのいくつかの地域で
本腰を入れていると認識している。しかし、官庁はその他の
地域では野生生物犯罪を重大な犯罪と見なしていない。
官庁が2009年に押収した大多数はセンザンコウ、トラの部位や
霊長類などの多くの哺乳動物であった。それに次いで
多かったのは、中国や香港やヨーロッパの国々に密輸される
海洋生物相であった。三番目に多かったのはウミガメで、
オウムが四番目であった。
2009年には、ProFaunaは国民から野生生物の違法利用に
ついての36の報告を受け取った。ほとんどのケースはJavaで、
次いで、BaliとSumatraで起こっていた。これらの国民の報告は、
野生生物とそれらの生息地の保護に関する国民の意識が
高まっていることを示すものである。
違法な野生生物の取引は国家問題と考えなければならない
違法な野生生物の取引は、1990年の天然資源と生態系保護に
関する野生生物法に違反している。違反者は最大5年の
懲役および90万8千円(1億IDR:10,000米ドル)の罰金に
服さなければならない。しかし、インドネシアの多くの場所で
なお取引が公然と行われているようにこの法律はまだ十分に
執行されていない。違法な野生生物の取引は、取引される動物の
ほとんどが野生で捕獲されたものなので野生生物に深刻な
脅威をもたらしている。絶滅の脅威にさらされてるインドネシアの
野生生物は、生息地がなくなり、また悪化したために減少している。
ProFaunaは、野生生物の取引は国家問題として真剣に
取り組まなければならないと考えている。官庁は犯罪に取り組む
ために効果的に協力しなければならない。