home003.gif

2015年10月30日

難民申請すでに5500人 10月半ば現在 今年、過去最多に

朝日新聞 2015年10月29日

20151030.jpg

日本で今年、難民認定を申請した外国人が10月半ばまでに
5500人を超え、5年連続で過去最多を更新したことが
法務省への取材でわかった。このペースで増加すれば、
年末には7千人に達する。アジア諸国からの申請が
増加しているという。
国際的に大量の難民が発生する中で、日本も対応を迫られている。

法務省によると、昨年に申請した人は前年より1740人多い
5千人だった。今年は6月末に3千人を突破。7月以降、
増加のペースが上がったという。

国別では昨年はネパール、トルコ、スリランカ、ミャンマーの順に
多く、この4カ国で6割を占めた。今年もネパールが最も多く、
アジア諸国が中心。欧州に難民が大量に流入しているシリア
からの申請は、数人にとどまっている。増加の背景として
法務省は、申請中は強制送還されないほか、在留資格が
あれば申請の半年後から働けるよう2010年に運用を
変えたことがあると分析する。

申請が急増しているにもかかわらず、難民と認める例は
増えていない。昨年はわずか11人。
「人道的配慮」で在留を認めた人を含めても121人だった。
難民の支援団体などは「法務省は就労目的の申請を強調し、
保護すべき人が見落とされかねない」として、受け入れの
拡大を強く求めている。

入管行政に詳しい安冨潔・慶応大名誉教授は
「保護する人数を増やすだけでなく受け入れた後の支援策が大切。
政府を挙げて取り組むべき課題だ」と指摘する。(金子元希)

 ◆キーワード

 <日本の難民認定> 
難民条約は「人種や宗教、政治的意見などを理由に迫害を
受ける恐れがある人」を難民と定め、これに従っていると
法務省は説明する。難民認定されると、国民年金や児童扶養
手当など日本国民と同じ待遇を受けられる。法務省は9月に
運用の見直しを公表。明らかに難民に当たらない人は本格審査の
前に振り分けて就労を認めない一方、アフリカで虐待を受ける
女性など「新しい形態の迫害」を難民と認める方針。
紛争から逃れた人は難民とは認めないが、「待避機会」として
保護対象に位置づけた。

関連記事です。
日本の難民認定、5000人中11人と先進国中最低 
「島国は言い訳にならない」海外から批判

複数の海外メディアが、日本の難民受け入れ数が“世界最低”
だと報じている。法務省のデータによれば、昨年の難民
申請認定数は5000人中たった
11人。一方、トップのドイツは10万人以上受け入れている。
ドイツメディア『ドイチェ・ヴェレ』(DW)は、
「人権よりも経済成長を優先してきた結果 だ」などと批判している。

◆審査に3〜5年、ほとんどが却下
難民の数は増加傾向にあり、世界全体の難民数は2013年に
戦後最多の5000万人を突破した。日本でも昨年、難民申請数が
前年比で53%増加。5年前 と比べると4倍になっているという。
しかし、申請が認められたのは「先進国中最低」のたった
0.2%(ロイター)だ。この極めて低い認定率は、日本が
国連難民条約を批准した1981年以来続く傾向で、
過去16年間で最も少なかったのは2013年の0.1%(6人)。
同年の世界平均は32%だった。

ロイターはその背景に「難民の保護と移住の計画に欠けること」
「申請を処理するシステムの機能不全」があるとしている。
実際、難民申請から処分決定までには平均3年かかり、
4〜5年かかったケースもあるという。DWも、
「例えば内戦を逃れて来たような者が、母国を離れて証拠を
提示するのは極めて難 しい。しかし、日本の法務省は、
認定するのに十分な証拠がないという理由でしばしば
申請をはねつける」と批判している。

NPO法人『難民支援協会』の石川えり代表理事は、毎日新聞の
インタビューに答え、欧米と違って日本の場合は本人に
立証責任があり、提出書類が何 百枚にもなることがハードルを
上げていると指摘する。また、仮に証明できても、
「それが深刻な人権侵害なのかという基準の適用も
日本は厳しい」といい、 「2、3日強制労働させられても
『その程度であれば迫害にはならない』と判断されたケース」も
あったと述べている。

◆「人権よりも経済発展を優先してきた結果」
 DWは、難民は多くの場合、近隣諸国に流入する傾向があり、
そのため紛争地域などに近い発展途上国にも多くが
逃れるとしている。しかし、地理的に孤立し たオーストラリアや、
島国のイギリスも多くの難民を受け入れていることを挙げ、
日本が「地理的な理由」を言い訳にすることはできないと主張する。

ロイターは、日本国内でも批判の声が高まっているとし、
「低い認定率は恥ずべきものだ」「先進国の中でこれほど
首尾一貫して認定率が低い国はない」といった弁護士らの
発言を取り上げている。石川氏も、日本は難民を守るための
国連難民条約を批准しているにも関わらず、日本は「本当に
難民を守ろうと思って審査をしているのかどうか」世界に
問われていると述べている。

また、DWは、韓国も日本同様に受入数が極端に低いと
指摘。東アジア諸国の傾向として「国益と国内市場の保護の名の下、
人権よりも経済発展を優先してきた結果だ」と総括している。

◆「認定基準に透明性を」
「ほとんどの人たち(難民申請者)は政治的な理由で来て
いるわけではない。ネパールやスリランカのような国では、

多くの人が働くために来日することがで きると考えている」。
法務省の担当者は、認定率が低い理由を、難民申請の
ほとんどが実際は就労目的だからだと述べたという(ロイター)。

一方で、日本の労働力不足は深刻だとロイターは記す。
政府は難民申請のほとんどを却下する一方で、「研修」の
名の下に「低賃金の単純労働者の受け入れを拡大している」と、
外国人研修制度との矛盾を指摘している。DWも、ユニクロを
運営するファストリテイリングなどの民間企業が、
インターンシップ・ プログラムを通じて難民を労働者として
受け入れている例を挙げている。

『難民支援協会』の石川氏は、日本政府がシリアの難民支援や
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に多額の資金を

拠出していることについては、 積極的に評価している。
そのうえで、「認定基準や審査の透明性確保が重要」
「丁寧な支援を現場で続ける、一人一人がもっと関心を
持つなど小さな取り組みを 積み重ねていくことで変わる
余地はある」などと語っている(毎日新聞)。

コメントです
日本政府の難民受け入れ数が少ないと
海外で非難されているようですが、
他国の人たちと共存するノウハウに
欠ける日本人。
日本政府の対応は正解です。
それより、日本政府は開発名目で
途上国に多額の資金援助していますから、
難民受け入れに関しては相殺されるべきです。
海外は日本国に多くを望みすぎです。



posted by salsaseoul at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年10月23日

奨学生の地元就職後押し 返還減免6県、13県も検討

朝日新聞 2015年10月18日

地元で就職した学生は奨学金の 返還を免除します――。
若者の流出に悩む県がこんな取り組みを始めている。

朝日新聞が47都道府県に取材したところ、香川、福井の
両県が先行。国が人口減 対策の一つとして今年度から
後押しし始めたこともあり、富山、鳥取、山口、鹿児島の
4県があらたに導入したほか、13県が検討しており、
さらに広がりそうだ。

「地元に帰る後押しになりました」。そう語るのは高松市出身の
天雲大貴(てんくもたいき)さん(22)。香川県の奨学金を
使って東京の私大に通っていた。今
春卒業。東京の大手家電メーカーなど数社の内定を得ていたが、
地元の銀行に就職した。

 ■3年間働けば

香川の制度は、2012年度に学生の地元定着を狙って
始まった。奨学金を 受ける条件は、
保護者らが県内に居住
▽保護者らの所得が県が定める基準額以下
▽高校の成績が5段階評定で3・5以上――などで
、大学などに在学中は月額3 万〜13万2千円を貸与される。
卒業後、学生らが県内で就職し、3年間働くなどした場合、
貸し付け月額のうち1万5千円または2万5千円分の返還が
免除さ れる。

これまで奨学金を受け取った人は計475人。今春までの
卒業者99人のうち、県内で就職し、減免の対象となったのは
33人(9月末現在)。
県の担当者は「数が多いか少ないかは、まだ評価できない」という。

天雲さんは、東京での就職を希望していたが、きょうだい3人とも
大学に入った家計を支援し、将来祖父母ら家族に何かあったときに、
近くにいて支えたいと考え直した。2年生の時から借りた奨学金は
230万円で、減免額は54万円。今は毎月5万円を家に入れている。
「奨学金の返還を減らしてもらい感謝しています」

福井は香川より1年早い11年度から、奨学金返還の支援に
乗り出した。ただし、こちらは理工系大学院の院生が対象。
月額6万円を貸与し、県内の製造業などで7年間働いた場合、
全額返還を免除する。これまで119人に貸与し、修了した
74人のうち60人が県内企業に就職したという。

 ■国が助成制度

総務、文部科学の両省は今年度から両県の試みなどを
参考にした制度を始めた。県が地元産業界と連携して
基金を設置し、学生が日本学生支援機構などから借りた

奨学金を返還する際、地元企業に就職すれば全額または

一部を支援する。就職期間は各県が決める。国は各基金に
最大1億円を助成。1県あたり100人までを想定している。

鳥取、山口、鹿児島の3県は早くも今年度からこの制度を
利用することを視野に、奨学生の募集を始めた。富山も
関連予算を組んでいる。ほかに、秋田、山形、栃木、三重、
和歌山、島根、徳島、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、
宮崎の13県が、人口減対策として策定する「総合戦略」などに
盛り込み、検討し始めている。

一方で、慎重な県もある。静岡は、対象が1県で100人に
限られている点を指摘し、「人口の多い静岡では効果が少ない」
などとして、導入を見合わせる方向。
愛媛は「就業義務期間の後も学生が地元に残ってくれるか
確証がない」と効果を疑問視する。

日本学生支援機構の奨学金を 借りた人数は、03年度は
74万人だったが、次第に増え、13年度には144万人に
倍増。15年度は134万人となっている。返還を延滞して
いる人は、 03年度は22万2千人だったが、08年度に
30万人を突破。14年度は32万8千人となっている。(
太田康夫、天野剛志)

 ■学生の奨学金返還を支援する各県の取り組み

 【福井】

 <対象の教育機関> 理工系大学院

 <貸与額> 月額6万円

 <支援額> 全額

 <県内就職義務期間> 7年

 【鳥取】

 <対象の教育機関> 大学、短大、大学院(修士)など

 <貸与額> 多様

 <支援額> 半額または4分の1

 <県内就職義務期間> 8年

 【香川】

 <対象の教育機関> 大学、短大、大学院など

 <貸与額> 月額3万〜13.2万円

 <支援額> 貸与月額のうち1.5万円。県内大学などに
         進学した場合1万円加算も

 <県内就職義務期間> 3年

 【山口】

 <対象の教育機関> 理工系大学院(修士)、薬学部(5、6年生)

 <貸与額> 月額4.5万〜8.8万円

 <支援額> 半額〜全額

 <県内就職義務期間> 4〜8年

 【鹿児島】

 <対象の教育機関> 大学、短大など

 <貸与額> 入学時80万円

 <支援額> 全額

 <県内就職義務期間> 3年


コメントです
医学生・奨学生の地元就職(一種のしばり)で
奨学金返還減免の話は有名ですが、
その制度を他の学部にも拡大するようです。
制度としてはいいですね。
若い人にとって都会は魅力的に映るかも
しれませんが、住んでみたらけっこう
飽きるものです。
都会に興味があれば遊びにいけば済むことです。




posted by salsaseoul at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年10月12日

常駐の住職いない寺1万2千カ所 檀家減少や後継者不足

朝日新聞 2015年10月11日

7万を超す全国の寺院のうち、別の寺の僧侶が住職を
兼ねていたり、また住職がいなかったりして常駐する
住職のいない寺が、1万2千カ所にのぼることが
朝日新聞の調べでわかった。
過疎・高齢化による檀家(だんか)の減少や住職の後継者
不足などが要因で、今後「寺の消滅」が加速する可能性がある。
文化庁の宗教年鑑(2014年版)によると、全国の仏教系
宗教法人の寺院は7万5900。今回、全国の寺の約8割を
占める主要10宗派(曹洞宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、
浄土宗、日蓮宗、高野山真言宗、臨済宗妙心寺派、天台宗、
真言宗智山〈ちさん〉派、真言宗豊山〈ぶざん〉派)に今年2月時点で
この10年間の所属寺の状況を尋ね、日蓮宗以外の9宗派から
回答を得た(高野山真言宗は09年以降)。

専従の住職がおらず、別の寺の僧侶が住職を兼ねる「兼務寺」は
1万496、住職がいない「無住寺」は1569で計1万2065カ所
(全体の約16%)。10年前の調査や記録がない真宗大谷派と
高野山真言宗を除く7宗派では、10年前の計9104から

803増えた。宗派別では曹洞宗、浄土宗、真宗大谷派の順に多く、
真言宗の智山(ちさん)・豊山(ぶざん)両派、
臨済宗妙心寺派は所属寺の3分の1にのぼる。

兼務寺には、豊臣秀吉が長浜城の鬼門よけに移築し、
国重要文化財の十一面観音像をまつる知善院
(ちぜんいん、滋賀県長浜市)や、空海の創建とされ、
小堀遠州作と伝わる庭園が有名な長楽寺
(ちょうらくじ、浜松市)など、観光客が訪れる所もある。

兼務・無住寺は経営が成り立たなくなると、宗教法人としての
任意解散や吸収合併といった手続きを経て、消滅する
可能性がある。今回の調査では、10年間で9宗派で
計434寺が消えていた。

寺の消滅は檀家にとって、先祖代々の墓の維持や
葬儀・法事を託す先や、お盆など伝統行事の喪失に
つながる。浄土宗の中村在徹(ざいてつ)・総務局長は
「地域コミュニティーの中心という寺も多い。なくなれば地域の
つながりも消える。仏教界として最大の問題だ」と危惧する。
(岡田匠)

     ◇

〈住職〉 
一般的に寺院の代表役員のこと。宗教年鑑(14年版)に
よると、主要10宗派の僧侶ら「教師数」は約9万3千人
(うち女性は約9500 人)で10年前より約1万2千人減った。
宗派によって異なるが、僧侶になるには剃髪(ていはつ)
するなどして出家し、系列の宗門校などで学び、本山や
専門道場で修行する。住職には世襲でなることが多いが、
本山の推薦で後継者のいない寺に入ったり、先代住職の
娘と結婚したりして住職になる場合もある。

コメントです。
住職の収入は、失礼ながら一般世帯より
高額な印象がありましたが、今日の記事を
読んでそんな時代はとっくに終わっている
ことを認識しました。
(現在でも、京都の有名なお寺はそうかもしれませんが)



posted by salsaseoul at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

保護された姉妹、1カ月ぶり入浴 親子が月4万円で生活

朝日新聞 2015年10月10日

201510122.jpg

6畳ほどの面談室に、すえた臭いが広がった。

2年前の9月。関東地方にあるDV被害者のシェルターの職員は、
39歳の母親と7歳の長女、4歳の次女を迎えた。

差し出したオレンジジュースを、姉妹は一気に飲み干した。
白とピンクの長袖シャツはあかで灰色に変わり、頭には
シラミがいた。

一家の手荷物は、ランドセルとポリ袋二つ。サイズの合わない
シャツ、穴の開いた靴下や下着が、汚れたまま詰め込まれていた。

風呂は約1カ月ぶりだという。翌日から一緒に入り、姉妹の
髪をとかし、数百匹のシラミをつぶした。

「お姉ちゃん、もうこれでいじめられなくなるね」。
次女がそう言うのを何度も聞いた。

いま、3人は母子生活支援施設で暮らし、自立を模索する。

保護されるまでの暮らしぶりを、母親は振り返って語る。

夫はトラック運転手や倉庫管理など10年で10回以上転職した。
年収は200万円前後。家賃や光熱費以外は酒やたばこに消え、
自分の事務職の給料などでやりくりしていた。

9年前に長女が生まれてから、「頭が悪い」「ダメな女」などと
毎日なじられた。洗濯物がたためない。
ご飯を作りながら、子どもに気を配れない。
酒が入ると、胸ぐらをつかまれ殴られた。
後に分かることだが、母親には二つのことが同時にできない
「広汎(こうはん)性発達障害」などがあった。

6年前に次女が生まれた後、「能力不足」との理由で解雇された。
次の職が見つからず、家計は悪化。夫の失業で約2年間は
生活保護も受けたが、夫が再就職すると打ち切られた。
夫は給料を家計に入れず、月約4万円で生活した。
長女が小1になったころから電気、ガス、水道のどれかが
止まるようになった。

母(41)と姉妹の生活は、夫のDVや失業などでより
一層苦しくなっていった。

朝食はパン1枚。夕食はご飯と冷凍ギョーザか納豆。
夏休みの学童保育のお弁当は、おにぎり1個だった。

「おなか痛い。今日は休む」。嫌がる長女を、集団登校の
待ち合わせ場所に引っ張っていく日も増えた。
そんな日は保健室登校になった。理由を聞くと
「くさい、毎日同じ服って言われた」と泣かれた。

「シラミがいるみたいよ。駆除してあげて」。
長女が小2になった夏、同級生の母親から指摘され、
薬局に走った。
薬は2千円。手が出なかった。

夫の叱責(しっせき)は続き、うつ状態になった。
警察署に通報したのは夫だった。
「子どもの前で妻にDVしてしまう。彼女たちを保護してください」。
シェルターにつながり、夫とは別れた。

「つらいことなんてなかったよ。学校もおうちも楽しかったんだよ」。
そんな長女の言葉を、母は自分への気遣いだと推し量る。

母は母子生活支援施設の職員から勧められ、精神障害者
保健福祉手帳を取得した。
生きづらさの訳がわかり、自分を責める気持ちは薄らいだ。
長女からいろいろ要求されても、「一つずつ言ってね」と
言えるようになった。

カレーライスや肉うどん。料理は苦手だが、職員と一緒に
夕食を作り、一家3人で食卓を囲むようになった。
ときどき姉妹が職員に「味見して」と料理 を差し入れる。
「よくできたね」と褒められると、跳びはねて喜んだ。
「ここがいい。職員さんや他の子もいるから」と長女は言う。

子どもが18歳まで施設にいられるのが原則だが、利用者の
約6割が2年未満で退所する。生活保護を受け始める人が多く、
施設費用との二重措置期間を短くしたい行政の思惑もある。

母も生活保護を受けながら週3回、障害者の作業所で働く。
施設に来て2年。退所後の生活は描けていない。
(山内深紗子)

■専門家「貧困から抜け出せない連鎖が広がっている」

子どもの貧困に詳しい首都大学東京の阿部彩教授に
現状や課題を聞いた。

親の経済状況でいや応なく不利を背負った子どもが、大人に
なっても貧困から抜け出せない連鎖が広がっている。
低所得の背景にある非正規労働は拡大している。

親自身が抱える困難もある。
労働政策研究・研修機構の調査では、子ども時代に、
親の生活保護受給や離婚、虐待、父との死別を
一つでも
経験した母親は、未経験の母親に比べて
貧困率が
約2〜3倍だった。
母子世帯の母親のうつ傾向も、配偶者のいる
母親の2〜3倍だ。

病気やうつ、失職、離婚などが一つでも起きると、
今そうでない人も貧困になりうる。この母子のように、
要因が複数になると深刻な事態に陥りやすい。

子どもは、人権の剝奪(はくだつ)と言わざるを得ない
ほどの衣食住の不足、不健康、低学力、孤立やいじめ、
非行、不登校、自尊心の低下などのリスクにさらされる。
日本ではこうした問題について、何十年も親の資質や
しつけなどの面から論じ、背後にある貧困をきちんと
直視してこなかった。

将来の社会の担い手である子どもの貧困を放置すると、
社会的損失になる。
(注:これはあくまでも副産物的な損失
   第一に、子供の尊厳・尊重を確保するべき)
児童扶養手当の拡充など経済的支援は必須だ。
そのうえで、教育や医療面での支援など、親を含めた
包括的対策が求められている。(中塚久美子)

     ◇

 《子どもの貧困》 
厚生労働省によると、日本の子どもの貧困率は
16・3%(2014年発表)で、過去最高を更新している。
実数換算すると約328万人。貧困率と は、世帯収入から
国民一人ひとりの所得を子どもを含めて試算し順に並べた
とき、まん中の人の所得の半分に届かない人の割合。
ひとり親など大人が1人の家庭に限ると54・6%と、
先進国でも最悪の水準に達する。
中でも深刻なのは母子世帯だ。
母子世帯になる原因の8割は離婚で、養育費が払われて
いるのは約2割。8割の母親は働いているが、同居親族も
含めた年間世帯収入は平均291万円(10年)。

コメントです
貧困世帯で子供の生活が窮地している話題です。
少し掲示板等を見てみましたが、上記にあるように
将来の社会の担い手である子どもの貧困を放置すると、社会的損失になる

という意見が数多くありました。
確かに正論ですが、それ以前に、もっとシンプルに
日本国憲法で保障されている基本的人権を
ベースに貧困対策を強化してほしいですね。

ただ、現状ではその対策のひとつの「生活保護」の
審査が十分でないケースもよくあるようで、
場合によっては就労するより高額な支給額例も
あり、そうなると、支給世帯主は生活保護費と
引き替えに就労意欲を失います。



posted by salsaseoul at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

(時時刻刻)虐待、その向こうに 愛せない、親が抱える不安

朝日新聞 2015年10月9日

201510121.jpg

児童虐待の増加が止まらない。子育てへの不安や虐待の
連鎖、経済的な問題など、虐待する親はさまざまな
要因を抱える。児童相談所は親子関係の修復に向けた
支援を進めているが、決定的な対応策はない。

■「娘に完璧を求め、できないと許せなかった」
 「母は食事を作らず、帰って来ない日もあった」

愛知県豊橋市の村松葉子さん(40)は長女(5)が歩き始めたころ、
「娘が思い通りにならない」といら立ちが募った。
泣いてもあやさずに放置。しだいに手をあげるようになり、
出かける直前のおむつ替えの時は、激しくお尻をたたいた。

夫(40)とは再婚で、前夫と離婚後、精神的に不安定な時期が
あった。不安をさとられまいと完璧な育児を目指し、離乳食は
全て手作りで、紙おむつは使わなかった。
自らも小学生のころ、言いつけを守らないと母親にたたかれた。

「娘を苦しめたくないのに完璧を求め、できないと許せなかった」。
たたくことは、普通だと思っていた。
海外出張の多い夫は虐待に気づかなかった。

パートを始めて長女を保育所に預けると、心に余裕ができた。
子育ての苦しさを受け止めてくれる人がいたことが、虐待を
やめるきっかけとなった。今 は子育て中の母親の交流の場や
講座を開く団体で活動する。「頑張っても周囲に認められず、
母親は孤独を抱えている。
完璧でなくていい、と伝えたい」と村松 さん。

大津市に住む女性(50)は小学2年から母子家庭で育った。
生活は貧しく、お風呂に入れるのは週に1度ぐらい。
母親は食事を作らず、帰って来ない日もあった。
「仕方なく育てている」という母親の言葉が今も胸に突き刺さっている。

中学2年で家出した。18歳とウソをついて、ホステスとして働いた。
「体を提供すれば、男の人が私を大切にしてくれる」と、寂しさから
売春を重ねた。

21歳で結婚。
長男を産んだが、わがままを言われるたびに頭に血が上った。
長女が生まれ、「この子さえいなくなれば」と思い詰めた。
夜泣きがうるさくて別の部屋に放置すると、翌朝、長女は
亡くなっていた。乳幼児突然死症候群と診断されたが、
「私が殺した」と感じた。
次女が生まれたが長女への罪悪感から覚醒剤に溺れ育児を放棄した。

夫と離婚し、子どもは夫のもとへ。
1年後、寂しくて引き取りたいと言うと、
「薬をやめられていないのに、子どもを巻き込むな」と言われた。
その言葉をきっかけに、依存症からの回復を支援する施設に入り、
5年かけて薬をやめた。

子どもたちとも時々会うようになった。
「『なぜ自分の子どもを愛せないの?』と、思うかもしれない。
でも虐待してしまう親も愛情を受けず育ったことを知って欲しい」

 ■家計や心身、サポート 児相・自治体、連携に課題

全国児童相談所長会が児相を対象に行った2013年の調査では、
虐待の要因とみられる家庭の状況(複数回答)は
親が精神的に不安定など「虐待者 の心身の状態」が32%で
「経済的な困難」が26%。「育児疲れ」も15%に上った。
単一回答で聞き取ったところ、虐待を主導した人の8・2%に
虐待された経験があった。

児相や自治体は、子どもが再び虐待を受けずに安心して
暮らせることを目指す。そのためには虐待した親への支援が
必要で、聞きとりをもとにした虐待の要因に応じて児相が中心に
対応。経済的に苦しければ生活保護などの制度を紹介し、
親が精神的に不安定なら医療機関の受診を促す。

子育て方法を学ぶプログラムも活用。
例えば、日常の場面を想定し、注意する時、ほめる時の
言葉や接し方を練習する。

親の支援を踏まえ、子どもを家庭に戻すかどうか判断するため、
厚生労働省は「子どもは家庭復帰を望んでいるか」
「地域では公的機関などの支援体制が確保されているか」と
いったチェックリストを示している。

静岡県藤枝市の 県中央児童相談所では独自のリストを作成。
虐待されて施設や里親に預けられた子どもを常時100人
前後支援するが、14年度中に家庭へ戻ったのは12人だった。
担当者は「親が復帰を強く希望しても子の安全確保が最優先。
どの環境が子どもにとって一番なのかという姿勢で対応する」と話す。

ただ、家庭復帰の判断は難しい。
高知県香南市で14年12月、当時3歳の女児が母親らに布団で
す巻きにされ、窒息死した。この女児は虐待されて施設に入った後、
児相の支援を経て家庭に復帰。14年9月に当時住んでいた
高知市が支援を引き継いだ。
この事例の検証報告では、母親は経済的な苦しさや精神的な
不安定さを抱え、高知市は把握していたが、支援が
追いつかなかったとみなされた。(長富由希子、畑山敦子)

 ■<考論>「親子一緒」限界も

西澤哲・山梨県立大教授(臨床福祉) 
子どもが亡くなるような深刻な虐待では、親の多くが幼少期に
虐待されたとみられる。愛された経験がないため異性や薬物に
依存して子どもをネグレクト(育児放棄)し、殴られて育ったため
「しつけには体罰が必要」と暴力をふるう。
貧困や精神疾患などの問題が芋づる式に起きる人も多い。
親の問題が根深いと虐待を止めるのは難しい。親子で一緒に
暮らせるようにすることをあきらめ、信頼できる大人のケアで
子どもが暮らせることも社会の責任だ。

 ■<考論>地域の手助け必要

宮島清・日本社会事業大准教授(児童福祉) 
様々なトラブルを抱えながら、しんどい暮らしをしている親子は
少なくない。特に虐待した親の困難は深刻で、反省を求めたり
子どもへの接し方を訓練したりするだけでは十分ではない。
親子の状況を把握し、児相だけでなく市区町村や保育所、
学校、病院なども関 わるオーダーメイドで包括的な支援が

不可欠だ。親が変わるのを待つだけでなく、例えば保育所入所や
子どもの食事・洗濯の補助など、地域が親子とつながっていく
支援をすべきではないか。

関連記事です。
育児ノイローゼの母がネグレクトを題材にした映画「子宮に沈める」を観る

よく「自分のこどもを産んでから子供が事故に合うニュースが辛くて
見てられない」とか聞きますが、わたしは全く逆です。

産むまでは虐待や事故のニュースは可哀想で泣いて
しまう程共鳴するタイプだったんですが子どもを産んでから
全く感じなくなりました。

まったくです。

母性も産んだ時に一緒に出しちゃったんじゃねーの!と思います。
ハハーン。まあ、たぶん心を麻痺させることでなんかの
バランス保ってるんでしょうね。

むしろ幼児遺棄事件とかネグレクト、連続殺人事件のニュースや
映画をあさるように観るようになりました。見て、知って、ネグレクトを
する母親と自分とどこが違うのか確認したい、自分の子どもや親を
殺す程わたしはそこまで追いつめられているのか確認したい、
そんな気持ちがあるんだと思います。

で、ずっと気になってた大阪2児放置死事件を題材にした映画
「子宮に沈める」がレンタルに出てたので借りてきました。

以下バリバリネタバレしてます。

よき母であろうとする由希子、シングルマザーになってからこども達と
3人での生活が始まります。母親の心情を象徴するように部屋は
どんどん荒れていきます。手作りしてお皿に出していた食事が
スーパーのパックのまま食卓に載るようになってになって、子どもの
食べ散らかしはまき散らされたままになり、台所の流しで煙草の灰を
捨てるようになり、ゴミの日に出せないゴミ袋が大量にたまっていく…。
母親の格好も水商売を始めたのか、ほっこりファッションから
高いヒールに薄いドレスと、どんどん派手にだらしなくなっていく。
そしてとうとうドアと 扉にガムテームで目張りをして、
大量のチャーハンを作って出て行く…

で、感想は、あーすげー嫌な感じに作ったなー、でした。

子どもが可哀想で嫌だったのではなく、あの部屋の閉塞感。
ずっとマンションの部屋の中で撮影されて、やたらと長廻しなのです。
あと子ども目線なのか 視界が低い。うまいなー。子どもの泣く声、
ママーママーってずっと呼ぶ声。突然切れる映像。わたしを
責めるように泣く新生児を抱いて、ずっと部屋から出ていなかった
産後の一ヶ月の期間を思い出して観るのが辛かった。産後の
母って視界が低いんですよね。ベッドで寝てた人も布団に
寝るようになったり、赤ちゃんのおもちゃにあわせて寝転んだり
するから。その時に見た風景とそっくりでした。

あとね、事件の内容というより母性がわかりやすく
演出されてるのが鼻につく。

男が撮った映画だなーと思いました。

はじめの丁寧にロールキャベツ作るところとか、最後の死体に
手編みの母親のマフラー巻いてあげるとか、はいはい母性ですねって
感じで何の共感もできなかった。子どものシーンの圧倒的な
息苦しいリアルさに対して、母親のでてくるシーンがミナミの帝王か!
って突っ込みたくなるほど安っぽすぎる。萬田はんは好きですけどね。

あんなに母性を神聖化して描く必要なかったと思う。
そのせいで整頓された「お話」になってて、わかりやすすぎた。
監督の力量不足なのか故意なのかはわかりませんが、
もっとカオスだっただろうに。きれいにとまとめる必要あったの?

監督インタビューに観客の想像の余地があるように撮ったとか
書いてあったけど、どこが???でした。いやいやいやいや、
「子どもを愛してるいいお母 さんがちょっとしたきっかけで
ネグレクトするんですよ、誰でも陥る事態かもよ」でしょう。
はじめっからお手本のようないいお母さん描いて、絵に
描いたような堕落の一途をたどってって… でも子どもは
愛してたんですよーって何の想像の余地もないよ…。

事件について考えるきっかけにはなるだろうけど、
母性演出がフィクションすぎて自分の身に寄り添わせて
考えるのは難しい映画でした。
手編みのマフ ラーの編み針で堕○してるなんていう
ストーリーの〆みせられて、自分の身近で虐待が
起こってるかもなんて考えられないよねー。
まあルポルタージュの本でてるけどね、真実について
知りたければそっち読めばいいし。
だいたい乳幼児がいる家の部屋なんて、
ネグレクトしなくてもあれくらい荒れてる
よ!!!!
と声を大にして言いたい。
(そうでもないですかね、すいません)
この映画を知った時に観ないで批判するな!って書いてあった
レビューがあったけど、告知映像の方がネグレクトの悲壮さ
は伝わるんじゃないかな。観た方が批判したくなったわ…。

育児ノイローゼ母としてはどうせフィクションにしちゃうなら、
ほっこり*お母さんのままネグレクトしてる映画が観たかったです。
それくらい育児の闇って深いし、周りからわかりにくいと思うよ。



posted by salsaseoul at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年10月04日

宅配便、留守で2割が再配達 排ガス増・人手不足に懸念

朝日新聞 2015年10月3日

201510037.jpg

宅配便の取扱量が増えるなか、受取人の留守で2割が
再配達となっている。輸送トラックの排ガスが増えることや
運転手不足への懸念が浮上し、国が対策に乗り出した。
宅配業者は新たな受け取り拠点をつくるなど、サービスを
広げて効率的な配達を図っている。

「また間に合わなかったか……」。東京都内に住む出版会社
勤務の女性(30)は7月、マンションの郵便受けに入って
いた不在票を見て肩を落とした。

静岡県の母親から菓子が送られてきたが、仕事で不在だった。
再配達を依頼したが、帰宅が間に合わなかった。
宅配ボックスのないマンションに移って再配達の依頼が増えている。

こうした再配達が各地で目立っている。国土交通省は昨年12月、
宅配事業大手3社を対象に再配達の発生率を調査。
約413万個を調べた結果、2割が再配達されていた。
都市部、都市郊外、地方のいずれもほぼ同じ傾向だった。

トラックで運ばれる宅配便の取り扱い個数は増加傾向で、
2013年度に35億個を超えた。再配達が顕著な背景には、
通信販売の普及や、共働き世帯が増えるなどライフスタイルの
変化があるという。

再配達の影響は小さくない。同省の試算では、トラックの排ガス
では年42万トンの二酸化炭素が発生する。山手線の内側面積の
2・5倍と同じ広さのスギ林が吸収する量に匹敵するという。

不在者への配達には、のべ年約1億8千万時間かかり、
労働力に換算すると約9万人分になる。業界ではトラック
運転手の不足感も強まっており、全日本トラック協会の4〜6月期の
調査では人手不足の見通しがあると答えた事業者は半数にのぼった。

「再配達の過剰発生は社会的損失」とみる同省は6月、宅配事業者や
通販会社、大学教授らによる検討会を発足させた。

業界では対策を進めている。

ヤマト運輸は、あらかじめ配達予定日や時間をメールで知らせ、
外出先でも変更できる会員向けアプリを配信。
帰宅途中に受け取れるようコンビニ約4万店で荷物を預かる
会員向けサービスも行う。

日本郵便は4月から楽天と連携し、楽天市場で購入した物品を
預かるロッカーを都内24カ所の郵便局に設置。11月には
配達予定日を事前にメールで知らせるサービスも始める。
楽天は、関西大学や地下鉄なんば駅、名鉄名古屋駅など
全国23カ所に独自に宅配ボックスを設置している。
(中田絢子)


コメントです
この記事は、増え続ける通販で宅配便の不在が
社会的に悪影響を及ぼす内容です。
ところで、ここでは話題になっていませんが、
実は大手通販会社の配達外注を請け負っている
個人営業の配達員さんがいちばん配達先の不在に
悩まされているはずです。
不在なしで配達できたとしてもコストがぎりぎりですから。
だいたい、通販を利用する客なんてそれを買いに行く
時間がないからネットで買ってしまうわけで、そうなると
配達先が不在がちなのはセットみたいなもんです。
まあ、大手通販会社が営業戦略として「送料無料」と
していることが、実は環境にものすごく悪影響を
及ぼしているのかもしれませんね。





posted by salsaseoul at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年09月24日

罵倒されても蹴られても…妻からのDV、口閉ざす夫たち

朝日新聞 2015年9月13日

201509231.jpg
妻からの暴力に悩まされた男性。自分の携帯電話で写したメールの写真などが
証拠となり、離婚裁判で役立った(画像の一部を加工しています)

配偶者の暴力(DV)を受けている被害者を守るDV防止法が
成立し、15年目に入りました。法は改正を重ね、救済の道は
広がってきました。
女性だけでなく男性が被害を訴える事例も増えているようです。
DVの現状と課題について、2回にわたって取りあげます。

■「稼ぎが悪い」「バカがうつる」

東京都内に住む自営業の男性(45)が、2年余り受け続けた
妻からの暴力を明かしたのは3年前の夏だった。
妻から逃れて自宅を飛び出すと、警察官が立っていた。

 「どうしました?」

 男性は重い口を開いた。

前夜、酔って帰宅した妻の携帯電話にメールが着信した。

差出人は知らない男の名前で、直前まで会っていたことが
うかがえる内容だった。気配で目を覚ました妻が「携帯を返せ」と
飛びかかってきた。服を引き裂かれながら近くの公園へ逃げ、
一夜を明かして帰ると妻は再び逆上。
その騒ぎを聞いた近所の人が 110番通報をしたのだった。

1歳上の妻とは2008年に結婚した。精神的に不安定で、
目の前で手首を切られたこともある。「自分が支えなければ」と
結婚に踏み切ったが、10 年ごろから暴力が始まった。
毎月20万円の生活費を渡しても「稼ぎが悪い」とののしられ、
料理をすれば「まずい」と言われ、トイレ掃除をしても「汚い」と
責められた。自宅で仕事中に蹴られてけがをし、完成間際の
作品を壊された。

常に身構えるようになり、抜け毛が増え、吃音(きつおん)にも
悩んだ。周りから「奥ゆかしい」と評される妻の素顔は誰にも
言えなかった。だが、警察官に明かしたその日のうちに別居。
2年越しの裁判で昨年春に離婚が成立した。役立ったのは、
逃れた公園で撮影した浮気の証拠となるメールと警察官が
聴取した記録だった。「慰謝料は請求できたが、一刻も早く
離婚したくて諦めた」と男性は振り返る。あの夏、警察官に
会わなければ、孤立したままだったかもしれ ない。

神奈川県内で働く30代後半の会社員の場合、DVの被害を
訴えられないままでいる。妻の暴言が始まったのは長女が
生まれてから。「バカがうつる」と言われ、母親との 絶縁など
無理な条件が並ぶ誓約書を書かされ、まもなく自宅を
追い出された。それから2年。会社員は今も月収の半分を
超す30万円を毎月の養育費として支払い、自分は
風呂なしのアパートで暮らす。

「『子どものため』と言われれば養育費を払うしかない。
プライドが邪魔して、相談もできない」

■DV被害10%は男性

警察庁によると、DVの被害は年々増え続け、14年には
過去最多の5万9072件に上った。そのうち男性は
10・1%で、10年の2・4%から4倍に増えた。
最高裁のまとめでは、「相手からの暴力」で離婚を
申し立てた夫は00年度の882件から14年度の1475件へと
増加。一方、妻は1万3002件から1万1032件へと減った。

なお被害者の9割は女性だが、男性の被害は明らかに
なりにくい背景もある。

内閣府が14年度に実施した男女間の暴力についての
アンケートでは、配偶者からの被害経験は女性が23・7%、
男性が16・6%。そのうち「相談しなかった」と答えたのは

女性の44・9%に対し男性は75・4%。男性の方が
1人で抱え込む傾向がうかがえる。

男性からのDV相談も多く受ける森公任(こうにん)
弁護士は、男性の被害者に対する世間の理解不足から
「離婚したい場合、現場をとらえた写真や音源といった
客観的証拠が女性以上に重視される」と指摘する。

自治体も対策に乗り出している。東京都が運営する
東京ウィメンズプラザでは01年6月から男性専用の
夜間電話相談を開設。今年度からは週1回の面接相談を
始めた。京都市も13年度に男性職員が相談に乗る
電話窓口を設けた。北海道では昨年末以降、男性が
入れる「一時保護施設」を社会福祉法人の一室に準備した。

夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さんは「男性は社会的
地位が影響し、公的機関や勤務先に頼るケースは極めて
少ない。職場で『家庭内さえ管理でき ない』と見なされ、
出世を阻まれたり失職したりするのを極度に恐れて口を
閉ざすのが大半」と分析する。そのうえで「離婚できない
状況であれば、職場に単身 赴任を願い出たり遠くに
住む親の介護を装ったりして別居する道もある。
子どもを含む被害を減らす方法だ」とし、男性が暴力の
被害を言うことは恥ではないと強調する。(高橋美佐子)

     ◇

 《DV防止法》 夫婦や恋人の間での暴力
(ドメスティック・バイオレンス=DV)の被害者保護と
自立支援を目指して2001年4月、超党派の議員立法で
成立した。被害者の申し立てにより、必要なら加害者に
被害者への接近禁止や住宅からの退去などの
「保護命令」が出る。これまでに3回改正され、加害者の
対象が離婚した元パートナーや同居相手にも拡大した。
この法律に基づいて全国の婦人相談所などに置かれた

「配偶者暴力相談支援センター」への相談は、14年度に
10万件を突破した。


■男性のためのDV電話相談窓口

東京都 ※東京ウィメンズプラザで受け付け

 月・水17:00〜20:00(祝日・年末年始除く)

 電話03・3400・5313

京都市

 毎月第2・第4火曜19:00〜20:30受け付け終了(祝日・年末年始除く)

 電話075・277・1326

神奈川県

 月・木18:00〜21:00(祝日除く)

 電話0570・783・744

横浜市 ※性別を問わない

@月〜金9:30〜12:00、13:00〜16:30(祝日除く)

 電話045・671・4275

A月〜金9:30〜20:00、土・日・祝日9:30〜16:00(第4木曜除く)

 電話045・865・2040

関連記事です。
「別れない。怒らせる妻が悪い」DV加害者は変われるか

201509232.jpg

パートナーから暴力(DV)を受けても、経済的な不安や子どもへの
影響を考えて別れない女性は少なくない。こうした女性の中には

「夫に変わって欲しい」と願う人もいる。
加害者に対する教育の取り組みは進んでいるのか。

■「自分は配偶者より優秀で正しい」

関東地方に住む男性会社員(41)は7年ほど前、
妻(53)からこう切り出された。

「あなたのしていることはDVです。ここに行ってくれないなら
離婚します」

妻を殴った直後に、加害者教育を受けるよう迫られたのだ。
妻が勇気を振り絞っているのがわかった。

殴ったのは良くなかったかもしれない。でも、怒らせる妻も
悪いのではないか。とにかく絶対に別れたくない……。
さまざまな思いがわき起こったが、2010年1月、
妻の要求に従うことにした。

男性が通い出したのは、民間団体「アウェア」(東京都)が
行っている加害者教育。毎週1回2時間のプログラムで、
料金は1回3千円かかる。被害者であるパートナーが
「十分に変わった」と言うまで通う決まりで、妻の求めで
来る人が多かった。

他の参加者らの前で自分の行為を話すと、
「都合の良いことしか言っていない」と突っ込まれたり、
「こうしたらうまくいった」と助言されたり。
これを毎週繰り返すうちに、DVの加害者だという
自覚が出てきた。

「夫の方が偉い」という価値観があり、妻が自分の意見を
聞き入れないと「なんでわからないんだ」と殴った。
「妻は夫を最優先にすべきだ」と考え、 電話に出ないと
怒鳴った。「妻はいつも笑っているべきだ」と思い、不機嫌
そうだと馬乗りになって暴力をふるった。自分の価値観が
正しいと思い、相手の気持ちは考えもしなかった。

アウェアの加害者教育では、力を使ってパートナーを
自分の思い通りにすることがDVだと徹底して教える。
その「力」は殴る蹴るといった身体的暴力だけでなく、
言葉で相手を否定する精神的暴力、お金を借りさせる
経済的暴力、性的暴力もある。

男性は身体的暴力をやめ、一時期は増えた精神的暴力も
減ってきた。男性の顔色を常にうかがい、うつ病にも
なった妻が半年前からアウェアの被害者支援を受ける
ようになったからだ。少しずつ自信を取り戻した妻は
「今の言い方は怖かった」などと言えるようになり、
男性が態度を変えるきっかけになった。

妻は「DVが完全になくなったとは今も言えないが
暮らしやすくなった。被害者が加害者に『教育を受けて』と
言うのはとても勇気がいる。行政や司法で受けさせる
仕組みができれば、救われる人が増えるはずだ」と話す。

アウェアの吉祥眞佐緒(よしざきまさお)事務局長によると、
加害者の男性には共通の傾向がある。
「自分は配偶者より優秀で正しい」という思いがあり、
「家事は女性がすべきだ」などと男女の固定的な役割

分担意識が強い。暴力を「相手のせいだ」と
責任転嫁する人も目立つという。

プログラムは、こんな意識を捨てて相手を尊重することを
目指す。「被害者が逃げることが日本のDV対策の中心に
なってきたが、逃げられない人も少なくない。
効果は簡単に出ないが、加害者教育を望む人に応える
必要がある」と吉祥さん。

一方、加害者教育には課題もある。プログラムを受けた
加害者を被害者が過度に信用し、かえって危険な目に
あう恐れが指摘されている。アウェアの場合、
「簡単には変わらない」ことを被害者に事前に伝え、
危険だと判断したら警察や被害者に連絡する。

加害者教育を行っている民間団体は全国に少なくとも
十数団体あるとされる。DV対策を担当する内閣府は
今年度、民間団体の質や教育内容の調査に初めて
乗り出す。教育内容や被害者の安全確保策などを
聞き取ったうえで、有識者で協議。ガイドラインづくりも
視野に入れている。

法務省は 08年度から、暴力犯罪を繰り返して

保護観察中の成人に教育プログラムの受講を
原則義務づけた。だが、「配偶者だけに暴力を振るう人が
多いなど、DVは他 の暴力とは違う特徴がある」という
意見を受けて教育内容を検討。今年度から保護観察中の
DVの加害者に対し、教育プログラムにDVも加えた。

法務省のプログラムでは、保護観察官が1対1で指導。
「パートナーが遅く帰ってきた」といった具体的な場面で、
どういう態度を取るべきなのかを考える。民間とは違い、
このプログラムを受けないと仮釈放や執行猶予を
取り消すなど強制力がある。

全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた
DVの相談件数は増え続け、14年度には10万件を
突破した。DV問題に詳しいお茶の水女子大の
戒能民江(かいのうたみえ)名誉教授は
「DV加害者のうち、民間や国の教育を受ける人は
ごく一部。多くの人は自分が加害者だと気づいていない」と

指摘。 「DVは重大な人権侵害だと、社会全体の意識を
変える必要がある」と訴える。(長富由希子)


コメントです。
私的な感想ですが、ここ十数年、繁華街で夜遅くまで
時間を過ごすミドルエイジの既婚女性が増えた気がします。
それ自体は特に問題はないですが、夜遅くまで外出して、
家族の方々はどう思っているのか疑問に感じていましたが、
今日の記事を読んでその事情の片麟に触れた気がします。
また、記事内での女性は年齢的にバブル世代。
たいへん華やかな時期の若い頃を過ごした方々ですから、
そのことも影響しているのかもしれませんね。
さて、DVに関して男性は圧倒的に声を上げにくいと
ありますが、
どうか公的機関などを利用して、
早急に身辺整理をすすめて生活の建て直しを
図ってほしいですね。



posted by salsaseoul at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年09月19日

少年非行は「スマホの有害情報が問題」69% 内閣府調査、前回より22ポイント増

産経新聞 2015.9.19
内閣府は19日付で少年の非行に関する世論調査結果を
発表した。「どのような社会環境が問題か」と尋ねた質問
(複数回答)に「スマートフォンやインターネットの普及で
有害情報を手に入れられる」と答えた人が69・8%に
上り、2010年の前回調査より22・5ポイント増えた。

他にも
スマホとネットの影響で「見知らぬ人と出会える」(62・5%)
「少年の交友関係や行動が把握しにくい」(50・8%)との
回答が上位を占めた。

5年前から増えていると思う少年非行(複数回答)については
「掲示板に犯行予告や誹謗中傷の書き込みなどネットを
利用したもの」が63・0%と最多。
「自分の感情をコントロールできずに行うもの」は52・7%だった。

最近の少年の問題点(複数回答)については「忍耐力がなく、
感情をコントロールできない」が67・4%で最多。
「他人とのコミュニケーションがうまくできない」(53・5%)、
「自己中心的で相手の立場を理解しない」(51・8%)が続いた。

調査は7月23日から8月2日まで実施し、全国の20歳以上の
男女3千人が対象。回答率は59・1%だった。

コメントです。
今日の記事題目に少し付け加えると、正確には
『ネット上の有害情報がスマートフォン経由で… 』が
正解でしょう。
ただ、スマートフォンの使用が有害情報の取得に
至らなくても、中高生が自転車を乗りながら
スマートフォンを使用するなど、あれだけ使用時間を
費やしていること自体は有害にならないのでしょうか。
社会人が勤務時間内にスマートフォンを
私用利用する
時間も、経済損失として換算したら相当なものです。



posted by salsaseoul at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年09月18日

小学生の暴力行為、1万1千件で過去最多 昨年度調査

朝日新聞 2015年9月16日

201509181.jpg

昨年度の小学生の暴力行為は1万1468件で、前年を約5%
上回って過去最多となった。文部科学省が16日、国公私立の
小中高校を対象にした「問題行動調査」の結果を発表した。
中高生の暴力が大きく減ったのとは対照的に、増加に
歯止めがかからなかった。

小学生の暴力の内訳は、児童間が7113件、対教師が
2151件、器物損壊が1997件、それ以外の人への暴力が
207件。教員を何度も蹴る▽文具を隠したことをきっかけに
殴り合う▽登校中に雪玉をガラスに投げて破損させる
――などの例があった。暴力があった小学校は、校内に
限っても全体の12% にあたる2499校にのぼった。

文科省は、繰り返し暴力をふるう子や感情のコントロールが
できない子が増えていると分析。
貧困などの課題を抱える家庭が増え、小学校入学前に
言葉で
意思を伝えさせるなどの家庭教育が十分で
ないケースが
目立つという。
加害者数を学年別にみると、小6は前年度より減ったが、
小1は5年前の2倍以上に増えた。

一方、中学生の暴力行為は3万5683件(前年度比11・3%減)、
高校生は7091件(同13・6%減)。減少は、非行集団が減った
影響などが考えられるという。小中高生の合計を都道府県別に
みると、千人当たりの発生件数が最も多かったのは大阪府の
10・6件。最少は秋田県の0・6件だった。

暴力行為以外の調査では、小中高校生の自殺が230人。
原因とみられる状況は「進路問題」が21人、「家庭不和」が20人。
「いじめ」も5人いた。全体の人数は前年度を10人下回ったが、
小学生は3人増えて7人だった。

小中学生の不登校は計12万2902人(前年度比3285人増)。
小学生は千人当たり3・9人で過去最多だった。

例年、いじめの認知件数も聞いているが、岩手県矢巾町で
中学2年の男子生徒が自殺した問題を受けて再調査しており、
発表は10月末ごろの見通し。(高浜行人)

     ◇

■「怒り」理解させる試みも

小学生の暴力行為が増え続け、昨年度は1万1468件で
過去最多となった。ささいなきっかけで突然、周りにキレる児童。
感情を抑える方法を教えて防ごうとする学校もある。

今月初め、東京都内の小学校。2年生のクラスで担任教員が
計算のテストを返していると、「ぎゃーっ」と大声がした。
後ろに座る男子から急に背中を殴られた子が、悲鳴を上げた。

男子は「テストで×が多くて腹が立った」という。
以前から、教員が注意すると突然たたいたり、
「給食のおかずが少ない」と係の子を蹴ったりしてきた。

埼玉県内 の小学校で1年生を担任する教員は6月、
男子に突然、「何すんだよ!」と殴りかかられた。
教室で下を向く男子の肩に触れ、「どうしたの?」と声をかけた
直後だった。この子は普段から廊下で教師らに、「死ね」
「うぜぇ」と言葉を浴びせる。
「見えない攻撃の針がいくつも出ているよう」と担任は言う。

「暴力以外の解決方法を知らない子が増えている。
やりたいことをどうしたらうまくできるか、周りの大人が
教えていない」と都内のベテラン教員。別の学校の校長は
「教員の指導力が下がった」。担任が替わった途端に
落ち着くケースも多いという。

感情を抑えられない児童たち。東京都品川区では
2009年度から、全区立小学校で「怒り」をコントロールする
授業を続けている。

「これはどんな気持ちかな?」。
様々な表情の顔写真を見せ、感情を考えさせる。
また「友達が遊ぶブランコを、自分も乗りたい時はどうする?」
など と問いかけ、「順番で使う」「『乗りたい』と言う」と解決策を
考えさせる。怒りの感情を理解した上で、
「衝動的に殴ってはだめ」と教える目的があるとい う。

NPO法人「日本こどものための委員会」(東京都)が研修会を
開き、教員にこの指導方法を広めている。同法人の研修は近年、
全国で年800人ほどの教員が受けている。

埼玉県東 部のある学校では今春、児童の生活情報を
書き込む「指導連絡掲示板」を教職員専用のネットシステム上に
つくった。「○月×日 友達とけんか。保護者に連絡 済み」と
いった情報を学校全体で共有するためだ。「高圧的な指導は
かえって子どもの暴力を呼ぶ。各自の家庭環境や心情を教員が
理解しないと」と校長は話す。

いじめや暴力など、子どもの問題行動に取り組む専門の教員を

小学校に配置する自治体もある。横浜市は、児童の生活指導や
保護者との連絡を主に担う「児童支援専任教諭」を10年度から
全市立小学校に置く。「児童の問題行動が学校全体でしっかりと
把握できるようになり、対策も取れるようになった」と市教委の
担当者は言う。
同様の教員は川崎市、相模原市も配置を始めている。

     ◇

■他者への共感乏しく

〈村山士郎・大東文化大名誉教授(教育学)〉 
小学校低学年でも携帯やスマホ、 テレビゲームに夢中に
なり、真の感動体験が減っている。
その結果、自分を見つめたり、他者と共感し合う言葉や
表現力が乏しくなったりして、ちょっとしたこ とでキレやすく
なっているのではないか。学力調査の結果を競うなど過度な
競争や、貧困の拡大で家庭でかまってもらえず荒れるケースなど、

社会的要因も考え られる。こうした要因を軽減する取り組みが
なければ、子どもたちの中にたまった攻撃性の「マグマ」は
収まっていかないだろう。

■人間関係育む指導を

〈中村豊・関西学院大教授(生徒指導)〉 学級担任が多くの
教科を教える小学校は、生徒指導も担任に多くを任せる
文化がある。ベテランの大量退職に伴い若手の担任が増え、
保護者が体罰的 な指導に敏感になっていることもあり、
厳しい指導をためらっているのではないか。生徒指導担当教員の
追加など校内の指導体制を整えるとともに、子どもの人間関係を
育む指導方法にも気を配るべきだ。一方、増えたのは軽微な

ことも隠さず報告するようになった結果とも言える。
件数の多さを正しく評価する社会の意識も必要だ。


コメントです。
小学生の暴力行為増加傾向の記事です。
本文にもありますが、原因として、貧困による
家庭での教育不足、有害玩具(スマートフォン等)に
よるものなどさまざまな要因があります。
いずれにしても、先進国を目指した結果、
それから生じた多くの歪みが、一番弱い児童に
のしかかって今日の記事の事例に至ったのでしょう。
そうなると、社会は何のため豊かさを目指したのか
わかりませんね。




posted by salsaseoul at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年09月14日

[東日本豪雨]被災地で空き巣横行 うわさ話も飛び交い住民に不安

産経新聞 2015.9.13

鬼怒川が決壊した茨城県常総市の被災現場で、住民が避難して
不在の隙を狙った火事場泥棒ともいえる空き巣被害が相次いでおり、
県警常総署が警戒を強化している。

常総署によると、13日までに十数件の被害が報告されている。
10日の避難直後で、本石下地区や若宮戸地区で多くの申告があり、
パトロールを強化してからは減少傾向にあるという。

戸締まりをしてから避難した若宮戸地区の男性は11日午後1時頃に
自宅のようすを見に帰ると、窓がこじ開けられていたという。

男性は「貴重品は持って避難したのでよかった。人が災難で
苦しんでいるときに、盗みを働くなんてろくでもない。
卑怯(ひきょう)だ」と怒りをあらわにした。

同市小保川から避難している女性(55)は、同じ敷地内に
住む伯母(90)の家に空き巣が入ったという。
「慌ただしく伯母を連れて出たので、鍵を閉め忘れてしまった。
捜査が終わるまで片付けもできない…」とため息をついた。

鬼怒川の堤防決壊で浸水した常総市新石下の実家と同僚の
家の片付けに来たつくば市の男性教諭(45)は、
「『自衛隊員の服装をした空き巣がいるらしい』というような
噂話があちこちで飛び交い、みんな不安に感じている」と話す。

男性は「つくば市に避難するよう両親に促したが、
『泥棒が心配で、夜は家をあけられない』と自宅にとどまっている。
食事やお風呂などは、被害のなかった知人の家に
通わなければならず、疲れがたまっていると思う」と、
高齢の両親を気にかけた。


コメントです。
東日本豪雨の話題です。
日曜日ぐらいから、朝刊やニュースで
被災地へのボランティア募集がありましたが、
善意の皮をかぶった悪人がいないかと
少し心配していましたが、違う形で心配が
当たってしましました。
情けないかぎりです。
あまりにも情けなくて
脱力してしましました。
また、記事にもありますが、
自然発生した不確かなうわさも、
被災住民を悩ませる要因のひとつですね。







posted by salsaseoul at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年08月19日

ひき逃げで免許取り消し 最悪ペース、目立つ20代 兵庫県15年上半期

神戸新聞 2015/8/19

201508192.jpg201508193.jpg


ひき逃 げ事故を起こして運転免許を取り消された兵庫県内の
処分者が、今年上半期(1〜6月)で61人に上り、過去10年間で
最多だった昨年(年間111人)の上 半期と同数だったことが、
県警への取材で分かった。厳罰化を図るため、免許を再取得
できない「欠格期間」が2009年に引き上げられた後、一時的に
減った が、その後は増加傾向が続いている。

道交法には、運転中に人身事故を起こした場合、応急手当て
を施したり、警察に報告したりするなどの「救護措置義務」が
定められ、違反すれば免許取り消し処分を受ける。

飲酒運転による死亡事故や悪質なひき逃げ事故などを受け、
09年に道交法が改正され「欠格期間」が最長5年から10年に
引き上げられた。08年に86人だった処分者は10年には
67人に減少したが、11年以降は右肩上がりを続けている。

県警が上半期に処分された61人の逃走理由を分析したところ、
最多の17人が「処罰を受けるのが嫌だった」と説明。
「怖くなった」(13人)や「保険に未加入・賠償できない」(9人)、
「大したけがではないと思った」(8人)も目立った。

年代別で見ると、
20代が24人で最も多く、
65歳以上=10人
▽40代=9人
▽30代=8人
▽10代=4人−と続いた。

上半期に発生したひき逃げ事故は598件で、
4人が死亡、279人が重軽傷を負った。県警は
「事故を起こしても、すぐに届け出ることで助かる
命もある」とし「免許の取り消しで仕事や家庭を失う
ケースも多い。絶対に逃げないで」と呼び掛けている。(初鹿野俊)




posted by salsaseoul at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年08月14日

学校のトラブル「先生のせい」? 増える共済・保険加入

朝日新聞 2015年8月14日

20150814.jpg


学校のトラブルで訴えられたり、賠償金を請求されたりする事態に備え、
教職員向けの共済・保険加入者が増えている。
従来、責任を問われるのは学校の 設置管理者である自治体や
学校法人だったが、専門家は「個人に責任を求める動きがある」と
指摘。自分の身は自分で守るという意識の高まりが、加入者増の
背景にあるようだ。

教職員賠償共済・保険は「生徒間のケンカの対応が不適切だと
保護者から損害賠償を求められた」など、教職員が業務中の
トラブルで訴えられた際の弁 護士費用や賠償金を補償。
「プールの栓を閉め忘れ、自治体から水道料金の一部支払いを
求められた」「校外学習のため給食を止めるべきだったのに失念した」
など、訴訟に至らないケースの補償もカバーする。

全日本教職員組合共済会が2002年度から月150円の掛け金で
始めた「教職員賠償責任共済」は、初年度の加入者4827人から
14年度は3・8 倍増の1万8479人に。
「大きく宣伝していないのに伸びている」と今谷賢二専務理事は
言う。「個人の責任を追及されるかもしれないという漠然とした
不安 が現場に広がっている」

教職員共済生活協同組合は11年度に参入。死亡保障などを
備えた総合共済に賠償保険を盛り込んだ。掛け金は月100円
増えたが、毎年4千〜5千人 台だった新規加入者は7千人台に
増え、14年度は8500人を超えた。総合企画部の小林康之部長は
「教育現場のニーズに驚いている。危機感は想像以上だ」 と話す。

■教員の「お守り」

本来は自治体など設置管理者がカバーするはずの学校トラブルの
賠償に、教員個人が備える教職員賠償共済・保険の加入者が
増えている。世間の教員に対する厳しい視線を意識し、
「お守り」として加入していると、専門家は指摘する。

関西の60代の元小学校長は現役時代、いじめをめぐる
対応を保護者に批判され、裁判に訴えられた。

 部下の教諭が児童の交換ノートに特定の子の悪口が
書かれていることを知り、記入した児童らを指導したところ、
保護者から「指導にかこつけた虐待だ」と非難された。

訴状にある被告欄には、部下とともに元校長が名を連ね、
「対応が不適切」と1千万円超の賠償を求められた。公務上の
トラブルであり、教育委員会が 守ってくれると期待したが
「訴訟費用は出せない」と言われた。裁判では「小学校側の
対応は合理的で何ら違法なものとはいえない」と勝訴したが、
心は晴れな い。

教員になったころは「保護者が見守ってくれている」という
思いがあった。今は「教育委員会に訴える」と迫る
保護者が増えたと感じる。「みんな、いっぱいいっぱい。
追い詰められ、漠然とした不安を抱えている」と言う。

甲南大教職教育センターの古川治教授(教育経営学)の
研究グループは昨年、大阪府の公立学校長にアンケートし
「訴訟に備えて損害賠償責任保険への 加入が必要と思うか」と
問うた。回答者844人のうち47%が「すでに加入」、28%が
「これから入りたい」と答えた。「校長の75%が自分の身は
自分で 守らなければいけないというのは、いかに現場が
大変かというのを物語っている」と古川教授は言う。

諸富祥彦・明治大教授(教育臨床学)は「学校教育はサービス業で
あるとの認識が広まり、保護者や地域の目は厳しさを増している。
かつて教員は安定志向の人が就くことが多かったが、もはや
覚悟が必要だ。ストレスばかり増す教員にとって、
保険はお守りのようなものだろう」と話す。(長野佑介)

■教職員賠償の給付例

学校行事の駐車場用地として、教員が空き地の草刈りを
していたところ、石が飛んで隣接の駐車場の車数台を
傷つけてしまった

・卒業アルバム作成時に生徒の名前に誤りがあったが
発見できず、修復が必要になった

・運動会の組み体操の練習中、生徒がメガネを外して足元に
置いていたところ、気づかず踏んで壊してしまった

・校外学習のため給食を止めるべきだったのに失念した

※教職員共済への取材による。学校や教育委員会の判断に
よって必ずしも個人負担になるとは限らない


関連記事です。
「先生触らないでください」 教え子らへのセクハラ深刻


201508141.jpg

 学校の教職員による性的な嫌がらせ「スクールセクハラ」が
深刻化している。わいせつな行為で懲戒処分や訓告を
受けた公立学校の教職員は2013年度、初めて
全国で200人を超えた。私立学校は含まれず、
「氷山の一角」だ。

「俺に見放されたら、お前は終わるぞ」

 「そんなにベタベタ触らないでください!」

 数年前、都内の高校に通っていた20代の女性は
初めて、その男性教諭に強い口調で抗議した。
この教諭は授業中、女性の肩をもんだり頭をなでたり、
ほおや足を触ったりしてきた。

その様子は、他の生徒も目撃していたが、教諭は気に
していないように見えた。女性は「これってセクハラじゃ
ないの?」と迷いながら、受験への影響も考え、耐えていたという。

だが、この日は我慢できなかった。教諭が女性の机に
近づいてきて、制服のブラウスの中に手を入れ、背中を
触ってきたのだ。女性が抗議すると、教諭はこう言った。
「俺に見放されたら、お前は終わるぞ」

翌日から、学校に行けなくなった。眠れなくなり、食欲も
なく下痢を繰り返した。嘔吐(おうと)が止まらないこともあった。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

教諭は退職したが、教え方は上手で、人気があったため、
女性を責める同級生もいた。「なぜ私が責められるのかと
思うと、むなしかった」と女性は言う。卒業後に1浪し、
知人のいない遠方の大学に進学した。

両親の後押しで裁判に訴えた後も、苦痛は続いた。
教諭は、女性が反抗的な性格だったと非難し、
「スキンシップだった」「親しみを込めた表現だっ た」などと
主張。頭以外を触ったことは認めなかった。裁判所は、
不快感を与える身体的な接触があったことを前提に
和解を勧め、数十万円の支払いで和解し た。

今は会社員として働く女性は「誰かが嫌だと言わないと、
また同じことが起きると思った。友人を失ったのは
つらかったけど、訴えたことで自信につながった」と話す。

性暴力に詳しい打越さく良弁護士は「セクハラを訴えると、
被害者が人格攻撃され、品行方正な女性だったかどうかを
問われる構図がある」と二次被害を指摘する。
「周りの人が説得して泣き寝入りしているケースも多い」という。

■公立校教職員の処分最多

 「部活のときに触る」「肩をもむ」「身体的な特徴を言う」……。
教員と保護者が班になり、スクールセクハラにあたる
と感じる行為を挙げていった。

17日、大阪市の市立我孫子中学校(生徒数444人)で
あった人権の研修会。講師は、NPO法人
「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワーク」
代表の亀井明子さん(67)だ。学校とPTAが「若い先生にも、
職を失う前に知っておいてほしい」と開いた。
30代の男性教諭は「セクハラになるかどうかの感覚が人に
よって違うと分かり、役に立った」と話した。

文部科学省の調査では、13年度に全国の公立小中高校や
特別支援学校で、強制わいせつや盗撮などで
懲戒処分・訓告を受けた教職員は過去最多の205人
(うち免職は117人)。私立や国立の学校は調べていない。

わいせつ行為の相手は、「自校の生徒」が77人(38%)で
最多。「自校の児童」(16人)などを含めると、「教え子」は
半数にのぼる。内容は「体に触る」が56人で最も多かった。
電子メールなどによる性的嫌がらせも増えている。

文科省が、現在と同じ方法で集計を始めた1988年度は
17人だった。01年に兵庫県の公立中学校の男性教諭が、
大阪市の中学1年の女子生徒に手錠をかけて連れ回し、
死亡させた事件が起きた。
これを機に、「原則として懲戒免職」という厳罰化に転じた。

広島県では08年、多数の女児に強姦(ごうかん)などを
繰り返していた小学校教諭が逮捕された。
県教委は09年、スクールセクハラと体罰の相談窓口を設置。

教職員向けの研修マニュアルも作り、各学校で実施している。

神奈川県は06年度から、県立学校の生徒を対象に、3年おきに
セクハラアンケートを実施し、被害の把握に努めてきた。
13年度からは毎年に変更。14年度の「先生」からの被害数は
19件と、前年度の36件から減少した。「アンケートを配布する
ことで、抑止効果にもつながった」とみる。

ただ、こうした対策は自治体によって差がある。
亀井さんは「200人の処分でも、1人が2人に加害行為を
していれば、被害者は倍になる。
表に出ているのは氷山の一角」とみる。

同ネットは、教員や児童心理の専門家らで98年に結成し、
母親を中心に年間約100件の相談がある。
だが、学校に訴えられない母親らが目立つ。処分されずに
教諭が転任し、別の学校で繰り返すこともあるという。

横行する理由について、元教諭の亀井さんは
「指導という名目での身体接触が多いため」と話す。
多いのは演劇部やコーラス部など、部活動の場面。
体に触りながら稽古したり、「全国大会に出るため」などと
正当化したりする例だ。

被害を受けたら、どうすればいいのか。

 亀井さんはまず校長への相談を勧める。
信頼できない場合は、先に教育委員会に相談してもいい。
ただ、「なかったこと」にされるケースもあるため、
同ネットのような第三者にも相談しておくと安心だという。
学校の対応は改善されてきたといい、
「今後は予防に力を入れてほしい」と期待する。(杉原里美)





コメントです。
十数年前から「モンスターペアレント」なる言葉が
生まれ、そして関連記事にあるように、性犯罪を
犯す犯罪者教師も相当数出てきて、いずれにしても
社会が相当病んでいますね。
最近の教育現場は、客観的に見て勝者はなく、お互いが
傷つけあう場所になって感があります。
もちろん、まじめに頑張っている方々が大部分なのは
間違いありませんが、何か、以前はなかった気持ち悪い
雰囲気が教育現場にあるのも事実です。





posted by salsaseoul at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年08月12日

子供自殺、9月1日最多 長期休み明けに集中 国調査42年分

朝日新聞 2015年8月12日


18歳以下の自殺人数を日付別に分析したところ、9月1日が
突出して多く、夏休みなど長期休暇が明けた時期に集中して
いることが内閣府の調査でわかった。増加傾向がみられる
8月下旬から9月上旬を前に、文部科学省は今月4日、
児童・生徒への見守りを強化するなど重点的な対応を求める
通知を全国の都道府県教育委員会に出した。

 1972〜2013年の42年間に自殺した子どもの総数は
1万8048人で、日付別に合計した。最も多かったのは
9月1日(131人)で、
4月 11日(99人)、
4月8日(95人)、
9月2日(94人)、
8月31日(92人)が続いた。
7月下旬から8月上旬は40人以下の日が多いが、
8月20日 以降は連日50人を超えていた。夏休みや
春休みなどの終わりが近づくと、自殺者が増える
傾向が浮かび上がった。

内閣府は「環境が大きく変わり、プレッシャーや
精神的動揺が生じやすいと考えられる」と指摘。
長期休業の期間に合わせて、児童・生徒の見守りを
強化したり、相談に応じたりすることが効果的だと提言した。

内閣府によると、大学生も含めた学生・生徒の自殺数は
14年の1年間に866人で、このところ減少傾向にある。
大学生が428人を占め、専修学校生など109人、
高校生213人、中学生99人、小学生17人。
原因別では、小中学生は「家族からのしつけ・叱責(しっせき)」
「学校の友人との不和」が目立ち、高校生になると
「学業不振」「進路に関する悩み」が増える。

 (太田泉生)

 ■18歳以下の自殺者が多い日

(1)9月1日  131人

(2)4月11日  99人

(3)4月8日   95人

(4)9月2日   94人

(5)8月31日  92人

(1972〜2013年の自殺者数を日付別に合算。内閣府調べ)


20150812.jpg

夏休みなど長期休暇が明ける前後に、子どもの自殺が増加する
傾向が、内閣府の調査で裏付けられた。いじめ対策や子どもの
支援に関わってきた人たちは、「子どもの異変に敏感になって」と
呼びかけている。

 「実感通りの数字だ。休み明けに多くの子どもが自殺している
現実を知ってほしい」。いじめ問題に取り組むNPO法人
「ジェントルハートプロジェクト」理事の小森美登里さん(58)
=横浜市=はそう話した。

 1998年の夏休み中に、長女の香澄さん(当時15)がいじめを
苦に自殺。教員や保護者への講演に取り組んできた。
子どもの命を守るために「最も大事」と強調するのが夏休みだ。

「いじめに苦しむ子どもは、学校が始まる日を指折り数えて
追い詰められている」。いじめが解消していると期待して
登校したが変わらず、その落胆が自殺につながっていると見る。

「子どもは親に悩みを話しにくいため、学校の役割が大きい」と
小森さんは言う。先生がいじめに気づいたら、被害者に会って
「あなたをこうして守る」と伝え、その子が納得したら、具体的な
行動を取るべきだという。

小森さんは娘が苦しんでいると気づき、必死に支えようとしたが、
自殺するとは思ってもみなかった。「いじめが心を深く傷つけ、
生きる力まで奪うと気づいていなかった。
命に関わるという認識が大切です」

どうしたら、異変に気づけるのか。不登校の子らの居場所を
川崎市で運営するNPO法人「フリースペースたまりば」の
西野博之理事長(55)は「日常からアンテナを立てていないと、
子どものSOSに気づきにくい」と指摘する。

起床が遅くなったり、元気がないように見えたりしても、
大人は「怠けているだけ」などと見過ごしがちだ。

だがいじめや勉強の重圧など悩みを抱えている場合もある。
腹痛などの身体症状もあったら要注意。問いただすのではなく
寄り添って気持ちを打ち明けやすいようにしてほしいという。

西野さんは「学校は命を削ってまで行くところではない。
本当につらい時はちょっと休むことも考えて」とアドバイスする。

 (太田泉生)

 
■全国共通の子ども向けの電話相談

 ○24時間子供SOSダイヤル

 0570・0・78310(通話料が必要、保護者も可)


 ○チャイルドライン

 0120・99・7777
(月〜土曜の午後4〜9時、通話無料、18歳まで)




posted by salsaseoul at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年07月29日

(日曜に想う)肥満のトカゲ、垂れたカキ 特別編集委員・山中季広

朝日新聞 2015年7月26日

「白紙撤回にどう臨む」「再コンペに挑む気は」。
新国立競技場問題で局面が動くたび、ロンドンのザハ・ハディド
建築事務所に問い合わせをした。

返事らしい返事はもらえなかった。代わりに別の建築家から、
ハディド事務所幹部がフェイスブックに投じた謎の一文を教えられた。
「槇と伊東はこの件で記憶されるだろう」

捨てゼリフらしい。名指しされた建築家、槇文彦氏と伊東豊雄氏に
ついてはハディド氏当人が昨年暮れ、英デザイン専門サイトに
怒りをぶちまけている。両氏ら5人を日本の「偽善者」と呼び
「自分たちは海外で盛んに仕事しながら、東京の国立競技場は
外国人に建てさせようとしない」と非難した。

槇氏は2年前の夏、競技場事業の進め方に疑問を投げかける
論考を発表した。東京都豊島区の多児貞子さん(69)は
深く共鳴した。槇氏の講演を聴いた知人らと「神宮外苑と
国立競技場を未来へ手わたす会」を立ち上げた。

多児さんはかつて東京駅赤レンガ駅舎保存に黒衣として
携わった。「日本では歴史ある建物を深く考えずに
壊してしまう。保存を求めて担当者にかけ合うと困った顔を
される。『もう決まったこと』『上が決めたこと』。
国立競技場問題でも似た顔をされました」

「手わたす会」は旧競技場を改修して使うことを目標にすえた。
解体された後は、ハディド案の見直しを訴え、勉強会を開いた。
「これから先が大切。やり直しコンペで、同じお偉方が市民の
声を吸い上げないまま同じ感覚で選ぶとしたら大問題です」

たしかにイチからやり直すというのに、混迷を招いたお偉方は
だれも退場していない。「明確な責任者が誰かわからないまま
来てしまった」と文科相が 言えば、「誰に責任があるとか
そもそも論は言わない」と首相がかばう。60億円近い大金を
ムダにされた下々には納得しがたい展開である。

大艦巨砲、干拓、ダム、五輪。戦前から日本では国策と
なるとお上がブレーキを失う。
破綻(はたん)するや「内心は反対だった」と言い訳する。
あげく「状況が変わった」「誰も悪くない」とかばい合う。
これを無責任の体系と呼ぶ。

    *

改めて調べてみると、ハディド作品は海外でも盛んに
物議を醸していた。

たとえばスイスの古都バーゼルでは音楽堂だった。
コンペで選ばれたハディド案に「宇宙船みたい」と批判が
噴出。有志が4千人の署名を集めて住民投票に持ち込んだ。
反対が6割を超え着工は見送られた。8年前のことだ。

有志代表のアレクサンドラ・ステヘリンさんは「奇怪な設計を
見て立ち上がった。中世以来の街並みが台無しにされる
ところでした」と振りかえる。進むも引くもお上が決めてしまう
日本とは好対照ではないか。

お隣韓国では、ハディド建築に対し完成後も不満が尾を引く。
東大門デザインプラザという公共施設だ。

現地を見た。曲線がうねうねと波打ち、巨体が周囲を圧する。
住民たちは「不時着した宇宙船」と酷評した。私の目には
「肥満のトカゲ」と映った。

「外観だけなら天下一品。でも建築士たちは曲面ばかりの
難工事に泣き、館内で働く人々は使い勝手の悪さに
泣いています」。
建築家の兪ヒョン準・弘益大学教授(45)は容赦ない。

そんなハディド作品が数々の国際コンペを制するのはなぜか。
「流線形のデザインがお偉方の功名心を刺激するからです。
斬新な建物を自分の治績にしたい、後世に名を残したいと
思う政治家が飛びつく外観なのです」

    *

さて森喜朗・元首相はあさって28日、マレーシアで始まる
国際オリンピック委員会(IOC)の会合に出席する。
2020年の本番に向け進捗(しんちょく)や意気込みを
語る晴れ舞台である。だがその場でなぜハディド案を

ほごにしたか説明を求められるのは必至だ。

「ドロッと垂れた生ガキのよう」「実は好きじゃなかった」。
稚拙な言い訳は切に控えていただきたい。


コメントです。
新国立競技場についての話題です。
ハディド氏批判が主な内容ですが、
コンペティションに勝ち抜くために
奇抜なデザインを書き続けて
まわりとの調和を考えないのも
どうかなと思います。
それから、そのデザインに乗って功名心を
上げようとする政治家ですが、基本、
思考がかなり幼稚みたいですね。












posted by salsaseoul at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年07月26日

性暴力の証拠をNPOが保管…大阪府が新制度

読売新聞 2015年07月26日


20150726.jpg

性暴力を受けた女性から採取した加害者の体液などを、
被害者が将来、被害届を出す時に備えて支援団体に
保存してもらう制度を、大阪府が今月始めた。
被害直後は警察への相談をためらう人が多い実情を
踏まえた試み。警察以外で証 拠物管理ができる制度を
整えた自治体は全国で初めてだ。

府の新制度では、府内の協力病院を受診した被害者が、
警 察に届けない意思を示した場合でも、本人の同意を
得た上で体液や毛髪を採取し、阪南中央病院(大阪府松原市)
内にあるNPO法人「性暴力救援センター・大阪」
(通称SACHICO)が一括して保管。その後に、被害者が被害届や
告訴を希望した時、証拠物として警察に提出できる仕組みだ。

保管方法は、証拠として有効となるように大阪府警の
助言を受けて、マニュアル化している。

協力病院では、被害者支援の研修を受けたスタッフが
対応する。現在は府南部を中心に4か所あるが、府内
全体にさらに5か所ほど増やす方針。協力病院は
同センターや自治体の犯罪被害者相談窓口で紹介
している。証拠物の採取と保管には金銭負担は発生しない。

この制度は、同センターが行ってきた実績に基づく。
同センターは、産婦人科医と支援員が24時間態勢で
対応し、場合によっては捜査機関などにつなぐ全国初の
支援施設として2010年に開設。4年間で来所した
強姦ごうかん・強制わいせつの被害者466人のうち、警察に
相談しなかったのは52%を占めるが、同意を得た
場合は証拠物の採取、保管を行ってきた。

こうした取り組みを受け、府は昨年7月から、大阪産婦人科
医会、大阪地検、府警などと協議。同センターに証拠物の
管理を正式に委託し、府内に拡大させることを決めた。

性犯罪の捜査では、加害者の遺留物のDNA型が
有罪判決の決め手となることが多い。一方で被害者は
身体的・精神的な傷などから警察への通報をためらう
傾向にある。後から警察への届け出を決意しても、証拠が
乏しく立証が困難となるケースも多いとされる。

14年の大阪府内の強制わいせつ事件の認知件数は
1189件、強姦事件は134件で、それぞれ全国ワースト
1位、2位。府の担当者は「証拠保存の観点から支援し、
被害者の思いを処罰につなげることで犯罪が隠され、
より深刻になることを予防できれば」と話す。

被害者から残留物を採取できる目安は3日間とされており、
センター代表の産婦人科医、加藤治子さんは
「証拠が採れる時間は限られている。精神的に落ち着いた
時期に届け出るケースに対応する仕組みが広がってほしい」と
している。

コメントです。
今日の記事は、犯人をきちん立証するために
NPOがアシストする内容ですが、被害者の
カウンセリングやアフターケアも連携して
行われるといいですね。
アフターケアに関しては少し調べてみましたが、
警察や各都道府県に支援団体が設置されて
いますけど、そこまで行き着くのには少々
わかりずらいです。
せっかく各機関を設けているのですから、
きちんと連携して一本のラインで被害者
支援にあたらないともったいないです。




posted by salsaseoul at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年07月23日

大阪市・人権博物館(リバティおおさか)の退去求め提訴へ 閉館の可能性も

朝日新聞 2015年7月23日


20150723.jpg
「リバティおおさか」の愛称で呼ばれる大阪人権博物館=大阪市浪速区


 大阪市は、大阪人権博物館(リバティおおさか、同市浪速区)を
運営する公益財団法人に対し、博物館が立つ市有地の明け渡しと
今年4月以降の賃料相当の損害金月約250万円の支払いを
求めて、23日にも大阪地裁へ提訴する。財団側は争う構えだが、
市と大阪府は2013年度から運営補助金も全廃。
閉館に追い込まれる可能性が出てきた。

リバティおおさかは1985年、府や市、部落解放同盟府連合会
などが出資する財団によって開設された。
部落差別問題のほか、ハンセン病患者や人種差別、いじめなどの
人権問題をテーマにしている。当時の写真や当事者たちの
証言ビデオなどが展示され、性的少数者(LGBT)の
人権問題にも取り組んできた。修学旅行や研修など、
開館30年で利用者は延べ約153万人に上る。

市は開館以来、小学校跡地の市有地約7千平方メートルを
無償で貸与してきたが、橋下徹市長が進める行財政改革の
一環で、無償契約は今年3月末で打ち切りに。
そのうえで年間約2700万円の地代と、約700万円の固定
資産税の計約3400万円を市側に支払うよう財団法人に
求めてきた。

しかし、今年度の事業収入見込みが4412万円しかなく、
支払い能力がないとして同館は拒否。市側は同館が
「不法占拠」の状態で運営を続けているとして、市有地からの
退去を求めて提訴することにした。

開館以来、同館には府と市から年間計1億〜3億円の
運営補助金が出ていた。
しかし「子どもが夢や希望を抱ける展示になっていない」
(橋下氏)などとして展示内容も問題視され、2013年度
からは府市の補助金も全廃された。

自主財源による運営を迫られる中、新たに地代と固定
資産税の負担を求められた館側は「行政権力による、強制的な
閉館を意図しているとしか言いようがない」と反発している。

コメントです。
リバティおおさかの立ち退きの話題です。
ここ、行った方は施設の雰囲気と空気が
わかると思いますが、
公共施設としては
少し品格に欠けるようです。

基本的に意図は理解できますが、展示内容や
運営方針が、公益財団法人の主観で形成
されていて、あまり中立さが感じられません。
市(橋下氏)の方針で槍玉に挙げられているのが
わかるような気がします。




posted by salsaseoul at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

新国立競技場、59億円契約済み 相当部分戻らぬ見込み

朝日新聞 2015年7月21日

新国立競技場建設の事業主体の日本スポーツ振興センター
(JSC) は21日、ザハ・ハディド氏のデザインに基づく旧計画で、
着工前段階のデザインや設計などの契約が計約59億円に
上ることを明らかにした。建設計画自体は 白紙になったが、
これらの業務の大部分はすでに完了してJSCは支払いを
終えており、相当部分が戻らない見込みだ。

JSCがこの日、民主党の「東京オリンピック・パラリン
ピックに係る公共事業再検討本部」に提出した資料によると、
ハディド氏のデザイン監修が14億7千万円。日建設計、
梓設計、日本設計、アラップ設計共同体の設計業務が
約36億5千万円。施工予定業者で設計にも携わった
大成建設、竹中工務店の技術協力が約7億9千万円。

ハディド氏との契約は17日の同本部の会合では17億円と

説明していたが、21日は、13億円を支払い済みで、さらに
今年度分1億7千万円のうち 契約解除前の業務の報酬が
必要なうえ、業務中止のための追加費用が発生すると説明。
損害賠償を請求される可能性もあるとした。また基本的に
作業が完了して いる設計業務については「若干残って
いる部分があれば返還をお願いする」とし、関係各社と
協議する。

新国立競技場をめぐっては、文部科学省が当初想定の
2倍近い2520億円で建設する計画を6月29日に発表。
JSC有識者会議も今月7日に了承した。しかし建設費が
膨らんだことに批判が集中したため、安倍晋三首相が
17日に計画を白紙に戻すと表明した。今年秋までに
新たな整備計画を作り、年明けをめどにデザイン、
設計業者、実施業者を選定。その後、設計や着工へと
進め、2020年春までの完成を目指す。

デザインや設計業務の約59億円とは別に、有識者
会議の了承を受けて9日に大成建設と契約したスタンド
部分の工事約33億円分については、JSC幹部は
「資材調達していなければキャンセルできるはず」としている。
(阿久津篤史)


コメントです。
新国立競技場の話題です。
デザインや設計費で59億円が戻らないようですが、
この数字、2520億円が白紙になったことで
だまされそうですが、実はとんでもない金額です。
ゼネコンや設計者にデザイナー、これだけ批判の
声が上がっているわけですから、
社会的常識を
踏まえて、経費だけ差し引いて利益分は返上
するべきですね。




posted by salsaseoul at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年07月20日

人文社会科学系学部がある国立大 8割が再編検討


20150719.jpg

文学部や経済学部など人文社会科学系の学部や大学院がある
国立大学のうち8割が、学部の再編や定員の削減などを検討
していることがNHKの調査で分かりました。
国立大学を巡っては文部科学省が先月、教員養成系や人文社会科
学系の学部や大学院について、廃止や社会的要請が高い分野への
転換に努めるなど、組織と業務全般を見直すよう通知を出しました。

この方針について、NHKは対象となる学部がある国立大学64校に
アンケートを行い、89%に当たる57校から回答を得ました。
人文社会科学系の見直しを求める通知については、関連の学部が
ある大学42校のうち、25校が「趣旨は理解できる」と答えて6割を
占め、「不本意だが受け入 れざるをえない」が2校、
「全く受け入れられない」が2校でした。
「趣旨は理解できる」と答えた大学からは、人文社会科学系は
大学教育の根幹だとしたうえで、少子化や社会のニーズに
対応するには教育内容や組織の改革は必要だなどという
意見が自由記述で寄せられました。

また、先月いっぱいで文部科学省に提出することになっていた
来年度から6年間の中期目標の素案に、人文社会科学系の
見直しをどのように盛り込んだか尋ねたところ、学部などの
「廃止」を 検討している大学はありませんでしたが、
「再編して新たな学部などを設ける」が11校、
「具体的な内容は未定だが、再編を検討する」が8校、
「定員を減らす学部などがある」が6校、
「教育目標を明確にした」が3校、
それに「国の方針を踏まえたものではないが、
再編を盛り込んだ」が7校と、
何らかの見直しを 予定している大学が83%に
上ることが分かりました。

このほか、すでに検討を終え来年度から新たな学部を
設けるという大学もあり、国立大学の人文社会科学系が
大きく変わろうとしていることが浮き彫りとなりました。

人文社会科学系の学部とは

人文社会科学系には、文学部や教養学部、それに
法学部や経済学部なども含まれます。文部科学省に
よりますと、86の国立大学のうち48校に人文社会科
学系の学部があり、ことしの入学定員は合わせて
2万5000人余りと、全定員の26%となっています。

人文社会科学系学部の再編の背景は

人文社会科学系の見直しを求める文部科学省の
通知について、「趣旨は理解できる」と回答した
和歌山大学では、19日高校生を対象にした
オープンキャンパスが行われました。

和歌山大学では、来年度から経済学部の3つの学科を
統合したうえで、定員を現在の330人から30人減らす
方針です。カリキュラムも変更し、金融機関に就職する
ためのコースや税理士を目指すコースなど6つのコースを
設け、卒業後の進路を見据えて選択できるようにすると
いうことで、オープンキャンパスでは高校生たちが
コースの内容について説明を受けていました。

こうした再編の目的の一つは就職率の向上です。7年前に
設置した観光学部の昨年度の就職率は 99%。
これに対して経済学部は87%で、10ポイント以上
低くなっています。和歌山大学経済学部の足立基浩学部長は
「人文社会科学系の教育は地方の人材 を育成するのに
なくてはならないが、就職を意識して大学を選ぶ若者が増え、
大学ごとの特色が求められるようになるなか、学生の
ニーズや社会の要請に応える ために変わっていかざるを
えない」と話しています。オープンキャンパスに訪れていた
経済学部志望の高校生からは、「進路を意識した取り組みは
いいと思う が、定員が減って自分が入学できるか心配です」と
いった声が聞かれました。


岩手大学も、昭和24年の開学以来初めて大幅な再編に
乗り出しています。来年度、人文社会学部と教育学部の
定員を合わせて100人余り減らしたうえで、理系の学部の
定員を増やすことにしています。農学部には
「水産システム学コース」を新たに設けて、東日本大震災で
大きな被害を受けた水産業の復興を支える人材を
育成する方針です。岩手大学の岩渕明学長は
「大学がみんな 似たような教育をするのではなく、
それぞれの地域が抱える課題に取り組んでいくことが、
地方の国立大学の存在価値になっていく」と指摘しています。

この再編について、釜石市で水産加工業を営む男性は
「大学と一緒に研究開発をしたり、若い視点を取り入れて
販路の拡大につなげたりできるのを期待しています」と
話していました。


文部科学省の通知を「不本意だが受け入れざるをえない」と
答えた大学もあります。経済学部と教育学部の二つの学部
から成る滋賀大学はアンケートの自由記述で 「大学教育の
目的は実学的な職業人の養成ではなく、思考力、判断力、
表現力を持つ人材の養成であることを強調したい」と書き、
通知を批判しました。ただ、 文部科学省の方針を受けて、
文系と理系を融合させた「データサイエンス学部」を2年後に
開設する方向で検討しています。ビッグデータの集計や分析、
活用方 法を学ぶ学部で、経済学部と教育学部の学生定員や
教員の人件費を削減し、再配分する予定です。

滋賀大学の佐和隆光学長によりますと、背景には大学の
運営費がひっ迫している実情があるといいます。
滋賀大学は収入のおよそ半分に当たる31億円を国からの
運営費交付金に頼っていますが、交付金は年々減少 傾向に
あり、この10年で1割ほど減りました。来年度からは、取り組みや
実績が高く評価された大学に交付金が重点的に配分される
ことになっています。

佐和学長は「人文社会科学系の存在意義を認めないような
通知は受け入れられないが、大学が貧乏所帯にならない
ためには新しいことをやらなければならない。これまでの
人文社会科学系の教育や研究に課題があったことは事実で、
通知をきっかけに改革の意欲が高まった」と話しています。


関連記事です。
教育産業、問われる留学生ビジネス

少子化、日本人の若者数減少・・・。

っていうことで、日本人の若者相手に商売していた教育産業が、
一斉に留学生にシフトしつつある。

また、今まで中国・韓国頼みで商売していた日本語学校や専門学校も、
非漢字圏と呼ばれるベトナム、ネパール、ミャンマーあたりにシフトしている。

で、ありがたいことにそれに伴って、私への仕事のオファーや相談事もちらほら。

んで、私でよければ・・と誠心誠意お答えをさせていただく。

ところが、オファーがまとまったためしがない。

全部「やっぱり無理です」と、オファーをくれたほうから途中で手を引いていく。


なんで?


例 その1 

某国の国立大学から依頼を受け、大学内に日本語教育施設を作り、
そこで学生を日本語能力試験N2まで養成し、自分のところの専門学校に
引っ張る計画、やりませんか?


私の意見

現地の大学の日本語科に4年通った学生でさえN2は難しいのに、単なる
日本語のN●VAバージョンのようなものを作ってもそこでN2まで
育てるのに何年かかるか。

そこまで現地の人が通ってきてくれる保証もない。たとえ通ってきてくれても

半年ぐらいしてN4とかN3レベルにまで実力が付いて日本に行きたくなっても、
系列の日本語学校がなかったらほかのエージェントや日本語学校に

とられてしまう。

それでは現地で学生を育てた甲斐もないし、最終目標である系列の
専門学校に引っ張れなくなってしまう。

万が一N2レベルの学生が育っても20人のクラスのうち1人か2人
だったら、事業としては成り立たない。

したがって現地で日本語を教育する施設を作ると同時に、日本で
受け皿となる日本語学校か専門学校内の日本語科を設立する必要がある。

そして同時に海外での教育実習を含めた教師養成をして、
自校での教師を確保する必要がある。


日本で日本語学校を作るお金までありません。現地で安く日本語教師やってくれる人雇います。 
  だって。


例 その2 

中国、韓国の学生に大学受験を指導していたが、非漢字圏コースを作って
同じように指導して答えを出したい。


私の意見

 今までと同じやり方、同じ期間で中・韓と同じ結果を出すのは難しい。

 いくら入試で厳選するといっても、非漢字圏2クラス40人、
N2レベルが集まるとは思えない。

ということは、N3またはそれ以下の学生も受け入れて、日本の大学に入る
ぐらいにまでレベルを上げなきゃいけない。

それには、カリキュラムも全部変えなきゃいけないし、教師も実力のある人を
そろえないとダメ。

相手を見ないで、自分の知識をたれ流してる社会科の教師の授業を受けても、
中・韓のように総合科目の点は取れないし、大学受験はEJUで点を
とればいいというものではない。

日本語も、総合科目も数学も、教師側からの一方通行で、学生にとっては
何をやっているかわからないつまらない授業を毎日やっていても、
答えが出るとは思えない。

また、普通に日本語を教えるのと、受験の日本語を教えるのとは違う。

そのあたりのことをわかっている教師を集めるのは至難の業。

だったら、自分のところで受験に強い教師を養成しなくてはならない。


没!っていうか、何の返事もなし。無視。(失礼な!)

「今迄の実績があるんだから、なんとかやれるさ!」って思ってるらしいけど、このままいくと
確実に「いらっしゃいませ学校」突入だぜ。やれるもんならやってみな。



ほかにもあるけど、この二つの例だけ見ても、見えてくるものがある。

それは「卒業後の結果はどうでもいい。」っていうこと。


日本人高校生相手の塾、予備校なら、「結果はどうでもいい。」
なんてこと、ありえないでしょ。

競合他社としのぎを削っているわけだから、少しでもいい結果を出さないと、

お客さんなんか来ないで潰れるわな。

学生の後ろにはうるさい親もついてるし。


でも外国人相手なら、結果なんて出さなくてもだれもうるさく言わない。

うるさい親もいない。

呼ぶだけ呼んで、頭数埋めて、2年間お金搾り取って、卒業後はまた
どうでもいい専門学校か大学に押し出して、また2年間搾り取る。

まぁ、彼ら留学生もその間にファミレスや建築現場や宅急便でアルバイトして、
自国で働くよりはいいお金を稼げるかもしれないし、大した結果も求めてないだろ。

だから、お互いにその辺んで手をうっとけばいいじゃん。


って考えが見え見え!


ちょっと考えてみよう。


我々留学生を教育する者が、今この時に、ちょっと考え方を変えて、
ちょっとひと手間ふた手間かけて、教師の質、授業の質、進路指導の
やり方を変えるだけで、それなりのところへ進学、就職するなどの
結果は出るようになる。

そして彼ら留学生が希望した進路に進み、日本の高等教育機関で
専門の勉強を積み、日本国内で就職できたとしよう。

その労働力は、これから減少する日本の労働力の代わりに我々
日本人の未来を預けるものになる。

そして彼らも、日本で稼ぎまくるのもよし、日本で何年か働いて、
その技術を活かして将来自国に帰って活躍するのもよし。

いずれにしても「親日家」として、将来日本のよき協力者になってくれるだろう。


しかし、今、そのひと手間ふた手間を省略して、経験値の低い教師を

安く使い、つまらん授業をしてお金を搾り取って、留学ビザのつながっている
期間だけアルバイトをさせて、ビザが切れたら「はいさようなら」ということをしていたら、


母国に帰国した留学生は、親日家になるだろうか?

日本の減っていく労働力の代わりになるブレインとなる留学生は、
増えるだろうか?

留学生を30万人に増やす計画のある日本へ留学したいと思う留学生は、
今後増えていくだろうか?


いつから日本人は、こんな「安かろう、悪かろう」を増やすようなビジネスを
よしとするような考え方をするようになった?

一昔前は made in china の製品をボロクソ言ってたくせに、
おんなじことを日本語教育ではやってもいいのか?


日本のサービスは世界一。

でもそれは文句言わない留学生には考えなくていい。


それが日本人の考えるサービスなのか?

ホスピタリティーなのか?

おもてなしなのか?


恥ずかしくないのか?



そしてこんなうるさいことを言う教師は切って、日本語教育業界の
ことは何も知らない、文句を言わない教師を、使い捨て
状態でろくな教育もせず使う。


いや〜、そのおかげで私は、この空前の教師不足の中、求職中。

笑える〜。


業界の事を知れば知るほど、使ってはもらえなくなる、この矛盾。

でもどこの世界も、そうなのかもしれないね。

こうして悪は栄えていくらしい。

夢も希望もないね。


で、あなたはおもてなしなんか無視する、
「安かろう、悪かろう」に加担する人ですか?



コメントです
数年前に、特に地方国立大学に大量のアジア系留学生が
発生する事態がおこりました。
そして、その学生の資質は、あきらかに学力不足で、
どうやって入学したのかが疑われるしまつでした。
そして、ここからは余談ですが、そのような怪しい学生の
中には、怪しい違法業種でアルバイトを行って学費を
捻出する者もいたと言われています。
ですが、そのような留学生が増えた理由は、大学側が
日本国政府による公付金の確保のために入学のハードルを
下げたと言われています。

さて、今日の記事のコメントですが、やはり交付金は税金
ですから有効活用、この場合は実学的な職業人の養成という
意味になりますが、滋賀大学はアンケートで、
大学教育の目的は実学的な職業人の養成ではなく、思考力、
判断力、表現力を持つ人材の養成であることを強調したい
と、湾曲的に政府へ反論回答しています。
まあ、両者の立場の違いから、両方の言い分も理解できない
ことはないです。
それにしても、ここ十数年は時代背景の変化が大きすぎて、
そのことを把握するだけでもしんどいですね。
ある意味、生きにくい時代になったと思います。


posted by salsaseoul at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年05月10日

児童虐待の時効見直し=性的被害対象、成人時まで停止−自民検討

2015 年 5 月 10 日 時事通信

自民党は、児童虐待に関する時効の在り方の見直しを始めた。
幼少時に受けた性的虐待が対象で、民事、刑事両面で成人に
なるまで時効を停止する案を軸に立法 措置を検討する。
幼いころに虐待された被害者が、成人しても加害者の責任を
問えるようにするのが狙い。支援体制の強化も併せて議論し、
政府に提言する。

検討しているのは「女性の権利保護プロジェクトチーム(PT)」
(馳浩座長)。先月開いた初会合で幼少期に親族から性的
虐待を受けた女性のヒアリングを実施。今後は関係省庁と
調整しながら、具体案づくりに向けた作業を進める。

厚生労働省によると、2013年度に全国の児童相談所に
寄せられた相談件数のうち、性的虐待は全体の2.1%に
とどまる。性的虐待の実態に詳しい寺町東 子弁護士によると、
幼い被害者が虐待の意味を理解するのは早くて思春期以降。
加害者が親や兄弟、親族の場合、相談相手もいないことから、
表面化していない 虐待もあるという。

さらに成人後、虐待を原因とする心的外傷後ストレス障害
(PTSD)などを発症しても、既に民事で損害賠償請求権が
消滅する除斥期間(20年)、刑事で公訴時効(強制わいせつ罪7年)の
期間がそれぞれ経過していれば、被害者が「泣き寝入り」
するしかないケースもある。

このためPTは、民法や刑法で加害行為の発生時となっている
時効の起算点を、被害者が20歳を迎えた時点に変える案を
軸に検討。民法や刑法を改正する か、児童虐待防止法の
改正で対応するかも今後協議する。時効見直しに関しては、
証拠の散逸や関係者の記憶の薄れに伴う誤判を招きかねない
との声もあり、対 応策が課題となりそうだ。 

コメントです
ふつう、時効等の期間を延長すると、
当然ながら、それを実施するための
費用の負担が増えます。
つまり、税金の負担が増えるという
ことですが、それでも、有効と思われる
法改正はどんどん行ってほしいですね。

[PR] ソウル! ソウル! ソウル!
[PR] シリーズ・サルサ ソウル発 あじさい文庫 公式紹介サイト
[PR]サルサソウル発・無 料ダウンロード 

[PR]ヴィンテージジャージ専門のVanves
[PR]プラスチック成型 山八化成工業所
posted by salsaseoul at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

「年寄りだまして大もうけ」群がる業者 認知症社会

「年寄りだまして大もうけ」群がる業者 認知症社会
2015年5月10日  朝日新聞

判断力が不十分なまま、業者から高額な商品を買わされたり、
お金をだまし取られたりして財産を失ってしまう認知症の
お年寄りが後を絶たない。

■営業電話「主人よりよっぽどやさしい」

「認知症」「ボケ」「頭ヤバ」――。高血圧や糖尿病にも効果が
あるなどとうたい、高齢者らに電話で勧誘していた健康食品
販売会社(東京)の顧客名簿には、住所、氏名、電話番号の下に、
こうした走り書きが残っている。「認知?」とメモされた顧客には、
3カ月間に4人の営業担当者が9回、電話をした記録もある。

 消費者庁は4月、この会社に対し、うその説明をしたほか、
「認知症の消費者の判断力の不足に乗じ、売買契約をさせた」
などとして、3カ月の一部業務停止を命令した。
認知症の人に分割払いで約8万円の健康食品を売るなどしていた。
顧客は31都道府県に広がり、5割以上は80歳以上の
お年寄りだったという。

「団塊の世代が定年を迎える。年寄りをだまして大もうけができる」。
同社の元従業員は、幹部が言い放った言葉が忘れられない。

元従業員らによると、営業方法はこうだ。過去に他社で健康食品を
購入した高齢者ら23万人以上の名簿をもとに、パートが電話を
かける。割安のサンプルを買った顧客には、社員が電話で販売攻勢。
「以前に電話したこと自体を忘れているなど、10分話せば認知症か
どうか分かった」という。

営業担当の社員は約10人いて、高齢の女性2人が電話口で友達の
ように「もう少し飲む回数を増やしたら」と勧誘し、契約を重ねるのを
見聞きした。一度に数十万円分を販売することもあったという。

元従業員はいま、自らが加担してしまったことを後悔している。

消費者庁によると、商品の成分はコラーゲンやビタミンなどで、
メーカーからの卸売価格は1箱120粒で70円。これを別の会社を
通して1万8千円で仕入れ、顧客には8万8千円で売っていた。
だが、同庁の調査にこう語る高齢者もいたという。
「頻繁に電話をくれて、主人よりよっぽどやさしい」

 同庁の処分について販売会社は今月8日、取材に「判断力不足に
乗じた契約は断じてない。認知症の疑いのある顧客には販売せず、
リストから抹消する作業をしてきた。後にそのような事実が発覚した
際も真摯(しんし)に対応している」などと文書で回答した。

■90代女性、被害ほぼ1億円

金融商品を次々に売りつけられ財産を失った認知症の高齢者もいる。

2012年、東京都心に住む認知症の90代女性に代わって
財産を管理する「成年後見人」に就いた司法書士は、女性の
部屋をみて驚いた。投資や社債、健康食品、化粧品などの
パンフレットがあふれていた。少なくとも1億円近くあったと
みられる財産は、約100万円に減っていた。

一人暮らしの女性には月4万円の年金と、所有するビルの
フロアのテナント収入も月40万円あった。だが、10年ごろに
異常が発覚する。女性が銀行でお金を振り込もうとしているのを、
「振り込め詐欺」を疑った行員が止め、警察に通報したのだ。
疎遠だった親戚に連絡が入ったが、すでに預金の大半は
失われていた。女性は「6千万円振り込んじゃった」と話した。

財産の大半を失った後も、女性には月々40万円以上の
収入があった。

女性は預金を失った後も投資会社の男性営業マンと頻繁に
会い、お金を引き出したいときに通帳を渡していた。
女性は「30万円を私が受け取り、残り10万円を定期預金に
してもらっているの」と話したが、定期預金の記録はない。
司法書士が男性にただすと、「おろした金はすべて渡した。
私は一銭ももらっていない」。お金の行方は分からないまま、
女性は13年夏、老衰で息を引き取った。

国民生活センターによると、「認知症等高齢者」の契約などの
トラブルは昨年度、全国で9965件と、ここ数年、1万件程度で
推移している。統計がある04年度の約1・5倍だ。
8割は家族ら本人以外からの相談で、リフォームなどの
訪問販売、健康食品などの電話勧誘が多い。

センターの担当者は「高齢者の相談は年々増えているが
認知症の場合は、本人からの相談が少なく、被害が潜在化
しやすい。契約の経緯を覚えていないことも多く、被害の
回復も難しい。被害を防ぐには、親族や地域など周囲の
見守りが大切だ」と話している。

実際、地域の「目」が被害の一部回復につながったケースもある。

神奈川県内の認知症の 一人暮らしの男性(89)は08年秋、
リフォーム業者をかたる男2人に勧められ、実態のない工事に
約500万円支払った。さらに「追加工事費680万円」 を迫られ、
支払う代わりに家と土地を差し出す契約まで結ばされた。
男たちは男性をアパートに転居させて家を壊し、土地を売り払った。

住民からの連絡で異変に気づいた地元の民生委員は、登記簿から
男たちと関係する業者を割り出し、法的トラブルの解決を助ける
「日本司法支援センター」(法テラス)に相談した。
男性の後見人は預貯金や土地の返還を求めて提訴し、
業者側が計1千万円を払う和解が成立した。
男性はいま、そのお金をもとに別のアパートで静かに暮らす。
(小寺陽一郎、松田史朗、本田靖明)

■認知症高齢者らを見守る家族や周囲へのアドバイス

《見守りから相談まで》

@日ごろから、本人の家の様子や言動におかしな点がないか
気をつける

・不審な契約書や請求書、宅配業者の不在通知などはないか

・同種の商品、通信販売のカタログやダイレクトメールなどが
大量にないか

・生活費が不足するなど、お金に困っている様子はないか

・預金通帳などに不審な出金の記録はないか

A変化に気づいたら声をかけ、経緯を確認。消費生活
センターなどに相談する

《トラブルを防ぐために》

@地域の見守り活動や、成年後見制度の利用も検討する

A市販の通話録音装置や、不審な電話番号からの着信を
拒否する装置を使う

B認知症などの症状があれば、トラブルに備えて医師の
診断書を得ておく

            ※国民生活センターへの取材による

コメントです。
類似する悪徳商法が後を絶ちませんね。
本当に怒りを覚えます。
微力ですが、記録記事として掲載しておきます。

[PR] ソウル! ソウル! ソウル!
[PR] シリーズ・サルサ ソウル発 あじさい文庫 公式紹介サイト
[PR]サルサソウル発・無 料ダウンロード 

[PR]ヴィンテージジャージ専門のVanves
[PR]プラスチック成型 山八化成工業所
posted by salsaseoul at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会