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2017年03月08日

営利目的で養子あっせん容疑 団体元理事ら2人逮捕へ

朝日新聞 2017年3月8日

児童福祉法が禁じる営利目的の特別養子縁組をあっせん
したとして、千葉県警は、民間団体「赤ちゃんの未来を救う会」
(同県四街道市、昨年9月に解散)の元理事(35)ら男2人を
同法違反容疑で逮捕する方針を固めた。
営利目的で養子をあっせんしたとする容疑での摘発は全国初という。

捜査関係者によると、元理事らは昨年4〜5月、育ての親
(養親)になろうとした東京都内の夫婦から現金計225万円を
受け取った。厚生労働省は事業者が受け取れる金品について
実費以下としている。県警は昨年11月、救う会の関係先を
同法違反容疑で家宅捜索し、元理事らが必要経費を超える
金額を受け取っていたと判断したという。

夫婦は昨年6月に乳児を引き取ったが、生みの親が
「最終的な同意の確認がされていない」と主張。乳児は翌月、
生みの親の元に戻された。あっせんが成立せず精神的苦痛を
受けたとして、夫婦は救う会に慰謝料など約600万円の
損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こしている。

県は昨年9月、優先して養子を紹介するとして現金を
受け取ったことが社会福祉法で禁じる「不当な行為」に
あたるとして、救う会に事業停止命令を出している。

あっせんされた特別養子縁組が成立せず精神的苦痛を
受けたなどとして、東京都の夫婦が、千葉県四街道市の
民間団体「赤ちゃんの未来を救う会」(9月に解散)に対し、
支払った費用や慰謝料など計約600万円の損害賠償を
求める訴訟を千葉地裁佐倉支部に起こした。提訴は21日付。

 訴状によると、夫婦は同会から「優先的にあっせんを
受けられる」などと説明され、4、5月に計225万円を
支払い、6月に子どもを引き取った。しかし、生みの親が
「最終的な同意の確認がされていない」と主張。
7月に子どもは生みの親の元に戻された。夫婦側は
「生みの親は、社会福祉士のカウンセリングを受ける
機会を与えられないなど、極めてずさんなあっせんに
強い不信感を抱いて子どもの返還を求めた。
このため返還せざるを得なかった」と主張している。

同会の理事だった男性は朝日新聞の取材に「訴状が
届いていないので回答できない」と話している。

同会は9月、この夫婦に子どもを優先して紹介する
費用として現金を受け取ったことなどが社会福祉法で
定める「不当な行為」にあたるとして、県から事業停止
命令を受けた。
県警は今月、営利目的であっせんした疑いがあるとして
児童福祉法違反の疑いで同会の関係先を家宅捜索した。

コメントです。
このような偽善的詐欺犯罪の被害者は、
実際に被害にあった方にとどまらず、
高尚な意識と法的尊守をされている
団体にまでおよびます。
きちんと運営していても風評被害に
さらされる恐れがありますから。
しかし詐欺犯罪者の元団体代表のふたり、

どのような出生で今回の犯罪にまで
至ったのでしょうか?
深層はそうとう歪んだものだと推測されます。



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posted by salsaseoul at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2017年02月05日

震災孤児の預金を横領 未成年後見人の男に懲役6年


東日本大震災で両親を亡くした当時小学生のおいの
未成年後見人に選任された宮城県石巻市の男が、
おいの預金口座に振り込まれた災害弔慰金など
およそ6800万円を着服したなどとして、業務上横領などの
罪に問われた裁判で、仙台地方裁判所は
「横領した金を高級車の購入などに使い悪質だ」として、
懲役6年の判決を言い渡しました。

石巻市の飲食店経営、島吉宏被告(41)は、
平成23年、震災で両親を亡くした当時9歳の小学生の
おいの未成年後見人に選任され、平成26年までの
およそ3年にわたって、おいの預金口座に振り込まれた
災害弔慰金やおいの両親の死亡共済金など合わせて
およそ6800万円を引き出して着服したなどとして、
業務上横領などの罪に問われました。

裁判で、島被告は「横領したつもりはない。
未成年後見人は
育ての親という認識で
おいのカネは使っていいと思った」と

起訴内容を否認したのに対し、検察は懲役10年を
求刑していました。

2日の判決で仙台地方裁判所の小池健治裁判長は
「未成年後見人の職務をわきまえず、両親を失った
おいの財産を飲食店の開業資金や高級車の購入などに
使い悪質だ。おいの将来のための資金が失われ
多大な悪影響を与えた」として懲役6年を言い渡しました。

厚生労働省によりますと、東日本大震災で両親を
亡くし未成年後見人がついた子どもは、宮城・岩手・福島の
3県でおととし9月の時点で確認されているだけで120人
いますが、弁護士などによりますと、未成年後見人が
災害弔慰金などを横領した事件は初めてだということです。

おいは法廷で判決聞く

島被告から被害にあった現在15歳のおいは2日、
現在の未成年後見人となっている弁護士とともに
裁判所をおとずれ、傍聴席で判決を聞きました。

判決が読み上げられる間、硬い表情を変えることなく、
島被告のほうをじっと見つめていました。

おいの意見陳述書

島被告から被害にあった当時小学生で、現在15歳の
おいは、裁判で提出された意見陳述書の中で
被告に対する思いを述べています。

その内容です。「おじさんには学校に行かせてくれて
お世話になり感謝している。だけど殴られたりけられたり
エアガンで撃たれたりして、自殺してしまいそうになった。
裁判では学費や塾の費用と言い逃れていてショックで
驚いている。おじさんは高い時計を買ったり、寿司屋に
週5回くらい行ったりして派手にお金を使っていた。
私のためにお金を使ってもらったことはなかった。
退職金や生命保険など親が命と引き換えに残してくれた
大切なお金を使ったと聞き許せません。
大人としてしっかり罪を自覚してもらいたい。
大人として罪を償ってもらいたい」

小学生のおいと被告の経緯

震災当時9歳だった男の子は、両親や祖母、それに
いとこの6人で石巻市内に住んでいました。
地震のあと家族一緒に車で避難しましたが、
津波に巻き込まれ家族はばらばらになりました。


男の子は避難所をまわり両親を探しましたが、
震災からおよそ1週間後、両親は遺体で見つかりました。


避難所だった中学校で両親をさがす男の子を目撃した人は
「段ボールに親の名前をマジックで書いたものを持っていて、
どうしたのと話しかけると親を探していると話していた。
1人で大変そうだった」と話しています。


その後、男の子は母親の弟でおじの島被告に引き取られて
石巻市内のアパートで生活するようになりました。


島被告は家庭裁判所に未成年後見人の申し立てを行い、
調査官の面接などを経て、震災発生から2か月後、

未成年後見人に選任されました。

2日の判決では、島被告が男の子の親がかけていた
死亡共済金などを受け取るために未成年後見人の
申し立てをしたと指摘しています。


未成年後見人は、親の死亡などで親権のある人が
いない場合、代理人として財産の管理などを行いますが、
生活費以外の目的で財産を使うことは禁じられています。

男の子の口座などには災害弔慰金や見舞金、
それに親がかけていた死亡共済金などが支払われていました。

検察の調べによりますと島被告は男の子と自分の
財産を区別せず、男の子の2つの口座のうち1つ
は家庭裁判所に届け出ず隠していたということです。


男の子の財産は、島被告が震災の1年後の平成24年に
開業した飲食店の資金や、高級車や腕時計の購入などに
使われました。

島被告が魚を仕入れていた店の女性は「金のネックレスを
純金だと言って身につけていたり、最初は国産車だったのに
買い付けにベンツで来るようになったりして、
なんでそんなにもうかるのかと思っていた」と話しています。

さらに、検察によりますと、男の子は島被告からエアガンで
撃たれるなど暴力を受けるようになりました。

震災発生からおよそ3年後、石巻警察署に相談し

男の子は児童相談所に保護されました。
これをきっかけに家庭裁判所が島被告について調査し、
今回の事件が明らかになりました。

財産管理の現状と課題

東日本大震災の孤児の財産管理について、専門家は
「未成年後見人の犯罪をどう防ぐのかは限界があると思う」と
指摘します。

震災孤児の財産管理について、仙台家庭裁判所は多額の
義援金などが入るため親族だけで未成年後見人を担うのは
難しいとして震災からおよそ9か月後宮城県司法書士会に
依頼し、親族に加えて司法書士も後見人につくケースが増えました。

また、震災の1年後の平成24年、子どもの財産を信託銀行などに
預けて裁判所の許可がなければ勝手に引き出せないように
することができる制度も全国的に運用が始まりました。

しかし、3人の震災孤児の未成年後見人となっている司法書士の
森田みささんは、司法書士や弁護士の横領事件が全国で
相次いでいるほか、信託制度も子どもの財産から一定の
手数料が引かれることなどから財産管理の面で万全
ではないと指摘します。

森田さんは「今回の事件のように子どもの口座を隠されて
しまったら調べようがなく、未成年後見人の犯罪をどう防ぐのか
限界があると思う。信託制度もよりよい運用に変わるべきだ」と
述べています。

また、震災からまもなく6年となり20歳を超えた震災孤児に
未成年後見人から財産が引き渡されるケースが増えているため、
財産をどのように運用するのか新たな課題になっているということです。

森田さんは「高級車を買ってしまうなどすぐに財産を使って
しまう人もいると聞いている。引き渡された財産を成年になっても
見守る仕組みが必要だと感じている」と話しています。




posted by salsaseoul at 02:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2017年01月30日

<徳島県警>スマホ写真、被害者の瞳に容疑者の顔 解析成功

毎日新聞2017年1月24日


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容疑者から押収したスマートフォンに保存されていた
被害者の写真を徳島県警鑑識課が解析した結果、
写真を撮影した容疑者の姿が被害者の瞳に映って
いることが判明し、重要な証拠となった事件が昨年あった。
同課によると、瞳に映った姿が証拠になるケースは
大変珍しいという。【松山文音】

「目に人の影のようなものがある。調べてほしい」。
現場の捜査員から、鑑識課の浪花孝一写真係長(43)に
依頼があった。渡されたデータを表示すると、容疑者が
撮影した被害者の顔が映っていた。鏡に映ったものを
解析した経験はあったが、瞳に映った姿の解析なんて
聞いたこともなく、「こんな瞳から見えるんかな」と半信半疑だった。

早速パソコンに向かい、瞳の部分を拡大すると、人の影よりも
背景の方が明るく、はっきりしていた。容疑者の姿を明るく
するために、画像編集ソフトを駆使して補正を繰り返していくと、
次第に顔の輪郭や髪形などが分かるようになり、
スマートフォンを構えている姿が浮かび上がった。

これが事件の重要な証拠となり、上司から
「これは最高の証拠です」と評価されて、うれしさがこみ上げた。

防犯カメラの映像を解析したり、指紋や足跡の鑑定用写真を
撮影したりする日々。「ドラマとは違い、うまくいかないことも多い。
今回の経験で細部まで観察する大切さに改めて気付いた」と
振り返った。

コメントです
徳島県警の鑑識課員の快挙です。
特に高額な機材を使わずとも、
工夫と想像力を働かせての
成果です

posted by salsaseoul at 02:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2016年10月11日

「荷物転送バイト」ご注意 勝手にスマホ契約され→中身知らずに転送→犯罪悪用も

朝日新聞 2016年10月10日

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自宅に届いた荷物を開けずにそのまま着払いで転送する
「荷受け代行」アルバイトの被害が全国で相次いでいる。
荷物の中身は勝手に自分名義で契約されたスマートフォン。
料金を請求され、スマホの「解約」を求めると、多額の違約金
などを求められる事態になっている。

自宅でできるアルバイトとしてツイッターなどで拡散。
「荷物転送」とも呼ばれる。バイト代は1件2千〜5千円。
ツイッターに投稿された募集案内は「子どもが近くにいながら
お小遣い稼ぎ」「育休中でも稼げます」などと女性を狙う文面が
目立ったという。

転送されたスマホはオレオレ詐欺のような犯罪に使われたり、
不正に譲渡したとして携帯電話不正利用防止法違反に
問われたりする恐れがある。警察から「被害者は事業者」と
言われ、被害届を受理されない例もあった。

 被害者らによると、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で
指定のIDにメッセージを送ると、荷受け代行の依頼グループの
“仲介者”を名乗る人物から仕事は「仕入れの手伝い」などと
返信がある。氏名や住所、生年月日、電話番号、バイト代の
振込先の口座番号に加え、「高額な荷物もある」として、
住所が確認できる写真付き身分証明書の画像の送信を
求められる。

数日後、格安スマホの事業者から、自宅に約20センチ四方の
小荷物が届き始める。中身は「電子機器」。開封せず転送する
よう指示される。転送先の多くは神奈川県の特定の場所という。
約1週間後にバイト代が振り込まれた。

数週間後、事業者から次々と契約書類が届き、仲介者に送った
個人情報で勝手にスマホが契約されたとわかる。
解約を申し出ると、違約金や本体代など契約数に応じて
数万〜約100万円を請求される。

国民生活センターには昨年11月から相談が寄せられ、
今夏に急増。9月末までに約130件に達した。

契約の相手先は格安スマホの事業者に集中している。
一般的に格安スマホはネット上で個人情報を入力、
運転免許証などの画像を送信するだけで契約できる。

UQコミュニケーションズ(東京都)は相談の増加を受け、
今はネットでの申込者は原則全員、電話で本人確認している。
違約金などの免除は被害届の受理が前提だが、警察に
相談したことを証明する受け付け番号がわかれば、
個別に事情を聴きながら判断する。

 ■ネットに「仲介者」/被害届受理されず

「情けない。なんで気づけなかったんだろう」

 三重県の主婦(25)は落胆する。「子どもが小さいから、
家でできる仕事なら」と4月に荷受け代行を始め、

約1カ月で荷物4個を転送した。

 転送先の住所がネット上で「詐欺に使われている
可能性がある」と指摘されているのを知り、LINEで
“仲介者”に「やめたい」と送信。荷物は来なくなったが、
格安スマホの事業者から、違約金など約10万円の
請求書が届いた。

神奈川県の会社員女性(24)が始めたのは5月ごろ。
「ちょっとした副業をしたい」と連絡をとった。
「今考えれば危険なのに、警戒しなかった」。契約先は4社。
7月に1社分9万円の請求が来た。「今後どれだけ
膨らんでいくのか」と気が重い。

8社と契約させられた大阪府の女性(25)は通話料など
計約30万円を請求された。警察署に相談したが、
「あなたは自ら個人情報を漏らした。
事情を知らない事業者が被害者だ」と言われ、
被害届を受理してもらえなかった。

署は取材に対し、「女性は被害者ではなく、被害届が
出される案件ではない」と答えた。事業者側は
「被害届が受理されないと対応できない」としており、
堂々巡りに。支払期日は刻々と迫る。

女性らは仲介者に「知っていたのか」などとメッセージを
送ったが「こちらもよくわからない」などと返信され、
連絡がとれなくなったという。

 (寺尾佳恵、染田屋竜太)


コメントです

悪いヤツがあとを絶ちませんね。
それと、法整備の遅れを理由に
公的機関の腰の重さ。







posted by salsaseoul at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2016年09月01日

自分は何者?学校行けず大人に… 「死後認知」求め提訴

朝日新聞2016年8月30日


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定時制高校での授業が終わり、下校する男性=東京都、関田航撮影

未婚の母の元に生まれ、住まいを転々として「所在不明」となり、
一度も学校に行けないまま大人になったさいたま市の男性(34)が、
「父」の名前が戸籍に記載されるよう、「死後認知」の訴えを30日、
東京家裁に提起した。いまは都立高校の定時制に通い、
来春卒業を予定。父、そして自分は何者かを明らかにし、
けじめをつけて社会に出たいという。

戸籍の父の欄は空白だが、家族の中では「父」の存在は明確だ。
国会議員の秘書をしており、3歳ごろには一緒に食卓を囲んでいた。
母と5歳下の妹との3人暮らしの家にときどき帰り、食事に連れて
いってくれたり、発売直後のPHSを持たせてくれたりした。

陳述書などによると、父には別に家庭があった。母は認知を求め、
父は「認知する」と言いながらしなかった。母は精神的に不安定で
働けず、生活費は父が出したがしばしば遅れた。

家賃滞納による立ち退きが何度かあり、小学校への入学は
うやむやに。母は学校に行かせたかったが、父は世間体を
気にして手続きしなかった。男性は、公園で虫を捕ったり、
市販の教材の顕微鏡を組み立てたりして過ごした。
窓から見える通学風景に「なんで自分だけ」と思ったという。

9歳ごろから7、8年間は、父が手配したホテルで暮らした。
お金をどう工面していたかわからない。男性は食事と清掃
以外の時間は部屋にこもり、学習ドリルで勉強した。
中学に入学するはずの年には、前に暮らした区が、
住民票を削除した。長期間居住実態がなかったためだ。

妹も学校に行かないまま飲食店で働き始めた。男性は母と、
その後も首都圏を転々とした。母は体調がよくなって
アルバイトを始め、男性は家事を担った。

18歳ごろ、ネットで見つけた野球チームに参加してみた。
「誰かに助けてほしい。でも知られたくない」。自分の境遇を
他人のことのように話し、チームの人に「どうしたらいい
ですかね」と尋ねたこともあった。

父の仕送りは途絶えて会うこともなくなり、電話が時々
かかるだけになった。

転機は29歳。母に連れられて行ったハローワークを通じ、
職業訓練の施設に通った。施設長は「人と目を合わせず
内向的。ただ、とても素直だった」と振り返る。何社か面接に
臨んだが、学歴が壁になった。30歳のとき、施設長が
探した夜間中学に入学した。

夜間中学の教員は、面談のとき、「自分の中に足りないものを
感じる」と話した男性の言葉が胸に残った。学校では下の
名前で呼び捨てにした。「彼は生徒になりたくてきた。
それが彼にないものだから」

当時の担任によると、男性は入学時、読み書きができる
程度だった。入学前面談で「未来が開けると思う」と話すと、
母親は大泣きしたという。

父から久しぶりに連絡がきたのは2014年末。携帯電話に
「少しお金を入れてもらえませんか」と伝言が残されていた。
数日後、履歴を見た警察から連絡があった。
路上で凍死したと聞かされた。男性の妹が、火葬と
納骨式に参列した。

朝日新聞の取材では、父の周囲は、男性たち家族の
存在をほとんど知らなかった。男性にとって、父の痕跡は
「親父(おやじ)」と登録した携帯電話の番号だけ。
「よくぞこんなことしてくれたな」と恨み、電話ごしに怒りを
ぶつけた時期もあったが、学校に入れた時点で前だけ
見ることにした。

飲食店で働きながら通っている定時制は皆勤。部活は卓球と
パソコンを掛け持ちしている。「今しかできないから。
エンジョイしないと」。来春、高校を卒業する。「長い期間、
学校に行けなかったが、周囲と自分の力でけじめを
つけられそうだ。社会に出る前に『父が誰か』をはっきりさせて、
リセットしたい」(中塚久美子、後藤泰良)

     ◇

戸籍や住民票があっても行政が居住実態をつかめない
所在不明になる子が後を絶たない。7月発表の厚生
労働省の調査では全国に少なくとも25人いた。
25人の内訳は乳幼児4人、義務教育年齢13人、
義務教育年齢を過ぎた18歳未満が8人。

所在不明の子が虐待などで亡くなる事件が起き、同省は
2014年に初めて実態調査。当時は大阪27人、兵庫26人、
神奈川16人、東京14人など計141人いることがわかった。

当事者が行政サービスを受けようとしないと、所在を
把握できないのが実情だ。総務省住民制度課によると、
マイナンバー制度は居住地に住民票があるのが前提で、
所在不明の子を自動的に発見できる仕組みはないという。

     ◇

 〈死後認知〉 民法では、親の死亡から3年以内で
あれば子は認知(死後認知)の訴えを起こすことが
できると定めている。検察官を相手として訴える。
審理内容は血縁的な親子関係の有無。関係者を
対象にしたDNA鑑定や証言などをもとに総合的に
判断される。原告の名誉回復や相続権の確保など、
訴えの目的は多様だ。最高裁によると、死後認知を
含む認知、認知の無効及び取り消しの訴えは、
昨年までの5年間で年252〜276件あった。


コメントです。
戸籍問題はほんとうに難しいですね。

政府がどれだけ個人に立ち入られるか?

しかし、まれに今日の記事にあるように、
諸事情で取り残されて現在も苦労している方も
います。

いずれにしても、政府は早急に相当量の

シュミレーションを組んでセーフティネットを

整備すべきですね。




posted by salsaseoul at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2016年08月28日

婚活サイトでトラブル続々 出資をしたら「さようなら」

朝日新聞 2016年8月23日


「婚活サイト」で知り合った女性に社債の購入や出資を持ちかけられ、
トラブルになるケースが相次いでいる。約束された配当は得られず、
交際に前向きだったはずの女性との連絡は途絶えてしまう。
結婚を望む人たちの出会いの場を利用した詐欺まがいのビジネス、
との指摘もある。

関東地方に住む会社員の男性(38)は今月3日、6人の男性と
ともに計約1億円の損害賠償請求訴訟を起こした。
相手は、婚活サイトでそれぞれ知り合った2人の女性や、
女性の勧めで購入した社債の発行会社など。詐欺容疑で
警視庁への告訴も考えているという。

男性は2013年3月、無料婚活サイトを通じて20代の女性と
出会った。東京・新宿の喫茶店で待ち合わせた女性は、
花柄の華やかなワンピース姿で指にはサファイアの指輪。
会社の秘書役で両親は投資家、と自己紹介した。

「イイ旦那さんになりそう」などとメールをもらい、交際が始まった。
3回目のデートで、「将来の2人のために」と、女性が役員を
務める人材派遣会社の社債購入を持ちかけられた。
男性は交際を続けるため、申込書に署名。
ほかの社債も購入し、計1千万円を支払った。

年12〜24%と説明された利息や配当はしばらく支払われたが、
間もなく停止。疑う気持ちはあったが、女性に「どんなことが
あってもパートナーとして行動します」とLINEのメッセージを送った。
しかし、女性から突然別れを告げる返信が届き、
連絡がとれなくなった。
「適当な言葉で慰めて、優しい自分に自惚(うぬぼ)れてる
だけでしょう。あなたは偽物よ。さようなら」

その後、同じ社債の購入で同様の被害を訴える記述をネットの
掲示板で発見。別の1人を含む女性2人が、少なくとも32人の
男性に社債を購入させていたことがわかった。交際していたはずの
女性が、同じ日に別の男性とデートしていたことも明らかになった。

男性らの訴訟代理人の佐藤嘉寅弁護士は「同じ女性が複数の
婚活サイトに登録し、同時期に複数の男性に社債を売っていた。
組織的な詐欺の可能性がある」と話す。男性が社債を購入した
会社の代表を務める男性は、取材に「名義を貸しただけ。
詳しいことは分からない」と答えている。

市場調査会社シード・プランニング(東京)によると、
「婚活サイト」の市場規模は12年の30億円から17年には
58億円に膨らむという。利用者を狙って出資や不動産の
購入を持ちかける「デート商法」は後を絶たないといい、
立正大学の西田公昭教授(社会心理学)は、「ネットの出会いは
紹介者がおらず、相手の素性が保証されない。
リスクを認識しなくてはいけない」と話す。
(小寺陽一郎、高田正幸)


コメントです

これ、残念ながら男性がしっかりと相手を見極めて
だまされないようにしないといけないですね。
本文にもありますが、詐欺氏女性が一日に何人も

掛け持ちしていたら、ちょっとした不振な動作で
わかると思います。



posted by salsaseoul at 11:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

理想と現実の差が生んだ悲劇(きょうも傍聴席にいます)

朝日新聞 2016年8月25日


「人助けがしたい」と強く願った男が空回りの果てに
行き着いたのは、殺人の罪だった。大学の再受験を
めざしていた恋人を手にかけた男が、法廷で語った言い分とは。


2016年6月20日、東京地裁725号法廷で開かれた
裁判員裁判の初公判。被告の男(26)は黒いスーツに
青ネクタイ姿で法廷に立ち、緊張した面持ちで起訴内容を認めた。

 被告「間違いありません」

起訴状によると、被告は昨年2月14日、東京都内の自宅で
交際していた女性(当時24)の首を絞めて殺害したとされる。

被告はなぜ恋人を殺してしまったのか。冒頭陳述や被告人
質問などから、事件の経緯をたどる。

被告は福島県出身。きょうだいと共に両親に育てられた。
法廷で被告は、幼い時から抱えていた悩みを明かした。

被告「6歳ごろからきつ音の症状があり、まわりの友達と
うまくつきあいができませんでした」

言葉が出にくかったり、同じ音を繰り返したりするきつ音。
母親は法廷で「被告が小学生の時に病院に行ったが、
問題はないと言われた」と証言したが、被告にとっては
大きな問題だったという。

被告「中学3年の壮行会で試合への抱負を述べる時、
きつ音のせいではじめから最後までうまくしゃべれなかった。
人生で一番の失敗。悔しくて苦しかった」

被告は「きつ音による負の印象を払拭(ふっしょく)したい」と
高校時代は東大を目指して受験勉強に打ち込んだという。
希望はかなわず、浪人して大学進学をめざしたが、断念。
アルバイトなどの後、2014年、地元・福島を離れて上京した。

弁護人「東京でどんな仕事をしたかったのですか」

被告「人の相談を聞いて、悩みを解決する仕事です」

弁護人「その仕事とは」

被告「探偵です」

契約社員やアルバイトなどで収入を得ながら、探偵事務所の
開業を目指した。両親から仕送りを受けることもあったという。

被害者の女性とはツイッターを介して知り合った。
大学卒業後、就職していた女性が、仕事をやめ、大学を
再受験しようとしていることを知り、被告は14年10月、
生活の支援を申し出た。

被告「生活面でも精神面でもサポートできるかもしれない。
支えてあげたいと思いました」

 弁護人「どうしてですか」

 被告「自分と似た状況なのに、大学受験を目指すという
前向きなところに共感しました」

 弁護人「自分と似た状況、とは」

 被告「社会的に弱い立場にあることです」

 被告は、ツイッターでのつぶやきから「女性は対人恐怖症」と
いう印象を持っていたという。まもなく交際が始まり、2人は
同居するようになった。生活費は被告が全額負担するという
約束だった。だが、被告には被害者に話していない借金があった。

 弁護人「借金はいくらあったんですか」

 被告「160万円ほどです」

 弁護人「なぜ借金を」

 被告「友人や以前勤めていた会社の先輩に貸していたのと、
半分は自分の生活費です」

 弁護人「なぜ借金してまで、先輩や友人に貸したのですか」

 被告「先輩や友人は他に頼れる人はなく困っていたので、
貸してあげようと思いました」

 結局、同居する中で、被害者に借金を知られてしまう。

 弁護人「被害者は何と?」

 被告「『本当に返済しきれるの?』と心配していました」

 弁護人「あなたはどう思っていたのですか」

 被告「返せると思っていました」

 アルバイトを掛け持ちし、早朝から深夜まで働いていたという被告。
15年2月3日には、探偵会社で正社員の試用期間として働くことに
なった。だが、働き始めて4日目の2月6日、被告は職場の
先輩の車を運転中に物損の追突事故を起こし、
約90万円を支払うことに。2日後、会社を休職することになった。

 被告「今後の生活について不安に思いました。
安定した生活ができるようになるのか、と」

 一方、女性は学費を準備できず、その年の大学受験を断念。
同じ頃、かつての勤務先の会社で働き始めた。
被告が借金の支払いができずに女性を頼ったことなどから、
仕事や金銭面での考えの甘さを指摘し、同居解消を
ほのめかしていた。

 そして、2月14日早朝。目を覚ました被告と女性は、
借金と生活費の話になる。

 弁護人「被害者からはどんな話を」

 被告「『借金は返済できるの?』
『この先、安定した収入は得られるの?』と。それを聞いて、
この先どうしたらいいのかと思いました」

 弁護人「被害者はなんて」

 被告「『見通しが甘いよね』と」

 女性は再び眠りについた。被告は横で思いをめぐらせたという。

 被告「これからの生活のことを考えていました。
いつもなら前向きに考えられるが、この日はできなかった。
人生を終わらせようという考えになりました」

 弁護人「被害者については」

 被告「1人にするのは心配で不安だと思いました」

 弁護人「そのほかは」

 被告「正直、自分ひとりで死ぬことへの恐怖もありました」

 被告は隣で横になっている女性の首に手をかけた。
女性は驚いた表情で両手を動かしたが、被告は力を緩めず、
両手で首を絞め続けた。

 殺害後、被告は2〜3時間はぼうぜんとしていたという。
午前11時すぎ、被告は被害者のLINEに
「ご帰宅は何時ごろです?」などとメッセージを送る。

 被告「警察に行って出頭しようと思いましたが、
自白できなければ失踪届を出そうと思いました。
(LINEは)自白できなかったときのために、
失踪届の参考になると思いました」

 結局、被告は午後になって警察署に行ったが自白はせず、
「彼女が帰ってこない」などと相談。
ただ、被告の言動を不審に思った警察官が被告とともに
自宅に行き、事件が発覚した。

 裁判官は殺害の動機をいぶかしんだ。

 裁判官「どうして首を絞めたのかが理解できない。
最初は自分1人で死のうと思ったんですよね?」

 被告「はい。(事件の)ほんの数分間の間に、
死のうとする気持ちの増大がありました」

 被害者の勤務先の上司の調書によると、被害者は
仕事も同僚とのコミュニケーションもうまく出来ていたという。
被害者は被告の借金などの問題から家を出ることを
検討していたが、「深刻な様子はなく、退社時も笑顔だった」と
上司は振り返る。

 質問は、被告が法廷で繰り返した「人を助けたい」と
いう思いにも及ぶ。

 検察官「事件前、あなた1人でも生活し切れていない状態でしたよね」

 被告「そうだと思います」

 検察官「そんな状態で被害者の生活をサポート
するのは無理だったのでは」

 被告「思いだけで動いていました」

 弁護人「弱い人を放っておけないのは、いつからですか」

 被告「きつ音の出始めた6歳ごろからです」

 弁護人「なぜ」

 被告「自分がきつ音の苦しさを経験するうちに、
他の人の苦しみも理解できたのだと思います」

 弁護人「彼女との関係ではどうですか」

 被告「自分という人間の限界を知りたいと思いました。
きつ音を持っていても、人並み以上に生活できる人間に
なりたいという思いがありました」

 被告の精神鑑定をした医師は、法廷で被告について
「自己愛性パーソナリティー障害」と指摘。「相手を弱者に
固定する傾向がある」といい、自分が借金をしてまで人に
金を貸す行為などを「人を救済したいという欲求のために、
人を利用している」と述べた。きつ音についても
「過度にとらわれすぎている」と言った。

 弁護人「何を間違えていたと思いますか」

 被告「他の人の生活をサポートできる人間で
ありたいと強く願いすぎた結果だと思います」

 弁護人「当時、何を受け入れられていなかったのだと思いますか」

 被告「等身大の自分です」

 被告の母親は法廷で、「親としてできる償いをしたい」と
被害者や遺族への謝罪を述べ、「私の体が続く限り、
何とか息子を更生させたい」と誓った。

 被害者の母親は、検察官に代読してもらう形で意見を述べた。

 「被告は私の一番大事なものを奪いました。
私は絶対許しません。娘のためにも、被告を死刑にしてください」

 6月22日。検察側は、「動機はあまりに身勝手で短絡的。
被害者に落ち度はない」として懲役17年を求刑。
一方の弁護側は、「突発的な犯行で、被告は事件当時、
疲労を蓄積し、精神的にも不安定だった」として懲役9年が
相当と主張した。

東京地裁は6月27日、被告に懲役14年の判決を言い渡した。
裁判長は「動機や経緯には必ずしも明瞭でない部分がある」と
指摘し、「自らの身勝手な判断から、何ら落ち度のない
被害者を殺害した。独りよがりで誠に理不尽な犯行だ」と
厳しく非難した。きつ音については触れなかった。

 判決は確定した。(塩入彩)




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2016年08月13日

私たちは「買われた」展 女子中高生のSOSを知って

朝日新聞  2016年8月9日

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18歳の女性の手記。友人に誘われ、乱交パーティーに行ったことなどが
つづられている。「行く場所があるだけで安心してた」


援助交際や風俗、JKビジネスなどで「売春」をした中高生たちが、
自らの体験や思いを伝えたいと企画した「私たちは『買われた』展」が
11〜21日、東京都新宿区で開かれる。写真や文章、日記などを
通して彼女たちは訴える。
「私たちが、いま、ここで生きていることを知ってほしい」

主催するのは、居場所のない女子高校生らを支援する一般社
団法人Colabo(コラボ)と、コラボが支援する24人。1
4〜26歳の中高生や女性らで、北海道から九州で暮らす。
かつて立っていた街角、体をくっつけて暖を取った自動販売機、
リストカットを繰り返して傷だらけになった腕――。
自分の体験が深く関わる場所や場面を再現した写真のほか、
思いをつづった日記や絵、体験談など約100点を展示する。

関東地方で暮らす高校1年のあいさん(16、仮名)は中学生の
とき、母親と自分に暴力を振るう義父のいる家に帰りたくなくて、
新宿に出た。ひとりで下を向いて歩いていたとき、
男の人に声をかけられた。

 「ひとり?」。うなずいた。「お金欲しいんでしょ? 
あげるからついておいで」。怖くて体が固まった。
手を引っ張られ、そのまま部屋に連れ込まれた。
男がくれた5千円で上履きや文房具を買った。

あいさんは今回の企画展を準備する中、過去と向き合って
過呼吸になったり、涙が止まらなくなったりした。それでも多くの
人に企画展に来てほしいと願う。「断れなかった自分が悪いと、
ずっと自分を責めてきた。でも、そういうところに行くしか
なかったことをわかってほしい」

発案したのは、コラボにかかわっている20代の当事者の女性。
昨秋、戦時中のインドネシアで「慰安婦」とされた女性たちの
写真展を、コラボ代表の仁藤夢乃さん(26)と一緒に見に
行った。つらい体験を訴え、カメラをまっすぐ見据えた年老いた
女性たちの姿に圧倒されたという。「私たちも何かできないか」。
そこから輪が広がり、中高生を含む24人が参加を申し出た。
昨秋から少しずつ準備を進め、全国から寄付を募って
開催にこぎつげた。

仁藤さんによると、ある大学で学生たちに売春する中高生の
イメージを尋ねたところ、「快楽のため」「遊ぶ金がほしいから」
などの答えが返ってきたという。企画展は、そのイメージに
一石を投じたいとの思いも込められている。仁藤さんは
「中高生の売春は自己責任論でとらえられがちだが、
決して彼女たちだけの責任ではない。

彼女たちが買われるまでには背景や過程がある。
それを知ってほしい。暴力的な性行為も少なくなく、
彼女たちは心身ともにその傷を生涯背負う。女の子たちの
SOSに気づける人が増えてほしい」と話す。

新宿区矢来町158の神楽坂セッションハウス2階ギャラリーで、
正午〜午後8時(最終日は午後5時まで)。
入場料は一般1500円、高校生以下は無料。
詳しくはコラボのウェブサイト
http://www.colabo-official.net/別ウインドウで開きます)。
(編集委員・大久保真紀)

■当事者の女性たちの声(手記などによる)

「小さいころから母は帰って来ず、妹と2人暮らしだった。
家はごみ屋敷。お金はなく、駅前で物乞いをした。
中学生になって母が再婚すると、今度は暴力を振るわれた。
街で男に『どうしたの?』と聞かれ、事情を話すと
『おなか、すいているでしょ』と言われた。男はコンビニで
おにぎりを買い、手を握ってきて、家に連れ込まれた。
怖くて抵抗できなかった」(15歳、中学生)

「小学校ではトップの成績だった。名門校と言われる私立の

女子中学校に入ると、私より良い点数を取る人たちがいた。
親は『成績が悪い』と怒鳴り、私を殴り、蹴った。
学校でいじめられ、不登校になった。そんなころ、ネットで
知り合った男の人に『会いたい』と言われて、うれしかった。
カラオケに連れて行かれ、最後までした。2回売春した」
(18歳、高校生)

「私には知的障害がある。健常者の妹が生まれてから、
家族とは食事や洗濯なども別にされた。学校でもいじめられた。
誰にもほめられたことがなかった。ネットでやさしく声をかけて
くれた男と遊ぶと、ホテルに連れ込まれた。
男はコンビニで食べ物を買ってくれた。性を売るとほめて
くれる人がいた。必要とされていると思える気がした」
(21歳、フリーター)

「学校でいじめられていることを先生に訴えたが、
何も変わらず、不登校に。居場所は家にもなかった。
ネットで知り合った25歳の男性は、私の話を聞いてくれ、
私を否定しなかった。唯一の心の支えで、体だけでも
求められたのがとてもうれしかった。私の存在価値を感じた。
いまは後悔ばかり。あのとき私に逃げ場があれば、
男性と関係をもつことはなかった」(14歳、中学生)

「両親が離婚し、祖母の家で暮らしていた。中学2年から、
夜になると、おじが部屋に来た。家を出る高校2年まで
性的虐待を受けた。周囲に訴えても、誰も信じてくれなかった。
家にいたくなくて、15歳で夜の仕事を始めた。
雇い主から言われた指定の場所に行き、売春した。
週2回、乱交パーティーで5〜6人のおじさんを相手に
する仕事もした」(18歳、フリーター)


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展示される20歳の女性の写真。成人式で着た着物の袖から、
無数の切り傷とたばこの火を押しつけた痕がのぞく


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「ママも頑張ってるんだからアンタも頑張って我慢しなさい」。
あいさん(16、仮名)が親から言われた言葉を作品に書き込んだ


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「産まなきゃよかった」「迷惑だ」「だれの金で飯食ってると思ってんだ」……。
女性たちが親や先生などに言われて傷ついた言葉を書いた作品

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15歳の中学生が描いた絵。「死にたかった」などの言葉もある


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21歳の女性がつづった食事ノートと日記。「寂しくて誰かの温(ぬく)もりが欲しくて……。
自分に負けた」。援助交際の相手に買ってもらったお菓子などの写真も貼られている

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あいさん(手前)と企画展の打ち合わせをする仁藤夢乃さん




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2016年08月12日

アパート経営「30年保証」、破られた口約束 減額・解約、事前説明なし

朝日新聞 2016年8月11日

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 「家賃は保証」などと誘われてアパート経営に乗り出した
大家から、業者とのトラブルの訴えが相次いでいる。
国土交通省は「大家も事業者」として規制強化に
消極的だったが、訴えは今後も増えることが予想され、
ようやく対策に乗り出す。
だが、実効性を疑問視する声も出ている。

相模原市のJR橋本駅からバスと徒歩で約25分。かつては

雑木林だった場所にある2階建てのアパート2棟は7月上旬、
約3分の1が空室だった。

大家の女性(66)は14年前、大手賃貸住宅管理会社の
営業マンに勧誘された。「30年間の一括借り上げ保証です」と
繰り返しアピールされたが、「家賃は下がる」との説明はなかった。
女性は「家賃は30年変わらない」と思い込んだ。相続税対策も
兼ね、銀行から1億円を借り入れ、2棟を建てた。

当初の家賃収入は毎月約126万円。しかし、8年が過ぎた頃から
「周辺物件の家賃より高い」などと値下げを2回求められ、
今は約106万円。契約書を見直すと、「状況に応じて家賃変更を
協議する」といった趣旨の記載があった。女性は「あまりにも
知識不足で、業者の言うがままに従ってしまった。
更に減額されるとローンが返せず、アパートを手放さざるを
得ない」と嘆く。

千葉県茂原市の男性(62)も21年前、約1億円の借金をして
市内にアパート2棟を建てた。大手賃貸住宅管理会社に
よる「30年間一括借り上げ」。契約時には「4年目以降は
家賃を2年ごとに原則3%上げる」との説明も受けたという。

だが家賃は一度も上がらず、逆に6万円減って月約70万円に。
2008年秋のリーマン・ショック以降は入居率が下がり、
11年秋に同社からほぼ一方的に契約を解除された。
入居者は一斉に退去。約1年間は家賃収入がほぼゼロになり、
返済計画が狂った。

契約書に中途解約を可能とする条項があった。
男性は「契約時には解除の説明はなかった。相手は一枚も
二枚も上手のプロ。個人では対抗出来ない」と話す。

大手各社は「誤解のないよう丁寧な説明を心がけている」
「家賃更新時は(大家に)理解を得られるよう訪問して
説明している」などとコメントしている。

 ■元営業マン「世間知らず狙った」

「世間知らずで、プライドが高く、人に相談しなさそうな人を
狙った」。賃貸住宅管理会社の元営業マンはそう明かす。
特に「狙い目」だったのは教員や医者、公務員らだったという。

まとまった広さの土地が比較的多い埼玉や千葉などで集中的に
営業。「相続税対策」や「老後資金の確保」などのメリットを
語った。契約の際は大家を本社に招き、役員らと一緒に
食事をするなど最大限の歓待をした。
「いわゆる催眠商法のようだった」とも。

大家が「本当に家賃は下がらないのか」と尋ねても、
「下げるわけない」「信頼関係です」と言い張った。
10年目以降は2年ごとに家賃を協議する契約になっているが、
「大家には10年目までまったく説明しなかった」と振り返る。

別の賃貸住宅管理会社の元社員は「アパート建築の時点で
利益は回収できた」と語る。1億円のアパート建設を同社が
自ら請け負うことで40%の4千万円が利益になると証言。
大手ゼネコン関係者は「利益は10%が業界の常識。
40%なんてあり得ない」と驚く。

12年末の自民党の政権復帰後、相次ぐ金融緩和で市場に
資金が余っている。日本銀行は今年3月のリポートで、
サブリースをはじめとするアパートの大家向けへの、地方銀行や
信用金庫からの貸し出しがここ数年で急増していると指摘。
地方には有力な貸出先が少ないため、だぶついた資金が
回っている形だ。

折からの超低金利に加えて、昨年1月からは相続増税に。
業界では「有利な資産運用で、節税にもなる」といった
うたい文句で営業が過熱しているという。

元社員は「アパートは増え過ぎている。近い将来に
家賃トラブルはもっと増えるだろう」と話す。

 ■規制対象業者は1割

アパートのサブリースをめぐるトラブルに対して、監督官庁の
国交省は当初、規制に消極的だった。

アパートを経営する大家は「あくまでも事業者」とのスタンスからだ。
消費者の場合は業者が不利益な情報をわざと隠すなどすれば、
消費者契約法によって契約を取り消すことができる。
だが、「事業者」である大家は原則対象外だ。
国交省は「事業者間の契約は互いに納得の上で結んだもの。
民間契約に干渉できない」との立場だった。

一方、サブリースの問題に詳しい三浦直樹弁護士は
「プロの賃貸住宅管理業者と資産の運用を目的にした
個人の大家とでは、情報や交渉力に大きな格差があり、
大家は実質的には消費者に近い」と話す。

08年秋のリーマン・ショック後は、大家らからの相談が頻発した。
社宅として多くの部屋を借り上げていた企業がリストラを

進めたことで空室が激増、賃貸住宅管理業者が相次いで
契約解除などに踏み切ったためだ。こうした状況も後押しし、
国交省は現行制度の範囲内で業者に説明の徹底を求める
規制強化を決めた。

ただ、不動産コンサルタントの長嶋修さんは「説明を義務化
しても、結局は現場の運用次第だ。強引な営業や大家との
トラブルをなくすために、家賃の減額リスクは従来の
契約書とは別の書面を作るなど強調して説明することが
求められる」と指摘する。

また、新たな規制の対象になるのは国交省の任意の
登録制度に参加する3735社。大手業者の大半が参加して
いるとはいえ、全国約3万2千社の約1割
だ。
長嶋さんは「中小も含めてより多くの業者がトラブル防止を
徹底する仕組み作りが必要だ」と話す。
(峯俊一平、水沢健一、中村信義)

関連記事です。
「家賃保証」アパート経営、減額リスクの説明義務化



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「全室を一括で借り上げる」「家賃は保証する」と業者から誘われ、
借金までしてアパートを建てたものの、数年後に家賃を減額された
――。そんな苦情が相次いでいることから、国土交通省は
「将来は家賃が減る可能性がある」との説明を賃貸住宅管理
業者に義務づける制度改正を決めた。金融緩和を背景に
今後も相続税対策などからアパート経営に乗り出す人は
増えるとみられ、トラブル防止を目的に規制を強化する。

土地の所有者が建てたアパートなどを業者が一括で借り上げ、
入居者に貸し出す「サブリース」と呼ばれる契約が対象。
入居者集めや管理は業者が行い、空室に関係なく毎月一定の
家賃を支払う。不動産取引では通常、業者に様々なリスクの

説明を法律で義務づけているが、サブリースはその対象に
ならない。個人の大家も不動産事業者で、対等な業者間の
取引とみなされるため、消費者並みの保護の仕組みはなかった。

しかし、近年は個人の大家を中心に「契約時に『30年一括
借り上げ』『何もせずに安定した家賃収入』などと言われたのに
途中で強引に減額された」「業者から契約解除を要求された」
などの苦情が急増。日本住宅性能検査協会には
過去5年間に477件の相談があった。

そこで国交省は、同省の登録制度に参加する3735社に
対するルールを改正し、9月から施行する。これまでは、
将来的な家賃減額などのリスクを説明する義務は明示
されていなかった。これを契約時に口頭や書面で行うように
明記する。2018年7月からは違反業者を公表する。
同省幹部は「大家が『契約時に聞いていなかった』
というトラブルは減る」と話す。

ただ、この問題に詳しい三浦直樹弁護士は「説明の義務化は
一歩前進だが、プロではない多くの人が大家となっているのが
実情なので、より強く規制する法律が必要だ」と指摘する。

国交省によると、15年の新築賃貸住宅は37万8718戸で、
前年比4・6%増と4年連続で増加。近年の金融緩和で、
大家の資金調達が簡単になったことが背景にある。
また、遊休地にアパートを建てれば相続税の節税にもなる
ため、昨年1月の相続増税後は建設に拍車が掛かっている。

一方、全国に820万戸(13年)ある空き家のうち賃貸住宅は
429万戸と半数以上。国交省幹部は「需要に見合わない
アパート建設が空き家の増加につながっている」と指摘する。
(峯俊一平)

コメントです

バブルの時もそうでしたが、不動産業界は
「ババ抜き」のようなものです。
誰が最後にジョーカーをつかむか?

好景気な時は、ただ、みんなが転売を繰り返して、
そして最後に不良債権化してゲームオーバー。
現在は、誰もがリスクに敏感になっているので、
上記記事のような専門知識の乏しい地主が
狙われます。

そして、建設業者は立てたもの勝ち。
銀行は貸したもの勝ち。
管理業者はたくみな契約内容で絶対に
負債をかぶらないようにします。

そして、最後に地主がジョーカーをつかんで
ゲームオーバー。

こうような構造が成り立っています。
いくら法律で規制しようと思っても、
不動産業者は、まるで「振り込め詐欺集団」のように、
次の手を考えてきます。
このような、残念な現実がそこにあります。

















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2016年08月09日

(にっぽんの負担)公平を求めて 「お金ない」治療を断念

朝日新聞 2016年8月8日

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生活保護を受け、糖尿病の治療を再開した女性。
「お金がない。もう死んでもいいと思った」=埼玉県内の自宅

201608083.jpg
国民健康保険の保険料滞納世帯は減少傾向だが、
国保世帯の2割弱が滞納している


「このまま帰る。何もしないで」

 救急で運ばれた時のことはなにも覚えていない。看護師らに
後日聞くと、こうくり返していたそうだ。

 3年前の夏のことだ。埼玉県三郷市に住む女性(63)は、
50代半ばから糖尿病を患っていた。だが、救急搬送される
1カ月前に血糖値を下げるインスリンの注射をやめ、その影響で
心臓の状態が悪くなっていた。

注射をやめたのは、お金がないからだった。

女性は19歳で結婚し3人の子を産んだが、40代で離婚。
その後は1人、パン工場や清掃工場のパートで生計を立てた。
10年ほど前、居酒屋で知り合った男性と同居を始めた。
その頃からだるさやめまいを感じ、仕事を続けられなくなった。
糖尿病と診断され、ほかの病気も含めた月の出費が
2万数千円にもなった。

数年後、同居の男性も腰痛で早期退職。退職金を切り崩して
暮らしたが、自分の医療費が悩みのタネだった。病気はだんだん
悪くなる。血液をきれいにする「人工透析」が必要になりそうだが、
とても負担できないと思った。

 「これ以上、もう迷惑かけられない。長生きしたって仕方ない」

インスリンをやめてから、めまいがひどくて立てなくなった。
寝たきり生活になり、体重が20キロ減。1カ月ほど経った深夜、
体の震えで目を覚ました。心臓を中心に体の左半分ががくがく
震えた。もう終わりだ。広告の裏に走り書きした。
〈無縁仏にお願いします〉。台所で突っ伏しているのを
男性が見つけ、119番通報した。

搬送されたのは、千葉県流山市の東葛病院。女性が治療を
受けている間、病院の医療ソーシャルワーカー、柳田月美さんが
男性に切り出した。「本人は帰りたいと言ってますが、
このまま退院したら命はありません」

男性は絶句した。「そんなに悪いんですか! 高血圧としか
聞いてなかった」。貯金はほとんど底をついていた。
柳田さんのすすめで生活保護の受給を決めた。数日後、
病室で目を覚ました女性は、男性から「金の心配はするな」
と聞き、涙を流した。

いま、女性は退院し、週3回透析治療に通う。生活保護を受け、
必要な医療は受けられる。容体は安定した。助けてもらったのは
ありがたいが、こうも思う。「私なんかが生きちゃっていいのかしら。
だって医療費も税金。病気の人は大勢いる。私の分をほかの人に
回してあげなきゃいけないんじゃないのかな」

 ■制度知らず、手遅れも

東葛病院では、受診を我慢してしまったことで手遅れになった
可能性がある患者もいた。

警備会社に勤める50代女性=千葉県流山市=は2014年
11月の末、胸の痛みに耐えきれず、病院を訪れた。胸のしこりから
ウミが出て、異臭がしていた。しこりに気づいたのは3カ月前の8月。
放っておいたら、食事がのどを通らないほど痛くなり、
救急を受診したという。

医師は「乳がん」と診断。すぐに抗がん剤治療を始めようと
したが、女性は「仕事を休みたくない」と言って治療をためらった。

ソーシャルワーカーの豊田恵太さんが暮らし向きを聞くと、
「仕事が生きがい」という理由のほかに、お金の問題が
あることもうかがえた。

しばらく前に夫と離婚し、子どもと2人暮らし。ショッピングモールの
警備をしていた女性の月収14万〜15万円が一家の主な収入だった。
アパートの家賃5万3千円をひくと日々食べていくのがやっとで、
貯金はほとんどゼロだった。国民健康保険料も滞納し、保険証は
交付されず、国保の「被保険者資格証明書」を持っていた。

保険証があれば病院での窓口負担が3割だが、資格証明書の
場合いったん窓口で医療費全額を支払う必要がある。
大金を工面することは女性には難しかった。仕事を休めば
1日分給料が減るのも、受診を控えた理由だった。

豊田さんのすすめで生活保護を申請。治療を始めた。
だが、半年以上の治療も実らずがんは肝臓などに転移した。
昨年秋、これ以上の治療が難しく、医師から「余命2カ月」と
言われた。

「私が我慢しちゃったからいけなかったんだよなあ」。病院の
談話室で、いつもは明るい女性が寂しそうな表情を豊田さんに
見せた。昨年11月、息をひきとった。

お金がなくても受診できる仕組みはある。生活保護の利用者は
必要な医療費が行政から支給される。生保受給者でなくても、
貧しい人に対して医療費の自己負担分を減免する
「無料低額診療」という制度もある。東葛病院も、
無料低額診療を行っている。

だが、亡くなった女性はこれらの制度を利用できていなかった。

豊田さんは「まだ腫瘍(しゅよう)が小さい段階で受診していれば、
女性はがんの摘出手術ができたかもしれない」と受診が
遅れたことを悔やむ。「無料低額診療や生活保護制度を
周知していかなければ、貧しい人が医療にかかれない
ケースは今後も続いてしまう」と危惧する。

 ■「国民皆保険」にほころび

「国民皆保険制度」にほころびが見える。誰もが国民健康
保険や「協会けんぽ」などの公的医療保険に加入し、
1〜3割の窓口負担を支払えば必要な医療を受けられる
という仕組みだ。

だが、実際には保険料が払えないために正規の保険証を
持っていない人や、保険に入っていても窓口負担が払えず
受診していない人が、少なからずいる。受診の回数を
減らしたり、高額な治療を断ったりする人もいる。

民間シンクタンク「日本医療政策機構」の08年の調査では、
1年間に費用が理由で医療を受けなかった経験がある人は、
世帯年収800万円以上かつ金融資産2千万円以上の
人々で18%。一方、年収と金融資産ともに300万円
未満の低所得層は39%だった。

収入や資産が少ない人々にも最低限の生活を保障するのが
生活保護だ。だが、生保を受けられる世帯のうち、実際に
保護を受けている割合(捕捉率)は1〜3割程度とされる。

貧困問題に詳しい都留文科大学の後藤道夫名誉教授の
推計では、世帯収入は保護の基準以下なのに実際は
保護を受けていない人は国内で2千万人前後に上る。
後藤氏は「多くの人々が福祉制度のすき間にいる。
病気にかかった場合、受診をためらう人がたくさんいるはずだ」と
指摘する。

 ■<解説>安全網の構築が不十分

 貧しさが理由の「受診抑制」が見受けられる現状は、
セーフティーネット(安全網)の構築がいまだに不十分な
ことを示している。急いで改めるべきだ。

 最後のとりでは生活保護だが、幅広く貧困層をカバー
できているかは疑問だ。収入が少なくても、一定の貯金が
あったり、車などの資産を持っていたりすると受給資格外と
される実態がある。条件がそろっても偏見をおそれ、
申請しない人もいる。立命館大の唐鎌直義教授
(社会保障論)は「英国の捕捉率は8割超。資産や貯蓄の
条件を緩和して生活保護を受けやすくするべきだ」と指摘する。

その上で生活保護にかからない人の医療をどう確保するか。
唐鎌氏は「収入が少ない人の保険料負担を引き下げたり、
医療費の窓口負担額を軽くしたりする仕組みを進めるべきだ」。

受診抑制はお金の問題だけではない。東京大学の
橋本英樹教授(公共健康医学)は「むしろ本当に必要なのは、
病気の人に様々な支援制度を知らせて受診につなげる
社会的なサポート体制だ」と話している。

 (牧内昇平)






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2016年07月24日

空き家活用へ家賃補助 低所得者向け公営住宅補う 国交省方針

朝日新聞 2016年7月22日

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国土交通省は、低所得者向けの住宅に空き家を活用し、家賃を
一部補助する方針を固めた。公営住宅を十分に供給できない
ためで、都道府県ごとに一定の基準を満たす空き家を登録し、
入居希望者に仲介する仕組みを来年度につくる。
低所得者の住宅環境の改善と、空き家の減少を目指す。

国交省によると、新制度では、空き家の所有者が物件を
都道府県などの窓口に申請。自治体が耐震性や断熱性を
審査し、データベースに登録する。入居希望者は自治体に申請し、
データベースから物件を探し、所有者と賃貸借契約を結ぶ。


家賃は周辺より安くし、自治体は所有者に家賃の一部を補助する。
所有者へのリフォーム代補助も検討する。具体的な入居基準や
補助率、補助対象は今後詰め、来年の通常国会に関連法
改正案の提出を目指す。

背景には低所得者向け住宅の不足がある。国交省によると、
主に低所得者向けに自治体が建てる公営住宅は全国に
216万戸あるが、厳しい財政状況のため新設に慎重で、
2005年度の219万戸をピークに減っている。

公営住宅は家賃が民間賃貸の約3分の1程度。応募倍率は
東京都で22・8倍、大阪府で10・5倍と入居しづらい状況にある。
月収15万8千円以下で公営住宅に入居できない低所得者の
うち100万世帯は、「単身者は25平方メートル」など国が定める
最低居住面積水準を下回る環境で暮らしている。

一方、入居者がいない戸建て住宅やアパートの空き部屋などの

空き家は13年に820万戸にのぼり、空き家率は13・5%と
過去最高を記録。地域の 治安悪化が懸念されている。
将来は新制度で数十万戸の空き家の登録を目指す国交省

幹部は「公営住宅を新たに作るより、空き家を活用した方が
自治体の負担が 軽い。空き家解消にもつながる」と話す。
ただ、入居者の家賃滞納を心配する所有者もおり、
登録をどこまで増やせるかなどの課題もある。

こうした取り組みは自治体で先行している。茨城県ひたちなか市は
10年度から空き家の入居者に家賃補助する。家賃5万円以下の
物件で補助は上限2万円。岐阜県多治見市は07年度、
市営住宅への入居資格がある市民の空き家入居に最大1万5千円の
家賃補助を始めた。

 (峯俊一平)

コメントです
今日の記事に関しては少し辛口ですが、
いくら空き家が多いと言っても、賃貸マンション一棟が
ごろごろと余っているだけではありません。

すべて仕様・程度の違う数多くの空き家物件に、
どうやって補助金額を決定するのでしょうか。担当者がいかにも机上で議論して決定した方針ですね。
おそらく、うまく運用できないでしょう。




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2016年07月04日

(子どもと貧困)「食」の支え合い、手探り 子ども食堂、急増

朝日新聞 2016年7月2日

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子ども食堂でグラタンを食べる子どもたち=大津市、内田光撮影

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全国で開設が相次ぐ子ども食堂。朝日新聞の調査では、
活動資金をどう確保するか、困っている子に足を運んで
もらうにはどうすればいいかを課題に挙げるところが多かった。
貧困対策というイメージから抵抗感を持たれるケースもあり、
各地で模索が続いている。

 ■新設 週3回無料「家族みたい」

「ハラ減った〜。早く〜」。6月の土曜正午、沖縄県中部の
公共施設。われ先に飛び込む小学生らの声が響いた。

 3月から週3回開かれている無料の子ども食堂。この日は
約50人が集まった。メニューはそうめん。ボランティアの
女性数人が錦糸(きんし)卵やキュウリをのせ、つゆをかけていく。
「朝ご飯食べてない」と、待ちきれず先に手をつける子もいた。

配膳を手伝い、最後に食べ始めた中学3年の女子生徒(14)は
母子家庭で、5人きょうだいの末っ子。兄姉は仕事やバイトで
帰りが遅く、女子生徒が炊事、洗濯、掃除を担う。公民館で
週2回開かれる無料塾にも通い、そこで夕食もとる。

「家に食べるものがない時もあるからうれしい。
大きな家族ができた感じ」

一方、「貧困の子が行く場所」という認識が、ハードルに
なるケースもある。

東日本の山間部で今春、公民館で子ども食堂を開きたいと
地区の区長に依頼にいった民間団体のメンバーは、
問い詰められた。「なぜ、うちでやるの か。困窮者が集まる
地域と思われる。どんな趣旨で開くのか」。他の地域で開いた
ときの新聞記事を後日持っていき、誰でも交流できる場と説明。

「どんな子も 楽しめるなら」と許可された。

九州でも昨年、公民館で開こうとして「貧困の子どもはいない」と
区長に拒まれたケースがあった。主催者が何度も足を運び、
「全ての人の居場所になり、地域が活性化する」と説得して
開設できたという。
あえて「子ども食堂」と名付けないところもある。

 ■資金 助成や寄付で、やりくり

食堂の継続には安定した財源の確保が欠かせない。

子ども食堂の多い滋賀県。開設を後押ししているのが、
県社会福祉協議会などでつくる「滋賀の縁(えにし)
創造実践センター」だ。モデル事業で昨年度から、食堂を
運営する団体などに初年度20万円、その後2年間は
10万円ずつ助成している。

5月現在で26団体が対象。今年度は県がこの事業を
支援するため1212万円を計上した。センターは
「小学校区に最低一つ、300カ所に増やしたい」。

助成対象の一つ、大津市の「しらゆり子ども食堂」は
一口5千円の協賛金も募る。運営する歯科医の
山元浩美さん(55)は「助成終了後も活動を続けるには
資金集めの仕組みが必要」と話す。

歯科医師会やロータリークラブで協賛を呼びかけ、
半年で30万円集まった。

ネットで資金を集めるクラウドファンディング(CF)の
利用も目立つ。

埼玉県川口市の「川口こども食堂」はCFで48万円を得た。
食材は寄付でまかなえるが、公民館の使用料やチラシ代、
絵本などを保管する倉庫代がかさみ、月2千円余り
足りないためだ。

CFで目標の1・2倍を集めたが、佐藤匡史(まさし)
代表(43)は「CFのお金が尽きたら“閉店”というわけに
いかない」と、オリジナルの文房具などを販売し、
運営の足しにする計画だ。

食材の寄付や会場の無償提供など現金によらない
支援も資金繰りを助ける。

食材の寄付は各地であり、「野菜はほとんど農家から
もらっている」ところも。那覇市ではスーパーの丸大長田店が
近くの食堂の希望する食材を無償で提供している。
琉球銀行は15団体に毎月1万円分の商品券や食材を贈っている。

 ■呼びかけ 困っている子に、どう来てもらう

相模原市南区の元飲食店を使った「相南ハッピーこども食堂」。
6月23日夕、十数人の親子で満員となった。訪れたのは、
つわりで調理が難しく娘を 連れてきた女性、妻が妊娠中で
息子2人と来た男性ら。運営する富岡美智子さん(52)は
利用を喜びつつ、「貧困や孤食などの子に来てもらえるかが
課題」と話す。
支援を必要とする子にどうすれば来てもらえるか。

誰でも利用できる形式の食堂に共通した悩みだ。

「冬休み中、毎日開いたが、来てほしいと思っていた子は
1回しか来なかった」(兵庫)、「ママ仲間が誘い合って来る。
コミュニティーになっていいが、しんどい親子にも来てほしい」。

情報を届けるため、子どもの実情を知る学校や地域と
つながる動きもある。

沖縄県うるま市の「スマイルカフェ」は、「誰でも無料で一緒に
ごはんを食べることができます」と書いた名刺大のカードを
小学校長や民生委員、ケースワーカー、市に配り、気になる
家庭に渡してもらっている。これまで数人の子がカードを
持って来たという。

食堂になっている児童館の山城康代館長(54)は
「情報を届けるには、地域の事情を知る人たちに頼むこと
だと思った。何度も足を運ぶのも大事」と話す。

 (河合真美江、中塚久美子、丑田滋)

     ◇

後日、生活面で子ども食堂への多様な関わり方や
支援の事例を紹介します。

 ■学校と連携を

桃山学院大の金沢ますみ准教授
(スクールソーシャルワーク論)の話 
国の貧困対策とは別に、地域でできることとして子ども食堂の
ような場が始まっ た。つながりが薄れ、気になる子に声を
かけにくい社会になっている。どの子も安心して過ごせる場が
必要だと多くの人が感じ、活動が広がったのではないか。

地域にどんな子がいるのかを知り、何を目指すのかを
共有することが大切だ。大人の気持ちより、子どもが
必要とすることを探してほしい。鍵になるの は学校との連携。
事前に活動を丁寧に説明すれば、理解を得やすくなる。
無理のない範囲で続けることが、子どもの安心・安全を支える。

 ■各党、奨学金拡充など公約

子ども食堂に対し、政府は間接的に支援する。政府が中心に
なって昨年秋に立ち上げた「子供の未来応援基金」は、
民間から寄付を募り、資金を必要と する団体への橋渡し役を

する。寄付金は6億円を超え、6月末、同基金は支援する
団体の公募を始めた。500万円を上限に事業費を助成する
仕組みで、子ども 食堂を運営するNPO法人などは
支援先の有力な候補だ。

子どもの貧困対策は大きな政策課題となっている。

国民一人一人の可処分所得を計算し、ちょうど真ん中の
人の所得の半分に満たない18歳未満の割合を表す
子どもの貧困率は2003年から上昇し続けている。
最新となる厚生労働省による12年の統計では過去
最悪の16・3%。18歳未満の6人に1人が「貧困」とされ、
十分な食事や教育を受けられていな い可能性が高い。
とりわけ子どもの貧困率が5割を超すひとり親世帯への
支援は喫緊の課題だ。

ひとり親の子ども向けに学習支援と食事の提供などを
する自治体に対し、政府が最大で900万円を補助する
事業は今秋から始まる。政府は「可能な限り早期に
年間延べ50万人分の居場所をつくる」という
数値目標を掲げている。

また、低所得のひとり親に支給される児童扶養手当は、
今年12月支給分から第2子以降の支給額が最大で
倍増する。ただ、手当の支給は高校を卒業するまでの
ため、返済する必要がない「給付型奨学金」の創設などが

各党の参院選の公約に並ぶ。

安倍晋三首相は先月22日のNHK番組で「子どもたちが
経済事情で進学をあきらめなければならないということが
あってはならない」と強調。民進党 の岡田克也代表は
先月29日の街頭演説で子どもの貧困問題を取りあげ、
「自民党政治が間違っているからこうなっている。
暴走を止めて、一人一人が安心して 生活できる
日本を一緒につくっていこう」と訴えた。(伊藤舞虹)

 ■子どもの貧困解消に向けた各党の公約

<自民> 幼児教育の無償化や高校生等奨学給付金の
充実、大学生らへの給付型奨学金制の創設などに
取り組み、教育の機会均等を実現

 <民進> 就学前教育や高等教育の負担を軽減。
貧困が子どもの健康に悪影響を及ぼし、学習や就労を
阻害しないよう子ども食堂を促進

 <公明> 子育て世帯などの住宅困窮者を対象に
空き家などを低家賃で提供するセーフティーネット
住宅を100万戸整備

 <共産> 就学前の子どもの医療費を所得制限なしで
無料化。大学の授業料を半額に。月額3万円の給付型
奨学金を70万人の規模で創設

 <おおさか維新> 経済格差で教育を受ける権利を
奪われないことと、教育の全課程の無償化を憲法上の
原則として定める

 <社民> 都道府県、政令指定市別の子どもの貧困率
調査を実施。児童扶養手当の所得制限の引き上げや
支給回数の増加などに取り組む

 <生活> 高校授業料無償化は堅持し、私立高校や
大学の授業料を減額。給付型奨学金の創設や貸与型
奨学金の無利子化などに取り組む

 <日本のこころ> バウチャー制度による子育て・教育
政策の拡充により、親の経済格差によらず子供の
教育を受ける機会を保障

 <改革> 有利子の貸与型奨学金の無利子化、
返済不要の給付型奨学金の創設。児童手当を充実させ、
毎月の支給とするなど運用を改善



コメントです
「こども食堂」の話題の続編です。
地域によって多少の温度差はありますが、
それでもなんとか立ち上げたい空気が
各自治体にあるようです。
できるだけ実現してほしいですね。


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2016年07月03日

子ども食堂、300カ所超す 貧困・孤食、広がる地域の支援

朝日新聞 2016年7月2日

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家で十分な食事が取れない地域の子どもらに無料か
安価で食事を提供する「子ども食堂」=キーワード=や
同様の取り組みをする場所が、5月末時点で少なくとも
全国に319カ所あることが朝日新聞社の調査でわかった。
今年に入って開設が急増。6月以降の開設も相次いでおり、
今後さらに増える見通しだ。 

「きょうは何?」「グラタンだよ」。6月の平日午後5時半、
小学生の男の子たちがビルの一室に駆けこんできた。
大津市で昨年末に始まった子ども食 堂。週1回、
ボランティアが手作りの食事を出す。「おいしいっ」。
15人ほどが食卓を囲む。一気にたいらげるとテーブルを
台にして卓球に興じた。

 こうした子ども食堂が、全国で急増している。

各地の子ども食堂のネットワークや団体などの情報をもとに
朝日新聞が1カ所ずつ聞き取った。困窮家庭の学習支援の
場や夜を独りで過ごすことが多い子どもの居場所などで、
食事を共にする活動も数に含めた。

調査の結果、都道府県別で最も多かったのは東京で50。
滋賀29、神奈川、京都、大阪が22、沖縄17と続いた。
全ての都道府県に最低でも1カ所はあった。

2013年までに開設したのは21カ所だったが、この年に子どもの
貧困対策法が成立。6人に1人という子どもの貧困率が14年に
公表され、支援の 機運が高まった。調理や食材提供、

遊び相手など活動が身近で参加しやすいことを背景に、
開設数は14年13カ所、15年100カ所、今年5月末までに

185カ所と急増した。

開催頻度は月1回が139カ所で4割を占めた。月2、3回が
71カ所、週1が57カ所。週5日以上も15カ所あった。
時間帯は平日夜が目立つ。

子どもの料金は、「お手伝い」などの条件付きを含め無料が
175カ所で55%を占めた。有料の場合は50〜500円で、
100〜300円のところが多い。大人は子どもより高く設定
されているところが多かった。

運営はNPO法人や民間団体、住民有志、個人など。費用は、
寄付や持ち出し、公的補助や民間企業の助成金などで賄われている。
開催場所は公民館や児童館などの公的施設のほか、事務所、
空き店舗、民家、医療機関の交流スペース、寺などが使われていた。

厚生労働省によると、食品衛生管理に関しては「ケースに応じ、
各地の保健所が営業許可の必要性などを判断する」という。
(中塚久美子、河合真美江、丑田滋)

 ◆キーワード

<子ども食堂> 民間発の取り組み。貧困家庭や孤食の
子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まった。

「子ども食堂」という名前が使 われ始めたのは2012年。
最近は、対象を限定しない食堂が増えている。食堂という形を
取らず、自宅以外で過ごす居場所で食事を出しているところもある。

コメントです
少し前に「こども食堂」の言葉を知り、ずっと気になって
いましたが、この活動は現在も継続、そして増加傾向に
あるようですね。
今日の記事を読んで嬉しい気分になりました。




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殺人10件、放置し時効 強盗187件、強姦120件 大阪府警

朝日新聞 2016年7月1日

大阪府警は30日、事件捜査が長期間放置されていた問題の
最終調査結果をまとめた。全65署中61署で、1975〜2012年に
起きた計2270事 件の捜査と証拠品計8345点が放置されたまま、
時効が成立していた。殺人も10件含まれ、強盗や強姦(ごうかん)
などを加えた重要犯罪の放置は503事 件に上る。
異動時に引き継がず、証拠品も置き去りにされたとみられる。

今年2月の中間報告は、約4300事件が放置され、殺人などは
ないとしていた。しかし精査の結果、1991年6月に泉佐野市で

起きた強盗殺人など 殺人事件10件、強盗事件187件、
強姦事件120件などが含まれていた。一方で、同一事件の
二重計上などを省き、総件数は減った。

調査にあたった刑事総務課は「証拠上、十分に捜査したとみられ、
時効前に逮捕状が請求できるほど容疑者が特定されていた
事件はない」と結論づけ た。ただ、197事件では証拠書類などに
疑いのある人物名が記されており、捜査がどこまで深まって
いたのか、疑問を残す結果となった。

時効を迎えた事件の証拠品は原則、速やかに送検しなくては
ならない。府警は30日までに軽微なものなどを除く1216事件
(証拠品4848点)を 送検。356事件で被害者や遺族に会い、
時効に至ったことを陳謝した。証拠品の多くは段ボール箱に
入れられ、所定の保管庫でなく、署のボイラー室や押し入れ、
更衣室などに放置されていた。

222事件については、捜査を始める時につくる「受理簿」が
残されていなかった。事件の引き継ぎには欠かせない書類で、
府警は「紛失したか処分したと思われるが、調査では
わからなかった」としている。(染田屋竜太)

 ◆キーワード

 <大阪府警の捜査放置問題> 事件の証拠品の紛失や
捏造(ねつぞう)が相次いだ府警は、2012年、証拠品のリストと
つき合わせて点検。同年12 月に117事件で301点が紛失して
いたと公表した。これとは別に同年11月、羽曳野署の機械室で、
容疑者を特定していた傷害事件の証拠品や逮捕状請求書が
見つかった。これらはリストに記載がなく、府警は直後から、
ほかに放置された捜査や証拠品がないか調査を始めた。

関連記事です。
放置で時効2千件超 大阪府警、覚醒剤ずさん管理

大阪府警が殺人や強盗を含む2千件超の捜査を放置していた。
事件は時効を迎え、証拠品も置き去りにされていた。

 「捜査は尽くしたと信じている。だが、経緯がわからない事件も
多く、詳しく説明できないのは申し訳ない」。調査結果を説明する
刑事総務課の担当者は、取材にそう繰り返した。

1991年6月に 大阪府泉佐野市で70代の女性が殺害され、
通帳などがなくなっていた事件では、泉佐野署に捜査本部を
設置。捜査記録の日付は、翌年12月で途絶えていた。
2006年に時効を迎えたが、証拠品85点は署に放置。
ノートなど3点は紛失していた。府警は13年、遺族に経緯を
説明し、謝罪したという。

最も古い証拠品は大阪市内の生野署にあった切り出しナイフ。
75年10月の日付が入った書類と一緒に見つかったというが、
事件の概要などはわからず、銃刀法違反容疑で送検した。

調査では、粉末なども鑑定。覚醒剤72点や大麻5点などが
混じっていることがわかり、保管のずさんさが改めてはっきりした。
刑事総務課の担当者は「組織として証拠品の重要性への
意識が足りず、管理が不適切だった」と認めた。

捜査、証拠品の放置は大阪府警だけではない。2010年には
京都府警で、証拠を紛失した9事件で時効を迎えていたことが
発覚。警視庁でも14年に、時効が成立した約3500事件の
証拠品約1万点が放置されていた。(染田屋竜太)



コメントです
大阪府警の捜査放置の話題です。
おそらく、証拠品等の管理手順や、
未解決事件の捜査について、
保有している情報管理をきちんと
やれば、このようなおそまつな事例は
減少するはずです。
このあたり、民間のノウハウを活用して、
館内のシステムの整備を行うべきです。

posted by salsaseoul at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2016年06月21日

嫡出否認できるのは夫だけ DV被害女性「違憲」提訴へ

朝日新聞 2016年6月20日

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生まれた子との間に「親子関係がない」とする
「嫡出(ちゃくしゅつ)否認」の訴えを夫しか起こせない民法の
規定は男女平等などを定めた憲法に違反するとして、兵庫県内に
住む60代の女性らが来月にも、国に損害賠償を求めて
神戸地裁に提訴する。娘や孫の「無戸籍」状態が続いたのは、
この規定が原因と主張する。

代理人の作花知志(さっかともし)弁護士によると、この規定の
違憲性を正面から問う訴訟は例がないという。

提訴するのは女性と娘、2人の孫の計4人。訴状などによると、
女性は約30年前、夫の暴力から逃げて別居し、離婚が
成立する前に別の男性との間に娘を出産した。
男性を父親とする出生届を出したが、法的には「夫の子」と
なるため受理されず、無戸籍の状態に。その後に夫と離婚した。
娘が無戸籍だったため、その子である孫2人も無戸籍となった。

民法774条では、「自分の子ではない」と主張する嫡出否認の
訴えは、夫だけが家庭裁判所に起こせると定めている。
ただ、子の出生を知ったときから1年以内しか起こせない。

妻が父子関係を否定するには、親子関係不存在確認の訴えを
起こす方法があるが、夫婦の実態がないことなどを証明する
必要がある。また、子が実の父親に認知を求めることもできるが、
原告の女性の場 合、離婚後に裁判官から「元夫の話を聞く
必要がある」と言われた。元夫との関わりを絶っていた

女性はこうした手続きを断念し、娘は無戸籍が続いたという。

訴状では、妻や子も嫡出否認の訴えが起こせていれば、
無戸籍が続くことはなかったと主張。774条の規定が
「法の下の平等」を定めた憲法14条や、「家族に関する
法律は個人の尊厳と両性の平等に基づいて制定される」と
した憲法24条に反すると訴えている。

作花弁護士は「男性中心で家制度を重んじた時代遅れの
規定が放置されており、改正が必要だ」と話す。
離婚後6カ月は再婚できないとする民法の規定のうち、
100日を超える部分を違憲とする最高裁判決が
昨年12月に出たが、作花弁護士はこの訴訟でも原告の
女性の代理人を務めた。

■無戸籍児生む要因

法務省によると、今月10日時点で確認された無戸籍の人は
全国に686人いる。民法は「女性が結婚中に妊娠した子は
夫の子」と定めるほか、「離婚から300日以内に生まれた子は、
前夫の子」などとみなす規定もある。こうした「嫡出推定」を
否認する訴えを妻や子が起こせず、離婚後も元夫の戸籍に
入ることを避けるために出生届を出せないことが、
無戸籍児を生む大きな要因になっている。

今回のケースで女性の娘は無戸籍になったが、役所に

掛け合って住民票は作られた。ただ、戸籍がないため
パスポートは取れず、1人目の孫は就学通知がすぐに
届かなかった。
元夫が死亡したことが3年前に分かり、実の父親の子とする
出生届を提出。今年になって3人とも無戸籍状態は
解消されたという。

原告の女性は「同じように苦しむ人はいるはず。自分が
訴え出ることで、制度に風穴を開けたい」と話す。
NPO法人「mネット・民法改正情報ネットワーク」の
坂本洋子理事長は「嫡出推定の制度は様々な不都合を
生んでいる。本当の父親を基準にした抜本的な法改正を
考えるべきだ」と指摘する。(金子元希)


コメントです
現在は家族関係、婚姻関係、そして人間関係が多岐にわたりすぎて、
なにかトラブルが起きたときに、それを整理・解決する法律が実状に
合わなく、整備するにも追いつかないのが現状ですね。
当事者間で解決できれば、それがベストなのですが…




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2016年06月20日

裁判員声かけ、元組員らを逮捕 福岡県警、威迫容疑

朝日新聞 2016年6月18日


福岡地裁小倉支部で5月にあった指定暴力団工藤会系
組幹部の裁判員裁判をめぐり、裁判員に「よろしく」などと
声をかけて威迫したとして、福岡県警は17日、
無職楠本利美(40)=福岡県行橋市=と会社員中村公一(41)の

両容疑者を裁判員法違反(威迫・請託)の疑いで逮捕し、
発表した。

2009年に裁判員制度が始まって以来、同法違反容疑での
逮捕は全国初。

北九州地区暴力団犯罪捜査課によると、2人は5月10日
午後4時ごろ、北九州市小倉北区の地裁小倉支部近くで、
初公判を終えて支部から出てきた裁判員2人に
「あんたら裁判員やろ」「顔覚えとるけんね」「よろしくね」
などと声をかけ、威迫するなどした疑いがある。
裁判員法は、裁判員への威迫行為(脅迫)や請託(依頼)を
禁じている。同課は2人の認否を明らかにしていない。

この裁判では、工藤会系組幹部(40)が昨年1月に
北九州市内で知人男性を日本刀で刺したとして、
殺人未遂罪に問われた。関係者によると、両容疑者は
組幹部の知人で、楠本容疑者は工藤会系の元組員。
組幹部を「兄貴」と呼んで慕っていたという。

県警は、2人が裁判員に圧力をかけて裁判に有利な
影響を与えようとしたとみており、工藤会の組織的な
関与がなかったか調べる。被告側弁護人(当時)によると、
組幹部は「全く知らない」と声かけへの関与を否定している。



コメントです
NHKより抜粋

専門家「安全策を検討してほしい」

今回の事件について、裁判員制度に詳しい國學院大学法科
大学院の四宮啓教授は、「安全な場所まで裁判員をバスで
送り迎えするなどの措置も考えられたのではないか。
今回の事件を反省材料として裁判所にはさまざまな
安全策を検討してほしい」と話しています。

一方で、暴力団関係者の裁判に裁判員が参加すべきか
どうかについては、「刑事裁判に国民の良識を反映させるという
趣旨で制度が作られたので、裁判員の参加は大原則とすべきだ。
この事件をきっかけに裁判員を除外する基準がゆるくなれば、
国民の制度ではなくなってしまう」と指摘しています。




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2016年06月12日

(いちからわかる!)子どもの貧困格差、日本で深刻なの?

朝日新聞 2016年6月11日


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 ■先進41カ国で8番目に大きい。学力や健康に影響も

 アウルさん 子どもの貧困(ひんこん)格差が深刻と聞いたわ。

 A その国の最貧困層の子どもが標準的な子どもに比べて、
どれぐらい厳しい暮らしをしているか。それに着目したのが、
子どもの貧困格差だ。貧困率が貧困の広がりを表すのに対し、
貧困格差は深まりを示す指標だ。先進41カ国で日本は8番目に
格差が大きかった。ユニセフ(国連児童基金)が4月に発表した。

 ア どう計算するの?

 A 厚生労働省の 国民生活基礎(きそ)調査から2012年の
数値を使った。18歳(さい)未満の子どものいる家庭の年間手取り
収入を家族の人数で調整した金額を、まず試 算。それを順番に
並べ、下から10%目と真ん中の子どもの金額差を数値化した。
子どもに収入はないけれど、その金額に相当する生活水準にある、
という考え 方だ。

 ア それで結果は?

 A 下位10%目は84万円で、真ん中の211万円より127万円
少なかった。最貧困層の子どもの金額は、標準的な子どもの
4割にも満たない。上位の北欧(ほくおう)諸国は6割以上だよ。

 ア 順位は下がったの?

 A ユニセフが日本について分析(ぶんせき)したのは今回が初めて。
今までは各国と比較(ひかく)可能な日本のデータがそろわなかった。
ただ、首都大学東京の阿部彩(あべあや)教授が今回分析したところ、
日本は1985年より格差が拡大している。

 ア 貧困の度合いが大きいと、どんな問題が?

 A 貧困から脱(だっ)するのが難しくなる。学力低下や健康悪化の
リスクも高まるので、金銭的支援(しえん)だけでなく、手厚く多彩な
支援がもっと必要だ。

 ア 対策をとらないと。

 A 限られた財源をどこに充(あ)てるかは、議論が必要。
現金給付のほか、子育てにお金がかからないようにすることも
考えないと。教材費なども含(ふく)めた義務教育の完全無償化

を望む声も大きいよ。

 (田中陽子)

コメントです
子供の貧困率の話題です。
以前から日本は世界順位で下位にあると聞いていましたが、
このような現実を突きつけられると、少し情けない気分に
なります。




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2016年06月05日

LINE上も「賭博場」? 賭け事募集、司法の判断は

朝日新聞 2016年6月3日

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 無料通信アプリ「LINE(ライン)」で賭け事の参加者を
募るのは違法な「賭博場の開帳」にあたるか――。
明治時代にできた刑法の処罰対象の解釈をめぐり、

検察と弁護側が対決する野球賭博事件の裁判が
16日にも大阪地裁で始まる。
ラインは賭博場なの?

この事件は、大阪府藤井寺市の
建設業ダルビッシュ翔被告(27)がラインを使い、
野球賭博の胴元となって昨年4〜10月に友人ら
数十人から969回、総額1億円余りの賭け金を集めたとして
刑法の賭博開帳図利(とり)罪に問われたもの。プロ野球や
米大リーグの試合結果を予想させ、1口1万円を募ったとされる。
被告が大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手の
弟だったことでも注目を集めた。

被告は10月末に大阪府警に 逮捕され、起訴後に保釈された。
取材に「幼なじみの友人との仲間内の行為。利益のために
やったわけではない」と無罪を主張。
「暴力団とのつながりもない。 裁判で事実を訴えたい」と
話した。事件に絡み、自らが賭け客になったとする常習賭博罪は
認め、集めた金の使途は公判で明らかにするという。

賭博開帳図利罪とはどんな罪なのか。刑法によると、
「賭博場を開いて利益を図った者」に3カ月から5年以下の
懲役刑を科す。今年1月に始まった検察と弁護側の
協議で「賭博場」の定義が争点に浮かんだ。

検察側は、賭博の参加者を固定電話で募った事件で最高裁が
1973年、賭博場とは「必ずしも賭博者を一定の場所に
集合させることを要しない」とした決定内容を重視。
当事者それぞれの居場所を含む空間全体が賭博場だとし、
ラインを使った今回の事件もこれにあてはまると主張する。

一方、弁護側は「賭博場は特定可能な一定の物理的空間
とみるべきだ。最高裁決定も固定電話が特定の事務所に
あった点を考慮している」とし、電子空間は賭博場に
あたらないと反論する。弁護人の下村忠利弁護士は
「検察の主張は、犯罪となる行為をあらかじめ法律で
明示しなければならないとする憲法31条の罪刑法定主義に
反する」と話す。

電子空間は「賭博場」なのか。

賭博開帳を手助けしたとして幇助(ほうじょ)罪に問われた
男性に対し、福岡地裁は 昨年10月、判決を言い渡した。
胴元と参加者が携帯メールでやりとりした行為について
「賭博場と評価できる一定の場所や設備を提供したとは
言いがたい」と 指摘。刑法の規定が時代に合わないと
しながら、「解釈で処罰を広げることは許されない」と罪の
成立を否定した。そのうえで予備的に問われた常習賭博の
幇助 罪のみ認めた。

一方、別の事件で大阪地裁は今年3月、携帯メールや
ラインで賭けさせた胴元の男性について賭博開帳図利罪の
成立を認めた。自宅や近辺で集計表を作り、金銭の受け渡しも
していた点に着目し、この行動範囲を「賭博場」とみなした。

司法の判断が割れる背景には、法律が現実に追いついて
いない現状がある。刑法は明治時代の1907年に制定された。
園田寿(ひさし)・甲南大法科大学院教授(刑法)によると、
当時は客を賭場に集めて開くサイコロ賭博(丁半賭博)などが
主流。「刑法の規定は特定の物理的空間を想定していたと
考えられる。賭博場の定義がテクノロジーの進歩に
追いついていないのは確かだ」と言う。

これまでも技術の発展や犯罪の変化に合わせ、刑法は改正を

重ねてきた。旧刑法時代の20世紀初め、電気を盗む行為は
窃盗罪にあたるかどうかが裁判で争われ、最高裁にあたる
当時の大審院は有罪と判断。現行の刑法に
「電気は財物とみなす」と盛り込まれた。

近年では2001年、不正なクレジットカードを作ることが罪と
して明示された。2011年には、インターネット犯罪の増加を
背景にコンピューターウイルスを作る罪が追加されている。

園田教授は「賭博場の定義を拡大解釈すると、国内法の
及ばない海外にいてもネットさえ使えば処罰できることになる。
法の適用の可否は道義的なよしあしとは別に考えるべきで、
現実との隔たりは法改正で対応するのが筋だ」と話す。
(阿部峻介)


コメントです
LINEを使った賭博に関する話題です。
科学技術の進歩の速度と法整備の速度を
比べたら、その差が歴然なのは
いうまでも
ありません。

法律が実状に追いついていないことを
ふまえて、早急な整備が必要です。




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2016年05月14日

「新耐震」でも崩れた 激震2回、26棟が全壊・倒壊 熊本・益城、惣領南部地区では

朝日新聞 2016年5月14日


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益城町惣領南部地区の建物被害状況<グラフィック・甲斐規裕>


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益城町惣領南部地区の被害状況



熊本地震で震度7を2回観測した熊本県益城(ましき)町で、
朝日新聞は被害が大きかった惣領(そうりょう)南部地区の
全ての建物の損壊状況を調べた。激震の連続で、
「新耐震基準」の建物26棟も含め、地区内の約2割の
139棟が倒壊か「全壊」状態になっていた。
地盤が弱い川沿いの埋め立て地だけでなく、古くからの
宅地も含めて被害が広がっていた。専門家は
「新耐震でも十分ではない場合がある」と警鐘を鳴らすが、
国土交通省は基準の見直しについて慎重だ。

復旧工事に関わる車などで、日中は渋滞しがちな県道の
南側に広がる住宅街。惣領南部地区は、一歩足を踏み
入れると、ぺしゃんこに崩れ落ちた家々が 四方に
広がっていた。電柱は倒れかかり、電線は地上近くまで
垂れ下がったまま。車1台がやっと通れる道路は、
がれきで埋まっていた。

倒壊した建物が最も多かったと複数の町民がいう
この地区で、朝日新聞は、県建築士会の協力を受け、
地区内の建物全667棟を独自に調査。約2割の139棟が
倒壊したり建て替えが必要なほど損壊したりしていた。
うち26棟は新耐震基準の建物だった。これらの家屋は
地区内にまんべんなく広がっていた。

 ■資産価値ゼロに

1カ月前まで、暮らしの息吹が感じられたはずの場所は今、
静まりかえっている。そんな中、主婦の佐野幸子さん(66)は
黙々とがれきの片付けをしていた。

夫(69)の定年を見据えて、1989年に木造2階建ての家を
建てた。81年の建築基準法改正を受け、震度6強〜7程度で
倒壊しないことが目標の新耐震基準が適用された。
2人の子が独立し、「これから夫婦でゆっくりできる」。
そう考えていた矢先だった。

4月14日夜の前震で被害はなかったが16日未明に本震が
襲う。2階部分の柱は大きく傾き、大半の窓ガラスが割れた。
外壁に約1メートルの亀裂がいくつも入り、1階の風呂の壁は
崩落した。「資産価値はなくなった。夫の退職金をつぎ込んで、
やっとローンを払い終えたのに。ほんの数十秒で全てを奪って
しまうんですね」。佐野さんは肩を落とす。

佐野さん宅について、同会は「建て替えが必要。市町村の
罹災(りさい)証明の調査で『全壊』と認定される可能性が高い」と
指摘した。

政令指定都市の熊本市中心部から南東へ約9キロ。
地区は近年、熊本市内に通うサラリーマンらのベッドタウンに
なりつつあるという。地元の建設会社長(66)は「以前は重い
瓦屋根の古い家が多い地域だったが、近年は空き地に
新しい家が建ち始めた」と話す。

 ■「離れたくない」

岩下仁作さん(85)宅もそんな家の一つ。63歳で会社を退職後の
95年、古い自宅の隣に新耐震基準の家を建てた。妻と2人で
暮らすには古い家でも十分だったが、「いつか自分の力で
建てた家に住みたい」と、こつこつためた約1千万円をつぎ込んだ。
孫やひ孫が遊びに来られるように部屋は八つ。
将来は息子に譲るつもりだった。

そんな自慢の家は、2度の激震で全壊状態になった。
巨大な瓦屋根が地上付近まで落下。
1階部分は完全に押し潰された。

「やっとの思いで建てた家。この場所を離れたくない」。
岩下さんは時折、涙を浮かべて話した。

福岡大学工学部の古賀一八教授(建築防災学)によると、
建物の被害は町内でも県道の熊本高森線と秋津川の間の
惣領南部地区で特に大きい。「一帯は河川や扇状地を
埋め立てた地盤の弱い地域を宅地化しており、液状化の
現象もあちこちで起きた」と指摘する。

朝日新聞の調査で、倒壊したり建て替えが必要な状態
だったりした139棟のうち、「旧耐震基準」で建てられた家は
90棟あった。

旧耐震で倒壊した家は重い瓦屋根が目立つ。
荒牧不二人さん(当時84)は瓦ぶき木造2階建ての自宅の
下敷きになって死亡した。近所の主婦(71)は「昔、この辺りで
一番立派な家だった」と話した。

町内にある工務店の社長(70)は「旧耐震の家も新耐震の
家もまんべんなく壊れている印象だ」と語る。

 ■震度7級、耐震性3〜4割に低下

震災への最大の備えは耐震化だ。建物が壊れたとしても、
少なくとも人命は守ることを目的に、耐震基準は大地震の
たびに強化されてきた。
建物被害が目立った熊本地震は耐震化の重要さを改めて
示すとともに、新たな課題も突きつけた。

耐震基準は1978年の宮城県沖地震を機に、81年に大幅に
引き上げられた。それ以前の建物は、新しい建物と比べて
耐震性が劣るものが多い。日本木造住宅耐震補強事業者
協同組合が全国で耐震診断した約2万棟の結果を集計した
ところ、80年以前の建物の98%が震度6強以上で倒壊する
可能性があったという。

熊本地震の被災地を調査した建築研究所の槌本敬大
上席研究員は「揺れの大きかったと思われる地域では、土壁の
家や、筋交いがない家はほぼ間違いなく壊れていた」と話す。

新耐震も万全ではない。益城町の約200棟を調査した
宮澤健二・工学院大名誉教授(耐震工学)によると、
新耐震で建てたとみられる住宅約120棟のうち約70棟が
倒壊か大破し、被害は2000年以前の建物に集中していた。
この年は、95年の阪神大震災を受けて、柱と土台、はりを
つなぐ金具や、壁の配置に関する規定が厳格化された。
「新耐震でも金具が十分でないものがある」と言う。

さらに、日本建築学会九州支部が益城町で行った2600棟
規模の調査では、00年以降に建てられたとみられる
木造家屋でも全壊したものが約50棟あった。

原因分析はこれからだ。木造の場合、震度7級の揺れで
10センチ程度変形し、耐震性能は3〜4割に落ちる。
強い揺れの繰り返しが被害を拡大した可能性がある。
また、造成した盛り土が崩れて倒壊したり、弱い地盤によって
局地的に揺れが増幅されたりした可能性も指摘されている。

 ■基準見直し、国は慎重 建設コストが増加、住宅価格に影響も

東京理科大の井口道雄名誉教授(耐震工学)は「現在の
耐震基準は震度7の地震が連続して起きる事態を想定して
いない。耐震基準は命を守るための最低限の基準。
国や業界は住民が安心できる基準作りの議論を始める
べきだ」と指摘する。

だが、基準の見直しについて、国土交通省は現段階では
慎重だ。同省幹部は「新しい住宅で倒壊したものは一部。
原因も分からず、基準の見直しを検討する段階ではない」と
話す。

同省は専門家を現地に派遣し、倒壊家屋を調べている。
別の同省幹部は「原因を特定し次第、現在の基準が十分か
どうか予断を持たずに検証したい」という。

仮に基準が見直されれば、横揺れに強い壁の量を増やす
必要がある。約5200万戸ある既存の住宅の改修は強制には
ならないとみられるが、新築は義務づけられる。
阪神大震災をきっかけに耐震改修促進法ができ、81年以前に
建てた旧耐震基準の住宅について耐震診断や耐震工事の
費用を一部補助する仕組みがある。だが、2013年時点で
耐震性不足の住宅は全国に約900万戸ある。

不動産コンサルタント会社「さくら事務所」(東京都)の
朽木裕二建築士は「耐震基準を強化すれば、建設コストが
増し住宅価格は上がる。
ハウスメーカーや消費者への影響は大きい」という。

コメントです。
熊本大地震で新耐震基準でも家屋が倒壊した話題です。

大地震のたびに耐震基準が見直されたと本文にありますが、

自然災害が相手ですから、どこで線を引くかは困難ですね。
基準を上げすぎたら建設コストが膨れ上がるし、現状でいくと
大地震に耐えられない。
いずれにしても、今回の熊本大地震、2度の本震など
これまであまり聞かなかった事例ですから、今日の記事にも
あるように、今後、より多くの教訓を与えてくれることでしょう。


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2016年04月29日

菊池桃子さん「PTAは任意」 発言に広がる共感なぜ?

朝日新聞 2016年4月27日
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1億総活躍国民会議の初会合を終え、報道陣の取材に答える
メンバーの菊池桃子さん=2015年10月、首相官邸


学校のPTAは、入っても入らなくてもどっちでもいいはずなのに、
全員参加の雰囲気がある――。
先月、タレントの菊池桃子さんのこんな趣旨の発言が、ネット上で
話題になった。活動するもしないも個人の自由のはずなのに、
なぜPTAの世界ではそれが難しいのか。

■共感の投稿相次ぐ

菊池桃子さんがメンバーを務める政府の「1億総活躍国民会議」
終了後だった。発言は3月25日にあった会議で語った内容を
明らかにしたものだ。ネット上で注目され、ツイッターには
「よく言ってくれた」「正論だ」など共感するコメントが相次いだ。

菊池さんの発言に反響があったのは、PTAが一般的には
「事実上の強制加入」だからだ。子どもが入学すると、入会するか
どうか意思確認をせずに自 動的に会員としたり、退会の規定が
なかったりする学校がほとんど。会員になるだけでなく、
「全員が一度は役員を」「一人一役」といったルールもある。
活動を休んだり役員を断ったりすると、「不公平だ」
「授業参観には来るくせに」などと言われることもあるという。
建前は「任意」でも、「入会しない」選択は難 しいのが実情だ。

この春に東京都世田谷区の 小学校に長女が入学した女性(33)は、
入学前の学校説明会でPTAの説明を受けた。
入会の意思確認は何もなく、「毎年一つは係をしてもらいます」
などと 書かれた紙が配られた。PTA活動は任意と聞いたことは
あったが、「子どもに何か不利益があったらと考えると、
参加しないと言い出せる雰囲気ではなかっ た」。

■「加入義務はない」

首都大学東京の木村草太教授(憲法学)は「PTAに加入する
義務は法的にはない。憲法21条が保障する結社の自由は、
加入しない自由も保障している。任意であるものを強制かの
ように見せたり、子どもへの影響をちらつかせて強制したり
すれば、詐欺や脅迫行為だ」と指摘する。

2014年には、熊本市内の男性がPTA加入の際に意思確認が
なかったことを不服として、会費の返還などを求めてPTAを
提訴するという訴訟沙汰になったこともある。熊本地裁は
今年2月に請求を棄却したが、男性は控訴している。

大津市が 今春、市内55の小中学校を対象にアンケートを
実施したところ、8割の学校がPTAが任意団体であることを
保護者に説明していなかった。会費の徴収方法 も、2校を
のぞくすべてが「学校徴収金と同時に保護者口座から引き落とし」
だった。子どもの学習のためのお金と一緒くたに
集めていることも判明した。

■規約に明記の動き

そんな中、任意性のあいまいさを問題視する動きも出ている。

横浜市PTA連絡協議会は今月13日に開いた新任PTA
役員向けの研修会で、任意性の指導をした。
任意性を取り上げるのは今年で5年目。
だいぶ浸透してきたという。浜松市内には、今年度から規約の
冒頭に、「入退会は自由」と明記した小学校がある。
今年4月までPTA会長を務めた越智浩さん(50)は
「入会申込書もなく、『入って当然』という雰囲気がまかり
通っていた。規約は自由な活動への第一歩だ」と話す。

「運営からトラブル解決まで PTAお役立ちハンドブック」
著者でフリーライターの田所永世さん(41)は
「フルタイムで働く親が増えているの に、専業主婦を前提と
したまま。『参加しにくい』『入りたくない』と感じる人が
増えている」と指摘したうえで、「必要なのは、無駄な活動を
見直し、負担を 軽くすることで、さまざまな環境の人が
参加しやすい形にしていくことだ」と話す。(田中聡子)

     ◇

■菊池桃子さんの発言要旨

 働く母親にとって、PTA活動の負担が大きく、仕事に
支障を来しているとの声があがっている。任意参加なのに
全員参加することが暗黙の了解となっているケースが多い。
政府が積極的に関与・指導をし、女性の就業問題の
議論を深めて欲しい。

関連記事です。
永遠の謎?PTAは、なぜこんなにモメるのか

父親たちをビビらせる“不穏な空気”の正体
母たちをモヤつかせるあの問題

初めてPTAに足を踏み入れた父親たちををしばしば
戸惑わせるのが、母親たちの間に流れる、何やら
モヤモヤとした不穏な空気です。これはいったい、
なんなのか?!母親自身も漠然とモヤついて
いるだけで、長い間この問題は放置されてきました。

最初に結論を言ってしまうと、
不穏な空気を生み出す最大の原因は「活動時間」だと
思います。PTA活動を平日日中に行っていると、
どうしても“専業母”と、“働く母”の間の溝が深まりやすいのです。

地域によっては、夜や土日に活動するPTAもだいぶ増えて
きましたが、特に都市部は地方に比べると専業母率が
高いこともあり、まだ平日日中に活動しているPTAが
少なくありません

ひと世代前までは、世の母親の大半は専業主婦でしたから、
PTA活動を平日日中に行うのは理にかなっていたのですが、
いまは状況がまったく異なりま す。働く母親が増え、
専業母はもはや少数派となりました。それなのに
活動時間は昔のままなのですから、どうしたって
無理が生じます。

言うまでもないことですが、お勤めの母たちが平日日中の
PTA活動に参加するためには、仕事を休まねばなりません。
これは大きな負担です。

一方で、専業母も人数が減っているのに、そのなかでPTAの
仕事をまわそうとするのですから、こちらもやはり負担が
過剰になっています。このような状況は、働く母、専業母、
どちらにとっても不幸なものと思えます。

コメントです。
PTA問題です。
この手の問題は、なんとなくタブーとなって
誰もが口にできない雰囲気になっています。
反対・賛成、それぞれの意見がありますが、
いちばん大事なことは声をあげて議論を
することです。
そのステップに入らないことには、
いつまでたっも「臭い物に蓋」で
根本解決になりません。
しかし、日本の教育現場は、現状を
変えるという行為をもっとも面倒がる
人たちの集団ですから、そうとう難しいですね。


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