朝日新聞 2013年12月22日

日本のトウモロコシ、大豆、ナタネの主要輸入国/日本のトウモロコシ、大豆、
ナタネの輸入量と遺伝子組み換えの推定量(2012年)
米・オレゴン州産の小麦の輸入が今年、一時停止された。
同州の畑で、栽培されていないはずの遺伝子組み換え(GM)
小麦が見つかったためだった。日本では、安全性が確認されて
いないGM作物が知らぬまに栽培されていたケースもある。
こうした現象はもっと増える可能性があると専門家は指摘する。
収穫を終えた麦畑がうねるように広がる。米国北西部のオレゴン州。
年140万トンの小麦生産は州の主要産業だ。この小麦畑の一角で
今年春、GM小麦が生えているのが見つかった。
GM大豆などが商業栽培されている米国でも、GM小麦は商業栽培
されていない。だが、除草剤をまいても枯れなかった小麦があり、
分析の結果、種子の大手、米モンサント社が1998〜2005年、
全米各地で試験栽培したGM小麦と判明した。
日本は同州の小麦の輸入を停止した。
試験栽培の場所は公表されていないが、分析した研究者によると
最も近いところでも数十キロは離れているとみられる。
なぜ8年もたって突然現れたのか。米農務省が調べたが、原因は
分からないままだ。モンサント社は「食品としての安全性については
米食品医薬品局(FDA)の審査を終えていた。
今回の原因は分からないが、流通経路に混入はない」としている。
日本の農林水産省は輸入していた同じ品種の在庫小麦などを
検査。GMはないと判明し、検査態勢を整えて7月に輸入再開を
同州から日本への小麦輸出は50年以上続く。
リーダー・クレイグさん(37)も代々、育ててきた。
「日本人が敬遠するGM小麦が見つかったなんて。
原因がわからず不気味だ」と話す。(伊藤恵里奈)
2年前の春、沖縄。県民が炒め物などで食べる伝統野菜
パパイアの農場で、国から安全性が認められていない種類の
GMパパイアが見つかった。87農家の約8千本が伐採された。
別の種類のGMパパイアを研究していた国立医薬品食品
衛生研究所が偶然、直売所のパパイアを検査したところ
GMの疑いのパパイアが見つかり、農水省が調査。混入したのは
台湾の大学で研究されたGMパパイアと判明した。
台湾では病気に強いパパイアが研究されていたという。
大学から台湾の種苗会社の農場に紛れ込み、そこから種苗を
輸入した日本の種苗会社が農家に販売していた。05年から
09年に輸入されたという。
どうやって台湾の会社の農場に入ったかは今もわかっていない。
「無農薬で食の安全にこだわっていたのに。知らぬまに
GMパパイアを栽培していたなんて」。
専業農家の大城浩明さん(61)は憤る。直売所や農協に
出荷し、全国に流通。地元の小中学校の給食用にも出していた。
国の調査で昨年、道ばたなどに生えるパパイア59本がGMと
みられるとわかり、伐採した。鳥が種を運んだとみられる。
今年は見つかっていないが、農水省の担当者は「もう流通は
していないものの、ほかに生えていない保証はない」。
調査を続けていくという。
GM作物の商業栽培は96年に米国で始まった。国際アグリバイオ
事業団によると、ブラジルなど28カ国に広がり、昨年の栽培面積は
96年の100倍に。米国では栽培されるトウモロコシや大豆の
約9割に上る。
日本ではトウモロコシなど8作物283種類について食用の安全性を
確認。独立行政法人農業生物資源研究所の推計では、昨年日本が
輸入した大豆の88%がGMとみられるなど多くのGM作物が
輸入され、食用油への加工や家畜の飼料などに使われている。
農水省によると、大豆の国内自給率は8%にとどまるなど
輸入に頼る作物も多い。
自然界の植物は花粉を飛ばすことなどで子孫を広げるが、
モンサント社はGM作物について「交雑種が近縁種に取って
かわらないなど環境への安全性を確認している」と説明する。
日本でも生物多様性への影響がないことを確認した大豆など
8作物97種類は栽培を承認。だが、「実際に食用で商業栽培
している例はない」(農水省)。消費者の抵抗感などが理由という。
九州や関西の14生協でつくるグリーンコープ(本部・福岡)の
遺伝子組み換え食品に関する専務スタッフ中島克哉さんは
「長期的に摂取して人体に被害がないか、将来的に生態系に
影響がないかなど解明できていないこともある。
何か起きてからでは遅い」と話す。
東京農大の山口裕文教授(応用生物多様性学)は
「食材や種子は国境を越えて移動している。GM作物が
知らぬまに入り育つことは、どこでも起こりうる現象だ。
日本の対応は後手に回っており、こうした現象はもっと増える
可能性がある。開発した研究機関や企業はしっかり
管理する責任がある」と指摘する。
◆キーワード
<遺伝子組み換え(GM)作物> 特定の除草剤では枯れない、
食べた害虫が死ぬなど特定の機能を持つ遺伝子を組み込んだ
作物。世界の食糧需要をまかなう期待がある一方、長期間
摂取した場合の安全性に不安の声がある。
日本では、厚生労働省と内閣府の食品安全委員会がジャガイモ、
大豆、テンサイ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、アルファルファ、
パパイアの8作物283種類について食用の安全性を確認している。
遺伝子組み換え作物が知らぬ間に拡散している話題です。
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