home003.gif

2013年09月19日

幼稚園バスで津波犠牲、園側に賠償命じる 仙台地裁判決

幼稚園バスで津波犠牲、園側に賠償命じる 仙台地裁判決
朝日新聞 
2013年09月17日

0919.bmp
【力丸祥子】東日本大震災の発生直後、宮城県石巻市
私立日和(ひより)幼稚園が高台から海側へ送迎バスを出発させ、
園児らが津波に遭って死亡した事故で、園児4人の遺族が
運営法人と当時の園長に計約2億7千万円の損害賠償を
求めた訴訟の判決が17日、仙台地裁であった。
斉木教朗(のりお)裁判長は「地震後、ラジオなどで津波の
情報を積極的に集める義務を怠った」として、園側に
1億7700万円の支払いを命じた。
津波の犠牲を巡っては、七十七銀行女川支店(宮城県女川町)の
屋上に避難して12人が死亡・行方不明となった事故など、
遺族側が管理者の責任を問う訴訟が少なくとも9件あるが、
判決はこれが初めて。

この事故は2011年3月11日の震災当日に起きた。地震発生直後、
幼稚園の送迎バスが園から出発。乗っていた5人が犠牲となる一方、
高台にある園は津波の被害を免れた。
犠牲となった5人のうち4人の遺族が提訴した。

園側が大津波の発生を予測できたかが最大の争点となり、園側は
東日本大震災のような地震は予想できなかった」と主張した。

判決はまず、「予想すべきは地震そのものの発生ではなく、
地震後の津波被害だ」と指摘。最大震度6弱の揺れが約3分も
続き、ラジオなどで大津波警報が報じられた点などから、
「津波被害を回避するために幼稚園にとどまる程度の
津波の危険性は予見できた」と
判断した。そのうえで、ラジオや防災無線などで十分情報収集して
いれば、尊い命は失われなかったと、園側の過失を認めた。

園は今年3月に休園している。

園側は「今後のことは判決の内容を検討したうえで考えたい。
判決はどうあれ、園児らをなくした悲しみは今も心に
深く刻まれており、毎日が冥福を祈り続ける日々であることには
変わりありません」との談話を出した。



関連記事です。

園児犠牲「津波警戒できた」 園の失態、
次々認定 バス被災、仙台地裁判決

0920.bmp

東日本大震災の発生直後、宮城県石巻市の高台にある
私立日和(ひより)幼稚園から海側に出発したバスに乗せられ、
津波に遭った園児5人が死亡した事故で、仙台地裁は17日、
園側に約1億7700万円の賠償を命じた。判決は遺族の主張を
ほぼ全面的に認め、園の「失態」を次々と認定した。

園長は裁判で、園児らが寒そうだったので、早く保護者の元へ
送り届けたかったと説明した。しかし判決によると、園の災害
対応マニュアルは「大地震の時、園児は保護者の迎えを
待って引き渡す」としていた。また職員は、マニュアルの存
在自体を知らなかった。

震災当日の午後3時過ぎ、園児12人を乗せ、バスが海側に
下っていった。犠牲となった5人は全員内陸部に住んでおり、
このバスに乗る予定はなかったが、園長は保護者への
ルート説明に反し、同乗させた。

この時、近くの防災無線は津波への警戒を呼びかけていた。
教諭らは「聞いていない」と主張したが、判決は「バスの
出発直後の状況を撮影したビデオに、鳴り響く防災
無線のサイレンが録音されていた」と退けた。

さらに「地震で停電し、園児への対応にも追われており、
ラジオやワンセグ機能つきの携帯電話などでの情報収集を
する余裕はなかった」とする園の主張も否定。電池が
職員室にあり、教諭も複数いたことから、「すぐに情報収集に
努めるべきだった」と指摘した。

バスは午後3時10分ごろ、高台のふもとにある市立門脇小の
校庭に到着した。園長は、教諭2人を門脇小に向かわせ、
バスを園に戻すよう運転手に伝えさせた。
しかし、大津波警報の発令は伝えなかった。

門脇小の脇には高台に通じる階段があり、同小の児童は
そこから避難していた。だが、バスは保護者を待って待機した後、
園児を乗せたまま出発。高台の目前で津波に襲われ、
その後、炎に包まれた。

「園が積極的に津波情報を収集していれば、尊い命が
失われることもなかったであろう」。判決は、そう結論づけた。

 (力丸祥子、高津祐典)

 ■現場の対策途上

教育現場ではどんな津波対策がとられているのか。

海岸から約700メートル離れた愛知県田原市立堀切
小学校では東日本大震災後、全校児童約100人が週3回、
休み時間に5分間校庭を走り、持久力を鍛えている。
津波の際、約1・3キロ離れた高台の避難場所まで坂道を
避難するためだ。少しでも早く逃げられるよう、上履きは
1年ほど前に底の厚い運動靴に変えた。

浜松市の県立浜松特別支援学校では4通りあるスクールバスの
コースごとに内陸の避難場所への訓練を続ける。バスには
それぞれ非常勤職員1〜2人が添乗。学校の職員と無線で
連絡を取れるようにしている。前田貴子教頭は
「バスがどこにいるかによって避難場所を決める」。

文部科学省が昨年1月、被災3県の幼稚園〜高校を調べた
ところ、津波からの避難方法を危機管理マニュアルで決めて
いた学校・園は50%、津波を想定し避難訓練をしていたのは
沿岸部でも62%だった。このため文科省は、マニュアル作成の
手引や注意点をまとめた冊子を全国の学校に配り、
対策の徹底を促している。

 ■遺族「繰り返さないで」

提訴から約2年。「子どもの命は大人が守らなくては」と
信じる父母たちは、記者会見で言葉を詰まらせながら、
「同じことを繰り返さないで」と訴えた。

「やっと娘にいい報告ができるかと思うと……」。
長女の愛梨さん(当時6)を亡くした佐藤美香さん(38)は
目頭を押さえた。心が折れそうになった時、あの日の
子どもたちのつらさを思ったという。

次女の春音さん(当時6)を亡くした西城靖之さん(45)は
「自分たちは間違ってなかったと、司法が認めてくれた」。
命が失われたことを「仕方ない」で片づけてはいけない。
裁判所からの和解の勧めにも応じず、「後世に伝えるため、
判決がほしかった」。次女の明日香さん(当時6)を亡くした
佐々木めぐみさん(34)は「教育機関のみなさんに深く考え、
改善してもらえたら」。

津波で家族を亡くした遺族による訴訟は各地で起きている。
明日香さんの父、純さん(34)は「娘が好きだった幼稚園を
相手に裁判を起こすのはつらかった」。起こしたくて起こした
裁判ではない。でも十分な説明がないままではすませられない。

春音さんの母、江津子さん(38)は「判決で終わりではない。
このことを後世に伝えていきたいと思っています」と語った。


コメントです。
送迎バス園児が、幼稚園の対応不備によって津波で犠牲
なった訴訟判決
の話題です。



posted by salsaseoul at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 東日本大震災
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/76049670
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック