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2013年07月05日

骨髄移植後にHIV消滅か−米研究者が報告

骨髄移植後にHIV消滅か−米研究者が報告
ウォール・ストリート・ジャーナル 7月4日(木)

米ハーバード大学の研究者らは3日、長期間エイズウイルス
(HIV)に感染していた2人の患者が、骨髄移植後にウイルスが
消えた模様だとして、最終的に抗レトロウイルス薬による
治療をやめたと国際会議で発表した。
研究者らは、2人が抗レトロウイルス薬での治療をやめたのは
まだそれぞれ15週間、8週間前と短いため、病気が治癒したと
判断するのは尚早だとしている。しかし、今回の事例が、不治の
病というイメージが強いこの病気の治療が可能かもしれないという
楽観論を強める数少ないケースの一部であることに間違いはない。
HIVは通常、抗レトロウイルス薬でうまくコントロールできるが、
治癒への障害はHIVが細胞内に残存して治療を逃れ、治療が
止められたところで再び活動する能力にあると広く考えられている。
実際、患者への薬の投与をやめると、HIVは通常は2週間から4
週間で、遅くとも8週間から12週間でリバウンドするという。
ハーバード大学の関連機関、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の
エイズ専門医ティモシー・ヘンリク博士は2人の患者について、
「この期間を抜け出しつつあるところだが、まだこの期間に非常に
近いところにいる」と述べた。同博士は「来週か来月、あるいは
治療停止後1、2年でウイルスがリバウンドする可能性はある」とし、
「何が起こるのか様子を見なければならない」と語った。
同博士は3日、クアラルンプールで開かれた国際エイズ学会
HIV基礎研究・治療・予防会議で今回の症例の詳細を発表した。
HIV患者にとってのこのケースが意味するところは明らかではない。
カリフォルニア大学のエイズ研究者スティーブン・ディークス博士は、
このケースは他の理由で移植が必要なHIV患者をどう扱うかに
影響する可能性がある、と指摘した。同博士はこのケースには
直接関わっていない。同博士は「移植の副作用とリスクはあまりにも
大きい」と語った。
ディークス博士とヘンリク博士は、今回の研究結果が細胞での
ウイルス残存の新たな研究につながり、これを無効化する
新戦略を提示してくれることを期待している。
今年3月には、米ミシシッピ州でHIVに感染して生まれた乳児が、
誕生直後からの積極的な抗レトロウイルス薬の投与で治癒したことが
報告されている。母親が少なくとも5カ月間、子供を病院に連れて
いかなくなってから治癒が分かった。医師が再びこの乳児を
検査したところ、ウイルスの痕跡が見られなかったという。
ディークス博士は、考えられる説明の一つとして、治療によって
ウイルスの細胞内残存が阻まれたということだと述べた。
白血病治療のために2007年にベルリンで骨髄移植を受け、
世界で初めてのエイズ治癒者となった米国人ティモシー・ブラウン氏の
事例は、一段と受け入れられるようになっている。
ドナーは、HIV耐性を作り出すCCR5デルタ32と呼ばれる
遺伝子変異のキャリアだった。
回の2人のケースでは、移植はリンパ腫治療のために行われた。
ヘンリク博士によると、「ベルリンの患者」として知られるブラウン氏の
場合と異なるのは、ドナーの細胞にはCCR5変異がなかったことだ。
また、ブラウン氏は移植後にHIV治療をやめたが、2人は長期間
治療を続け、その期間は1人は4.5年、もう1人は2.9年だった。
2人の血液や細胞からはHIVは検出されなかったため、
今年になって医師や病院倫理士が本人との相談した上で治療を
やめることが決まった。
何がウイルスを追いやったのだろうか。ヘンリク博士は、移植のあとも
長期間にわたってエイズ治療薬を投与していたことで、ドナーの細胞の
ウイルス感染が阻止された公算が大きいとしている。
また、ドナーの細胞が患者自身の細胞を攻撃する、いわゆる
移植片対宿主病(GVHD)が何らかの役割を果たしたことも
考えられるという。
GVHDは通常は移植の望ましくない合併症で死に至ることがある。
しかし、ヘンリク博士によれば、2人の患者の場合は、ドナーの
細胞が患者の細胞と闘った結果、これに取って代わるという
プラスの効果があったのかもしれないという。
一部の研究者は、治癒を宣言するには少なくとも2年間は
ウイルスが検出されないことが必要だとしているが、今回の
研究のスポンサーであるamFAR(アメリカ・エイズ研究基金)の
研究部長ロウェナ・ジョンストン氏は、適切な期間は「未知の領域だ」と
指摘した。同氏は「2年前でも、これほど有望なケースが出てくるとは
予想もしていなかった」と述べている。


関連記事です。
世界初、HIV感染の新生児が完治 ウイルス消滅と米紙報道

産経新聞 2013.3.4
母親からエイズウイルス(HIV)に感染した生後30時間の新生児に
治療薬を集中投与したところ、HIVが消滅したと米紙ニューヨーク
タイムズ(電子版)が3日報じた。世界初の例という。

ジョンズ・ホプキンス大のデボラ・パーサード准教授らが明らかにした。
国連の調査では2011年に世界で推計33万人の赤ん坊が新たに
HIVに感染した。今回の症例が科学的に検証、確認されれば、
世界的に推奨されるのは確実だ。

HIVが消えたとされる新生児は10年秋、米南部ミシシッピ州で出生。
名前や性別は明らかにされていない。妊娠中に子宮内で感染したと
みられる。感染の確認検査結果を待たず、直ちに通常の予防措置と
違う治療薬の大量投与などを行ったところウイルスの量が急減し、
1カ月後には検出できなくなった。

HIVが治療薬の到達できない体内の部分に蓄えられる前にウイルスを
殺せたのではないかとの仮説が考えられている。(共同)



posted by salsaseoul at 02:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療
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