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2013年05月23日

外れ馬券を「経費」と認定 大阪地裁判決、脱税は有罪

外れ馬券を「経費」と認定 大阪地裁判決、脱税は有罪
朝日新聞 2013・5・23
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30億円余りの競馬の払戻金を申告せず、約5億7千万円を
脱税したとして、所得税法違反罪に問われた元会社員の
男性被告(39)=大阪市=の判決が23日、大阪地裁であった。
西田真基裁判長は、被告がパソコンで継続的に大量購入した
馬券は経費にあたるとして脱税額を5億円以上減額。
一方で「申告義務を果たさなかった」と述べ、懲役2カ月
執行猶予2年(求刑懲役1年)を言い渡した。

被告は着順予想ができる市販ソフトを独自改良し、日本中央
競馬会
(JRA)が運営するサイトで馬券を購入。
2007〜09年に計約28億7千万円を投じて30億円余りの
払戻金を受け、約1億4千万円の利益を出した。
被告は税務申告を一切していなかった。

判決は、被告の馬券購入について「大量、継続的に買っており、
娯楽ではなく資産運用とみることができる」と指摘。
競馬の払戻金は「偶発的に手にした一時所得」とした
検察側の主張を退け、年間収入から全損失を経費と
して差し引ける「雑所得」と認めた。

そのうえで経費は当たり馬券の購入代金だけではなく、
外れ馬券を買った分を含む計約28億7千万円と判断。
被告が得た利益から算出される脱税額は約5千万円とした。
一方、被告が申告しなかったことは「許されない」と批判した。

被告に対しては、大阪国税局が05、06年分も含めた
計約8億1千万円を追徴課税し、被告側は取り消しを国に
求める訴訟を起こしている。23日の判決は、この訴訟にも
少なからず影響を与えるとみられる。(水沢健一)


関連記事です。
ハズレ馬券は経費か 脱税裁判判決に競馬ファン恐々

年間で延べ1億6千万人が買っているとも言われる競馬の馬券。
3年間で約1億4千万円をもうけた男性(39)が、約4倍もの脱税を
指摘された事件の判決が23日に大阪地裁で言い渡される。
最大の争点は外れた馬券に投じた資金が「経費」にあたるか
どうか――。競馬ファンが司法の判断に注目している。

■40万円超す一時所得は申告対象

「払戻金を税務署に申告するなんて、考えたこともありません」。
晴れ渡った18日の阪神競馬場兵庫県宝塚市)。
馬券の購入歴が10年以上になる会社員男性(31)は、
この日も人気が高いレースを中心に数千円ずつ賭けたという。

ここ3年ほどは年200万円前後をつぎ込むが、勝って払い戻しを
受けるのは100万〜150万円。赤字だが、「当たり馬券」の
購入額次第では確定申告の対象となる。

競馬やパチンコなどのギャンブルは所得税を計算する際、
いくら使ったかは考慮されない。男性の場合、仮に150万円の
払戻金を得た年の当たり馬券の購入総額(元手)が40万円
だったとすると、これは経費と認められる。
そして残りの110万円から50万円の特別控除を
差し引いた60万円が「一時所得」となる。

会社勤めの人に40万円を超える一時所得があると、
確定申告
しなければならない。会社員の男性は競馬の
収支がマイナスだったとしても、給与所得に一時所得の
半額を上乗せした額に応じて税率分(5〜40%)を
納めることになる。

一方で、男性が外れ馬券の購入に使った160万円は経費と
認められない。ギャンブルは働いて賃金を得る労働のように
継続行為ではなく、税務上は偶発的な「棚ぼた収入」と
とらえられるからだ。この考えに基づき、勝った時の
投資額だけが経費になる。

「外れ馬券が経費にならないなら、収支がマイナスでも
課税されるかもしれない」と男性。当たり馬券を棚ぼた
収入と見なされることにも「全てのレースを通して
緻密(ちみつ)に予想している人は少なくない」とし、
納得がいかない様子だ。

別の男性会社員(41)も「もうけ以上に税金取られたら、
たまらんわ」と吐き捨てた。

もっとも、こうしたギャンブルの収支を帳簿やパソコンに
残している人は少ない。このため、国税当局は預金通帳
出入金記録などから推計して申告漏れを指摘することになる。

■利益1.4億円、課税5.7億円

競馬ファンに懸念が広がる背景には、23日の大阪地裁
判決がある。
被告は大阪市内の元会社員男性(39)。
2007〜09年に得た30億円余りの競馬の払戻金を
申告せず、約5億7千万円を脱税したとして所得税法
違反罪に問われている。大阪国税局の告発を受けた
大阪地検が11年2月に在宅起訴し、昨年11月に
公判が始まった。

男性は着順予想ができる市販のソフトを独自改良。
04年以降、日本中央競馬会(JRA)がインターネット上で
運営する馬券購入サイトを通じ、会社が休みの土日に
全国であるほぼ全てのレースに賭けていた。1レース
ごとに何百通りもの馬券を買っていたという。

検察側の主張はこうだ。男性は少なくとも07〜09年の
3年間で計約28億7千万円をつぎ込み、30億円余りの
払戻金を手にした。所得税法に基づき、経費は当たり
馬券の購入額にあたる約1億3千万円。男性はこれを
差し引いた約29億円を一時所得として確定申告し、
約5億7千万円を納めなければならなかったとし、
懲役1年を求刑している。

一方で、約1億4千万円の利益の4倍もの脱税額を
指摘された男性側は反論。「馬券を当てたのは偶発的
ではない。今回のケースは独自改良ソフトを使い、
継続的に大量の馬券を買う方法でしか成立しない」と訴え、
外れ馬券の購入費を含む約28億7千万円の投資額
すべてが経費にあたると主張している。

男性は利益も申告していなかったが、「国税当局とJRAは
申告の必要性を周知しておらず、被告に強いるのは
酷だ」とし、無罪を言い渡すよう求めている。

馬券の大量購入による払戻金をめぐっては、外国為替
証拠金取引
(FX)の扱いと同様に、総収入から全ての
損失を差し引いた「雑所得」などとして申告された例がある。
国税当局は一時所得と指摘したが、神奈川県での
ケースでは今も国税不服審判所で係争中だ。(水沢健一)

■「税の公平性を欠く」

《作家で競馬評論家の山野浩一さんの話》 競馬の払戻金を
申告する人はほとんどいないはず。ある人は課税され、
別の人は課税されないのでは税の公平性を欠く。
一般的な感覚では、手にした所得を上回る納税を
求めるのは税制として矛盾がある。今回の裁判は
競馬と税をめぐる問題点が露呈したケース。判決が外れ
馬券を経費として認めるかどうかは、今後の競馬ファンの
動向にも大きな影響を与えるかもしれない。

    ◇

〈一時所得〉 生命保険の満期金などの「臨時に得た所得」で、
競馬の払戻金やパチンコでの収入も含まれる。直接
かかった費用を経費として差し引き、特別控除額(50万円)を
除いた額を指す。会社員の場合は40万円を超えると
確定申告
が必要になり、半額が課税される。売り上げの
多くが公共事業やスポーツ振興に充てられる宝くじ
サッカーくじは課税対象から外れている。


コメントです
個人的な意見としては、なかなかユニークな判決ですね
ただ、詳しい方々の意見としては、男性に杓子定規に課税して
スケープゴートにしたところで、それが原因でンの競馬離れが
加速するようならその損失は過大で、よって今回の判決は
出来レースとみなす発言が目立ちました。
いずれにしても、一個人が何のバックグラウンドも持たずに
多額のお金を動かし、そして国税局(国家)と真っ向面から
裁判をして事実上の勝訴を取った。
ほとぼりが冷めたらどこかの会社が映画化しそうな話ですね。


posted by salsaseoul at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会
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