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2013年01月14日

警官採用に「うそ発見器」検討 警察庁、不祥事予防に

警官採用に「うそ発見器」検討 警察庁、不祥事予防に
朝日新聞 2013年1月8日

編集委員・緒方健二】犯罪を起こしそうな人を採用しなければ
不祥事を少しでも減らせる――。そう考えた警察庁が、警察官
採用試験ポリグラフ(うそ発見器)検査を導入することを
検討している。以前に盗撮やわいせつ行為などをした人が
試験を突破して警察官になり、同じ過ちを繰り返す例が目立つためだ。
■人権巡り慎重論も
捜査機関の職員採用時にポリグラフを使うのは
「米国など海外では珍しくない」(警察庁幹部)という。
ただ、事件捜査で容疑者に使う検査の導入には、警察内部にも
「受験を避けられ人材確保にマイナスになる」と反対がある。
人権上の問題から慎重にすべきだとの指摘も予想される。

構想では、ポリグラフは了承を得た受験者に限って用いる。
「小児性愛をどう思うか」「痴漢に興味があるか」などを聞き、
その反応を採否の参考にする。

検討のきっかけは「警察官の資質を明らかに欠く者に
よる不祥事の続発」(幹部)だ。

2012年1月に懲戒免職になった愛知県警の巡査は女子中学生への
わいせつ行為や女子高校生への強姦(ごうかん)未遂などが発覚した。
高校生のころから小学生や中学生にわいせつ行為をしていたとされ、
調べに「警察官になったら改心しようと思っていた」と話したという。

神奈川県警の巡査は、女子中学生を刃物で脅してわいせつな
行為をしたとして12年5月に懲戒免職になった。高校時代から
女性のスカートめくりを繰り返していたという。「警察官になれば
痴漢をやめられると思ったが、欲望に勝てなかった」と供述した。

強制わいせつで12年5月に懲戒免職になった長野県警の巡査も
調べに「(採用前の)03年ごろからわいせつ事件や下着盗みを
十数件していた」と話した。

警察庁は昨年設けた不祥事対策委員会で、不適格者の採用を
どう防ぐかを話し合った。「徹底した素行調査」の意見も出たが
「人権侵害と指摘されかねない」として見送りに。代わりに
ポリグラフの案が出た。

推進派は「市民の安全を守る警察官の採用には特別な手段が
必要」と話す。一方、ある警察本部の幹部は「ポリグラフを嫌って
受験者が減り、よい人材を得られなくなる」と慎重で、適性検査で
性癖を見抜く手法を検討中という。

警察庁は対策委での議論を経て導入したい考えだ。
ただ、警察職員を含む地方公務員の採用試験の内容を
最終的に決めるのは都道府県の人事委員会。複数の人事委員会は
「就職差別につながる」として、補導歴や家族情報、本籍地を
調べたり面接で聞いたりすることを認めていないといい、
ポリグラフ検査が認められるか不透明な部分もある。

■警官の質確保に危機感

《解説》全国で不祥事が多発したのを受け、国民のための
警察に生まれ変わると誓った2000年の「警察改革」が
根付いていない。警察庁幹部は、このごろの各種の全国会議で
そう繰り返す。十数年がたち、当時の屈辱と約束を忘れつつ
あるというのだ。ポリグラフ(うそ発見器)検査の導入案は、
そんな危機感から出てきた。

改革の進み具合は不祥事の数に表れる。00年に546人
だった懲戒処分を受けた警察官・警察職員は09年に242人に
まで減った。しかし、10年に増加に転じ、12年は400人を大きく
超えた。最も重い処分の懲戒免職は60人を突破し、00年以降
最多。中堅幹部の警部補が夫婦を殺し、証拠隠滅のため
放火したとして逮捕された事件もあった。

不適格者の採用阻止は数年来の課題だ。採用後すぐに
入校させ、警察官の基本を教え込む警察学校で「教官が
資質を欠く者を見抜き、排除している」という。

だが、その教官が学生にわいせつ行為をしたり、骨折させるほど
殴ったりして処分されるようでは話にならない。

警察官・警察職員の大半は地方公務員で、採用試験は地方
公務員法に基づき都道府県ごとに行われる。11年度は全国で
12万5638人が受験し、1万4704人が合格、競争率は
8.5倍だった。過去20年では94年度の26.2倍が最高で、
05年度からは10倍に達していない。

ポリグラフ検査導入には、「受験者が減る」といった警察内部の
懸念に加え、人権上問題ではないかといった批判も予想される。
試験内容を最終的に決める都道府県の人事委員会が認めるか
どうかもわからない。

しかし、警察は及び腰になっている場合ではない。警察庁
警察改革の精神を従来の「国民のため」から最近、「困り苦しむ
国民を助け、不安を抱く人々に安心を与えること」と言い換えている。
本気でそれを目指すなら、ポリグラフ検査など大胆な策の
実現へ向けて動く時だ。


     ◇

〈ポリグラフ検査〉 「ポリ(poly=多数の)グラフ(graph=記録するもの)」。
対象者の呼吸や血圧、脈拍、皮膚の電気反応などを同時に測定、
記録する装置。日本の警察は1956年から捜査に導入。
容疑者らに事件に関する質問をしてデータの変化を見る
科学的検査だが、変化と供述内容の真偽は必ずしも
一致せず、記録が裁判で証拠採用されたことはあるものの、
これだけでは証拠となりにくい。捜査では、供述内容が
信用できるかを判断する目安のひとつとして使っている。

専門の訓練を受けた職員が相手の承諾を得たうえで機器を取り付け、
検査する。
全国の警察で毎年5千件前後実施され、2011年は6026件。

 


コメントです
この話題、多くの方々がツイート等で多くの意見を述べられており、
賛否両論が目立ちますが、検討案としては有効だと思います

確かに、たった一部の警官の不祥事でも全体(母体組織)にまで
飛び火するため、歯止め策として採用時の試験方法の検討
ひとつの方法だと思います


posted by salsaseoul at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会
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