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2012年12月01日

パレスチナ:「国家」格上げ、国連総会採択 138カ国賛成、米など反対

パレスチナ:「国家」格上げ、国連総会採択
138カ国賛成、米など反対

毎日新聞 2012年11月30日
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地位の「格上げ」を祝う人たち=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラで
2012年11月29日、花岡洋二撮影

【ニューヨーク草野和彦】国連総会(加盟193カ国)は29日、
パレスチナの国連での資格をこれまでの「オブザーバー機構」から
「オブザーバー国家」に格上げする決議案を138カ国の圧倒的
賛成多数で採択した。国連の「加盟国」ではなく、投票権はないが、
国際社会の7割以上が「国家」と認めたことで、パレスチナ自治政府は
独立国家実現への弾みとしたい考えだ。
ヨルダン川西岸などパレスチナ自治区は喜びに包まれたが、
一方でイスラエルは反発しており、中断したままの和平交渉への
影響が懸念される。
賛成は日本やフランス、中国、ロシア、インドなど。イスラエルや米国、
カナダ、チェコなど9カ国が反対、ドイツや英国など41カ国は棄権した。

決議は、パレスチナに「国連のオブザーバー国家の地位」を与えることを
決定。イスラエルによる占領が始まった67年の第3次中東戦争前の
境界線を基本に、独立国家パレスチナとイスラエルの共存を実現する
決意を確認した。その上で、和平交渉を再開・加速させることの
「喫緊の必要性」を表明した。

アッバス議長は昨年、国家としての国連加盟を申請したが、加盟審査を
行う安保理で拒否権を持つ米国が反対し、頓挫した。
そのため、安保理を経る必要がなく、総会で投票した国の過半数の
賛成で決議案が採択される「オブザーバー国家」を目指した。

パレスチナはこれまでも「オブザーバー機構」ながら、98年の総会
決議で、国連総会の一般討論への参加や、中東和平に関する
決議案の共同提出などの「特権」が認められてきた。
「国家」に格上げされた後も総会における権利関係に変更はない。

一方、「国家」としての地位が認められたことで、国際刑事裁判所
(ICC)に加盟し、イスラエルを戦争犯罪で訴えることが理論的には
可能になる。

だが、和平交渉の障害になるとして、日本など今回は賛成した
国の中にもICC加盟は控えるように求める声が多い。

 ■ことば
 ◇オブザーバー国家


国際法上で承認された国家ではなく、あくまで国連での
資格にとどまる。投票権はないが、国連やその機関
の討議に参加できる。また国際刑事裁判所(ICC)など
国際機関への加入が可能になり、国際社会での発言力が
強くなるなどメリットは大きい。
ほかに、バチカンのみがこの資格を所持している。

 

関連記事です。
パレスチナの「国家」格上げで起こり得る変化

[国連 29日 ロイター] 国連総会(193カ国)は29日、パレスチナの
国連でのオブザーバーとしての資格を「組織」から「ノンメンバー国家」
に格上げする決議案を賛成138、反対9、棄権41の賛成多数で
採択した。
今後、パレスチナは国連で「国家」としての扱いを受けることになる。

今回のパレスチナ自治政府の対応と決議が、ヨルダン川西岸と
ガザ地区に住むパレスチナ人約430万人にもたらす意味に
ついてQ&A形式でまとめた。


Q:「ノンメンバー国家」とは
A:パレスチナ自治政府の国連でのオブザーバー資格はこれまで、
「組織」だった。今回の決議採択で、バチカン市国と同様に
「国家」に変更される。スイスも10年前に正式加盟するまで、
ノンメンバー国家だった。

ノンメンバー国家は国連での発言がより重要な扱いを受けるが、
総会で投票することはできない。

また格上げによって、パレスチナは国際刑事裁判所(ICC)のほか、
国際原子力機関(IAEA)など国連の専門機関に加盟できるようになる。


Q:国連はパレスチナを主権国家として認めるか
A:国家承認は国家間で行われるもので、国連が承認を与えることは
できない。しかし、ノンメンバー国家の地位が与えられたことは、
加盟国の大多数がパレスチナ自治政府を独立国家と認めたということ。
伝統的には、国連への正式加盟によって主権国家として普遍的に
承認されたことになる。パレスチナは昨年、正式加盟を目指す動きを
見せたが、米国が安全保障理事会で拒否権を発動すると警告し、
失敗に終わった。


Q:格上げで何が変わるのか

A:状況は直ちに変化しない。ヨルダン川西岸は今もイスラエルの
占領下にあり、入植地建設も続くだろう。
しかし、パレスチナ側は格上げが「ゲームのルール」を変えるとし、
もはやイスラエルが西岸地区を「係争中の」領土と呼べないことを
意味すると主張している。境界線は最終的に決定されていないものの、
同地区はパレスチナ側に帰属しているとの認識が広がるだろう。

同じことが、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するガザ地区にも
当てはまる。ただ同地区ではパレスチナ人160万人が暮らしているが、
自治政府は事実上影響力を持たない。


Q:イスラエルと米国は報復するか
A:米国とイスラエルはパレスチナ側の決議案提出に反対し、直接の
和平交渉のみが独立を達成する道だとしている。

イスラエルは国連資格の格上げをパレスチナが求めることに
報復措置を取ると警告。自治政府の代わりにイスラエルが徴収する
税や関税の支払い保留を示唆している。

しかし、ガザ地区での戦闘があっただけに、イスラエルは外交的に
孤立したくないとみられる。欧州の同盟国などをはじめ、多くの国が
パレスチナ格上げを支持する中、イスラエルは報復の姿勢を
トーンダウンさせている。
ただ、パレスチナ側がICCへの加盟を
目指した場合、イスラエルは厳しい報復に出る可能性がある。
国連の外交筋は、ICCでパレスチナに提訴されることが、
イスラエルにとって大きな懸念だと指摘する。

一方、米国もパレスチナへの財政支援を停止すると警告。
パレスチナが国連機関に加盟すれば、米議会はそうした機関に
拠出しないよう求めるとみられる。米国は国連の一般予算
22%分を拠出しており、世界で最も多い。


Q:和平交渉への影響は

A:自治政府のアッバス議長は、国連での決議採択後すぐにでも、
2年にわたり中断しているイスラエルとの和平交渉を再開する
用意があると述べている。この提案は、交渉再開前に西岸地区と
東エルサレムで全ての入植地建設を停止すべきだという
前提条件を放棄することを示している。

欧州連合(EU)の多くの国はこうした変化を評価しているが、
イスラエルと米国はパレスチナの決議案提出が交渉再開に
水を差したとしている。

多くの欧米の外交官も、パレスチナがオバマ米大統領の再選から
数週間後に決議案を提出したことで、米国に和平交渉再開の
時間を与えなかったと批判している。

ただ、パレスチナによる決議案提出は和平交渉断念の言い訳には
ならないとも指摘している。


コメントです

パレスチナの「国家」格上げの話題です。


posted by salsaseoul at 01:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東
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