産経新聞 3月4日(日)
がんペプチドワクチン療法の仕組み
がんの新しい治療方法として期待が高まる
「がんペプチドワクチン」について、膵(すい)がんに
対する最終段階(第2・3相)の臨床試験(治験)が行われ、
有効性が確認できなかったとの結果が出た。
治験を主導した創薬ベンチャー、オンコセラピー・サイエンス
(川崎市、角田卓也社長)が先月28日、発表した。
世界初の可能性を持つ医薬品の誕生が期待されたが、
治療効果を科学的データで裏付ける難しさが浮き彫りに
なった。同社は今後、新しいワクチンの開発にシフトし、
近く膵がんに対する別の治験(第3相)を開始する。
オンコ社によると、今回の治験は平成21年1月から
昨年12月にかけて、全国25の医療機関で実施。
進行した膵がん患者計153人を、
(1)同ワクチンと抗がん剤の組み合わせ
(2)抗がん剤単独−の2グループに分けて投与。
延命効果の差を調べたが、集積されたデータからは
両グループに顕著な差は見られなかった。
膵がんは発見から1年後の生存率は3割弱で、人口動態調査に
よると、22年の膵がんによる死者は約2万8千人に上る。
有効な治療薬が他のがんに比べ少ないため、治験の結果に
期待が集まっていた。
角田社長は「結果は残念だが、引き続き日本発の
がん治療薬を目指して努力したい」と話しており、同社は
膵がんに対する別の治験(第3相)を始める。
今回結果が見られなかった治験が、がんの周囲の血管細胞を
標的にしたワクチンを使用したのに対し、次の治験ではゲノム
(全遺伝情報)解析によって作られた、がん細胞を
直接たたくワクチンを含めて投与する。
この新しいワクチンの治験は抗がん剤が効かなかった
膵がん患者を対象に、和歌山県立医科大をはじめとする
全国40の医療機関で実施する。
治験に先立つ臨床研究を23年までの3年間実施した
千葉徳洲会病院の浅原新吾副院長によると、
「約30人にワクチンを投与して、かなりの延命効果が
みられた」という。
一方、がんペプチドワクチンを使用した治験は、食道、胆道、
膀胱(ぼうこう)、胃の各がんを対象に実施しており、
和歌山県立医科大ではさらに、手術後の膵がん患者を
対象とした治験も行われる予定。
がんペプチドワクチンの治療薬は、承認されれば世界初と
なる見通しだ。日本が研究レベルで世界をリードしており、
患者会のNPO法人パンキャンジャパンの真島喜幸理事も、
「絶望のふちにある患者や家族にとって大きな光明となる」と
新治験薬の開発に希望を抱いている。
■「第4の治療法」がんペプチドワクチン療法
がん細胞やそれに栄養を供給する血管の細胞の表面に
現れるタンパク質の断片(ペプチド)と同じものを人工的に作り、
それを含むワクチンを注射すると、免疫の司令塔である
樹状細胞が異変を感知。異物を攻撃する性質を持つ
キラーT細胞に伝達し、キラーT細胞はがん細胞の数に
対抗できるほど増殖して攻撃を行い、がんを小さくする。
患者自身の免疫力を使い、副作用がほとんどないのが特徴。
外科手術、抗がん剤、放射線治療の標準療法に続く
第4の治療法として期待されている。
関連記事です。
免疫療法の有用性と限界
私が医師になり始めた頃から、活性化自己リンパ球
療法なるものが行われるようになりました。
抗CD3抗体とIL-2で活性化したT細胞を
投与するCD3-LAK療法や、それにがん抗原を
パルスした樹状細胞を同時に投与するもの、
自己がん細胞を用いて特異的CTLを誘導し、投与する
CTL療法等があります。
※CTLとは以前キラー細胞と呼ばれていたものです
当時は免疫療法の有効性がよく分からず、奇跡的な
回復をした方ばかりをクローズアップしてアピールしたり、
中には不誠実な医師もいて、私も不信感を強く持っていました。
ここ最近になって、治療成績の統計が蓄積され、
治療として確立してきた感があります。
瀬田クリニックグループがまとめた資料では、単独での
奏功率は9%、長期(6ヶ月以上)不変を合わせて20%と
いう事でした。奏功とは、化学療法の判定基準に基いた、
完全寛解(CR)、部分寛解(PR)を合わせた数字です。
抗がん剤、放射線療法と組み合わせて行ったものも多く、
そちらでは当然の事ながらもっと成績が良いです。
ケースレポートでは確かに驚くべき効果を認めるものもありました。
この数字でも私が想像していたよりは随分良い数字だったのですが
割合からすれば残念ながら効かない方がずっと多いという事に
なります。
腫瘍の縮小はなくても「元気になった、食欲が増えた」という方も
おられると言います。確かにそういう声を聞いた事もありますが、
厳しい事を言えば比較対象がないので、プラセボかもしれません。
1回20万円、1クールが120万円(治療によっては更に高額)と
いう事を考えると、手放しで勧められる治療ではありません。
しかし、免疫療法の実態が分かってきたことで、治療の選択肢として
考慮しやすくなりました。医療者ももリンパ球療法の知識なしに、
「あれは効かない」等という無責任な事は言わないようにしなければ
ならないと思います。
コメントです。
外科手術、抗がん剤、放射線治療の標準療法に
続く第4の治療法として期待されている「免疫療法」ですが、
現状でまだまだ有効性が確認されていなく、実際は
信用性に疑問のある私設クリニックでの、保険治療外による
高額な自由診療が跋扈しているのが現実です。
ところで、今日は「ペプチドワクチン療法」が膵(すい)がんに
対する最終段階(第2・3相)の臨床試験(治験)が行われ、
有効性が確認できなかった発表記事を掲載しました。
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