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2011年08月14日

英の若者たち、大義なき暴動

英の若者たち、大義なき暴動
毎日新聞 2011年8月14日 東京朝刊
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◇人種、階層バラバラ 
共通項は閉塞感
警官による黒人男性射殺に端を発した
英国の暴動は13日、発生から1週間が経過し、ひとまず
沈静化した。ロンドンを中心に約1600人の若者らが
逮捕され、過去数十年間で最悪の事態となった暴動は、
英社会に深い傷痕を残した。若者らはなぜ略奪、放火に走り、
警察はなぜ有効に対処できなかったのか。
背景を探った。【ロンドン笠原敏彦】

「異なる(背景の)若者らが同じ行動を取るという新たな難題に
直面している」。キャメロン英首相は11日の臨時議会で、
事態を「新たなタイプの暴動」と位置づけた。今回の暴動は、
英国が過去に経験した政治的不満や人種差別などを背景に
した暴動とは異なり、動機や目的が不明瞭な「大義なき暴動」とも
呼ばれている。

暴動が沈静化し、英メディアは「どんな若者が暴徒だったのか」と
自問している。逮捕されて裁判所に出廷した容疑者らは、
裕福な女子大生やグラフィックデザイナー、小学校の補助教員、
11歳の少年など人種も含めて一般化が難しいからだ。

暴動の中身は大別して、
▽略奪
▽放火などの破壊行為
▽警察への攻撃−−に3分類される。
発端は、黒人男性射殺に対するロンドン北部での6日の
抗議デモの暴徒化だったが、事態への警察のソフトな
対応を見た若者らが簡易ブログ「ツイッター」などの
ソーシャルメディアでつながり、暴動が模倣犯的に
拡大していった。その大半は略奪で、象徴的なのはスーパーから
ワイン1本を盗んで逃げる少年や、盗んだ衣類の
「サイズを間違えた」と店に戻った若者らの姿だ。
盗品は日用品が中心で、途上国型の略奪に近い。
暴動に火をつけたロンドン北部トットナム地区や
東部ハックニー地区などは失業者や貧困層の多い地域だけに、
先進国・英国の中の「途上国」の反乱とも言える。

英・社会正義研究所のプール所長は「彼らは希望を持てず、
失うものは何もないと感じている」と指摘する。キャメロン首相らは
暴徒を犯罪者と断罪するが、暴動を生んだ全体状況として、
社会階層の上昇の機会から取り残された若者らの閉塞(へいそく)感、
失業、経済格差の拡大などの問題があるのは間違いない。

問題の根深さを示すのは、一般社会から断絶した若者らの
不満を背景に広がるギャング(暴力的犯罪集団)文化だ。
ロンドン警視庁の07年調査では、市内に250を超える
ギャング組織が存在するといい、今回の暴動拡大でも
ギャング組織が中核的な役割を果たしたとの指摘もある。

また「新たなタイプの暴動」で目を引くのは、事態の展開の速さだ。
暴動は中部バーミンガムなど各地に野火のように広がったが、
ほぼ4日間で収束。ネットを介した「非政治的な暴動」は
熱しやすく、さめやすいようだ。

◇強硬姿勢か、ソフトな対応か 五輪控え警察ジレンマ

暴動がロンドン市内全域に急拡大した8日夜の事態を
伝える英各紙の見出しは衝撃的だった。
「警察が街を明け渡し、暴徒が支配」(タイムズ紙)
「無秩序のまん延」(デーリー・メール紙)など、
その批判は「警察の失敗」に向けられた。

各地で「警官の数が十分でなく、彼らは何もしなかった」などの

不満が噴出。英警察は通常、暴徒を直接攻撃せず
「封じ込める」作戦をとっており、これが住民には「傍観」と
映ったようだ。プラスチック弾などの使用も検討されたが、
警察は9日になっても「いかなる戦術も十分に検討されねば
ならない」(ロンドン警視庁幹部)と慎重な姿勢を崩さなかった。
拳銃を携行しないことで知られる英警察には「地域社会の
協力に基づく警察活動」という伝統的にソフトな姿勢があり、
「行き過ぎた対応」に常に厳しい批判がつきまとうことが背景にある。

例えば80〜90年代に起きた黒人らの反警察暴動では、
警察の「組織的な人種差別体質」が批判された。
警官には不審者を呼びとめ、所持品検査をする権限が認められて
いるが、黒人は白人に比べてその対象になる可能性が6倍とされる。
警察と黒人コミュニティーには常に緊張があり、警官の対応が
人種問題をあおりやすい土壌がある。また、09年のロンドンでの
主要20カ国・地域(G20)サミットのデモ隊対応で、警官が
男性1人を死なせたとして故殺(計画性のない殺人)罪に
問われ、警備が強硬過ぎると批判された。

キャメロン首相は、不審者らに覆面を外させる命令など、
より強い権限を警察に与える方針を示したが、こうした対応には
人種差別問題をあおり、逆に暴動の土壌を醸成しかねない
危うさがある。

英・ロンドン研究所のロジャーズ所長は
「1年後のロンドン五輪に向け、政府と警察は治安を掌握して
いることを国際社会に証明しなければならない」と話すが、
英当局はジレンマを抱えながらの対応を迫られそうだ。

==============

◇英国での主な暴動

80年 4月 ブリストルで警察の家宅捜索をきっかけに暴動
81年 4月 ロンドンで警官による黒人迫害を機に暴動
81年 7月 リバプールで収監中の青年が虐待されたとして暴動
85年10月 ロンドン・トットナム地区で若者たちと警官が衝突
90年 3月 ロンドンで人頭税反対を訴えるデモが暴徒化
99年 6月 ロンドンで反資本主義デモが機動隊と衝突
01年 5月 メーデーに反資本主義者たちが暴徒化
09年 4月 ロンドンでG20サミットに抗議する若者らが機動隊と衝突
10年11月 ロンドンで大学学費値上げ反対するデモの一部が暴徒化
11年 8月 ロンドンの大規模暴動がバーミンガムなどに拡大

コメントです

現在、ロンドンで起きている暴動騒動に
ついての記事です。
いちおう、現時点では沈静化したようですが、
もともと、大義なき「烏合の衆」の暴動だった
だけに、英国政府は、再発防止に関して
あくまでも刹那的な対応しか取れないでしょう。
抜本的な防止策は困難だと思われます。


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posted by salsaseoul at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 英国
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