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2011年06月19日

2段階支援で時間稼ぎへ=ギリシャにまず1.4兆円―ユーロ圏会合

2段階支援で時間稼ぎへ
ギリシャにまず1.4兆円―ユーロ圏会合

時事通信 6月19日(日)17時52分配信

【ルクセンブルク時事】ユーロ圏17カ国の財務相は、
デフォルト(債務不履行)の瀬戸際に立つギリシャの
救済策を協議するため、19、20の両日に当地で会合を開く。
今回は合意済みの第1次支援策から120億ユーロ
(約1兆4000億円)の供与を認めて当面の時間を稼ぎ、
この資金が底を突く前の7月に第2次支援で合意を
目指すという、綱渡りの2段階方式を取る方針だ。
今回認められる見通しの融資は、国際通貨基金(IMF)と
欧州連合(EU)による1100億ユーロの融資枠から実行される。
IMFとEUは3日に120億ユーロの供与で原則合意したが、
支援の前提となるギリシャの財政赤字削減の見通しに
ついて、最終的な審査を行っていた。
なお、当初は合わせて第2次支援も同時に合意を図る
方針だったが、調整が難航。ギリシャは8月に大量の
国債償還を控えるため、まずは120億ユーロの引き出しを
認めて財政破綻を回避する。第2次支援は、ユーロ圏
諸国による融資に加え、ギリシャ国債を保有する
民間投資家に新発債に借り換えてもらい、返済を繰り延べる案を
軸に、7月11日の次回会合での合意を目指す。

関連記事です。

ギリシャ現地リポート 債務危機 そこに生きる人々

のんびりムードの陰で

長い欧州の歴史はギリシャから説き起こされる。ドイツの歴史
教科書も石器時代など先史時代の次は、古代ギリシャとなる。
現代のギリシャは、国内総生産(GDP)規模では欧州連合(EU)の
わずか2%と、かつての栄光はアテネの街を見下ろす
パルテノン神殿などにとどめるのみ。

しかし、そんなエーゲ海の小国の放漫財政が、欧州単一通貨ユ
ーロの売り圧力に。金融危機の傷が今なお癒えない国際金融市場で
信用不安の源となり、東京株式市場や円相場の相場材料と
されている。「波乱要因」となったギリシャ経済の現状と展望を
現地から報告する。(フランクフルト特派員 岡 秀一郎)

どこまでが遺跡なのか判然としないアテネ市内を歩けば、この国が
デフォルト(債務不履行)を取り沙汰されるほどの危機に陥って
いるとはとても思えない。4月なのに日に焼けてしまうほど
強い日差しの下、街角のカフェや観光地は人であふれ、南欧らしい
のんびりムードが漂う。
道端では犬があまりに無防備な姿で昼寝していた。

「毎日のように報道で債務危機が取り上げられ、ギリシャの人々も
沈んでいるかと思いましたが、みな明るそうでほっとしました」―。
アテネ中小製造業団体のラバニス会長とのインタビューで、
記者の口から最後にそんな軽口がふとこぼれた。 

すると会長は、「昔はもっと幸せでしたが、今はさすがに皆心理的に
参っています。以前来られたことがあるなら、この差は
お分かりでしょう」と、やや悲しげな面持ちで話した。

緊縮財政、景気低迷、そして失業増。ギリシャがこれから
たどるのは明らかにいばらの道だ。しかしラバニス会長は、
「この状態(放漫財政)を続けていけないことは政府も国民も
分かっており、抜け出したいと思っている」と力強く語った。

ギリシャ債務危機の背景

ギリシャ債務危機とは、言うなれば信用危機だ。同国の
パパンドレウ現政権は昨年10月の発足直後、債務統計を
大幅修正。この結果、欧州連合(EU)欧州委員会が09年11月
公表したギリシャの同年財政赤字予想は国内総生産(GDP)比で
同年5月時点の5.1%から、12.7%にいきなり跳ね上がった。

統計に加え、財政運営も信頼を欠いていた。財政赤字をGDP比
3%以内に抑制するというユーロ圏の財政規律を、01年の
ユーロ導入以降ほとんど守ったためしがなかった。

これを受け、有力格付け会社はギリシャの信用格付けを相次いで
引き下げ。フィッチ・レーティングスに至っては、同国の格付けを
投資適格級の最低ラインである「BBBマイナス」にまで
引き下げた。そしてギリシャの市民は、同国の信用回復に
向けた構造改革の痛みを実感し始めている。14日午後、
取材先に向けて道を急いでいると、ギリシャ国会議事堂前の
シンタグマ広場で、もはやアテネ名物となりつつあるデモに遭遇した。


デモはもはやアテネ名物?

聞くとタクシー運転手らのデモという。アテネ市内のタクシーは、
議会で可決を目前に控えていた税制改革法案に抗議、14日より
2日間のストに突入していた。同法案では、タクシー運転手への
課税がこれまでの年間一律1200ユーロから、売上高に応じて
課税額が決まる形となるほか、レシート発行も義務付けされる。

「要求に対するまともな回答があるまでは、ここから動かないぞ」と
拡声器から響いていたが、「ごまかし」の余地が大きい制度が
改められるだけに、通り過ぎる市民の反応は冷ややかに見えた。

実際、シンタグマ広場の近くで靴屋を営むジョン・ガリファロスさんは、
「最近デモやストが多く、中心街に人が出てこない」と、
鈍い客足を嘆いていた。

それでなくとも、景気低迷と3月の付加価値増税が消費者の財布の
ひもをさらに堅くする。「付加価値増税でも価格は上げていないが、
売り上げが減った。

そして結局は税収も減るだけだ」とはガリファロスさん。
見せてもらった付加価値税の納付書類では、昨年の単月の
納付額は3000ユーロ程度だったが、3月は約2000ユーロに
減少していた。

ガリファロスさんは、「売り上げ回復を期待しているが、そうでなければ
閉店するしかない。周りの商店主もそう言っている」と話した。

人口の1割が公務員

どうしてここまで財政赤字が膨れたのだろうか。
04年のアテネ五輪のせいなのか。

「いや、そのように一つだけが原因ではない。ギリシャは過去30年間
拡大的な財政政策が続いていたが、その政策に慎重さを欠いて
いたのが問題根源」と同国有力シンクタンクの計画経済研究センターで
マクロ経済を担当するエコノミスト、ステラ・バルフシア氏は語る。

同氏によると、歳出の大半が巨額の公共投資に回った。
なるほど、こうした投資は経済成長を促したが、必ずしも
効率的ではなかったという。巨額の公共投資は、同国における
公的部門の肥大化につながり、就業者数の4分の1が公務員と
言われるまでになった。

アテネ商工会議所のミハロス会頭は、「人口規模に比べて
公的部門が大き過ぎる。政府や野党も含めて誰も正確な
数字を知らなかったが、われわれが最近調査したところでは、
ギリシャの人口は約1100万人だが110万人の公務員がいる。
ちなみに人口規模がだいたい同じくらいのオーストリア(約830万人)は
30万人だ」と指摘した。加えて、公務員の給与水準は民間より高め。
地元の旅行業者は、「公務員が月給2000〜3000ユーロもらって
いることが今暴露されているが、この国ではあり得ない水準で異常」と
話す。なお民間ならば若年層では1000ユーロ前後もざらにあるそうだ。

年金制度が崩壊の恐れ

公的部門以上に問題なのは、年金制度だ。ドイツの商銀大手
コメルツバンクが最近公表したリポートによると、ここ数年の同国に
おける年金引き上げはインフレ率を上回り、支給額も賃金水準の
73%と、ユーロ圏内では図抜けて多い。

リポートは「改革がなければ15年以降、同国の年金支払いは
危機に陥る」と警告する。

なおギリシャの年金受給の平均年齢は61歳で、55歳からの
前倒し受給も可能。さらに「危険な職種」と言うことで、軍人や
警官はさらに早期に受給できる。

ギリシャ銀行大手アルファ銀行主任エコノミスト、
ミハイル・マスラキス氏は、
「既に公務員の賃金カットは大きな反対もなく行われ、脱税阻止を
目指した税制改革により、医者(同国では所得過少申告の代名詞)が
以前より多く税金を払うようになっても、誰も気に留めない」としたが、
皆が関わってくる「年金制度改革は極めてセンシティブ」と指摘する。

同氏によると、多くの年金保険を払っているのに受け取りが
少なかったり、一方で払い込み年数が少ないのに多くもらえたりと、
現行制度は「極めて複雑で不公平なシステム」という。
しかし、「社会の高齢化や制度破綻(はたん)の危機を踏まえれば、
政治家は過去30年間国民に行ってきた約束を撤回せざるを
得ない」とマスラキス氏はみる。

だが年金制度の危うさは、高齢化が進む先進国共通の現象。
さらに言えば、今やユーロ圏のみならず、日本や米国も大幅な
財政赤字を抱えている。それなのに、なぜギリシャだけが危機なのか。
アテネ商工会議所のミハロス会頭は、「確かにわれわれには
問題があるが、なぜ大勢の中からつまみ出されたのか。
それはわれわれの経済規模がEUの2%と小さいからだ」と嘆く。
アテネ中小製造業団体のラバニス会長も、「他の国も大幅な債務を
抱える中こうはならないよう戒めとして標的にされている」と
残念そうに語った。ギリシャ自身の政策運営に対する信用のなさも
さることながら、目ぼしい産業基盤に乏しい小国の悲哀も漂う。

債務危機が促す意識改革
ユーロ圏諸国の度重なるギリシャ支援表明にもかかわらず、
根強い信用不安を背景に、同国債の10年物利回りは4月、
7%以上に上昇した。ちなみに、ドイツ国債の利回りは3%を
少し上回る程度。すなわち、ギリシャは市場から資金調達する場合、
ドイツの2倍以上の利払いを余儀なくされてしまう。

市場の圧力に押される形で、ギリシャは国際通貨基金(IMF)や
欧州連合(EU)と支援に向けた協議入り。ギリシャがIMFなど
からの融資を、一段の厳しい構造改革を条件に受け入れるとの
見通しは日増しに高まっている。

しかし、IMFなどの融資はあくまで一時しのぎに過ぎない。
ギリシャが債務危機を克服するには、着実に構造改革と
緊縮策を進め、財政赤字を削減するしか道はない。
同国政府は既に付加価値増税や公務員の給与カットに着手、
年金制度改革も視野に入れる。アルファ銀行のマスラキス氏は、
「こうした正しい方向が具体的な数字に表れるのは今年夏以降
だろう」と予想。赤字削減成果が明らかになれば
市場は落ち着くとみる。債務危機が、ギリシャ社会に変化を促す
兆しがあることも見逃せない。痛みを伴う改革に、「それしか方法がない」
「仕方がない」との意見が相次いだ。パルテノン神殿がそびえる
アクロポリスのふもとで、ホテルを営むヤニス・アブラボスさんは、
「問題はギリシャの政治で、改革を要求するEUは悪くない」と
外圧もやむを得ないとの見方。そして、「緊縮財政は仕方がないが、
改革の恩恵は受けたい」と前向きに捉える。

たとえその改革は、「背中をアテネ近郊で建材会社を経営する
パナヨテス・コントヤニスさんは、「テレビのコメンテーターらが、
かつてのような社会的公正ではなく、サッチャー元英首相以上に
経済自由主義的な改革を唱えている。こんなことは3年前は
考えられず、市民のメンタリティーも大きくシフトしている」と
語った後で、こうつぶやいた。「改革を進める唯一の方法は、
債務危機のようなショックだ」。

(肩書き・名称、年齢はいずれも2010年4月中旬に
取材した当時のものです)

 

コメントです

経済的に窮地により、連日支援融資の話題で
紙面をにぎわしているギリシャ。
関連記事の現地取材内容とあわせて
閲覧してください。

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posted by salsaseoul at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州
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