抗がん剤感受性試験後の化学療法、
胃がんで143億円の医療費削減に
がんナビ
抗がん剤投与後の効果の有無を予測する「抗がん剤感受性試験」の
費用対効果について、術後化学療 法を受けた胃がん症例を対象に
検討したところ、約143億円の医療費削減が期待できることが
分かった。10月22日から24日に横浜市で 開催された
第47回日本癌治療学会学術集会で、香川大学医学部
消化器外科の臼杵尚志氏が発表した。
抗がん剤感受性試験とは、手術で切除したがんの組織、あるいは
腹水・胸水などから分離したがん細胞に種々の抗がん剤を添加し て、
どの薬剤が効きそうかを判定する試験。日本では80年代から、
「テーラーメイド治療」の一環として取り組まれてきた。抗がん剤は
正常な細胞にも影響を及ぼすため副作用の出現が避けられないこと、
ま た、同じがんであっても患者によってその反応が異なることから、
抗がん剤に対する感受性を治療前に予測することが重要と
考えられている。現 在、国内では健康保険外の先進医療として、
主に胃がん、大腸がん、肺がんの抗がん剤感受性試験を一部の
医療機関で行っている。癌研有明病院では、
乳がん、卵巣がん、子宮がん、転移性肝がんなどにも導入している。
特に胃がんについては、2006年から全国19施設で術後
化学療法の有効性を確立するための臨床試験を実施中
(現在、被験者を登録中)。
現時点で は、効果のない抗がん剤を取り除ける確率は
9割以上(感受性試験で効果がないと判定 された抗がん剤が
実際の投与でも効かなかった)と発表されている。
ただし、感受性試験によって効果がある抗がん剤を選べる確率は
4〜6割 程度という。
昨年からは、進行再発胃がんの症例に対し、抗がん剤感受性試験に
ついて保険適用が認められたが、その診療報酬の算定金額が
低いこともあり、臨床現場では経済的な負担から検査の実施 が
進んでいないという状況を生んでいる。
寄与するか、臼杵氏が胃がんの術後症例で算出した。
研究では、対象50人に感受性試 験を実施後、実際の臨床現場と
同じように抗がん剤を投与してもらった。その後、抗がん剤の選択が
(1)「感受性試験の判定と一致していた群」(33人)、
(2)「異なっていた群」(17人)に分けて、その予後や
医療費などを検討した。その結果、生存期間中央値(MST) は、
(1)は1125日(3年余り)、
(2)は292日(1年弱)だった。
また、(1)の薬剤費は約4800万円(1人約145 万円)だったが、
(2)は約2336万円(1人137万円)だった。
これを全国の胃がん患者根治度B
(手術で腫瘍をほぼ完全に切 除できた)と
C(切除後、組織の断端にがんが残ってしまった)の
罹患者10万人に合てはめて算出すると、感受性試験の判定と
一致しない薬剤として年間約143億円が使われているという結果が出た。
なお、感受性試験実施費用が、1日の延命に寄与する金額は、
たった24円だった。
この発表はワークショップ「抗癌剤感受性試験個 別化と標準化」の中で
行われた。座長の和歌山県立医科大学第2外科教授の
山上裕機氏は「抗 がん剤の副作用にはレベルがありますが、
たとえそれが低かった場合でも、実際には食欲がなかった り、
全身倦怠感がひどかったり、患者さんの生活の質は大きく
低下しています。効果がないと わかっているものは投与しないが
ベストチョイス。それが感受性試験の有用性です」と話し、今回の
臼杵氏の発表については、「これまでにも 感受性試験が医療費を
削減する可能性は指摘されてきたが、
明確な数字は初めて算出された」とコメントした。
(福原 麻希=医療ジャーナリスト)
関連記事です。
出生前診断について
二人目を妊娠しました。とっても幸せなのですが、
悩んでいることがあります。
一人目がダウン症候群なんです。
本などで出生前診断のことを知って、主治医の先生に聞いた
のですが、検査するかどうかまだ悩んでいます・・・。せっかく授かった
命なんですから、中絶ということは考えていません。でも、二人の
障害児を育てていく自信もありません。先生いわく、
「羊水検査等をして、陽性が出たら中絶するのなら検査をする
意味があるけど、産むって決めていたらする必要はない。」と
言われました。出産までの10ヶ月、心のどこかでずっと心配する
よりも、検査を受けて心構えをしたほうがいいのか・・・悩んでいます。
決めるのは私自身とわかっているのですが、なかなか答えがでません。
もう一度出生前診断のことと、ダウン症児の産まれてくる
確率について、教えていただけませんか?
病院によって、一人目二人目とダウン症児が産まれる確率は
高くなると言われたり、低くなると言われたりしました。
宜しくおねがいします
************
回答 たまごママネット医師団
ダウン症は一般的に母親の年齢と共にその発症率が高くなると
言われており、一般的には20歳代で1000分の1、35歳で
270分の1、40歳で100分の1と言われています。一方、若年の
母親の場合で一人目がダウン症で、二人目もダウン症を繰り返す
確率は1から2パーセントであるとされます(以上は米国の産科学の
教科書の記載です)。従ってこの数字から考えてもお分かりのように、
一人目がダウン症児でない場合に比べると高いのは確かです。
出生前検査をおこなうとすればあなたの場合は羊水検査を行なうのが
合理的と考えます。というのも母体血からダウン症児妊娠の確率を
推定するだけのトリプルマーカー検査はあなたに不安こそ与えても、
悩みの回答になり得ないからです。羊水検査は200分の1で流産や
胎児死亡に到るとの報告がありますが、実際にはそれほど多いもの
ではないと私自身は経験上思いますし、あなたの不安に対して回答を
与える合理的なものであると私は考えます。ただしそれを受けるべきか、
そしてその結果 に対してどう対応するかは、あなたとあなたのご主人が
決めるべきことで、倫理上私達が答える種類のことではありません。
冷たい言い方ですが、後悔のない選択をなさってください。
コメントです。
今日は「抗がん剤感受性試験」の有効性、
それに「出生前診断」の記事を取り上げました。
この2つの記事、あまり関連性がないと思われた
かもしれませんが、「抗がん剤感受性試験」で
がん患者に「効かない抗がん剤」という判定を
早期に表示して、治療について期待的選択肢を狭める点で
少し類似しているようなので、今回併記しました。
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