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2020年11月27日

「消毒すればOK」という誤った感染対策の超危険 最も重要な感染対策がおろそかになっている

「消毒すればOK」という誤った感染対策の超危険

最も重要な感染対策がおろそかになっている

東洋経済 11月26日(木)

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香港の閑散とした空港では、清掃員が荷物用カート、エレベーターのボタン、チェックインカウンターを繰り返し消毒している。ニューヨークでは、作業員がバスや地下鉄の表面部分を頻繁に消毒。ロンドンでは、多くのパブがロックダウン(都市封鎖)後の再開に向けて多額の資金を投じて表面消毒を徹底したが、11月には二度目のロックダウンで再び休業に追い込まれた。

世界の至る所で、表面の洗浄、拭き取り、消毒が行われている。そこにあるのは、新型コロナウイルスと闘うという強い目的意識だ。ところが、ますます多くの科学者が、ウイルスに汚染された表面を介して感染が広がっているという証拠はほとんどない、と指摘するようになっている。空港のような混雑した屋内空間では、感染者の息とともに吐き出されて空気中に滞留するウイルスの方がはるかに危険だという。

表面消毒で広がる「誤った安心感」

もちろん、せっけんを使った20秒間の手洗いや手指の消毒が大切なことに変わりはない。ただ、専門家によれば、表面を消毒しても屋内の感染予防にはほとんど役立たない。保健衛生当局に対して専門家らは、表面消毒ではなく、換気の改善や屋内空気の清浄に力を入れるべきだ、と警告している。

「私の所見では、表面消毒のために多くの時間と労力と資金が浪費されている。さらに問題なのは、空気感染対策がおろそかになってしまっていることだ」と、アメリカ国立衛生研究所の呼吸器感染症専門家ケビン・フェネリー氏は語る。

オペラのように派手派手しく展開される消毒作戦が一般の人々に誤った安心感を植え付けている典型として、一部の専門家は香港を引き合いに出す。人口750万人の過密都市・香港は、過去にもさまざまな感染症の流行を経験してきた。


香港空港管理局は、公衆電話ボックスのような「全身消毒ブース」を設置し、検疫エリアのスタッフに消毒液を吹きかけている。空港によれば、これは世界初の設備で、空港職員だけに試験的に用いられている。空港を「すべての利用者にとって安全な環境」とするための徹底した対策の一部だという。

このような光景を見せつけられれば、人々の不安は和らぐかもしれない。当局が感染対策をしっかりと講じているように映るからだ。しかし、エアロゾル(空気中に漂う微小な飛沫)に詳しいコロラド大学ボルダー校のシェリー・ミラー氏は、このようなブースは感染防止にはまったく意味がない、と話す。

普通の風邪やインフルエンザなど、さまざまな呼吸器系疾患は病原体によって引き起こされ、そうした病原体は汚染された表面を介して広がる場合もある。そのため、昨冬に中国本土で新型コロナの感染が広がったとき、これらの「媒介物」が病原体を拡散させる最大の経路になっていると推測するのは理にかなっているように思えた。

ところが7月になると、媒介物による感染リスクが誇張されている、と論じる論文が医学誌『ランセット』に掲載される。2002年〜03年にSARS(重症急性呼吸器症候群)のパンデミックを引き起こしたウイルス「SARS-CoV」など、近縁種の研究で示されたエビデンス(科学的根拠)が考慮されていないという指摘だった(新型コロナのウイルス名は「SARS-CoV-2」)。

見せかけの「衛生劇場」

「少なくとも最初に確認されたSARSウイルスでは、媒介物による感染が極めて限定的なものでしかなかったことを示す非常に強力なエビデンスがある」。論文を執筆したラトガーズ大学の微生物学者エマニュエル・ゴールドマン氏は電子メールの取材にこう回答した。「(SARSウイルスと)極めて近縁のSARS-CoV-2がこの種の実験で著しく異なる作用を示すと考える理由は存在しない」。

ゴールドマン氏の論文がランセットに掲載された数日後、新型コロナはどのような屋内環境であっても空気によって拡散する可能性があると認めるよう、200人を超える科学者が世界保健機関(WHO)に迫った。この問題に対するプレッシャーは強力で、WHOはレストラン、ナイトクラブ、職場、宗教施設など、換気の悪い場所ではエアロゾル感染が発生する場合があることを認めざるをえなくなった。

5月から物体の表面は「ウイルス拡散の主要な経路ではない」といった立場をとってきたアメリカ疾病対策センター(CDC)も10月までに、呼吸器から排出される飛沫が感染の「最大経路」になっている、との見解を示すようになる。


しかし、その頃までには、手すりから買い物袋に至るまで、あらゆる物体の表面を介して感染が広まっているといった妄想が世の中に広まっていた。感染予防策として表面を消毒しまくるといった光景が日常に深く根付くようになっていたということだ。こうした現象を、有力誌『アトランティック』は「衛生劇場」と呼んだ。

「テニスのパートナーと試合後に握手するのは、やめにした。ただ、(テニスをしている間は)相手が手で触ったボールをこちらも手で持ったりしているわけだし、これにいったい何の意味があるのだろう」。文筆家のジェフ・ダイヤー氏は3月、老舗文芸誌『ニューヨーカー』で発表したエッセーにこう記し、潔癖症的な時代精神を切り取った。

香港では新型コロナで5400人を超える感染と108人の死亡(11月中旬時点)が確認されているが、これは大都市としては、どちらかといえば低い部類に属する。とはいえ、屋内のエアロゾル感染への対応が遅れたと指摘する専門家もいる。

香港当局は早い段階で、レストランに対しテーブルの間に仕切りを設置するよう求めた。10月に行われたアメリカ副大統領候補の討論会で使われたのと同じ種類の、ほとんど何の役にも立たない薄っぺらな防護パネルだ。

香港当局は屋内での集まりに対する規制を徐々に緩めてきており、結婚披露宴も50人までの参加が許可された。そのため、屋内で新たな集団感染が起こるのではないかと危惧されるようになっている。

オフィスでマスクを外す人の「盲点」

香港ではリモートワークが徹底されていないため、一部の専門家は、混雑したオフィスの通気口を通じてウイルスが拡散することを特に懸念している。

「昼食時や自分のキュービクル(仕切りで囲われたオフィス内の個人スペース)に戻ってきたときにマスクを外してしまう人は多い。キュービクルは自分だけの空間だと思い込んでいるのだ」と、香港科技大学の楊経倫教授(化学・生物工学)は話す。

「でも、忘れないでほしい。あなたが吸い込んでいる空気は、基本的には(まわりの人たちが呼吸しているのと)同じ空気なのだということを」

(執筆:Mike Ives記者、Apoorva Mandavilli記者)
(C)2020 The New York Times News Services

コメントです。
コロナの感染についての
話題です。
平たく言えば、#空気感染
ここに最も重要な感染予防対策が
必要とされており、表面消毒などで
安心するべきではない。
確かに理にかなっています。
しかし、未だに見かける
#マスク不要論者
#現実逃避派
#ワクチン拒否派
どのような意見なのでしょうね。
世界的規模でのコロナ感染拡大も
そろそろ一年近くなりますが、
最近はウィルスより
常に自己正当化する意識しか
持たない「人」のほうが
恐ろしくなってきました。





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posted by salsaseoul at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | covid-19
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