中国のシェアリングエコノミー曲がり角
AFP 2018年12月24日

【12月24日 東方新報】「デポジットの返金申請をしてから
もう20営業日が過ぎたが、未だに返金されていない」。
北京市に住む艾さんは語る。艾さんは、中国のシェア
自転車プラットフォーム「ofo」初期から登録しているユーザーだ。
99元(約1600円)のデポジットを支払ったにもかかわらず、
約束された返金期限を過ぎ、何回もカスタマーサービスに
電話をしたがつながることはなかった。
艾さんのような消費者が、シェア自転車やシェア充電器、
シェア自動車などのアプリで多様なデポジット返金問題に
巻き込まれている。
今年の冬、シェアリングエコノミーの業界は辛い日々だ
。かつては投資家が競って参入した業界だったが、爆発的成長の
後は、多くの企業が経営難に陥っている。専門家の統計によると、
わずか半年の間に、シェア経済のユーザーは約15億元
(約245億円)の損失を被り、挽回は困難だという。
企業の生存のためには、客が大事なのか、それとも客の金が大事なのか?
■返金受けられず、ユーザーに焦り昨今のデポジット問題について、
ofo側では「返金は問題ない」としているが、実際は楽観的な
状況ではない。中国消費者協会の調査によると、
シェア自転車70社のプラットフォームの中で34社が倒産し、
その中で苦情件数が最も多かったのは「酷騎単車(Kuqi Bike)」で
21万件、苦情総額は10億元(約163億円)に上る。
シェア自転車のデポジットの取り扱いは、政府の規定によると
「ユーザーから受け取ったデポジットは他の用途に流用してはならず、
交通、金融など主管部門の監督を受けなければならない」と
しているが、多くの企業は未だにこの点について曖昧なままで、
情報公開はほとんどなされていない。シェア自動車アプリ
「途歌(TOGO)」のユーザーによると、
「車を使う前にデポジットを支払い、使い終わったら、20日後に
デポジットの返金申請をし、
さらに、7営業日後に返金するというのがルール。
もし車の使用中に何らかの問題が生じた場合、問題解決後の
返金となる。1500元(約2万4000円)は小さくない。
申請しても遅々として返金がなければ心配になりますよ」。
■投資家の後押しで起業、投資家の退却により
衰退投資会社のある責任者は、
「シェア自転車が始まった頃は、ユーザーはその使いやすさに喜び、
投資家は先を争って投資した。投資は企業家の事業に対する
情熱を引き出し、それがまた競争を激化させた」と話す。
統計によると、2017年には190社のシェア経済の企業が
融資を獲得、融資額は1159億5000万元
(約1兆8900億円)に上った。対象は、シェア自転車、
シェア自動車、シェア充電器など11領域にわたる。
2018年が終わろうとする現在、投資熱の後退につれて、
シェア経済市場は激しい入れ替えが進んでおり、2番手以下の
企業は撤退を迫られている。シェア経済のビジネスモデルに
ついては当初から、成熟度と持続性について疑問が持たれていた。
インターネット関連ビジネスにありがちな「利益無視・シェア重視」の
傾向が見られ、安定して利益を得られる方法は
まだ見つかっていないようだ。(c)東方新報/AFPBB News
最初に中国本土でレンタサイクルを
見たとき、ℚRコード決済で
すべて乗り捨てができて、
なんて頭がいいんだと思いましたが、
きちんと運用できず、文字通り
自転車操業だったようですね。
残念です。