【7月28日 東方新報】人々から毛嫌いされるゴキブリ。
だが、中国・山東省(Shandong)済南市(Jinan)
章丘区(Zhangqiu)では、ゴキブリを利用した生ごみ
処理を行っていることで話題になっている。
同区の生ごみ処理センターの李延栄主任は、
「センターでは、生ごみから鉄やガラス、プラスチックなどを
取り除き、残った有機質のごみを砕いてペースト状にした後、
輸送管を使ってゴキブリの『飼育室』へ送る。
すべて自動で行っている」と紹介した。
現在センターの飼育室には約300トン、約3億匹の
ワモンゴキブリがおり、1日約15トンの生ごみを処理している。
2019年にはさらに処理棟を2棟増やし、1日の処理量を
200トンに増やせる予定だという。
同区環境衛生管護センターの董科長によると、現在、同区で
出るごみ600トンのうち60トンが生ごみで、生ごみ処理センターでは1
日15トン、全体の4分の1の生ごみを処理している。
一般的な処理方法は埋め立てだが、土地を必要とするだけでなく、
環境汚染にもつながる。同区の生ごみ処理センターがゴキブリを
利用して行う事業は、政府との共同プロジェクトの一つだという。
ゴキブリは、タンパク質飼料としても利用できると同区の
生ごみ処理センターは主張する。中国の動物性タンパク質飼料は
現在、ほとんどが輸入に頼っている。李主任は、
「センターのゴキブリ1トンからタンパク質含量72%の
昆虫タンパク質飼料1トンを生産できる。1級動物性タンパク質
飼料は、市場では1トン1万2000〜1万5000元(
約19万6000〜24万5000円)で取引されている」と説明した。
逃げ出さないの?
生ごみ処理センターの付近住民は、たくさんのゴキブリが逃げて
家に入って来ないか心配しているが、李主任は、
「ワモンゴキブリは高温多湿で暗い場所を好む。
飼育室には窓がなく、いくつかの通気口を除き、金網で蓋を
している。壁には水を噴射する装置が付けられており、ゴキブリが
壁を上ると水を噴射し、食虫魚が泳ぐプールに落ちる仕組みに
なっている。さらに飼育室周辺には85センチの溝があり、
ここでも食虫魚を飼っており、ゴキブリは逃げられない」と説明した。
ゴキブリは不衛生ではないかという懸念の声に対しては、
「中国の飼料使用規定値では、サルモネラ菌、大腸菌ともに
ゼロであることが求められ、カビは2万個体を超えてはならないと
されている。ゴキブリから生産した昆虫タンパク質飼料には、
サルモネラ菌、大腸菌ともに存在せず、カビは40個体だった」と説明した。
環境保護学者でゴミ問題研究学者でもある毛達氏は、
「動物に生ごみを処理させる方法は目新しくはないが、
経済価値は高い。やはり課題となってくるのは、人工環境下での
飼育管理だろう」と話している。 退職した科学者らによる
中国科学院( )
老科学家科普演講団の李皓博士は、「生ごみを発酵させて
エネルギーに変える方法が国際的には認可されている。ゴキブリは
病原体を運ぶため、衛生上、ゴキブリが逃げない保証が
あるのかは疑問が残る」と主張している。
(c)東方新報/AFPBB News
コメントです。
中国はチャレンジャーだ(笑)