AFP 2018年9月9日


【9月9日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は
8日、リビアで移民や難民を標的にした人身売買業者や
不法入国援助業者らがUNHCRの職員に成り済ましているとの
「信頼できる報告」があると明らかにし、こうした不法業者を
取り締まる行動を起こすよう求めた。
UNHCRによると、紛争で荒廃したリビアの各地で国連(UN)
傘下各機関の関係者のふりをした不法業者たちが暗躍している。
こうした「犯罪者」たちはリビアの上陸地点や密入国拠点で目撃されており
UNHCRのロゴにそっくりなマーク入りのベストや物品を使用しているという。
成り済まし不法業者に関する情報源は、リビアで人身売買業者に
売り飛ばされ虐待や拷問を受けたと訴える難民たち。
中には地中海上で拿捕された船に乗っていた難民らからの
訴えもあるという。
だが、UNHCRのババル・バローチ(Babar Baloch)報道官は、
国連職員に成り済ました不法業者らが実際に移民や難民たちを
だますことに成功し、彼らを虐待しているかどうかは不明だとAFPに
述べ、現在事実を調査中だと付け加えた。バローチ氏は、
不法業者らは明らかに「犯罪」の意図を持って疲弊しきった人々を
標的としていると指摘し、こうした業者の取り締まりをリビア当局に
求めると述べた。
リビアは2011年、長年にわたって独裁体制を敷いてきた
ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が失脚し殺害
されたことを機に混乱に陥り、現在はサハラ以南から欧州への密入国を
目的とした移民・難民の一大中継地と化している。
だが、こうした混乱に乗じて人身売買業者が暗躍し、
アフリカから欧州を目指す移民たちは危険な状況にさらされている。
(c)AFP