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2018年06月21日

(チャイナスタンダード)ネット監視・管理、価値観の過渡期 ダニー・オブライエン氏

朝日新聞 2018年6月20日

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国家によるインターネット上の情報管理が様々な形で
広がり始めている。
企業や国家が大量の個人情報を握る時代。
ネットの自由は、プライバシーは、どうなるのか。
電子フロンティア財団国際部長
ダニー・オブライエン氏に聞いた。(サンフランシスコ=宮地ゆう)

 ■FB問題、米国のやり方に一石

 ――インターネット草創期の様子は
   どのようなものだったのでしょうか。

 「インターネットは、わずかな人々に使われて
いた頃から、自由で開放的であるべきだという
考えが根本にあった。一方で米政府は、
早くからネットから情報を取ろうとした。
民間は情報を守るため暗号化技術の開発を続け、
両者はいたちごっこを続けてきた」
「米政府が大量の通信記録を集めていたことが
暴露されたスノーデン事件後、批判を受けて
『米国自由法』が制定され、政府によるネットの
監視活動はある程度制限された。
逆に英国では、秘密裏にIT企業に広範な
協力を求めるようになった。
他国でも、政府がIT企業を通じて行う
情報収集を合法化する動きが出ている」

 ――政府が個人情報を握る中国と
   大差ないということでしょうか。

「大きくは変わらないが違いはある。中国では、
政府による監視を前面に出し、国民が悪さをしないよう
抑える戦略をとっている。中国でグーグルの検索が
利用できた当時、禁止用語を打ち込むと一時的に
使えなくなった。監視されていることを国民に
意識させるためだ。欧米のようなひそかな情報収集とは違う」

 ――ネットの監視や管理のあり方で
   複数のモデルが並立しているようです。

 「ネット管理は、技術的な問題よりもプライバシーに
対する各国の考え方や文化が反映される。多くの中国人は
プライバシーを政府に渡すことに嫌悪感を抱かない。
また、自国のデータは自国で管理する『データ主権』の
考えがある。米国では、インターネットは自由な
言論空間であるべきだと考え、政府の干渉を嫌ってきた
歴史がある。一方、欧州連合(EU)は企業が
個人情報をどれだけ持っているかを気にする。我々のルールに
従わなければ域内で商売させない、という姿勢でもある」
「異なる価値観が台頭し、インターネットの世界は
過渡期にある。今後、どの形の規制が普及するかは、
各国がどの文化をモデルにして、どういう価値観を
求めるかによるだろう」

 ――フェイスブック(FB)の個人情報流出問題が
   起きました。なぜ大きな騒ぎになったのでしょう。

「個人情報流出の被害がはっきり見える例は少ない。
FBは、誰の個人情報が流出してどう使われ、
どんな結果を招いたかまで見えた非常にまれな例だ。
さらにこの情報が米大統領選でトランプ陣営に
利用された点も怒りを買った」
「多くの人は、個人情報を守ろうにも、なすすべが
ないと感じてきた。どこか気持ち悪いと思いながら
FBを使い続けたのは、どうしたら状況を
変えられるのかわからなかったからだ。
ネットは個人に等しく力を与えるはずだったのに、
大企業が巨大な力を持ってしまった。
FB問題はこの不均衡を是正する機会だと思う。
他国でも今までは米国のIT企業を通じて価値観が浸透し、
米国のやり方に合わせてきたが、それも変わるかもしれない」

 ――EUでは5月から
 「一般データ保護規則(GDPR)」が施行されました。

「EU外でモデルになる可能性はある。懸念があると
すれば、かなりあいまいな言葉で書かれているところだ。
今後、EUの規制当局がプライバシー保護の名のもとに、
ネットを管理し始める可能性は否定できない。
プライバシーだけでなく、言論の自由など他の権利も
尊重する必要があり、バランスが求められる」

 ――中国型の管理が世界に広まる可能性は。
「GDPRは他国からもいい規制だという声が多くあるが、
中国に対して前向きな反応がほとんどないところを見ると、
他地域に広がる可能性はまずないだろう。
ただ、それぞれの国がどの方向へ動いていくのか
注視していく必要がある」


 ◆ダニー・オブライエン氏
英国生まれの元ジャーナリスト。英国政府のネット監視に
対し透明性を求める市民団体を設立するなど、ネットでの
言論の自由を守る活動に従事。ネット利用者の権利擁護を
目指す電子フロンティア財団で、政府によるモバイル
端末からの情報収集活動などについて分析している。


 ◆キーワード
<スノーデン事件> 英紙ガーディアンが2013年6月、
「米国家安全保障局(NSA)が米電話会社の通話記録を
毎日数百万件収集」と報道。米中央情報局(CIA)元職員、
エドワード・スノーデン氏が「情報源」として名乗り出た。
その暴露文書からは、大手IT企業が個人情報収集に
協力していたことも判明。日本を含む世界38の大使館や
代表部、メルケル独首相、欧州連合や国連本部が
盗聴・監視対象だった疑惑も浮上した。

<フェイスブックの情報流出> 米交流サイト最大手、
フェイスブック(FB)の最大8700万人分の
個人情報が、選挙コンサルティング会社
「ケンブリッジ・アナリティカ(CA)」に流出。
CAから費用提供を受けたロシア系米国人教授が
独自のFBアプリを開発し、学術目的名目でこれらの
情報を入手。
2016年の米大統領選に影響を与えたと指摘される。

 <一般データ保護規則
(GDPR=General Data 
Protection Regulation)>
 欧州連合28カ国にノルウェー、アイスランド、
リヒテンシュタインを加えた欧州経済領域で
5月25日から導入された。企業や団体が欧州域外に
個人情報を持ち出すことは原則として禁止。
対象は名前や住所、メールアドレスのほか、
ネットを通じた商品購入記録まで幅広い。
違反すると高額の制裁金が科される可能性がある。


コメントです。
日々の生活でネットからの情報活用が浸透し、
今や誰でもフリーで膨大な情報が得られます。
もちろん、その情報の品質は「玉石混交」ですが、
表面上は便利性のほうが明らかに勝っています。
でも、誰がそのインフラを維持するコストを
負担しているのでしょうか?
何かしらのメリットがないと、誰も負担など
しません。
その見返りが個人情報の蓄積です。



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posted by salsaseoul at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会
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