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2016年08月12日

アパート経営「30年保証」、破られた口約束 減額・解約、事前説明なし

朝日新聞 2016年8月11日

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 「家賃は保証」などと誘われてアパート経営に乗り出した
大家から、業者とのトラブルの訴えが相次いでいる。
国土交通省は「大家も事業者」として規制強化に
消極的だったが、訴えは今後も増えることが予想され、
ようやく対策に乗り出す。
だが、実効性を疑問視する声も出ている。

相模原市のJR橋本駅からバスと徒歩で約25分。かつては

雑木林だった場所にある2階建てのアパート2棟は7月上旬、
約3分の1が空室だった。

大家の女性(66)は14年前、大手賃貸住宅管理会社の
営業マンに勧誘された。「30年間の一括借り上げ保証です」と
繰り返しアピールされたが、「家賃は下がる」との説明はなかった。
女性は「家賃は30年変わらない」と思い込んだ。相続税対策も
兼ね、銀行から1億円を借り入れ、2棟を建てた。

当初の家賃収入は毎月約126万円。しかし、8年が過ぎた頃から
「周辺物件の家賃より高い」などと値下げを2回求められ、
今は約106万円。契約書を見直すと、「状況に応じて家賃変更を
協議する」といった趣旨の記載があった。女性は「あまりにも
知識不足で、業者の言うがままに従ってしまった。
更に減額されるとローンが返せず、アパートを手放さざるを
得ない」と嘆く。

千葉県茂原市の男性(62)も21年前、約1億円の借金をして
市内にアパート2棟を建てた。大手賃貸住宅管理会社に
よる「30年間一括借り上げ」。契約時には「4年目以降は
家賃を2年ごとに原則3%上げる」との説明も受けたという。

だが家賃は一度も上がらず、逆に6万円減って月約70万円に。
2008年秋のリーマン・ショック以降は入居率が下がり、
11年秋に同社からほぼ一方的に契約を解除された。
入居者は一斉に退去。約1年間は家賃収入がほぼゼロになり、
返済計画が狂った。

契約書に中途解約を可能とする条項があった。
男性は「契約時には解除の説明はなかった。相手は一枚も
二枚も上手のプロ。個人では対抗出来ない」と話す。

大手各社は「誤解のないよう丁寧な説明を心がけている」
「家賃更新時は(大家に)理解を得られるよう訪問して
説明している」などとコメントしている。

 ■元営業マン「世間知らず狙った」

「世間知らずで、プライドが高く、人に相談しなさそうな人を
狙った」。賃貸住宅管理会社の元営業マンはそう明かす。
特に「狙い目」だったのは教員や医者、公務員らだったという。

まとまった広さの土地が比較的多い埼玉や千葉などで集中的に
営業。「相続税対策」や「老後資金の確保」などのメリットを
語った。契約の際は大家を本社に招き、役員らと一緒に
食事をするなど最大限の歓待をした。
「いわゆる催眠商法のようだった」とも。

大家が「本当に家賃は下がらないのか」と尋ねても、
「下げるわけない」「信頼関係です」と言い張った。
10年目以降は2年ごとに家賃を協議する契約になっているが、
「大家には10年目までまったく説明しなかった」と振り返る。

別の賃貸住宅管理会社の元社員は「アパート建築の時点で
利益は回収できた」と語る。1億円のアパート建設を同社が
自ら請け負うことで40%の4千万円が利益になると証言。
大手ゼネコン関係者は「利益は10%が業界の常識。
40%なんてあり得ない」と驚く。

12年末の自民党の政権復帰後、相次ぐ金融緩和で市場に
資金が余っている。日本銀行は今年3月のリポートで、
サブリースをはじめとするアパートの大家向けへの、地方銀行や
信用金庫からの貸し出しがここ数年で急増していると指摘。
地方には有力な貸出先が少ないため、だぶついた資金が
回っている形だ。

折からの超低金利に加えて、昨年1月からは相続増税に。
業界では「有利な資産運用で、節税にもなる」といった
うたい文句で営業が過熱しているという。

元社員は「アパートは増え過ぎている。近い将来に
家賃トラブルはもっと増えるだろう」と話す。

 ■規制対象業者は1割

アパートのサブリースをめぐるトラブルに対して、監督官庁の
国交省は当初、規制に消極的だった。

アパートを経営する大家は「あくまでも事業者」とのスタンスからだ。
消費者の場合は業者が不利益な情報をわざと隠すなどすれば、
消費者契約法によって契約を取り消すことができる。
だが、「事業者」である大家は原則対象外だ。
国交省は「事業者間の契約は互いに納得の上で結んだもの。
民間契約に干渉できない」との立場だった。

一方、サブリースの問題に詳しい三浦直樹弁護士は
「プロの賃貸住宅管理業者と資産の運用を目的にした
個人の大家とでは、情報や交渉力に大きな格差があり、
大家は実質的には消費者に近い」と話す。

08年秋のリーマン・ショック後は、大家らからの相談が頻発した。
社宅として多くの部屋を借り上げていた企業がリストラを

進めたことで空室が激増、賃貸住宅管理業者が相次いで
契約解除などに踏み切ったためだ。こうした状況も後押しし、
国交省は現行制度の範囲内で業者に説明の徹底を求める
規制強化を決めた。

ただ、不動産コンサルタントの長嶋修さんは「説明を義務化
しても、結局は現場の運用次第だ。強引な営業や大家との
トラブルをなくすために、家賃の減額リスクは従来の
契約書とは別の書面を作るなど強調して説明することが
求められる」と指摘する。

また、新たな規制の対象になるのは国交省の任意の
登録制度に参加する3735社。大手業者の大半が参加して
いるとはいえ、全国約3万2千社の約1割
だ。
長嶋さんは「中小も含めてより多くの業者がトラブル防止を
徹底する仕組み作りが必要だ」と話す。
(峯俊一平、水沢健一、中村信義)

関連記事です。
「家賃保証」アパート経営、減額リスクの説明義務化



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「全室を一括で借り上げる」「家賃は保証する」と業者から誘われ、
借金までしてアパートを建てたものの、数年後に家賃を減額された
――。そんな苦情が相次いでいることから、国土交通省は
「将来は家賃が減る可能性がある」との説明を賃貸住宅管理
業者に義務づける制度改正を決めた。金融緩和を背景に
今後も相続税対策などからアパート経営に乗り出す人は
増えるとみられ、トラブル防止を目的に規制を強化する。

土地の所有者が建てたアパートなどを業者が一括で借り上げ、
入居者に貸し出す「サブリース」と呼ばれる契約が対象。
入居者集めや管理は業者が行い、空室に関係なく毎月一定の
家賃を支払う。不動産取引では通常、業者に様々なリスクの

説明を法律で義務づけているが、サブリースはその対象に
ならない。個人の大家も不動産事業者で、対等な業者間の
取引とみなされるため、消費者並みの保護の仕組みはなかった。

しかし、近年は個人の大家を中心に「契約時に『30年一括
借り上げ』『何もせずに安定した家賃収入』などと言われたのに
途中で強引に減額された」「業者から契約解除を要求された」
などの苦情が急増。日本住宅性能検査協会には
過去5年間に477件の相談があった。

そこで国交省は、同省の登録制度に参加する3735社に
対するルールを改正し、9月から施行する。これまでは、
将来的な家賃減額などのリスクを説明する義務は明示
されていなかった。これを契約時に口頭や書面で行うように
明記する。2018年7月からは違反業者を公表する。
同省幹部は「大家が『契約時に聞いていなかった』
というトラブルは減る」と話す。

ただ、この問題に詳しい三浦直樹弁護士は「説明の義務化は
一歩前進だが、プロではない多くの人が大家となっているのが
実情なので、より強く規制する法律が必要だ」と指摘する。

国交省によると、15年の新築賃貸住宅は37万8718戸で、
前年比4・6%増と4年連続で増加。近年の金融緩和で、
大家の資金調達が簡単になったことが背景にある。
また、遊休地にアパートを建てれば相続税の節税にもなる
ため、昨年1月の相続増税後は建設に拍車が掛かっている。

一方、全国に820万戸(13年)ある空き家のうち賃貸住宅は
429万戸と半数以上。国交省幹部は「需要に見合わない
アパート建設が空き家の増加につながっている」と指摘する。
(峯俊一平)

コメントです

バブルの時もそうでしたが、不動産業界は
「ババ抜き」のようなものです。
誰が最後にジョーカーをつかむか?

好景気な時は、ただ、みんなが転売を繰り返して、
そして最後に不良債権化してゲームオーバー。
現在は、誰もがリスクに敏感になっているので、
上記記事のような専門知識の乏しい地主が
狙われます。

そして、建設業者は立てたもの勝ち。
銀行は貸したもの勝ち。
管理業者はたくみな契約内容で絶対に
負債をかぶらないようにします。

そして、最後に地主がジョーカーをつかんで
ゲームオーバー。

こうような構造が成り立っています。
いくら法律で規制しようと思っても、
不動産業者は、まるで「振り込め詐欺集団」のように、
次の手を考えてきます。
このような、残念な現実がそこにあります。

















posted by salsaseoul at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会
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