朝日新聞 2016年7月16日
妊婦の血液からダウン症など3種類の染色体異常を調べる
「新型出生前診断」の臨床研究を実施している病院グループが
16日、導入から3年間で計3万615人が検査を受け、
1・8%に当たる547人が陽性と判定されたと発表した。
確定診断のため、おなかに針を刺して採取する羊水検査などで
染色体異常が確定した417人のうち94%に当たる394人が
人工妊娠中絶を選択したという。
「新型出生前診断」の臨床研究を実施している病院グループが
16日、導入から3年間で計3万615人が検査を受け、
1・8%に当たる547人が陽性と判定されたと発表した。
確定診断のため、おなかに針を刺して採取する羊水検査などで
染色体異常が確定した417人のうち94%に当たる394人が
人工妊娠中絶を選択したという。
集計によると、陽性と判定され羊水検査を受けた458人の
うち91%に当たる417人が染色体異常と診断され、高い精度で
判定できることがわかった。一方、陽性と判定されたうち89人は
羊水検査を受けず、その多くは死産だとみられる。89人の中の
13人は研究から離脱し、人工妊娠中絶を選択したケースが
含まれるとみられるという。
94%が中絶を選択したことについて、病院グループ事務局の
関沢明彦・昭和大教授は
「当事者たちは悩んで苦渋の決断をしている。
最終的な判断は尊重されるべきだと考える」と話した。
新型出生前診断は十分な情報がないまま中絶が広がれば、
命の選別につながりかねないとの指摘もあり、2013年4月、
適切な遺伝カウンセリング体制を整備するなどの目的で
臨床研究として始まった。対象となるのは、他の検査で
染色体異常が疑われるケースや出産時の年齢が35歳以上の
妊婦で、20万円程度の自己負担がある。
日本産科婦人科学会の 指針に基づき日本医学会が認定した
施設で実施され、現在は71施設が登録されている。
病院グループへの参加は1年目の37施設から現在は66施設に
増加。 検査を受けた妊婦も1年目の約8千人から3年目は
約1万2千人と大幅に増えた。さらに同グループに参加して
いない認定施設でも検査は実施されている。関沢 さんは
「臨床研究としての目的は終えつつある。一般の診療への
移行に向けて、議論すべき時期にきている」と話している。
(南宏美)
コメントです
2013年4月に実施開始された新型出生前診断の話題です。
3年間経過して資料も集まったようで、実状の発表が
ありました。
本文にもありますが、
「当事者たちは悩んで苦渋の決断をしている。
最終的な判断は尊重されるべきだと考える」
これが実状でしょうね。