始まって3カ月がすぎた。
実際に契約変更を申し込んだ人は全体の2%にとどまり、
当初ほどの勢いはないという。
ただ、電気販売に参入した各社は、エアコンなど電気の消費量が
増える夏が「商機」とみて、新料金プランなどで巻き返しを狙う。
電気の契約変更業務を支援する「電力広域的運営推進機関」が
8日発表したまとめによると、6月末までに全国で計126万件が
電気の契約の切り替えを申し込んだ。全国の家庭や商店
6260万件の2%にあたる。
新電力が相次いで参入した大都市圏で切り替えが集中し、
東京電力と関西電力の管内が、126万件の80%を占めた。
北陸や中国電力の管内では、変更も少ない。ある新電力幹部は
「まだ様子見の家庭が多い」とみる。
大手電力同士の競争はほとんど起こっていない。
首都圏では北海道と沖縄電力を除く大手7社が参入しているが、
いずれも苦戦している。中部地方では東電、関西地方では
東電と四国電力が進出したが、あまり浸透していない。
営業基盤に乏しく、積極的な宣伝もしていないためだ。
■相談会・訪問を強化
主戦場の首都圏では夏に向けて、新電力各社が契約獲得に
てこ入れを図る。
東京都江戸川区にある東京ガスの販売店「ライフバル江戸川」は
6月末、店の一角で「電気の相談会」を開いた。
東電の検針票を持参した顧客に、東京 ガスに乗り換えた場合の
電気代を試算。一人暮らしの女性(74)は年2千円安くなると
出た。「今年は猛暑で電気をたくさん使うかも。少しでも
安くなるな ら」と契約書に印鑑を押した。
東京ガスは6月末までに37万件の契約を獲得し、新電力の
トップを走る。各店の営業員がガスを多く使う家を訪問し、
この店でも5千件の契約を得 た。ただ4月以降は伸びが
鈍いという。担当者は「得意先には声をかけ終えた。
イベントなどで新しいお客を呼び込まないと」と話す。
首都圏で参入したJXエネルギーは4月に10万件に達したが、
その後は横ばい。これまでは給油所やネットで契約を受け付けて
いたが、系列LPガスの営業員が戸別訪問して契約を
取る手法を強化する。
同じく首都圏で参入した昭和シェル石油は7月に新しい料金プランを
投入した。夜間の料金単価を東電の主力プランより抑えた。
「寝苦しい夜でも電気代をあまり気にせずエアコンが使えます」と
担当者は売り込みに力を込める。(米谷陽一)
■電気の契約切り替え申し込みは、東京電力と
関西電力管内が高くなっている
管内 切り替え件数 割合(%)
北海道 6万3200 2.29
東北 3万2400 0.59
東京 76万2500 3.32
中部 8万3700 1.10
北陸 3100 0.25
関西 26万500 2.59
中国 3200 0.09
四国 5800 0.30
九州 5万 0.80
沖縄 0 0.00
合計 126万4400 2.02
(6月30日時点)
コメントです
電気保安協会会社の社員から
聞いた話ですが、顧客に電力会社の
再検討を提案したら、年間150万円節減できると
試算しても、まるで受け付けなかったそうです。
リスクを嫌って安全策かもしれませんが、
日本ってホント保守的ですね。
契約変更2パーセントも、うなずけます。