家で十分な食事が取れない地域の子どもらに無料か
安価で食事を提供する「子ども食堂」=キーワード=や
同様の取り組みをする場所が、5月末時点で少なくとも
全国に319カ所あることが朝日新聞社の調査でわかった。
今年に入って開設が急増。6月以降の開設も相次いでおり、
今後さらに増える見通しだ。
「きょうは何?」「グラタンだよ」。6月の平日午後5時半、
小学生の男の子たちがビルの一室に駆けこんできた。
大津市で昨年末に始まった子ども食 堂。週1回、
ボランティアが手作りの食事を出す。「おいしいっ」。
15人ほどが食卓を囲む。一気にたいらげるとテーブルを
台にして卓球に興じた。
こうした子ども食堂が、全国で急増している。
各地の子ども食堂のネットワークや団体などの情報をもとに
朝日新聞が1カ所ずつ聞き取った。困窮家庭の学習支援の
場や夜を独りで過ごすことが多い子どもの居場所などで、
食事を共にする活動も数に含めた。
調査の結果、都道府県別で最も多かったのは東京で50。
滋賀29、神奈川、京都、大阪が22、沖縄17と続いた。
全ての都道府県に最低でも1カ所はあった。
2013年までに開設したのは21カ所だったが、この年に子どもの
貧困対策法が成立。6人に1人という子どもの貧困率が14年に
公表され、支援の 機運が高まった。調理や食材提供、
遊び相手など活動が身近で参加しやすいことを背景に、
開設数は14年13カ所、15年100カ所、今年5月末までに
185カ所と急増した。
開催頻度は月1回が139カ所で4割を占めた。月2、3回が
71カ所、週1が57カ所。週5日以上も15カ所あった。
時間帯は平日夜が目立つ。
子どもの料金は、「お手伝い」などの条件付きを含め無料が
175カ所で55%を占めた。有料の場合は50〜500円で、
100〜300円のところが多い。大人は子どもより高く設定
されているところが多かった。
寄付や持ち出し、公的補助や民間企業の助成金などで賄われている。
開催場所は公民館や児童館などの公的施設のほか、事務所、
空き店舗、民家、医療機関の交流スペース、寺などが使われていた。
厚生労働省によると、食品衛生管理に関しては「ケースに応じ、
各地の保健所が営業許可の必要性などを判断する」という。
(中塚久美子、河合真美江、丑田滋)
◆キーワード
<子ども食堂> 民間発の取り組み。貧困家庭や孤食の
子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まった。
「子ども食堂」という名前が使 われ始めたのは2012年。
最近は、対象を限定しない食堂が増えている。食堂という形を
取らず、自宅以外で過ごす居場所で食事を出しているところもある。
コメントです
少し前に「こども食堂」の言葉を知り、ずっと気になって
いましたが、この活動は現在も継続、そして増加傾向に
あるようですね。
今日の記事を読んで嬉しい気分になりました。