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2016年03月07日

認知症徘徊事故、家族に責任なし 監督義務、総合的に判断 JR賠償請求に最高裁判決

朝日新聞 2016年3月2日

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愛知県大府市で2007年、認知症で徘徊(はいかい)中の
男性(当時91)が列車にはねられて死亡した事故をめぐり、
JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の
上告審判決で、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、
介護する家族に賠償責任があるかは生活状況などを総合的に
考慮して決めるべきだとする初めての判断を示した。

そのうえで今回、妻(93)と長男(65)は監督義務者にあたらず
賠償責任はないと結論づけ、JR東海の敗訴が確定した。
高齢化が進む中で介護や賠償のあり方に一定の影響を与えそうだ。

民法714条は、重い認知症の人のように責任能力がない人の
賠償責任を「監督義務者」が負うと定めており、家族が義務者に
当たるのかが争われた。JR東海は、男性と同居して介護を
担っていた妻と、当時横浜市に住みながら男性の介護に
関わってきた長男に賠償を求めた。

民法の別の規定は「夫婦には互いに協力する義務がある」とも
定めるが、最高裁は「夫婦の扶助の義務は抽象的なものだ」と
して妻の監督義務を否定。長男についても監督義務者に
当たる法的根拠はないとした。

一方で、日常生活での関わり方によっては、家族が
「監督義務者に準じる立場」として責任を負う場合もあると指摘。
生活状況や介護の実態などを総合 的に考慮して判断すべきだ、
との基準を初めて示した。今回にあてはめると、
妻は当時85歳で要介護1の認定を受け、長男は横浜在住で
20年近く同居していなかったことなどから「準じる立場」にも
該当しないとした。

結論は5人の裁判官の全員一致。ただ、うち2人は長男は
「監督義務者に準じる立場」に当たるが、義務を怠らなかった
ため責任は免れるとの意見を述べた。

JR東海は「最高裁の判断なので、真摯(しんし)に受け止める」
とのコメントを出した。(市川美亜子)

 ■<解説>社会で分かち合いを

最高裁の判決は、社会の高齢化が進み、「老老介護」などで
家族が重い負担を強いられている現場の現状に即した
判断といえる。

家族に賠償を命じた一、二審判決は、介護現場から
「認知症の人の在宅介護を敬遠する人が増える」といった
批判を浴びた。最高裁は「家族だから」という理由だけでは
賠償責任を負わないと判断した。一方、介護を担う人の
年齢や生活状況などによって賠償責任が認められる余地
も残した。解釈の幅は広く、今後積み重ねられるであろう
個別のケースに判断を委ねた形だ。

事故で損害を負うのは今回のような大企業だけでなく、
個人の場合も想定される。誰もが直面し得る時代に、
社会全体で負担を分かち合う仕組みづくりも急務だ。
(市川美亜子)


コメントです
今回の判決は一般的社会意見からすると
当然のことと思われます。
しかし、案外JR東海も損害賠償より、認知症患者の

事故防止として問題提起をしたかっただけなのかも
しれませんね。





posted by salsaseoul at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会
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