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2015年10月24日

英中蜜月、5兆円商談 習主席を異例の歓待 両首脳、原発出資など合意

朝日新聞 2015年10月22日

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英国を国賓として訪問している中国の習近平(シーチンピン)
国家主席は21日、異例の厚遇で迎えたキャメロン英首相と
会談した。両首脳は英国での原発新設計画など経済関係の
強化で合意した。両国企業などの間で結ばれる投資や貿易の
協定の規模は総額300億ポンド(約5・5兆円)以上に
のぼるという。英中が蜜月ぶりを「黄金時代」と呼び合うなか、
他の欧州諸国も対中関係の強化を急ぐ。

「我々が直面する課題に一緒に取り組んでいくことに合意できた」

キャメロン首相は首脳会談後の共同記者会見で、習主席に
視線を送りそう話した。経済関係の強化だけでなく、貧困問題など
世界規模の課題に取り組む「包括的パートナーシップ」を結んだとし、
両国は「新しい時代を迎えた」と総括した。習氏は「(両国が)
黄金時代を迎えた」と宣言した。

英国側は習主席を国賓として迎えて厚遇。
20日のバッキンガム宮殿近くでの歓迎式典では元首の
エリザベス女王がキャメロン首相とともに出迎え、習氏とともに
馬車に乗ってパレードした。自ら主催した晩餐(ばんさん)会で
女王は「今年は特別の年になる」と持ち上げた。

習主席は20日の英国議会で「(中英は)利益を共有する
共同体になりつつある」と演説、蜜月を強調した。

ただ、英政府の厚遇ぶりには、国内から批判の声もあった。
中国側は人権問題を訪英中に取り上げないよう働きかけたと
される。
21日の会見で人権問題を問われたキャメロン氏は
「経済か人権かではない」と、隣の習氏に気遣いをみせた。

 ■投資を成長エンジンに 英国/技術力に「お墨付き」を 中国

英中接近の最大の理由は、両国にとって経済上のうまみが
あるからだ。

英国が期待するのは成長エンジンとしての中国からの投資だ。
英国は10四半期連続でプラス成長を続けるが、頼るのは
金融を中心としたサービス産業。製造業の基盤は弱く、
輸出は伸び悩む。9月に訪中したオズボーン英財務相は
「英国は中国の(欧米など)西側諸国での最高のパートナーに
なれる」と投資を呼びかけた。

キャメロン首相は首脳会談に先立ち、中国人旅行者向けビザ
(査証)要件を緩和すると発表。中国人旅行者1人平均で
2688ポンド(約50万円)使う「爆買い」に期待をにじませた。

首脳会談で合意した目玉の一つは、英国での原発計画への
中国企業の参加だ。総投資額約180億ポンド(約3・3兆円)の
英南西部ヒンクリーポイント原発に中国広核集団(CGN)が
33・5%出資し、2025年の稼働を目指す。これとは別に
英東部ブラッドウェルでの原発計画にもCGNが66・5%を
出資することで基本合意。原子炉設計などを手がけ、
来年の計画提出を目指すという。

ロンドンが「世界の金融センター」の地位を守るため、
人民元の海外取引を呼び込むことも会談で話し合われた。
中国人民銀行は20日、国外で初めてとなる人民元建ての
手形50億元(約940億円)をロンドンで発行。
習氏は20日の英議会での演説で「英国は香港を除けば、
世界トップの人民元の国外(オフショア)市場だ」と持ち上げた。

こうした人民元の取引拡大はルクセンブルクなど欧州各国も
狙っており、「人民元の取引を増やせるかはロンドン市場の
将来にかかわる重要な問題」
(ケンブリッジ大のマーチン・ジャックス・シニアフェロー)だ。

一方、中国が投資をてこに手に入れたいのが、中国の技術力が
「英国で通用した」というお墨付きだ。
英国市場への参入を目指す原発と高速鉄道(新幹線)は、中国が
今後の輸出増を目指す二枚看板。英国に鉄道車両を
売り込んだ日本の日立製作所などのライバルとなり得る。

中国と欧州諸国の貿易額は、ドイツが突出して多い。
中国は製造業に依存する貿易から脱却を目指しており、
「金融をはじめ英国のすぐれたサービス業との協力が重要になる」
(中国現代国際関係研究院の馮仲平副院長)と指摘される。

 ■中国、米意識し欧州接近

習氏の訪英は、中国と欧州主要国の「トップ外交の秋」の始まり
でもある。今月末から来月初めにかけ、ドイツのメルケル首相と
フランスのオランド大統領が相次いで訪中する。

3月、中国が提唱するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に欧州で
真っ先に英国が参加を表明。米国が警戒感を示していた構想に
独仏伊が雪崩を打って参加するきっかけとなった。
対中貿易や中国からの投資が景気浮揚のカギを握るとみて、
各国が関係強化を急ぐ流れが明確になっている。

米国が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)が合意に至った
ことで、中国では「米国による中国包囲網か」と警戒論が高まる。
米国が欧州連合(EU)とも環大西洋貿易投資協定(TTIP)交渉を
進めるだけに、中国も英国を要に欧州との関係を強め、
「包囲されない」体制づくりをねらう。

一方の英国は早ければ来年にもEUからの離脱を問う国民投票を
予定する。今は輸出のほぼ半分をEUに頼る。
中国は輸出先6位だが、域外との関係を強めておけば、EU改革を
めぐる交渉で自国の主張を通しやすくなる可能性もある。
(ロンドン=高久潤、寺西和男、北京=斎藤徳彦)


関連記事です。

習近平主席に英BBC記者が会見で皮肉たっぷり質問 
「英国民は人権問題を抱えた国とのビジネス拡大をなぜ喜ばなければならないのか」


【ロンドン=内藤泰朗】英国を公式訪問している中国の習近平
国家主席は21日、キャメロン英首相と総額7兆円超もの
巨額契約を結び、中英両国の蜜月 ぶりを見せつけた。
だが、言論の自由を掲げる英国メディアでは、人権や
民主主義の価値を共有していない中国との関係深化を
懸念する声が高まっている。巨額 契約締結後に行われた
両首脳の短時間の共同記者会見で、その不満が爆発した。

「習主席、英国民は、民主主義がなく、不透明で人権に
大きな問題を抱えた国とのビジネスが拡大することを、
なぜ喜ばなければならないのでしょうか」

キャメロン氏に指名された英BBC放送の女性記者が21日、
いきなりこんな質問をぶつけた。

 キャメロン氏はこれに苦い表情で、
「人権か、ビジネスかという質問の前提にはまったく賛成できない。
5年、首相を務めて思うのは、両方が重要だということだ。
経済関係が強固になれば、双方の関係も深まり、それ以外の
問題でも率直な議論ができるようになる」と反論。
隣の習氏の方を見ながら、同じ内容の発言を繰り返した。

中英関係は、キャメロン氏が2012年、中国政府が敵視
するチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会ったことで
悪化。痛い思いをしたキャメロン氏は近年、中国の人権問題に
関する批判を封じて実利外交に転換している。

習氏はこの後、「われわれは現実に即した人権発展の道を
見つけた。人権は大切であるが、世界を見渡せば、すべての国で
改善が必要な状況にある」と述べ、はぐらかした。

次いで、中国人記者が経済に関して質問。約20分弱の会見は、
この2問の質問で終わった。

不満が残る英国人記者は「時間が限られているとはいえ、
あまりにひどい内容だ。英国民の不安だけが高まった会見
だと思う。おカネが欲しいあまりに、われわれは早くも中国化
してしまったのか」と皮肉たっぷりに語った。

習氏が宿泊したエリザベス女王の居城、バッキンガム宮殿の
前では、巨大な赤い中国国旗を掲げた習氏の訪英を
歓迎する人たちと、チベットなどでの人権弾圧に抗議する
人たちがそれぞれ集まり、歓迎と抗議のラリーを展開した。

英BBC放送は「中国政府に雇われたとみられる親中派の
人たちが、反中派を赤旗でブロックし、習氏の目に入らない
ようにしている」と伝えた。


コメントです
大英帝国の栄華が泣きますね。




posted by salsaseoul at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・台湾
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