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2015年09月18日

小学生の暴力行為、1万1千件で過去最多 昨年度調査

朝日新聞 2015年9月16日

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昨年度の小学生の暴力行為は1万1468件で、前年を約5%
上回って過去最多となった。文部科学省が16日、国公私立の
小中高校を対象にした「問題行動調査」の結果を発表した。
中高生の暴力が大きく減ったのとは対照的に、増加に
歯止めがかからなかった。

小学生の暴力の内訳は、児童間が7113件、対教師が
2151件、器物損壊が1997件、それ以外の人への暴力が
207件。教員を何度も蹴る▽文具を隠したことをきっかけに
殴り合う▽登校中に雪玉をガラスに投げて破損させる
――などの例があった。暴力があった小学校は、校内に
限っても全体の12% にあたる2499校にのぼった。

文科省は、繰り返し暴力をふるう子や感情のコントロールが
できない子が増えていると分析。
貧困などの課題を抱える家庭が増え、小学校入学前に
言葉で
意思を伝えさせるなどの家庭教育が十分で
ないケースが
目立つという。
加害者数を学年別にみると、小6は前年度より減ったが、
小1は5年前の2倍以上に増えた。

一方、中学生の暴力行為は3万5683件(前年度比11・3%減)、
高校生は7091件(同13・6%減)。減少は、非行集団が減った
影響などが考えられるという。小中高生の合計を都道府県別に
みると、千人当たりの発生件数が最も多かったのは大阪府の
10・6件。最少は秋田県の0・6件だった。

暴力行為以外の調査では、小中高校生の自殺が230人。
原因とみられる状況は「進路問題」が21人、「家庭不和」が20人。
「いじめ」も5人いた。全体の人数は前年度を10人下回ったが、
小学生は3人増えて7人だった。

小中学生の不登校は計12万2902人(前年度比3285人増)。
小学生は千人当たり3・9人で過去最多だった。

例年、いじめの認知件数も聞いているが、岩手県矢巾町で
中学2年の男子生徒が自殺した問題を受けて再調査しており、
発表は10月末ごろの見通し。(高浜行人)

     ◇

■「怒り」理解させる試みも

小学生の暴力行為が増え続け、昨年度は1万1468件で
過去最多となった。ささいなきっかけで突然、周りにキレる児童。
感情を抑える方法を教えて防ごうとする学校もある。

今月初め、東京都内の小学校。2年生のクラスで担任教員が
計算のテストを返していると、「ぎゃーっ」と大声がした。
後ろに座る男子から急に背中を殴られた子が、悲鳴を上げた。

男子は「テストで×が多くて腹が立った」という。
以前から、教員が注意すると突然たたいたり、
「給食のおかずが少ない」と係の子を蹴ったりしてきた。

埼玉県内 の小学校で1年生を担任する教員は6月、
男子に突然、「何すんだよ!」と殴りかかられた。
教室で下を向く男子の肩に触れ、「どうしたの?」と声をかけた
直後だった。この子は普段から廊下で教師らに、「死ね」
「うぜぇ」と言葉を浴びせる。
「見えない攻撃の針がいくつも出ているよう」と担任は言う。

「暴力以外の解決方法を知らない子が増えている。
やりたいことをどうしたらうまくできるか、周りの大人が
教えていない」と都内のベテラン教員。別の学校の校長は
「教員の指導力が下がった」。担任が替わった途端に
落ち着くケースも多いという。

感情を抑えられない児童たち。東京都品川区では
2009年度から、全区立小学校で「怒り」をコントロールする
授業を続けている。

「これはどんな気持ちかな?」。
様々な表情の顔写真を見せ、感情を考えさせる。
また「友達が遊ぶブランコを、自分も乗りたい時はどうする?」
など と問いかけ、「順番で使う」「『乗りたい』と言う」と解決策を
考えさせる。怒りの感情を理解した上で、
「衝動的に殴ってはだめ」と教える目的があるとい う。

NPO法人「日本こどものための委員会」(東京都)が研修会を
開き、教員にこの指導方法を広めている。同法人の研修は近年、
全国で年800人ほどの教員が受けている。

埼玉県東 部のある学校では今春、児童の生活情報を
書き込む「指導連絡掲示板」を教職員専用のネットシステム上に
つくった。「○月×日 友達とけんか。保護者に連絡 済み」と
いった情報を学校全体で共有するためだ。「高圧的な指導は
かえって子どもの暴力を呼ぶ。各自の家庭環境や心情を教員が
理解しないと」と校長は話す。

いじめや暴力など、子どもの問題行動に取り組む専門の教員を

小学校に配置する自治体もある。横浜市は、児童の生活指導や
保護者との連絡を主に担う「児童支援専任教諭」を10年度から
全市立小学校に置く。「児童の問題行動が学校全体でしっかりと
把握できるようになり、対策も取れるようになった」と市教委の
担当者は言う。
同様の教員は川崎市、相模原市も配置を始めている。

     ◇

■他者への共感乏しく

〈村山士郎・大東文化大名誉教授(教育学)〉 
小学校低学年でも携帯やスマホ、 テレビゲームに夢中に
なり、真の感動体験が減っている。
その結果、自分を見つめたり、他者と共感し合う言葉や
表現力が乏しくなったりして、ちょっとしたこ とでキレやすく
なっているのではないか。学力調査の結果を競うなど過度な
競争や、貧困の拡大で家庭でかまってもらえず荒れるケースなど、

社会的要因も考え られる。こうした要因を軽減する取り組みが
なければ、子どもたちの中にたまった攻撃性の「マグマ」は
収まっていかないだろう。

■人間関係育む指導を

〈中村豊・関西学院大教授(生徒指導)〉 学級担任が多くの
教科を教える小学校は、生徒指導も担任に多くを任せる
文化がある。ベテランの大量退職に伴い若手の担任が増え、
保護者が体罰的 な指導に敏感になっていることもあり、
厳しい指導をためらっているのではないか。生徒指導担当教員の
追加など校内の指導体制を整えるとともに、子どもの人間関係を
育む指導方法にも気を配るべきだ。一方、増えたのは軽微な

ことも隠さず報告するようになった結果とも言える。
件数の多さを正しく評価する社会の意識も必要だ。


コメントです。
小学生の暴力行為増加傾向の記事です。
本文にもありますが、原因として、貧困による
家庭での教育不足、有害玩具(スマートフォン等)に
よるものなどさまざまな要因があります。
いずれにしても、先進国を目指した結果、
それから生じた多くの歪みが、一番弱い児童に
のしかかって今日の記事の事例に至ったのでしょう。
そうなると、社会は何のため豊かさを目指したのか
わかりませんね。




posted by salsaseoul at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会
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