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2015年09月03日

再生医療製品、初承認へ 細胞シートと点滴液 厚労省部会了承

朝日新聞 2015年9月3日
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重い心不全の患者の心臓に移植する「細胞シート」などの2製品に
ついて、厚生労働省の専門家部会は2日、承認を了承した。
再生医療製品という分野を新たに設け、昨年11月に施行された
医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく初めての製品となる。
二つの再生医療製品は今月中にも承認される見通し。

細胞シートは医療機器会社テルモ(東京)が開発し、昨年
10月、国に承認申請した。患者の太ももなどから採取した

筋肉の細胞を培養し、シート状にする。患者の心臓に貼り、
心筋を活性化させて心臓の機能を保つ。

ただし治験の対象となった患者は7人と少なく、5年間に限って
使用を認める条件がついた。重い心不全の治療経験が十分で、
培養施設が整備された病 院で年間30人ほどに使われると
みられる。テルモは5年以内に、この間の使用データを検証
したうえで、改めて厚労省に承認申請する必要がある。

製薬会社JCRファーマ(兵庫)が開発した点滴する液も、
承認が了承された。健康な人の骨髄から採取した細胞が原料。
患者自身ではなく第三者の細胞や組織を使う、初めての再生
医療製品となる。骨髄移植の後、移植された免疫細胞が患者の
臓器や皮膚を攻撃する急性移植片対宿主病(急性GVHD)の
治療に使われる。免疫抑制剤のステロイド剤が効かない患者が
対象で、年に500人ほどの使用が見込まれている。

2製品は今後、中央社会保険医療協議会(中医協)で公的医療
保険が適用されるかも議論される。(田内康介)

 ■法施行で早期実用化

医薬品医療機器法は再生医療製品を早く実用化することを
目指し、施行された。治験の症例数が少なくても条件つきで
早期承認できる仕組みを導入した。日本はiPS細胞などの
再生医療研究は世界でも進んでいるが、実用化が遅れている。

これまで旧薬事法の もとで承認された製品はバイオ企業
「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(愛知)が手がけた
重症やけど患者向けの「培養表皮」と、けがなどでひざの軟骨を
欠損した患者向けの「培養軟骨」の2製品のみ。
開発から販売開始まで10年以上かかった。欧米や韓国に
比べて販売されている製品が少ないと指摘されていた。

法施行をきっかけに、今後も再生医療製品の承認申請は
相次ぐとみられ、実用化に拍車がかかりそうだ。
現在、申請に向けた治験も、がんや脊髄(せきずい)損傷などの
患者を対象に進んでいる。

細胞シートを移植する臨床研究を進めてきた大阪大の
澤芳樹教授(心臓血管外科)は「今回の製品が起爆剤となり、
日本発の再生医療製品や再生医療が世界に発信され、
貢献することを期待している。限られた施設で実施されてい
た医療だが、一般的な医療として普及してほしい」と話した。
(合田禄、今直也)


コメントです
再生医療製品の初承認の話題です。
承認までの時期も、これまでより
早期を目指すということですから、
承認を心待ちにしている患者に
とっては明報ですね。



posted by salsaseoul at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療
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