山元自動車学校の教習生25人と従業員1人の遺族が、学校側に
計約19億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、
仙台地裁であった。高宮健二裁判長は「学校は津波を予測できたのに
避難させる義務を怠った」として計約19億1千万円の支払いを命じた。
津波被害をめぐる訴訟で、管理者側の賠償責任が認められたのは、
宮城県石巻市の日和幼稚園で送迎バスに乗った園児が亡くなった
訴訟に続いて2件目。死亡した従業員への賠償命令は初めてとなる。
訴えていたのは18〜19歳だった教習生25人の遺族46人と、
アルバイト従業員の女性(当時27)の遺族2人。
訴訟では、学校側が津波を予測できたかが最大の争点になった。
学校側は「予測できなかった」と主張したが、判決は、消防車に
よる津波警報の発令と避難の呼びかけを「学校の職員らが聞いて
いたと推認される」とし、遅くともその時点で学校は津波の
襲来を予測できたと認定した。
そのうえで、教習生や従業員を守る義務がある学校が、速やかに
町の指定避難場所などに避難させたり、安全なルートで送り
届けたりすることを怠った、と指摘した。
学校側は「教習生は自ら避難することができた」とも主張して
いたが、「現場の地理に通じていない教習生は多く、送迎車
以外の手段で避難することはできなかった」と退けた。
判決によると、2011年3月11日午後2時46分の地震発生後、
学校は教習生に校舎外へ出るよう指示。その後、教習打ち切りを
決め、午後3時 40分ごろから送迎車で帰宅させたが、津波に
巻き込まれた5台のうち4台に乗っていた23人が死亡した。
教官の判断で路上教習から学校に戻り、徒歩で帰宅中だった
2人も亡くなった。従業員は校舎内で片付け作業をし、
津波にのまれた。 (桑原紀彦)
■「喜んでいるはず」
あの日、何があったのか。真相を知りたいと提訴してから
約3年3カ月。元教習生の遺族らは13日午前10時過ぎ、
弁護士を先頭に、判決が言い渡される仙台地裁へと入った。
遺族会代表の寺島浩文さん(52)=福島県新地町=は、教習生
だった長男の佳祐さん(当時19)を失った。
「早く避難させていれば助かったはず」。自動車学校に対する
そんな思いから、原告の一人となった。
口を真一文字にして判決を聞いていた寺島さんは、法廷から出る
直前にようやく笑みをみせた。「原告団が団結して頑張っている姿を
見て、子どもたちも喜んでいるのでは」と話した。
アルバイト従業員だった大久保真希さん(当時27)の父、
三夫さん(62)は妻の恵子さん(57)と判決を聞いた。
訴えが認められたことを弁護士に確認すると、恵子さんは
三夫さんの左腕をつかみ、「よかったね」と声を絞り出し、涙を流した。
真希さんの遺影を手に会見した三夫さんは「娘には、いい判決を
いただいたと報告したい」と話した。学校側には「従業員や周囲の
人の命を第一に考えて、帰れという判断を下してほしかった」と
改めて訴えた。
(辻隆徳、竹井周平)
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