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2015年01月13日

(時時刻刻)連帯、宗教の壁越えて 犠牲の警官や避難誘導の店員もイスラム教徒 仏テロ

2015年1月12日 朝日新聞

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イスラム過激派のテロに揺れたフランスの首都パリに11日、
連帯を掲げて各国首脳らと多くの市民が集まった。
仏社会では、言論の自由を守って凶弾に倒れた警官や、
ユダヤ系食材スーパーで客を助けた店員もイスラム教徒
だったことに、注目が集まっている。
テロの憎悪と暴力を乗り越えることはできるのか



12人が殺害され、連続テロの最初となった仏週刊紙
「シャルリー・エブド」への襲撃事件で、容疑者が逃走しようとした際に
射殺された警察官、アフメド・メラベさん(40)を、言論の自由を
守った英雄として称賛する声が広がっている。

勤務していたパリ11区の警察署前では、献花に訪れる人が
後を絶たない。週刊紙への連帯を表明するスローガン
「私はシャルリー」に対比させ、ツイッターなどで
「私はアフメド」と掲げる人も相次いでいる。

メラベさんは移民も多いパリ郊外セーヌサンドニ地区の生まれ。
新聞社を襲撃した容疑者兄弟と同じ、アルジェリア系 移民の
家庭の出身で、敬虔(けいけん)なイスラム教徒だった。
転職して警察官の試験に合格し、8年前から働き始めた。
同僚のリュック・ポワニオンさん (51)は朝日新聞の取材に
「問題が起きると、『同僚を放ってはおけない』とすぐに動いていた。
いつも自分より人のことを考える愛にあふれた人だった」と 惜しんだ。

メディアの要望に応じて10日に会見した弟のアブデルさんは
「兄が、自由、平等、博愛という価値を守ってくれたことを誇りに
思う。イスラム教徒と過激主義者は違う。どうか差別やイスラム
嫌悪に向かわないで欲しい」と訴えた。

一方、パリ東部のユダヤ系食材スーパーで9日、アムディ・クリバリ
容疑者(32)が人質をとり立てこもった事件では、クリバリ容疑者と
同じ西アフリカ・マリにルーツを持つイスラム教徒の男性店員、
ラッサーナ・バティリさん(24)の行動が脚光を浴びた。

仏メディアによると、9日昼すぎ、買い物客でにぎわうスーパーに
重武装したクリバリ容疑者が押し入った際、バティリさんは銃撃を
逃れ地下に駆け下りてきた客たちを、機転を利かせ、身を隠せる
食品保存用の冷蔵室へと誘導した。

冷蔵庫の電源を落とし、小さな子も含む数人に、
「物音を立てないように」と指示。自身は容疑者に見つからないように
業務用エレベーターで店外に逃れてから、警察に客たちの
隠れ場所を伝えたとされる。

突入作戦で容疑者が射殺され救出された客たちは、バティリさんへの
感謝を口にしたという。

過激派組織「イスラム国」のメンバーを自称したクリバリ容疑者の
方は、立てこもり中に応じた仏テレビの電話インタビューでも、
スーパーを狙った理由を「ユダヤ人がイスラムの領土を
抑圧するからだ」と敵意を隠さなかった。

10日夜、仏テレビに出演したバティリさんは語った。
「私たちはみんな兄弟だ。ユダヤ教徒かキリスト教徒か
イスラム教徒かは問題じゃない。
私たちは、この危機を助け合って乗り越えなくてはいけない」

クリバリ容疑者の母親と姉妹も10日、AFP通信に声明を送り、
テロ行為を非難。「私たちは過激な思想を全く共有していません。
このような憎むべき行為と、イスラム教が混同されないように
願っています」と強調した。(パリ=吉田美智子)

 ■仏独、一方で嫌がらせも

連帯の機運の高まりをよそに、7日の新聞社襲撃事件後も、
フランス各地でイスラム教徒への嫌がらせや攻撃が相次いで
いるという現実もある。

AFP通信によると、フランス各 地で事件後、モスクに向けた発砲や
放火など少なくとも14件が確認された。東部エクスレバンでは、
8日夜から9日にかけて礼拝所が放火された。
南部コルシカ島でも9日朝、礼拝所の扉に、切り落とした豚の頭部や
内臓がつるされているのが見つかった。
イスラム教は豚肉食を禁じており、豚は宗教的タブーの象徴だ。

フランスのNGO「全仏・反イスラム憎悪協会」が把握した、
事件後のこうした行為はさらに多く、10日までの3日間に
33件が報告されているという。

一方、フランスと並ぶ水準のイスラム教人口をかかえるドイツでも、
憎悪はくすぶり続けている。

北部ハンブルクでは11日未明、シャルリー・エブドの風刺画を
転載した大衆紙「ハンブルガー・モルゲンポスト」社屋への放火事件が
起きた。事件の背景は解明されていないが、同社の記者は朝日新聞の
電話取材に、硬い口調で「今は何も答えられない」と答えた。

ドイツ東部ドレスデンでは10日、昨秋以降反イスラムデモを続けて
きた団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人」
(通称ペギーダ)に抗議する人々が、「仏襲 撃事件犠牲者を追悼する」
との名目で集会を開催。主催者側によると、約3万5千人が参加した。
一方、ペギータは12日も大規模「反イスラム」デモを予定しているという。
(パリ=渡辺志帆、ベルリン=玉川透)

 ■「屈しない」パリに集う

大行進の起点、パリ中心部の共和国広場は11日午後、人々で
埋め尽くされた。列の末尾側でも広場から500メートル以上
離れた地点まで群衆が詰めかけた。
午後3時(日本時間午後11時)過ぎ、人の波が動き出した。
「フランス万歳」「自由、自由」「連帯を」。拍手が続いた。

会社員アナタシャ・ペニャさん(36)は、「私は婚約者がユダヤ人。
容疑者がユダヤ人を狙ったので、彼には、多くの人が集まるところに
は行けないと言われた。でも、いま一番大事なのは連帯。
私が婚約者の分も行進し、その気持ちを伝えたい」と話した。

一方、パリ郊外に住むイスラム教徒というドルカス・マキーヤさん(24)は
「テロは必ず、市民の力に負ける。イスラム教徒として、フランスで
生きるのが難しいと感じることもあるが、自分から共存していく
工夫もし、少しずつ良くなっていると感じている」と強調した。
「この事件で、イスラム差別が強まることも決してない。
そのためにこの行進に参加する」(パリ=高久潤)


コメントです。
最悪の結果に終わったフランスのイスラム過激派
テロ事件ですが、現地の人たちが、この事件と
その後をポジティブに向き合っていこうとする姿勢に
ついての記事を転載しました





posted by salsaseoul at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州
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