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2017年06月07日

体力調査で圧倒的日本一の福井 そのヒミツはどこに?

朝日新聞 2017年6月6日

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 各地の小学校、中学校で4月から7月にかけて実施中の
「全国体力調査」で、圧倒的な成績を誇るのが福井県だ。
過去8回の調査で、小学5年男女はすべて1位。
中学2年も1位が男子で3回、女子で5回ある。
その秘密はどこにあるのだろうか。
4月下旬、福井県内であった小中学校の体育科と
保健体育科の研修会。県教育庁が全国体力調査の結果分析や、
2013年から取り組む、1日1時間は体を動かそうと
いう小学校での試みについて説明した。
その後、休み時間を延ばして体力作りをする「業間体育」
などについて、現場の教員同士が話し合った。
「業間体育」は福井の特色とされているが、同様の取り組みは
全国に広がっている。県教育庁の担当者は
「昔ながらの取り組みを続けているだけで、他と比べたら
遅れているかもしれない」と話した。
では、好成績を挙げ続ける秘密はどこにあるのか。
県内の小、中学校で25年以上の指導経験があり、
全国的な研修にも参加したことがある男性教諭は
「子どもががんばろうと思う環境を作ること」を
ポイントに挙げた。
「福井県は学級作りが優れている」と自負する。
背景に、三つの独自策があると県教育庁は説明する。
一つ目は少人数学級。国の標準は小1が35人、
小2〜中3が40人だが、福井では小1から小4まで
35人、小5、小6は36人、中1は30人、中2、中3は
32人としている。
小学校は31人以上の学級を複数の教員で指導している。

二つ目は中学の「縦持ち」。
一人の教員が同学年の複数学級を担当する「横持ち」の
方が授業準備の面などで効率がいいが、福井では一人の
教員が複数学年を担当し、教員同士が協力する。
そして三つ目は、頻繁な教員の学年会議。週1回は開き、
子どもの状況などについての情報共有を心掛けている。
視察に訪れる他の都道府県からは、
きめ細かさに驚かれるという。
文科省が小6と中3を対象に行っている全国学力調査でも
福井は全国トップクラスだ。県教育庁は「体力作りに限らず、
学校が一体となって取り組む文化がある」と胸を張る。

■「現場の熱意」が影響か
全国体力調査の検討委員を務める内藤久士・順大スポーツ
健康科学部長も、順位は現場の熱意の影響が
大きいと見ている。
調査に反対していた教職員組合もある。
体力作りに取り組んでも、測定は重視しないという
教員もいる。いい記録を出したいという子供に何度でも
やり直しをさせる教員もいれば、
1回で終わりだという教員もいる」
1964年東京五輪をきっかけに始まった旧文部省の
かつての調査は、人数を絞り込んでサンプルを
取り出す方式だった。
福井県はそれに先がけ、小4から高3までの子ども全員を
対象に、県独自の体力調査を63年に始めた。
結果をもとに各校が体力作り推進の「計画」と「報告」を
作成し、県に提出する。
全国調査で福井に次ぐ好成績を挙げる茨城県も同様に、
67年から独自の調査を行ってきた。茨城県教育庁の
担当者は「親世代や教員が子供の頃から、体力調査が
当たり前に実施されてきた。伝統があるので地域や
家庭の関心が高い」と好成績への影響を認める。
「体力日本一」の福井県には、実は気になる結果が
あるという。
16年度の調査で、体育の授業が「楽しい」と
答えた中2男女の割合が全国平均を下回っていた。
県教育庁の担当者は4月の研修会で「日本一にな
りましたが、子供たちが感じていることを見逃さないように
してください」と教員に呼びかけていた。
全国体力調査では、体力テストの測定値や順位だけでなく、
アンケートから体力作りの課題を探っている。
内藤学部長も「学校は数値だけでなく、子供の運動への
意識との関係を分析した上で、
各家庭に伝えるようにして欲しい」と話している。
(忠鉢信一)

     ◇

 〈スポーツ庁の全国体力調査〉
 正式名称は
「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」。
現在の調査は文部科学省が2008年度から始めた。
全国の小学5年と中学2年のほぼ全員が対象で、
例年4〜7月に実施。体力テストの種目は握力、
上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、
50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール
(中学はハンドボール)投げ、20メートル
シャトルラン(中学は持久走でも可)の八つ。
結果は点数化し、各都道府県別の成績も示す。
動習慣などについての質問紙調査は、
学校と教育委員会も対象にして同時に行う。




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posted by salsaseoul at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2017年06月03日

出生数、初の100万人割れ 出生率1.44、2年ぶり微減 昨年

朝日新聞 2017年6月3日

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2016年に国内で生まれた日本人の子どもの数は
97万6979人で、年間の出生数で初めて100万人の
大台を割り込んだ。厚生労働省が2日発表した
人口動態統計でわかった。
合計特殊出生率は1・44で、前年を0・01ポイント
下回った。前年より下がるのは2年ぶり。
人口維持に必要とされる2・07に遠く及ばず、
人口減に歯止めがかからない。

合計特殊出生率は1人の女性が生涯に産むと見込まれる
子どもの数で、その年の15〜49歳の女性が産んだ
子どもの数を元に計算される。過去最低だった05年の
1・26を底に13年までは緩やかな回復が続いたが、
14年以降は一進一退で足踏みした状態になっている。
母親の年代別では35〜44歳で微増したが、
34歳以下の世代はすべて低下した。
16年に生まれた子どもは前年より2万8698人少なく、
統計を取り始めた1899年以降、初めて100万人を
下回った。減少傾向は第2次ベビーブームが終わった
1974年から続いており、親になる世代の人口自体が
減っていることが背景にある。一方、死亡数は
130万7765人で戦後最多だった。その結果、
出生数から死亡数を引いた自然減は33万786人で、
過去最大の減少幅となった。
婚姻件数は4年連続で減少し、戦後最少を更新して
62万523組だった。出生率の都道府県別では
沖縄が1・95で最も高く、最低は東京の
1・24だった。
厚労省の担当者は出生数減少について
「晩婚化や婚姻件数の低下が影響している。
このまま減少が続くと予想される」とみている。

 (西村圭史)


 ■「1.8」遠い政権目標

「極めて深刻な問題だ。若者や非正規雇用労働者の
経済的不安定、子育ての孤立感・負担感、
さまざまな要因が絡み合っている」。
菅義偉官房長官は2日の記者会見で、2年ぶりに
前年を下回った出生率についてこう述べ、
少子化対策に取り組む方針を改めて強調した。
安倍政権は、50年後の人口1億人維持を目指し、
20年代半ばの「希望出生率1・8」の達成を
掲げる。子どもをつくりたいとの希望がかなった
場合の出生率としている。人口減少にブレーキを
かけて消費や投資を促進させる狙いで、保育所の
整備や結婚支援、仕事と育児が両立できる
環境整備などに取り組んでいる。
だが、内閣府幹部は「ここまでやって、やっと
現状で踏みとどまっている。すぐには効果が見えない」と
漏らす。国立社会保障・人口問題研究所が4月に
公表した将来推計人口では、今後50年間、
出生率が1・42〜1・44で推移すると推計。
今の状況ではこちらの方が現実的で、この推計では
65年の人口は8808万人に落ち込む見通しだ。


 ■結婚したいけれど…
出生率が伸び悩む要因の一つに、結婚する人が
減っていることがある。
16年の婚姻件数は4年連続で戦後最少を更新した。
東京都内の男性(36)は「将来のことを考えるほど
結婚は遠ざかる」と打ち明ける。
スポーツインストラクターとして働いて12年。
トレーニング用具などの出費も多く、生活費を除くと
残るのは月5万円未満。
「体が資本だが、いつまでこの仕事を続けられるか」。
交際する同年代の女性と結婚したいと思っているが、
「生活を支えられなくなる可能性がある」と
結婚話は避けているという。
20〜30代の男女を対象に内閣府が14年度に
実施した調査では、未婚者の約8割が結婚を考え、
「将来子どもがほしい」と回答した人は9割弱にのぼる。
一方、未婚の理由を複数回答で問うと、恋人のいる男女では、
「結婚後の生活資金が足りないと思う」(31・2%)が
トップだった。経済的事情が、結婚しない要因の一つと
なっていることがうかがえる。個人の価値観として
「結婚しない」人も増えているとの指摘もある。
NPO法人全国地域結婚支援センターの
板本洋子代表は「結婚することが当然だった時代は移り、
個人の人生の『選択肢の一つ』になっている」と話す。
社会保障制度に詳しい日本総研の飛田英子主任研究員は、
「子育てを社会全体として支える仕組み作りは重要」と
したうえで、「『人口減少社会』を前提に、それでも
揺るがない社会保障のあり方や格差がさらに
拡大しない仕組みも議論していく必要がある」と
話している。

 (佐藤啓介、中井なつみ、高橋健次郎)



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