偽造クレジットカードでたばこを大量購入した詐欺などの疑いで
、日本人と中国人の計10人が大阪府警に逮捕され、一部が
起訴されたことが捜査関係者への取材でわかった。
大阪、愛知、岡山など5府県のコンビニエンスストアで
数百万円分を買い、中国向けに売却したとみられる。
メンバーは「日本のたばこは中国で人気」と話しているという。
起訴状によると、指示役の大阪市平野区の無職武村斉星
(さいせい)被告(33)や、岐阜県美濃加茂市の無職陳涵
(チェンハン)被告(21)らは昨年5〜7月、偽造カードで
たばこ約400カートン(200万円相当)を購入したとされる。
捜査関係者によると、他の8人は中国人留学生や技能実習生らで、
インターネットのソーシャル・ネットワーキング・サービス
(SNS)を通じて知り合い、ネット経由で中国から、米国の
カード会社から流出したとみられるカード番号などの
個人情報を磁気データで購入した。パソコンと専用ソフトで、
別に入手した中国の銀行のカードにデータを書き込み、
偽造カード十数枚を作成。車で5府県のコンビニ
約30店舗を回り、たばこを買い込んだ。
事前に複数の種類のコンビニでカードを試し、うまくいった
店舗を集中的に狙ったという。たばこは国際スピード郵便
(EMS)で中国に送ったとみられる。日本の定価の半額
程度の金がネットを通じて中国からグループの1人の
銀行口座に送金されており、仲間で分け合ったとされる。
グループの一部は、武村被告の逮捕後も、日本のカード会社の
情報でつくった偽造カードでタブレット端末やカメラなど
数百万円分を購入した疑いがあり、府警が裏付けを進めている。
■消費増、人気の日本製
米国の研究機関によると、中国国内のたばこ消費量は
ここ30年で約2倍に増え、2013年は2兆3600億本。
欧州の調査会社のデータでは、14年の世界のたばこ消費の
44%を中国が占めるとされている。
中国の社会事情に詳しいジャーナリストの富坂聡・拓殖大
教授は「消費増は農村部などでの所得向上が原因と考えられる。
中でも日本製たばこは質が高いと人気で、贈り物としても
価値がある」と話す。「爆買い」でもたばこは人気商品。
大阪・ミナミで120年以上続くたばこ店を営む女性(60)に
よると、3〜4年前から中国人の客が数十倍に急増。
「多い日には100人以上が来店し、10カートンほどを
まとめて購入する客もいる」という。
中国は国営企業を通じてたばこの輸入を管理している。
日本たばこ産業(JT)によると、日本国内の免税品店の
販売を加えた中国への販売数量は過去10年、30億本台で
ほぼ横ばい。富坂氏は「需要が高い日本のたばこは換金も
容易で偽物も出回っている」と、今回の事件の背景を説いた。
(中島嘉克、楢崎貴司)
中国も都市によってちがいますが、上海あたりは
ホント、喫煙者にとって天国だと思います。
あたりまえでまかり通っていますから。