home003.gif

2016年03月07日

GPS捜査の必要性重視 大阪高裁、「重大な違法」否定

朝日新聞 2016年3月3日


警察が捜査対象者の車にGPS(全地球測位システム)端末を
ひそかに装着して追跡する捜査の是非をめぐり、大阪高裁は2日、
一審が「重大な違法」とした連続窃盗事件の控訴審判決で
「重大な違法とまではいえない」と判断した。
プライバシー侵害の程度よりも、捜査にとっての必要性を重視する
内容となった。

横田信之裁判長(後藤真理子裁判長代読)は、一審・大阪地裁が
GPS捜査の関係証拠を採用せず、窃盗罪などに問われた
男性被告(44)を残る証拠で懲役5年6カ月とした結論は支持。
捜査を違法と訴え、起訴の取り消しを求めた被告側の控訴を
退けた。弁護団は上告の可否を検討する。

高裁判決はまず、GPS端末で捜査対象車両の位置情報を
つかむ手法について「実施方法によってはプライバシー侵害に
つながるきっかけを含む」と指摘。今回、大阪府警による装着が
半年余りに及んだ点も踏まえ、「令状なく行うのは違法と
解釈する余地がないわけではない」と述べた。

しかし、対象者らの関与の疑いが相当あった
▽夜間に高速で広域を移動し、犯行時間も短い
▽対象者らが摘発への警戒を強めていた――
といった点を重視し、今回の事件ではGPS捜査の必要性が
あったと認定。裁判所が令状を出す要件も満たしていたと
考えられるとし、「重大な違法とはいえない」と結論づけた。

GPS捜査の是非をめぐっては被告の共犯者について
昨年1月に大阪地裁が「重大な違法」を否定。
被告については6月、別の裁判長が違法性を認め、
名古屋地裁や水戸地裁でも違法判断が続いていた。

関連記事です。
「二審、非常に後退し不当」
弁護団、上告検討を表明GPS捜査


位置情報を正確に把握できるGPS(全地球測位システム)端末を
使って捜査対象者の行動を探る手法をめぐり、2日の
大阪高裁判決は「重大な違法」とした一審の認定を覆した。

「一審より非常に後退した不当な判決だ」。被告弁護団の
亀石倫子(みちこ)弁護士は判決後の会見で憤りをあらわにし、
上告を検討する考えを明らかにした。

一審の大阪地裁は、GPS捜査で得られた位置情報の中には
ラブホテルへの立ち入りを示すものなど、一般的に他人には
知られたくないプライバシー情報が含まれると指摘。
令状なしにGPS端末を装着したのは「重大な違法」としていたが、
大阪高裁判決は容認する判断を示した。

亀石弁護士は「GPS捜査は、実施する上での法的根拠がないと
控訴審で主張してきた。高裁は任意捜査でできると考えて
いるかのようだ」と指摘した。

GPS捜査の実施例は警察庁への報告義務がなく全体像は
不明だが、各地で明らかになっている。

2006年4月、愛媛県警が殺人事件の参考人の車にGPS端末を
ひそかに装着していたことが判明。
その後、福岡では覚醒剤事件の被告の車に、兵庫では
窃盗事件の被告や知人女性の車に無断で取り付けて
いたことが公判段階で明らかになった。
(阿部峻介)

コメントです

これもなかなか切れ味のいい判決ですね。
それにしても、このあたりの鈍な弁護団、
あいかわらず犯罪行為のことを忘れて
権利ばかり主張しますね。
シェイムって言葉を知らないのでしょうか。



posted by salsaseoul at 02:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

認知症徘徊事故、家族に責任なし 監督義務、総合的に判断 JR賠償請求に最高裁判決

朝日新聞 2016年3月2日

201603031.jpg

愛知県大府市で2007年、認知症で徘徊(はいかい)中の
男性(当時91)が列車にはねられて死亡した事故をめぐり、
JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の
上告審判決で、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、
介護する家族に賠償責任があるかは生活状況などを総合的に
考慮して決めるべきだとする初めての判断を示した。

そのうえで今回、妻(93)と長男(65)は監督義務者にあたらず
賠償責任はないと結論づけ、JR東海の敗訴が確定した。
高齢化が進む中で介護や賠償のあり方に一定の影響を与えそうだ。

民法714条は、重い認知症の人のように責任能力がない人の
賠償責任を「監督義務者」が負うと定めており、家族が義務者に
当たるのかが争われた。JR東海は、男性と同居して介護を
担っていた妻と、当時横浜市に住みながら男性の介護に
関わってきた長男に賠償を求めた。

民法の別の規定は「夫婦には互いに協力する義務がある」とも
定めるが、最高裁は「夫婦の扶助の義務は抽象的なものだ」と
して妻の監督義務を否定。長男についても監督義務者に
当たる法的根拠はないとした。

一方で、日常生活での関わり方によっては、家族が
「監督義務者に準じる立場」として責任を負う場合もあると指摘。
生活状況や介護の実態などを総合 的に考慮して判断すべきだ、
との基準を初めて示した。今回にあてはめると、
妻は当時85歳で要介護1の認定を受け、長男は横浜在住で
20年近く同居していなかったことなどから「準じる立場」にも
該当しないとした。

結論は5人の裁判官の全員一致。ただ、うち2人は長男は
「監督義務者に準じる立場」に当たるが、義務を怠らなかった
ため責任は免れるとの意見を述べた。

JR東海は「最高裁の判断なので、真摯(しんし)に受け止める」
とのコメントを出した。(市川美亜子)

 ■<解説>社会で分かち合いを

最高裁の判決は、社会の高齢化が進み、「老老介護」などで
家族が重い負担を強いられている現場の現状に即した
判断といえる。

家族に賠償を命じた一、二審判決は、介護現場から
「認知症の人の在宅介護を敬遠する人が増える」といった
批判を浴びた。最高裁は「家族だから」という理由だけでは
賠償責任を負わないと判断した。一方、介護を担う人の
年齢や生活状況などによって賠償責任が認められる余地
も残した。解釈の幅は広く、今後積み重ねられるであろう
個別のケースに判断を委ねた形だ。

事故で損害を負うのは今回のような大企業だけでなく、
個人の場合も想定される。誰もが直面し得る時代に、
社会全体で負担を分かち合う仕組みづくりも急務だ。
(市川美亜子)


コメントです
今回の判決は一般的社会意見からすると
当然のことと思われます。
しかし、案外JR東海も損害賠償より、認知症患者の

事故防止として問題提起をしたかっただけなのかも
しれませんね。





posted by salsaseoul at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会