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2016年02月03日

(世界発2016)絶てぬ密猟、ゾウ窮地 モザンビーク、5年で半減

朝日新聞 2016年2月2日

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密猟組織に狙われる象牙。自然に抜け落ちることはない


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 国立公園のキャンプサイトに並べられたゾウのアゴの骨。象牙の密猟目的で
殺されたという=いずれも三浦英之撮影



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アフリカのゾウが激減している。モザンビークでは過去5年で
約5割減少。タンザニアでも約6割減った。象牙を目的とした
密猟が原因だが、犯行が組織的に行われていることに加え、
取り締まる側の汚職の存在も指摘され、密猟根絶は難しい。

モザンビーク北部のキリンバス国立公園。レンジャーに案内
されてサバンナを1時間ほど歩いていると、岩山の向こう側で
ヘリコプターの飛行音がした。

「まただ」。レンジャーが顔をしかめる。上空からゾウの居場所を
特定し、無線で地上の密猟者に連絡しているという。
レンジャーは「今日もまたどこかでゾウが殺される」。

公園内のキャンプサイトに到着すると、密猟で殺された
ゾウのアゴの骨がずらりと並んでいた。ゾウの保護活動に
取り組むクース・ランズバーグさん(69)は「公園の中心部では
3年間で114頭が殺された。もう十数頭しか残っていない」と憤った。

ランズバーグさんによると、周辺でゾウの密猟がひどくなったのは
2012年以降。南アフリカのテレビ局が「モザンビーク北部は
ゾウの楽園だ」と放送した直後から、密猟者が押し寄せて
くるようになった。

密猟は組織的に行われるという。まず上空からゾウの居場所を
特定。その後、密猟者がバイクで現場に急行し、
銃で群れを皆殺しにする。

国際NGO「野生生物保護協会」によると、モザンビーク国内の
ゾウは、5年間で約2万頭から約1万300頭に約5割減少。

被害の95%が同国北部に集中しており、キリンバス国立
公園全体では08年には約2千頭いたものが、14年には
約790頭に減った。

記者が取材で入った公園内にはフェンスなどは見られず、
入り口に係員もいない。レンジャーは「警察や国境警備隊は
密猟者から賄賂をもらい、密猟や象牙の密輸を黙認している」と話す。

自然保護団体「ト ラフィック」によると、隣国タンザニアでも、
過去5年間で約10万9千頭から約4万3千頭へと約6割も減少。
米ワシントン大などの研究チームは違法象牙な どのDNAを
分析し、モザンビークとタンザニアにまたがるエリアが密猟の
一大多発地帯となっている可能性を指摘している。

 ■規制当局を買収、服役逃れ
東アフリカで密猟された象牙は、ケニアのモンバサや
タンザニアのダルエスサラームなどで船積みされ、東南アジアを
経由して大多数が中国に運ばれているとみられている。

動物保護団体「セーブ・ジ・エレファンツ」によると、中国での
象牙の市場価格は1キロ約2100ドル(約25万円)。
密猟者には1キロあたり約100ドル(1万2千円)が
支払われるとみられており、膨大な利益が密輸組織に流れ込む。

国際社会は、密猟を取り締まる活動にようやく本腰を入れ始めた。
中国の香港は1月、政府トップが象牙取引を全面的に禁止する
考えを表明した。香港ではすでに象牙の輸出入は禁じられているが、
1989年の禁止協定前に承認を受けていた業者には例外的に
販売が認められていた。

ケニア政府も1月、保管している象牙120トン(約4千頭分)を
焼却処分する方針を公表した。タンザニア警察は14年12月、
「密輸組織のドン」と呼ばれるケニア国籍の男を国際手配の末に
逮捕。昨年10月には、東アフリカと中国との間に巨大な密猟
ネットワークを築き、「象牙女王」と呼ばれた中国人の女性の
逮捕が報じられた。

「大物」の逮捕で密猟組織や密輸ルートなどの解明に期待が
集まるが、密輸組織の拠点があるケニア・モンバサの司法
当局者は「どこまで明らかになるかはわからない。
最大の問題は賄賂と汚職。それがなくならない限り、象牙の
密猟や密輸はなくならない」と指摘した。

AFP通信によると、ケニアでは象牙の密猟や密輸で逮捕
されても、裁判で有罪判決が下されるのはまれだ。
さらに過去5年間、ゾウやサイの密猟で有 罪判決を受けても
実際に刑に服したのは7%。犯罪組織は刑を逃れるため、
政治家や司法関係者に賄賂を贈っているとみられている。
(キリンバス=三浦英之)

 ◆キーワード

<アフリカのゾウ> 
1930年ごろには500万〜1千万頭いたとみられているが、
象牙を目的とした密猟により激減。国連などの2013年の
報告 書によると、生息数は42万〜65万頭。動物保護団体
「セーブ・ジ・エレファンツ」は「野生のゾウは今後1世代の
うちに絶滅する可能性がある」と指摘して いる。



コメントです
密猟問題、いちばん悪いやつは象牙を欲しがるヤツです。
欲しがるヤツがいなければ密猟者は出てきません。
次に、密猟されている各国々もなかなか情けない対応ですね。
もう少し本腰を入れて取り締まる必要があります。
保護区を民間飛行禁止にして、侵犯するヘリコプター等を
即時武力排除(撃墜)するなど、この場合は荒治療が
必要です。
口頭注意しても、わかる連中ではないですから。



posted by salsaseoul at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | アフリカ