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2015年12月23日

(世界新秩序 米中を追う)韓国に迫る「真珠の首飾り」 中国、埠頭の借用打診

朝日新聞 2015年12月21日

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韓国で済州島(チェジュド)に次ぐ大きさを誇る島、巨済島
(コジェド)の港湾施設を中国が長期間借り、「真珠の首飾り」と
呼ばれる海上交通路(シーレーン)を東に延ばそうとして
いたことがわかった。同島は日本海と東シナ海をつなぐ
位置にある貿易、安全保障上の要衝だ。

中国は、南シナ海からマラッカ海峡を抜け、インド洋、
ペルシャ湾へと続くシーレーン上にある各国の港湾開発を支援。
この海上交通路戦略が「真珠の首飾り」と呼ばれている。

朴槿恵(パククネ)政権が発足して間もない2013年春。
中国から二つのルートで韓国に問い合わせがあった。
「巨済島にある埠頭(ふとう)の一つを長期間、中国企業に
貸し出せないか」。後日、話を漏れ聞いた日本政府関係者は
仰天した。「真珠の首飾りが日本のそばまで迫っている」

巨済島は韓国南東端にあり、日本の対馬まで70キロ
足らずの近さだ。

問い合わせのルートも奇妙だった。一つは韓国大統領府
(青瓦台)に、もう一つは韓国国防省に打診があった。
貸し出しを希望しているのは中国企業だが、中国軍が
関与している可能性があった。国防省の強い反対で、
中国に埠頭を貸与する話は消滅した。

中国から西に延びる「真珠の首飾り」だが、シーレーンは

東の中韓間にも存在する。韓国貿易協会によれば、14年の
中韓輸出入総額は10年前の3倍近くで、韓国の輸出入
総額全体の21・4%を占める。

韓国政府関係者は口をそろえてこう言う。
「米国はもちろん同盟国だ。だが、中国との経済的な
結びつきは無視できない」。中国は北朝鮮にも強い影響力を
持つ。韓国の外交政策の最優先課題が南北統一である以上、
中国を怒らせるわけにはいかない。

だが、軍事関係筋は「民間の船舶保護を名目に中国軍が
進出する口実を与えかねない」と語る。中国海軍の練習
艦隊は11年8月、北朝鮮東部の元山(ウォンサン)港に
寄港した。中国艦隊が北朝鮮の日本海側の港に入ったのは、
約30年ぶりだった。13年7月には中国海軍の艦船5隻が、
初めて日本列島をぐるりと一周するように航行した。

中国が韓国に急接近し始めた時期は、日韓関係の悪化と
重なる。中国は歴史認識問題での共闘を繰り返し呼びかけて
きた。韓国の専門家は対中関係について「韓米日の協力が
十分でないと、中国への発言力が弱くなる」と語る。

韓国には、強者の争いに弱者が巻き込まれ、傷つくことを
意味する「鯨の戦いでエビの背がやぶれる」ということわざがある。
「鯨」は冷戦時代の米ソから、米中に変わった。

 (ソウル=牧野愛博)

関連記事です。
(世界新秩序 米中を追う)南シナ海、韓国板挟み
 在韓米軍変化、中国は警戒


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米中の板挟みになる韓国の状況は、最近も表面化した。
南シナ海を巡る問題だ。

11月2日午前。ソウルで二つの会談が、同時に進行していた。
大統領府では、安倍晋三首相と朴槿恵(パククネ)大統領に
よる初の首脳会談。車で十数分の距離にある国防省では、
米韓両国の国防相が参加した定例安保協議。共通の話題が
あった。南シナ海で中国が領海だと主張する海域に、米軍が
艦船を航行させたことだ。

安倍氏は会談で「米国の行動を支持する」と明言した。しかし、
朴氏は従来通り、「航行の自由」「平和的解決」といった原則論に
終始し、同盟国である米国への支持より、中国への配慮を
にじませていた。

米国政府は水面下で「せめて、米国の行動を理解すると
言えないのか」と迫ったが、韓国側は首を縦に振らなかった。
韓国政府関係者は「原則論を唱えているからこそ、中国側も
我々に文句をつけられないのだ」とも主張する。

国防省での協議を終えた韓民求(ハンミング)国防相は、
この日の共同記者会見で「南シナ海の平和と安定に影響を

与える行為を自制するよう訴えてきた」と語り、大統領と
歩調を合わせた原則論にとどめた。それを横で聞いていた
カーター米国防長官は、すかさずこう語った。

「韓国だけではなく、地域の多くの国がこの海洋安保の問題に
強い憂慮を示している。だから米国は朝鮮半島に限らず、
少しずつグローバルに(米韓)同盟を強化しようとしている」

米韓同盟は今夏、大きな転換点を迎えていた。在韓米軍の
主力、米陸軍第2師団の象徴ともいえる、歩兵と戦車から
なる近接戦闘旅団(2千〜3千人)を米本土に戻し、
新たな兵員を期間を決めて交代で送り込むローテーション
制に切り替えたのだ。

近接戦闘旅団は、大規模な陸上戦闘が繰り広げられた
朝鮮戦争終結後、北朝鮮の脅威だけに備え、第2師団には
3個旅団が配備されていた。だが、一つはすでに米本土に
帰り、一つはイラク戦争に投入した。唯一残った旅団も、
ローテーション制になったことで、北朝鮮だけに備える
部隊とは言いがたい状況になった。

ローテーション制で、今後は原則として6〜9カ月ごとに
旅団が交代するという。米国防費の削減が続くなか、
限られた戦力を機動的に使い分ける政策をとらざるを得ない。

米政府関係者によれば、この変更を巡って韓国側は
水面下で、在韓米軍の北朝鮮への抑止力が下がるのでは
ないかという懸念を伝えてきた。米軍は「いつでも動くが、
いつでも支援が来るという意味でもある」と説得したという。

一方、千英宇(チョンヨンウ)・元韓国大統領府外交安保
首席秘書官によれば、中国は非政府ルートで韓国に対し、
「米韓同盟が、朝鮮半島有事以外に適用されることは
ないのか」と繰り返し問い合わせているという。
在韓米軍の矛先が、中国に向かうのではという警戒からだ。

在韓米軍関係者は「南シナ海へ、陸軍主体の在韓米軍が
投入される可能性は低い。ただ、将来陸地で紛争が
起きれば、投入の可能性はある」と語る。

韓国は米国と相互防衛条約を結ぶ。在韓米軍が投入される
ような有事になれば、米国は韓国に様々な支援を要請
する可能性が高い。

しかし、韓国政府内や専門家の間で、米中間で紛争が
起きた場合の韓国の対応を巡る議論は行われていない。

 ■迎撃ミサイルでも沈黙 北朝鮮、米中衝突の「火種」

今、米中韓が朝鮮半島の安全保障を巡って注目する
もう一つの焦点が、高高度迎撃ミサイルシステム
「THAAD(サード)」問題だ。THAADは地対空ミサイルで、
射程約200キロ。高度150キロでの迎撃が可能。
米陸軍は北朝鮮の弾道ミサイルに備えるため、在韓
米軍基地にTHAADを配備することを求めてきた。

THAADの配備については、中国が水面下で懸念を
伝えてきている、と韓国政府関係者は明かす。懸念の
対象は、THAADのミサイルと同時に配備 される
Xバンドレーダー。1800キロの範囲まで探知が可能な
同レーダーは、日本の青森、京都にも配備されている。
中国は、韓国にも同レーダーが配備され ると、中国軍の
弾道ミサイルの抑止力が低下する、と懸念しているとみられる。

中国に配慮する韓国政府は最近、THAAD配備への
言及を避け続けている。11月2日の米韓定例安保
協議でも、THAAD配備問題は議題に上らなかった。
米韓関係筋によれば、米国防総省が今夏に発表を予定
していたTHAADの世界展開計画が先送りになった
影響という。別の関係筋は「急がないなら、わざわざ
議論して、韓国を苦しめる必要もない」と語る。

 逆に北朝鮮の核開発問題では、米朝の対話を望む
韓国が、北朝鮮への不信感をぬぐえない米国の説得に
躍起になっている。来年に大統領選を控えた米国も、
オバマ政権の評価をおとしめる北朝鮮の武力挑発は
避けたいが、米朝対話の実現は見通しが立っていない。

中朝関係も、北朝鮮が金正恩(キムジョンウン)体制に
なってから、ぎこちない。中国共産党の劉雲山
(リウユンシャン)政治局常務委員が10月に訪朝し、
金正恩第1書記と会談したが、正恩氏は「6者協議への
復帰」を明言しなかった。韓国政府関係者は「北の
非核化に対する態度はむしろ、後退している」と語る。

米韓両国は、北朝鮮が核物質や核兵器を統制できない
事態に陥れば、国連決議を待たずに北朝鮮に侵入する
方針だ。その場合、中国がどのように行動するかは
不透明だ。今年4月、米太平洋軍司令部がホノルルに
米国の北朝鮮専門家たちを招いた。会合で幕僚の
なかから、北朝鮮領内で米中両国が将来、偶発的に
軍事衝突する危険性を懸念する声が上がったという。

南北に分断された朝鮮半島で
米中両国がにらみ合いを続けている。

 (ソウル=牧野愛博)



posted by salsaseoul at 02:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・台湾

(にっぽんの負担)税の現場から 反響編 税過払い、返金応じぬ行政

朝日新聞 2015年12月21日

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楠原さんの庭(中央)は住宅用地として認められたが、
払い過ぎた税金は戻ってこない=新潟市秋葉区

シリーズ「にっぽんの負担」では、土地、教育、宗教、家族など
身近な話題と税金の関わりについて報じてきました。
とくに土地や建物にかかる固定資産税をめぐる問題に
ついては、読者から多くの反響が寄せられました。
その一部を紹介します。

 ■特例適用漏れ、不信感募らす

10月5日付では、高すぎる固定資産税を課すなどのミスが
自治体で相次いでいる実態を取り上げ、一部の自治体では、
過去にさかのぼって取りすぎた税金を返している事例も紹介した。

新潟市の主婦、楠原富美子さん(57)は2012年、自宅の庭に
対する課税の誤りに気づき、13年度から納税額が年3万円
余り下がった。ところが、市は過去に納め過ぎた税金を
返してくれないという。

楠原家は95年、自宅に隣接する約250平方メートルの
土地を買った。97年、その一部を駐車場として整備し
、倉庫を置いたり畑や花壇を造ったりして庭として使ってきた。
自宅の庭は「宅地の一部」とみなされ、固定資産税額が
大きく下がる「住宅用地の特例」が適用されるのに、
適用漏れがあったため、12年度まで17年間にわたり、
誤った割高な税金を払わされていた。

「にっぽんの負担」で、自治体によっては過去に払い過ぎた
税金を戻すケースがあると知り、楠原さんは市のホーム
ページから市長宛てに質問をした。

すると、市の税務を取り仕切る田村敏郎税務監の名前で、
返せないことを告げる手紙がきた。払い過ぎた税を戻すのは
「外見から容易に判断できる土地 に住宅用地の適用漏れが
あった場合」で、「外見上、確認できず、届け出や申告も
ない場合の全ての土地や家屋の利用状況を把握することは
困難」と書いてあ る。

しかし、地方税法は自治体に少なくとも年1回の実地調査を
義務づけている。固定資産税に詳しい神野吉弘税理士は
「固定資産税は自治体が一方的に課税する税金だ。
本人の申告がなくても、自治体は気づかなかったでは
すまない」と指摘する。楠原さんは「ちょっと聞けば、
私たちの庭であることはわかったはず」と話している。

土地の用途や形、条件によって固定資産税額は
変わってくる。評価を決めるのは自治体だが、
疑問を抱く所有者も少なくない。

 ■土地評価変更、開示せぬ内規

東京都府中市の商業環境デザイナー宮尾舜三さん(71)は
09年、父から相続した新潟県妙高市の土地を確認した
ところ、敷地の周りの土地に敷地並みの固定資産税が
かかっていた。

周囲の土地は家の敷地より一段低く、ぬかるんでいる。
敷地と同じ課税はおかしいと、市役所に確かめると、
周囲の土地は「宅地」から「雑種地」に変更された。
税金も年間約1万円下がって2千円程度になったが、
過去の分は戻らなかった。雑種地とは主な地目に
分類されない土地のこと。自治体が課税の基準を
決めている。

記事をきっかけに宮尾さんが市役所に問い合わせると、
市民税務課から手紙が届いた。「(10年度に)宅地から
雑種地への地目変更ができるよう『雑種地比準表』を定めた
ことから、評価地目の見直しが可能となりました」などと
書かれている。

その意味について、記者が同課に取材すると、市側は、
宮尾さんの指摘をきっかけに「土地評価事務取扱マニュアル」を
見直した、と説明した。指摘の 年までは宅地で評価をして、
翌年から新しい基準を適用したので「間違い」ではなく、
さかのぼって税金を戻すことはできないという。

宮尾さんは「新たな基準を文書で示してほしいと求めたが
回答がない。税額を決めるルールも示さずに課税する
姿勢は信用できない」と不信感をあらわにする。記者も
新たな基準について市に尋ねたが、同課は「市役所の
内規なので開示はできない。今後、検討したい」と答えた。

 (松浦新)

 ■処分できない土地の呪縛

10月19日付では、引き取り手がなく、固定資産税が
かかり続けるだけの土地をもてあます人たちの事例を
紹介した。兵庫県の女性(53)も、80代の母とともに
20年以上、同じ状況で苦しんでいるという。
「救済制度が欲しい」と訴える。

その土地は2人が住む兵庫県ではなく、愛媛県にある。
名義は女性にとって「祖父の兄」だが、40年前に他界した。
登記手続きをしなかったため、土地は亡くなった人の
名義のまま。それでも土地がある自治体は、まず祖父を
「相続人代表者」とみなして固定資産税の納税を求めた。
祖父の死後は伯母、そして母が順に「代表者」に
名指しされ、税金を納めてきた。

高齢の母にとって、遠方にあるその土地(約80平方メートル)に
利用価値はないが、自治体は約130万円の固定資産税
評価額をつけ、毎年1万3千円ほどの納税を迫ってくる。
月5万円弱の年金で一人で暮らす母には大きな負担だ。

女性がその費用を肩代わりしてきたが、女性にとっても
意味のない出費だ。

さらに問題なのは、納税者であるのに自分たちでは土地の
処分もままならないことだ。昨年、土地を買いたいという人が
現れ、司法書士に相談したところ、売るにはまず、名義人を
母に変える必要があると言われた。そのためには相続の
権利を持つ親族全員から同意を得る必要があるという。

名義人が死亡して40年たつ間に、相続の権利をもつ
親族の総数は40人近くに増えていた。いちいち連絡を
取ったり、連絡が取れない人を相手に訴訟をしたりする
手間や費用を考えると、売るのをあきらめるしかなかった。

そうこうするうちに、今度は面識もなかった親族の1人が
母に無断で土地を賃貸の駐車場として使いはじめた。
女性は、土地を使っている親族が納税するのが筋では
ないかと自治体にただしたが、担当者は「相続人代表者の
変更届を出して」と繰り返すばかり。代わりに納税を
引き受けてくれる親族など、現れるはずがない。

 「自治体は税金さえ徴収できればよく、納税者の苦しみ
などお構いなし。わざと滞納すれば、土地を差し押さえて
もらえるんでしょうか」。母が他界したら、今度は自分
が自治体から相続人代表者に指定されかねない。
その時は相続放棄を申し立て、この固定資産税の
呪縛から逃れようと考えているという。

 (本田靖明)

 ■<考論>複雑な制度、時代に即して見直せ 
不動産コンサルタント「さくら事務所」の長嶋修会長 

自治体で固定資産税の取りすぎや計算ミスが後を
絶たないのは、担当者が不慣れなことだけが原因
ではない。制度があまりに複雑なのだ。

住宅用地の特例に限らず、地価が上がった時にできた
激変緩和措置など、「特例」や「例外」が多い。建物では
建材の種類などによって評価が細かく異なる。
自治体の責任は大きいが、制度自体がミスの温床に
なっている面がある。

固定資産税の計算方法も時代に合っていない。
税額を算定するもとになる評価額に市場価値が
十分反映されず、年を経ても資産価値はまだ残って
いる前提で高い評価をしている。いまの評価方法の
原型は建物が戦後まもなく、土地はバブル崩壊後に
確立され、見直されずにきている。

行政サービスの財源である固定資産税が、かえって
住民に不利益をもたらしている。この現状をただすには、
「簡素」という税制の原則に立ち返り、人口減など時代の
変化に即した見直しが必要だ。

 ◆キーワード

<固定資産税> 土地や建物などにかかる市区町村の
税金。土地は公示地価の7割相当を基本とする評価額を
出して1・4%の税率をかける。住宅用地には評価額
よりも課税標準額を下げる特例がある。1戸あたり
200平方メートルまでは評価額の6分の1、それを
超えた分は3分の1に下がり、税金が安くなる。
非住宅用地とみなされると評価額の70%が
課税標準額になり、税金が高くなる。



コメントです
地方自体、固定資産税返さないですね。
一例として、新築着工前に売買契約をして
更地状態で家を買った場合、最初の年度は
間違いなく高い計算で課税してきます。
まるで、そのタイミングを狙っている感じさえ
します。
いくら財政が逼迫しているからといって、
何の知識もない素人に高い税金を払わせるの
はいかがなものでしょうか?
また、不動産屋はちょっとでも早く契約を
進めたいから、このような事例は知っていても
絶対教えてくれません。
そうなると、最後に泣きを見るのは知識が
不十分な素人です。
家や不動産など一生のうちに何度も買う
ものではないですから。


posted by salsaseoul at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記