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2015年12月06日

子の命を守ることは基本的な価値 ビル・ゲイツ氏、社会貢献を語る

朝日新聞 2015年12月5日

巨額の寄付など、米国の起業家らの間に社会貢献の機運が
高まっている。先頭を走る存在である米マイクロソフト創業者
ビル・ゲイツ氏(60)が、社会貢献のあり方について語った。

ゲイツ氏が設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」

(本部・米シアトル)はこれまでに約410億ドル(約5兆円)を
集め、民間の財団としては世界一の規模だ。約1400人の職員を
擁し、100カ国以上で感染症撲滅や教育、農業開発に取り組む。

 ■感染症撲滅に力

活動の中心に据えるのが感染症の撲滅だ。

世界の最貧困層を苦しめる病気について、研究や援助が
不十分だと知って非常に驚いた。
子どもの命を守るのは基本的な価値。そのために自分たちの
お金を使う。それが自分の信じる価値だから」

巨大IT企業を率いたゲイツ氏は、社会貢献でも「生存率」という
指標で取り組みの成果を測り、改善が目に見えるように
することを重要視している。財団は今年9月、2040年までの
マラリア撲滅という目標を国連と共同で掲げた。

米国では10年、投資家ウォーレン・バフェット氏とゲイツ氏が、
資産の少なくとも半分以上を慈善事業や社会貢献活動に
寄付すると誓う運動を始めた。

オラクル共同創設者ラリー・エリソン氏や
マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長、
CNN創設者テッド・ターナー氏ら、さまざまな分野の
約140人が運動に賛同している。

若くして成功を収めた人々による巨額の寄付も増えている。
フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は1日、
「次世代のために」と、保有する自社株の99%を
社会貢献活動に寄付すると発表した。
時価総額で約450億ドル(約5兆5千億円)にあたる。

 ■不平等の是正を

米国で寄付が進む背景には、税額控除などの優遇措置が
あることも大きい。同時に、自らの資産を使って自ら重要だと
考える社会問題に積極的に関わろうとする人が多いのも確かだ。

ゲイツ氏は「行き過ぎた不平等は問題だ。資本主義は
格差是正の方向へ自動的に動くことはない。
不平等の是正には、多くお金を持つ人が持っていない人に
渡すことだ」と語る。

社会貢献には、政府にできない役割があるという。
「富裕層はリスクが高い分野に資金を出し、政府は
基礎研究に資金援助するという協力関係を築くべきだ」

またデジタル分野の先駆者として「インターネットによって、
遠く離れたアフリカなどの困難な状況への距離感を
縮められるようになるだろう」とも語った。

「次世代には、僕らにはなかったツールがある。その技術を使い、
支援を必要としている人たちとより深くつながることができる」

日本に対しては「貿易などの統計を見れば、非常に外向きの
国だ。一方で、外国語や移民への態度などを見ると内向きとも
言える」と評した。
「特に科学分野などで、世界とより強くつながってほしい。
日本の科学の発展を豊かにすることにもなる」と期待した。

 (シアトル=宮地ゆう、浜田陽太郎)






posted by salsaseoul at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米