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2015年11月29日

心臓マッサージ、恐れずに 心肺蘇生の手順が5年ぶり改訂

朝日新聞 2015年11月24日

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意識や呼吸のない人への対処法を示した「蘇生ガイドライン」
(日本蘇生協議会作成)が10月、5年ぶりに改訂された。
心停止が疑われるときにはただちに胸骨圧迫
(心臓マッサージ)を始めることが強調され、回数の目安も
明記された。

2013年10月、京都大学のグラウンド(京都市)。
運動部でトレーナーを務めていた福田瑞穂さん(24)は、
当時1年生の中島貴洋さん(20)がランニング中に
突然倒れたことに気づいた。

意識がなく、顔は土気色で、呼吸もしていないようだ。
「AEDと救急車」と叫び、血液を循環させるための
「胸骨圧迫」を始めた。数カ月前に救命処置の講習を
受けたばかり。
「肋骨(ろっこつ)が折れてもいい」と強く押すことを心がけた。

他のトレーナーがグラウンド脇に設置してあった
自動体外式除細動器(AED)を持ってきた。
AEDの自動音声の指示に従い電気ショックを実施。
その合間にも別の部員と交代で胸骨圧迫を繰り返した。

 一連の措置は蘇生ガイドラインに記された手順=図=に
沿っており、改訂作業にも携わった京都大学の
石見拓教授(蘇生科学)によれば「理想的」だという。

中島さんは搬送先の病院で意識を取り戻した。
「あの時、先輩が心肺蘇生をしてくれたから後遺症も
なく元気でいられる」と話す。

中島さんは何らかの原因で心臓が細かく震える「心室細動」を
起こしたとみられる。成人の突然の心停止の多くは心室細動に
よって引き起こされる。一方、大人だけでなく、小・中・高校での
心停止も年間100件以上あると言われる。

 ■1分間に100〜120回

総務省消防庁に よると、13年に一般市民に目撃され、心臓が
原因で心肺停止状態になった2万5千人余りのうち、市民によって
心肺蘇生が実施されたのは約1万3千人 (51%)
そのうち、1割の約1400人が1カ月後に日常生活に
戻れた。一方、実施されなかった約1万2500人で
日常生活に戻れたのは約600人 (5%)にとどまる。

心停止状態になっても、「死戦期呼吸」というしゃくり
上げるような異常な呼吸が出ることがある。
そのため、改訂ガイドラインでは「心停止でなかった場合の
危害を恐れずに、ただちに胸骨圧迫を開始」と明記された。

心停止でない場合に胸骨圧迫して骨折した人は
345人中6人(1・7%)で、内臓損傷はなかったなどと
する研究結果も掲載。ガイドライン編集委員の
坂本哲也・帝京大教授(救急医学)は「現状では、
蘇生処置をする方が世の中のメリットが大きいことを
重視した」と話す。

一方、10年版ガイドラインで「1分間に100回以上」と
された胸骨圧迫の回数は、「1分間に100〜120回」と
上限が記された。この範囲で処置を受けた人が最も
救命率が高い傾向にあったためという。

人工呼吸については訓練を受けていないと難しいうえ、
胸骨圧迫の中断が長くなるため、「技術と意思がある人」に
限定した。
ただ、子どもについては「人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生が
望ましい」とした。

 ■AED利用率向上が課題

何もせずに、AEDの使用が1分遅れると救命率が7〜10%
下がるともいわれ、その利用率向上が課題だ。
すでに50万台以上販売され、全国に設置 されているが、
13年に使われたのは、心臓が原因の心肺停止が
目撃された人の3・6%(907人)。その人たちの1カ月後の
日常生活復帰率は4割を超えて いる。

一方、一般市民による心肺蘇生について、京大の石見さんは
「実施する人は年々増えているが、まだまだ救える命はある。
全ての人が実施できるようになるのが望ましい」と訴える。

ただ、救えないケースはある。うまく救命処置ができなければ、
責任を問われるとの懸念からためらうこともありうる。
日本蘇生協議会の岡田和夫名誉 会長は
「善意による処置の結果責任は問わないという理解が重要。
救命処置は『善』という周知がもっと進んでほしい」と話す。
(田内康介)

コメントです。
今日は、一般市民による緊急蘇生措置の話題です。
実際、その場に出くわした人が、どれだけ冷静に
措置に移行できるか、もちろん緊張や動揺もするでしょうし、
想像しただけでも相当大変な行動だと思います。
ですが、今日の記事にもあるように、日ごろから公的機関発信の
情報にふれておけば、緊急時にきっと役立つと思います。



posted by salsaseoul at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

漢方の原料、国内調達拡大 伸びる需要・中国産の価格高騰

朝日新聞 2015年11月28日

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ツムラなど漢方薬をつくる各社が、原料となる生薬の国内での
調達を増やそうと動いている。
漢方薬が見直され、国内の需要は伸びているが、生薬は
約8割を中国産に頼っており、価格も高騰しているためだ。

医療用の漢方薬で約85%のシェアを持つツムラは27日、
北海道夕張市の工場で新たに動かし始めた設備を報道陣らに
公開。生薬についた土や石などの不純物を機械や人の手で
取り除く選別工程を新設したほか、生薬の保管能力を
約2倍の約2千トン分に広げたという。

同社は北海道を 国内調達の約半分の量をまかなう重要
拠点に位置づける。今年に入り、自社農場の栽培面積を
60ヘクタールから約150ヘクタールに拡大した。
今後も契約農 家などを増やし、2014年時点の栽培面積
250ヘクタール、生産量710トンを、20年ごろを目標に
それぞれ1千ヘクタール、2千トンに伸ばす方針。

杉田亨専務は「(拡張で)工場の基盤は整ったが緒に
就いたばかり。
生産者と協力して生薬の生産拡大に励む」と話した。
生産品目もいまの10から28に増やす方向で試験栽培中。
全調達量に占める国内比率を20年以降、いまの
約15%から20〜25%に上げる方向だ。

医師の処方箋(せん)なしに買える一般医薬品(OTC)で
漢方薬シリーズを売るロート製薬も今秋、奈良県宇陀市で
生薬の試験栽培を始めた。小林製薬はOTCで使う
生薬の栽培技術の開発で農家に協力する。
化学最大手の三菱ケミカルホールディングスは7月、
最も使用量が多い生薬のカンゾウを国内で量産する
技術にメドをつけたと発表した。

ツムラなどが生薬の国内調達拡大に力を注ぐのは、
価格を抑えつつ、安定した量を確保する必要に
迫られているためだ。

製薬会社などが漢方薬の効き目を科学的に立証したり、
04年度からすべての大学医学部、医科大で漢方教育が
始まったりしたため、漢方薬を扱う医師が増加。
医療用は14年度までの10年間で数量が約2倍に伸び、
今後も増えるとみられる。

ただ、業界団体の日本漢方生薬製剤協会(日漢協)の
調べでは、12年度の国内使用量の80・7%を
中国産に依存。
品目数で45・6%にあたる1
23品目は全量が中国産だった。

経済成長で中国国内の生薬の需要が伸びたことや
天候不順による不作、投機資金の流入などが重なり、
14年の生薬の調達価格は06年に比べ約2・4倍に

上昇。薬用ニンジンは約5・8倍に高騰し、
製薬企業の生産コストを押し上げた。

特定の国や地域からの供給に依存すればするほど
価格変動の幅が大きくなるのは、ハイブリッド車などの
モーターに使うレアアース(希土類)の例でもあった。
技術開発で国内栽培できる品種や量を増やし、
あらかじめ決めた価格で生薬を買い入れる
契約栽培農家を開拓するなどの対策が喫緊の
課題だという。

 (伊沢友之)

 ◆キーワード

 <漢方> 
5〜6世紀以降に伝わった中国の医学を起源とし、
独自に発展した日本の伝統医学。
薬のつくりかたは約1800年前に編纂(へんさん)された
中国の古典「傷寒論」などにもとづく。日本の医療用では
葛根湯など148種類ある。2013年の生産額は
約1600億円で、医薬品市場全体に占める割 合は2%強。


コメントです
漢方薬。効き目を実感するまでに時間と費用が
必要ですが、効き目が有効な場合は体にやさしくて
いいですね。
さて、今日の話題は漢方薬の材料調達について
ですが、確かに中国産は長年のノウハウがあるので
頼向性が高いです。
しかし、調達の安定性から、国内産の供給体勢が
強化されれば、より安心ですね。


posted by salsaseoul at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

梅毒、若い女性で急増 5年で患者5倍に

朝日新聞 2015年11月28日

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今年の梅毒患者の数が、感染症法で届け出が義務づけられた
1999年以降で初めて2千人を超えたことが、国立感染症研究所の
まとめでわかった。10月28日時点で2037人。
特に若い女性で増えているという。妊娠中に感染すると死産や
胎児に障害が起きる可能性があり、厚生労働省は注意を
呼びかけている。

梅毒は、主に性的接触で病原体の細菌が感染し、陰部などに
しこりや潰瘍(かいよう)ができる。抗菌薬で治療できるが、
放置すると全身に発疹ができ、重症化し死亡することもあるという。

年間患者数は67年の約1万1千人をピークに減少。
2001〜05年は500人台で推移していたが最近は増加傾向にある。
今年は男性が1463 人、女性が574人。女性は10年の124人の
約5倍になり、男性より増え方が著しかった。
今年の女性患者の76%は15〜35歳だった。厚労省は
「リスクの高い不特定多数との性的接触は避け、コンドームを
適切に使用して欲しい」と呼びかけている。

 (福宮智代)

コメントです
本文にもあるように、梅毒はほとんど終息傾向にあると
思っていましたが、最近はそれも情勢が変わってきている
ようですね。
残念な事実ですが、梅毒にかぎらず各種性病は個々が
個人責任のもと、気をつけるしかないですね。
私的な感想ですが、もし大事なパートナーがいるのなら、
緊張した行動を保てると思うのですが。


posted by salsaseoul at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療