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2015年11月27日

(時時刻刻)撃墜、「対IS」に亀裂 ロシアとトルコ、緊張続く

朝日新聞 2015年11月26日

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トルコのF16戦闘機がロシアのSu24戦闘爆撃機を撃墜した事件を
巡り、両国の主張は対立し、国境地帯の緊迫は高まっている。
欧米などは、双方に自制を呼びかける以外に打つ手がない。
パリ同時多発テロ以降、各国協調の兆しが生まれたかに見えた
過激派組織「イスラム国」(IS)掃討の包囲網は、ほころびつつある。

 ■ミサイル配備表明/「あらゆる措置」言及

 「事件が繰り返される可能性は排除されない」

25日、ロシアのプーチン大統領はこう語り、シリア領内で
空爆しているロシア軍機の安全確保策を進める考えを表明した。

ショイグ国防相は、ロシア空軍が拠点とするシリア北部
ラタキア近郊の基地に最新鋭の地対空ミサイルシステム
S400を配備する方針を明らかにした。ロシア軍は24日、
トルコ軍との連絡を断つ方針を発表。緊張が高まっている。

トルコのチャブシュオール外相は25日、ロシアのラブロフ外相に
電話した。ロシア側の発表によると、ラブロフ氏は撃墜された
ロシア機は領空侵犯していなかったと改めて強調。
さらに「トルコ政府は事実上ISの側に立った」
「(撃墜は)事前に準備された計画的なものだった」とトルコ側を
強く批判した。

今回の撃墜では、搭乗していた2人のうち1人が死亡。
行方不明になっていたもう1人は25日、生存が確認された。
ロシアメディアに対して「攻撃 前、無線による警告も目に
見える形での警告も一切無かった」と述べ、
「侵犯前の5分間に10回警告した」というトルコ側の主張を否定した。

一方トルコ側は「問題を拡大させる意図は持っていない」
(エルドアン大統領)としながらも、今後も国境侵犯に対し
「あらゆる措置をとる」としている。

 ■シリア巡る溝、あらわに

プーチン大統領は、トルコでの主要20カ国・地域(G20)
首脳会議を前にした13日には、トルコを手放しで評価していた。
「トルコの姿勢は、両国関係に新しい地平を開く」。
米国主導の北大西洋条約機構(NATO)の一員ながら、
ウクライナ問題でロシアに制裁を科さなかったためだ。

欧米からの制裁を受けたロシアは、トルコとの関係強化に
前のめりだった。

ロシアから東欧に天然ガスを輸出する新パイプライン計画
「サウス・ストリーム」が欧州連合(EU)の反対で頓挫したため、
トルコ経由の「トルコ・ストリーム」計画をトルコと共に打ち出した。

トルコから見ても、ロシアはドイツに次ぐ第2の貿易相手国だ。
トルコ初の原発の建設をロシア企業が進めるなど、
大規模プロジェクトでの協力も進む。

だがシリアのアサド政権を巡る隔たりは大きい。

シリア内戦で、トルコはアサド退陣を最優先して反体制派を
支援。一方のロシアは「後ろ盾」としてアサド政権を支え、
「IS対策」名目の空爆は、反体制派も標的とする。

エルドアン大統領が「親戚」と呼ぶシリア北部のトルクメン人は
反体制派の一角だ。11月に入り、アサド政権軍との戦闘が
激化した。ロシア軍がトルクメン人武装勢力を空爆したことに、
トルコはいらだっていた。
ロシア軍機の撃墜は、水面下に隠れていた両国の対立に
火を付けた。
歴史的にロシアとトルコは、19世紀のクリミア戦争や
第1次世界大戦など、幾度も戦火を交えてきた。
プーチン、エルドアンという強い指導者に率いられた両国の対立。
さらなる衝突の危険さえはらんでいる。
(モスクワ=駒木明義、イスタンブール=春日芳晃)

 ■米ロ共闘の機運しぼむ

 24日昼(日本時間25日朝)、米ホワイトハウス。
オバマ米大統領とオランド仏大統領が記者会見に臨むと、
ロシア軍機撃墜に関する質問が相次いだ。
オバマ氏が「あらゆる紛争激化を制止することが重要だ」と
説くと、オランド氏も「事態が悪化すれば傷は非常に大きい」と
同意した。

米仏両国はトルコと共に、NATOの一員だ。先鋭化した
ロシアとトルコの対立が万が一、軍事衝突に発展すれば、
軍事同盟であるNATOはロシアへの対応を迫られ、
対ISで共同戦線を築くなど論外となる。IS空爆で、米軍は
シリア国境に近いトルコのインジルリク空軍基地を使用しており、
実際の作戦面でも悪影響が出かねない。

そこで米仏首脳は、一般論としてトルコの自衛権は認めつつ、
名指しのロシア非難は避けた。

米国は、ロシアのシリア介入の真意は、IS掃討の名目を借りて
反政府勢力をたたき、アサド政権を支援することだとみてきた。
だが、エジプトでのロシア民間機墜落やパリ同時多発テロを
契機に「プーチン大統領もIS掃討の重要性を理解した」
(米政府高官)と感じ取った。

だが、ロシア軍機撃墜により、対ISでロシアと共闘する
機運はしぼみつつある。望みをつなげたいオバマ氏は
会見で、米仏の共通見解として「ロシアは空爆の標的を
ISに移せば、建設的役割を果たせる」と強調。
同時にアサド政権支持をやめるよう求めた。

ロシアとトルコの対立を懸念するのは、米仏など有志連合
だけではない。イランのロハニ大統領は25日、「テロとの戦いには
国際協調が必要だ。両国の紛争はテロリストの利益となり、
(中東)地域に悪影響を及ぼす」と述べ、自制を呼びかけた。
(ワシントン=梅原季哉、峯村健司、テヘラン=神田大介)

 ◆キーワード

 <トルクメン人> 中央アジアに住むトルコ系民族の総称。
シリアのトルクメン人については正式な統計はないが、
10万人前後とする推計が多い。トルコ人と同じ民族で、
ほぼ同じ言語を使うことから、トルコは「同胞」として
シリア内戦勃発後、支援を続けている。



コメントです
歴史上、トルコの立ち位置としてよく知られているのが
[東西文化の融合]です。
それが、今日の記事にあるように、イスラム圏と西洋のはざ間で
わざわざモザイク状態を作らなくてもいいのに、事態はどんどん
複雑化していっています。
一見、外交上手なトルコですが、やはり、民族的に血が騒ぐものが
あり、そして、最後には西洋諸国とはやっていけないという
ところでしょうか

posted by salsaseoul at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

蛍光灯、実質製造禁止へ 白熱灯も 20年度めど、LEDに

朝日新聞 2015年11月26日

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3種類の電球には長所と短所がある

 政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、
国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに
実質的に禁止する方針を固めた。省エネ性能が高い
発光ダイオード(LED)への置き換えを促す狙いだ。

安倍晋三首相が26日に財界幹部を集めて官邸で開く
「官民対話」で、省エネ対策の一環として表明する。
今月末にパリで始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議
(COP21)に向けて、日本の温室効果ガス削減への
取り組みを具体化する狙いもあるとみられる。

政府はLEDと蛍光灯それぞれについて、品目ごとに省エネ
性能が最も優れた製品の基準を満たさないと製造や輸入を
できなくする「トップランナー制度」で規制してきた。
来夏をめどにつくる省エネ行動計画に、照明についての
品目を一つにまとめることを盛り込む。
LED並みの省エネを達成するのが困難な白熱灯と蛍光灯は、
事実上、製造や輸入ができなくなる見通しだ。
来年度にも省エネ法の政令を改める方針。

電球で比べると、LED電球の消費電力は、60ワット形
相当で白熱電球の約8分の1で、電球型の蛍光ランプよりも
約3割低い。政府は、家庭などで使われている照明の
ほぼ100%を、30年度までにLEDにする目標を掲げるが、
割高な価格がネックとなってLEDの比率は12年度で9%に

とどまった。

白熱灯と蛍光灯の製造と輸入ができなくなれば、国内市場で
在庫がなくなった時点で、LEDへの置き換えが急速に進み、
量産効果でコストが下がることも期待される。
ただ、割安な電灯を買う選択肢がなくなることになり、家計や
企業の重荷になる可能性もある。

電球型のLEDが登場したのは09年前後。11年の東日本
大震災後に省エネ意識が高まって一気に普及した。
日本の大手電機メーカーでは、東芝ライテック、パナソニック、
日立アプライアンスが一般的な白熱電球の生産をすでに
終えている。東芝ライテックによると、一般的なLED電球の
希望小売価格は、09年の発売時に約1万円だったが、
いまは2千〜3千円台まで下がり、
「店頭の販売価格はもっと安いだろう」(広報担当者)という。

蛍光灯が中心だった天井用照明でも、10年ごろからLEDが
売り出されている。ただ、照明器具そのものをLED対応に
切り替える必要があることから、電球ほどはLED化が
進んでいない。LEDへの移行を後押しする支援策を求める声が
出る可能性もある。(高木真也、南日慶子)

コメントです
これ、考えた担当者、ホント、大バカ者ですね。
電球(白熱灯)ならまだわかりますが、蛍光灯まで
完全に販売中止にして、高齢者や低所得者世帯の
家計を圧迫する計画を考えるとは。
そうやって、所得の低い世帯のわずかな電力消費を
圧縮したところで、どれだけ省エネ効果があるのか
素人が考えてもわかりますね。
おそらく、担当者は〈白熱灯〉〈蛍光灯〉の全廃計画に
自己満足を感じているのでしょう。
大バカ者です。
他に、省エネ効果の大きいものはいくらでもあります。
たとえば、現在政府がたくらんでいる石炭発電所の
推進を白紙にするとか。



posted by salsaseoul at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境