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2015年09月18日

「境界性パーソナリティー障害」に苦しむ人へ 咲セリさんが発信

朝日新聞  2015年9月17日


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愛する男性に暴力を振るってしまい、自分には生きる価値がないと
自殺未遂を繰り返す……。
感情を制御できない「境界性パーソナリティー障害」=キーワード
に悩んだ女性が、同じように苦しむ人たちへ発信を続けている。
自分の思考・行動のクセがわかれば症状は改善できると訴える。

「親から愛されずに育った私は、性的に求められることでしか
自分に価値を見いだせなかった」
「夫と一緒になっても、私のことなんて好きじゃないんだろう、
捨てればいいと殴り続けてきた」

大阪府内で7月にあった境界性パーソナリティー障害を
テーマにしたフォーラム。
ウェブデザイナーの咲(さき)セリさん(36)は約250人の
聴衆を前に、自身の歩みを語った。

咲さんは現在、夫一臣(かずとみ)さん(41)と6匹の猫と一緒に
暮らす。「自分はこの世にいらない人間だと、長く思い込んできた」

酒を飲んでは「お前なんて失敗作」と罵声を浴びせる父と、
おろおろするばかりの母。リストカットをして死にたいと泣く娘に、
「そんなに死にたいな ら今すぐ死ね」と父は娘の頭を浴槽に
沈めた。咲さんは家を出て援助交際に走り、年を偽って
風俗店に勤めた。
そこだけは自分を認めてくれる「居場所」だっ た。


境界性パーソナル(人格)障害


境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害:BPD)は、
1980年代まで精神病と神経症の『中間領域』にある精神疾患と
仮定されており、『境界例(ボーダーライン)』と呼ばれていました。

境界性人格障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は、
アメリカ精神医学会のDSM−W−TRで『クラスターB(B群)』
分類される人格障害(パーソナリティ障害)であり、『衝動性・攻撃性』
『気分(感情)の不安定さ・対人関係のトラブルの多さ』などに
大きな特徴があります。

境界性パーソナリティ障害では、『自己アイデンティティ』が拡散して
自分の存在意義や生きがいを見失いやすく、そう いった虚無感や
虚しさの感覚によって対人関係(異性関係)やギャンブル、ドラッグ
(アルコール含む)、食事(摂食障害)などに過度に依存しての
めり込みや すくなるという問題があります。境界性人格障害の
特徴を持っている人は、気分の波が激しく感情が極めて不安定なので、
さっきまで理想化して褒めていたよう な人に対しても、何か自分に
否定的な発言などがあると急に怒り出して、攻撃的な罵倒が
止まらないほどに興奮してしまうこともあります。

境界性パーソナリティ障害(BPD)の人は、
自己愛・依存心・気分・感情を適切に自己コントロールすることが
できないので、『対人関係のトラブル』
『自滅的・衝動的な行動(自傷行為・依存症)』が起こりやすく
なるのですが、BPDの根底にある感情的問題は
『見捨てられ不安・自己肯定感の欠如・孤独耐性の低さ』
などです。家族や知人と付き合っていると、どうしても
批判的・攻撃的になって対人トラブルが絶えないのですが、
BPDの特徴を持つ人は見捨てられ不安や空虚感
(人生の無意味感)が非常に強いので、
『一人で過ごす時間(誰とも関わらずに過ごす時間)』
孤独感になかなか耐えることができないのです。

こういったBPDの見捨てられ不安や孤独感の心理的原因には、
乳幼児期の母子関係で十分な愛情・保護を与えられなかった
ことや児童期の学校生活で『いじ め・暴力(虐待)』などに
遭ったことが関係しているとも言われます。また、感情・気分の
調整と関係して『セロトニン系・ドーパミン系』の脳内の神経
伝達過 程の障害がBPDを引き起こすという仮説や、BPDの
発症に遺伝的素因(先天的要因)が関係しているという仮説が
あります。境界性人格障害(BPD)を抱 えた人たちは、いつも
誰かに温かく見守っていて欲しい、どんな時も家族・恋人・友人に
は自分の味方になって貰いたい、大切な人に見捨てられたく
ないという 強い欲求を抱えていますが、
『激しい感情表現(気分の波)・自己アイデンティティの拡散
(空虚感)・極端な対人評価』
によって人間関係が上手く
いかないことが多くなってしまうのです。


コメントです

境界性人格障害の話題です。
あまり聞きなれない病名ですが、
知人談によると、その知人の
友人にこの病気に該当する
人物がいて、特にその方の場合は、
その病気であることを本人が
絶対に認めないので、いろいろと
大変だそうです。

posted by salsaseoul at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

小学生の暴力行為、1万1千件で過去最多 昨年度調査

朝日新聞 2015年9月16日

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昨年度の小学生の暴力行為は1万1468件で、前年を約5%
上回って過去最多となった。文部科学省が16日、国公私立の
小中高校を対象にした「問題行動調査」の結果を発表した。
中高生の暴力が大きく減ったのとは対照的に、増加に
歯止めがかからなかった。

小学生の暴力の内訳は、児童間が7113件、対教師が
2151件、器物損壊が1997件、それ以外の人への暴力が
207件。教員を何度も蹴る▽文具を隠したことをきっかけに
殴り合う▽登校中に雪玉をガラスに投げて破損させる
――などの例があった。暴力があった小学校は、校内に
限っても全体の12% にあたる2499校にのぼった。

文科省は、繰り返し暴力をふるう子や感情のコントロールが
できない子が増えていると分析。
貧困などの課題を抱える家庭が増え、小学校入学前に
言葉で
意思を伝えさせるなどの家庭教育が十分で
ないケースが
目立つという。
加害者数を学年別にみると、小6は前年度より減ったが、
小1は5年前の2倍以上に増えた。

一方、中学生の暴力行為は3万5683件(前年度比11・3%減)、
高校生は7091件(同13・6%減)。減少は、非行集団が減った
影響などが考えられるという。小中高生の合計を都道府県別に
みると、千人当たりの発生件数が最も多かったのは大阪府の
10・6件。最少は秋田県の0・6件だった。

暴力行為以外の調査では、小中高校生の自殺が230人。
原因とみられる状況は「進路問題」が21人、「家庭不和」が20人。
「いじめ」も5人いた。全体の人数は前年度を10人下回ったが、
小学生は3人増えて7人だった。

小中学生の不登校は計12万2902人(前年度比3285人増)。
小学生は千人当たり3・9人で過去最多だった。

例年、いじめの認知件数も聞いているが、岩手県矢巾町で
中学2年の男子生徒が自殺した問題を受けて再調査しており、
発表は10月末ごろの見通し。(高浜行人)

     ◇

■「怒り」理解させる試みも

小学生の暴力行為が増え続け、昨年度は1万1468件で
過去最多となった。ささいなきっかけで突然、周りにキレる児童。
感情を抑える方法を教えて防ごうとする学校もある。

今月初め、東京都内の小学校。2年生のクラスで担任教員が
計算のテストを返していると、「ぎゃーっ」と大声がした。
後ろに座る男子から急に背中を殴られた子が、悲鳴を上げた。

男子は「テストで×が多くて腹が立った」という。
以前から、教員が注意すると突然たたいたり、
「給食のおかずが少ない」と係の子を蹴ったりしてきた。

埼玉県内 の小学校で1年生を担任する教員は6月、
男子に突然、「何すんだよ!」と殴りかかられた。
教室で下を向く男子の肩に触れ、「どうしたの?」と声をかけた
直後だった。この子は普段から廊下で教師らに、「死ね」
「うぜぇ」と言葉を浴びせる。
「見えない攻撃の針がいくつも出ているよう」と担任は言う。

「暴力以外の解決方法を知らない子が増えている。
やりたいことをどうしたらうまくできるか、周りの大人が
教えていない」と都内のベテラン教員。別の学校の校長は
「教員の指導力が下がった」。担任が替わった途端に
落ち着くケースも多いという。

感情を抑えられない児童たち。東京都品川区では
2009年度から、全区立小学校で「怒り」をコントロールする
授業を続けている。

「これはどんな気持ちかな?」。
様々な表情の顔写真を見せ、感情を考えさせる。
また「友達が遊ぶブランコを、自分も乗りたい時はどうする?」
など と問いかけ、「順番で使う」「『乗りたい』と言う」と解決策を
考えさせる。怒りの感情を理解した上で、
「衝動的に殴ってはだめ」と教える目的があるとい う。

NPO法人「日本こどものための委員会」(東京都)が研修会を
開き、教員にこの指導方法を広めている。同法人の研修は近年、
全国で年800人ほどの教員が受けている。

埼玉県東 部のある学校では今春、児童の生活情報を
書き込む「指導連絡掲示板」を教職員専用のネットシステム上に
つくった。「○月×日 友達とけんか。保護者に連絡 済み」と
いった情報を学校全体で共有するためだ。「高圧的な指導は
かえって子どもの暴力を呼ぶ。各自の家庭環境や心情を教員が
理解しないと」と校長は話す。

いじめや暴力など、子どもの問題行動に取り組む専門の教員を

小学校に配置する自治体もある。横浜市は、児童の生活指導や
保護者との連絡を主に担う「児童支援専任教諭」を10年度から
全市立小学校に置く。「児童の問題行動が学校全体でしっかりと
把握できるようになり、対策も取れるようになった」と市教委の
担当者は言う。
同様の教員は川崎市、相模原市も配置を始めている。

     ◇

■他者への共感乏しく

〈村山士郎・大東文化大名誉教授(教育学)〉 
小学校低学年でも携帯やスマホ、 テレビゲームに夢中に
なり、真の感動体験が減っている。
その結果、自分を見つめたり、他者と共感し合う言葉や
表現力が乏しくなったりして、ちょっとしたこ とでキレやすく
なっているのではないか。学力調査の結果を競うなど過度な
競争や、貧困の拡大で家庭でかまってもらえず荒れるケースなど、

社会的要因も考え られる。こうした要因を軽減する取り組みが
なければ、子どもたちの中にたまった攻撃性の「マグマ」は
収まっていかないだろう。

■人間関係育む指導を

〈中村豊・関西学院大教授(生徒指導)〉 学級担任が多くの
教科を教える小学校は、生徒指導も担任に多くを任せる
文化がある。ベテランの大量退職に伴い若手の担任が増え、
保護者が体罰的 な指導に敏感になっていることもあり、
厳しい指導をためらっているのではないか。生徒指導担当教員の
追加など校内の指導体制を整えるとともに、子どもの人間関係を
育む指導方法にも気を配るべきだ。一方、増えたのは軽微な

ことも隠さず報告するようになった結果とも言える。
件数の多さを正しく評価する社会の意識も必要だ。


コメントです。
小学生の暴力行為増加傾向の記事です。
本文にもありますが、原因として、貧困による
家庭での教育不足、有害玩具(スマートフォン等)に
よるものなどさまざまな要因があります。
いずれにしても、先進国を目指した結果、
それから生じた多くの歪みが、一番弱い児童に
のしかかって今日の記事の事例に至ったのでしょう。
そうなると、社会は何のため豊かさを目指したのか
わかりませんね。




posted by salsaseoul at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会