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2015年04月26日

身代金、家族が独自交渉 IS邦人人質事件を検証

2015年4月23日  朝日新聞

過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件が最悪の結末を
迎えてから、3カ月が経とうとしている。人質解放をめぐり、日本や
ヨルダンの関係者らはどのように動いたのか。
人質の家族が身代金をめぐりISとやり取りしたメールや
イスラム過激派に詳しい現地研究者らの証言など、新たに
明らかになった経緯をもとに検証する。

 ■メールで支払額を提示 IS拒否「話にならない」

ISが1月20日に会社経営者湯川遥菜(はるな)さんと
フリージャーナリスト後藤健二さんの拘束映像を公開する前、ISとの
交渉の焦点は、後藤さんの妻による身代金をめぐるやり取りだった。

政府関係者によると、妻がISからの英文のメールに最初に
気付いたのは昨年12月3日だった。そこには
「前にもメールを送った」と書かれていた。
11月下旬には「夫を拘束した」という最初のメールが来ていたが、
「迷惑メール」に分類されていたため開封されなかったという。

ISは妻にメールで身代金の支払いを求めてきた。一方、日本政府は
妻に、政府として身代金の支払いには応じない方針を伝えた。
妻は後藤さんの知り合いだった豪州在住の危機管理
コンサルタントらと相談し、身代金の要求に独自に応じる考えを
ISにメールで返信した。妻がISに提示した金額は、
日本円に換算して億単位だったという。

後藤さんはシリアに渡る際、誘拐事件に巻き込まれた場合に

保険会社が身代金を代わりに支払う「誘拐保険」に加入していたと
いい、その保険を使って、身代金の支払いに充てる計画だったとされる。

だが、ISは「話にならない」などと妻からの打診を拒否。
「1500万ユーロ(約20億円)」の支払いを求め譲らなかったという。
妻とISは1月中ごろまで、身代金をめぐるやり取りを何度か続けた。
政府はこの間、メールの内容をほぼ把握していたが、妻や
コンサルタントと交渉内容をめぐって具体的な調整をすることは
なかった。

 ■首相声明、数種類を用意 政府

菅義偉官房長官は、後藤さんたちを拘束しているのがISだと
確信したのは「1月20日」と説明している。だが、複数の政府
関係者は、安倍晋三首相が中東歴訪に出発する1月16日よりも
前に、メールの発信元などからISによる犯行の可能性が極めて
高いと認識していたと証言する。

国家安全保障会議(日本版NSC)の事務局である国家安全
保障局は、ISが人質の拘束映像を公開する1月20日より前に、
ISの犯行を前提にして人質が殺害された場合などに首相が
出す声明文を数パターン用意していたという。

だが、官邸幹部は中東歴訪の取りやめなどは「全く考えなかった」と
話す。急きょ日程を変更すれば、テロに屈したとのメッセージを
発信することになりかねないためだったという。

首相は17日、訪問先のエジプト・ カイロで、「ISIL(ISの別称)と
闘う周辺各国に総額で2億ドル(約236億円)程度、支援を
約束する」と演説した。これに対し、ISは20日に公開 した
映像で「ISと闘うために2億ドルを支払うという馬鹿げた
決定をした」として、人質2人の解放に首相が表明したのと
同じ額の2億ドルの身代金を突きつけた。

 後藤さんを殺害したとする映像が公開された4日後の2月5日、
首相は参院予算委員会で「国連決議があるから、テロリストに
お金を国として払うことは決議に反することになる」と強調した。

国連安全保障理事会は2014年1月、加盟国がテロ組織に
対する身代金の支払いに応じないよう求める決議を採択した。
一方、決議を守らなかった場合の明確な罰則規定はない。
14年11月に安保理に提出された報告書によると、ISが
最近1年間で得た身代金の推定額は約41億〜53億円に
のぼり、「水面下の交渉」が行われているのは
「公然の秘密」と言われている。

■「日本、なぜヨルダンを頼ったのか」 
ハサン・アブハニヤ氏(イスラム過激派研究者)

中東の研究機関などでイスラム過激派の研究活動を行い、
アラブ圏で著名なヨルダン人の専門家ハサン・アブハニヤ氏は、
日本政府関係者の情報収集にも協力した。
日本人人質の映像公開前に「ISの犯行だ」と伝えていたといい、
「日本はヨルダンに頼るべきではなかった」との立場だ。

    *

 ――ヨルダンは日本からの解放交渉の依頼を
引き受けるべきではなかったと考えるのはなぜか。

ISに自国民の人質を取られていたヨルダンが日本のために
出来ることは少ない。自国軍パイロットと日本人の運命を
結びつけるべきではなかった。
日本も、ヨルダンがISとの間に問題を抱えていると知りながら、
なぜ頼ったのか。なぜトルコを頼らなかったのか。
日本もヨルダンも、対処を間違った。

 ――事件をめぐる日本政府の対応をどうみるか。

殺害予告までの間、何をしていたのか。本当に解放したいなら、
(解放に成功した)トルコやフランスのようにISと交渉すれば
出来ていた。安倍首相の(カイロでの)演説も、私ならISを
あまり挑発しないように助言していた。

 ――日本政府は、ISが犯人と確信したのは、日本人2人の
映像が公開された1月20日と説明している。

映像公開の約1カ月半前の12月ごろ、日本政府の担当者が
私を訪ねてきた。彼は人質がシリア、特に(ISが首都と称する
)ラッカのある地方で拉致されたと知っていた。
私はISの犯行だと言った。なぜ、もっと早く動かなかったのか。

 ――日本政府はどうすれば、良かったのか。

私はフランスの人質解放交渉で、仲介役の一人だった。
フランスは複数の交渉ラインがあり、一つがうまくいかなくても
他が機能する。政府が表立って交渉するのではなく、水面下で
インテリジェンス(諜報〈ちょうほう〉)のチームに対処させた。
スペイン、トルコも解放のために金を払ったという情報を、
ISと関係のある宗教指導者などから得ている。

――身代金を払えば、ISの組織拡大につながり、再び日本人が
狙われる恐れもある。それでも払うべきだったと考えるか。

私は払うべきだったと思う。ISが理解するのは、民主主義的な
外交ではなく、金と取引の言葉だけだ。テロ組織との交渉に
選択肢は多くない。国民を救うために金を払うか、断って
殺されるかだ。現にISは映像公開前に後藤さんの妻に
(身代金を求める)連絡をとっていた。政府が金を払って
人質を救出することもできたのではないか。

 ■誘拐保険「1日10万円」 後藤さん、出国前に語る

後藤さんはシリアへ向かう2週間前の昨年10月8日、
TBSの情報番組「ひるおび!」に出演した。現地取材に
基づくISの現状を説明する中で、自らが現地入りする際には
掛け金が1日約10万円の誘拐保険に加入していると話していた。

後藤さんは番組で、ISの収入源の一つである身代金について
「これまでに例のないような途方もない金額が請求されている」と
指摘。「60億円とか、フランスの4人で」と具体例を挙げていた。

さらに、「フランス、ドイツ、ベルギーやオランダ政府は、
払うという基本方針」との見方を披露する一方、
「米国英国は払わない。保険に入っていればカバーしてもらえるが
保険に入っていないと払われない」と保険の存在に言及。
「1日だいたい10万円くらいかかり、掛け捨て。
僕が使っているのは英国の会社」と説明した。

さらに、イスラム過激派に ついて「(米軍などによる)空爆が
始まってから非常にセンシティブ(敏感)になっている。
外国人に対してスパイ容疑をかけてくる」と話し、外国人が
現地に 入るリスクが高まっている現状を説いた。
また、「持ち物は徹底的に調べられるし、なぜここに来たのか
という明確な理由が説明できないと、一晩、二晩、三晩 と
拘束されることになる」と語っていた。

 ■<視点>政府の対応、十分だったか

ISによる邦人人質事件で、日本政府はいかなる情報をもとに
どのように対応したのか。この間、朝日新聞は取材班を組み
、国内外で取材を続けてきた。

これまでの取材でわかったのは、自国軍パイロットの解放に
向けてISと交渉を進めていたヨルダン政府に、日本政府が
かなりの部分を頼っていたことだ。また、後藤さんの解放に
つながる可能性もあった身代金をめぐる交渉で政府は直接の関与を
せず、後藤さんの妻が前面に立ってISとの交渉に当たっていた。

相手は卑劣極まりない過激派組織であり、「テロに屈しない」と
する政府の対応そのものを非難することはできない。
ただ、トルコ政府などヨルダン以外の国との連携はどれだけ
探っていたのか。政府による後藤さんの妻ら家族への
関わり方は適切だったのか。

同じような結末を二度と繰り返さぬために、5月中にも
報告書をまとめる政府の検証委員会がどのような答えを
出すのかに、目を凝らしたい。



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posted by salsaseoul at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・政治 経済

「おふくろがそんなこと…」 思わぬ遺言で相続争い

2015年4月26日 朝日新聞


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認知症の人が残した遺言をめぐり、親族間のトラブルが起きている。
決着がつかず裁判で争う人もいる。
父や母の「最後の意思」はどこにあったのか。
「おふくろがそんなことするはずがない」

2007年に亡くなった母の遺言を目にしたときのショックを、
神奈川県の60代男性は忘れられない。息子である男性と妻、
孫と長年暮らした家も、預貯金もすべて、母の妹(おば)に
遺贈する内容だった。

実母を早く亡くした男性は、子どもの頃から実母の姉に
育てられた。授業参観や遠足にも来てくれた。
「私にとっては実の母と同じ」。男性は12年前に、正式に
養子となった。

母とおばは親しく親類づきあいをしていた。とはいえ全財産を
譲るのが母の真意とは――。男性はおばを相手取り、
横浜地裁に訴訟を起こした。
東京高裁は10年7月、母は認知症だったとして
遺言を無効とした。

 判決などによると、遺言作成までの経緯はこうだ。

男性は母と30年間同居し、妻が母を介護した。
母は04年ごろから認知症が疑われる症状が進んだ。
知り合いの顔がわからない。昼夜逆転し、深夜にテレビの
音量を上げる。現金や通帳の管理が難しくなり、
「お金がなくなった」と訴える。
05年3月には認知症と診断されていた。

男性が知らぬ間に遺言が作られたのは、母が数カ月間、
施設に入っていた時。05年12月、当時87歳の母とおばは、
司法書士と一緒に公証役場に行った。
「不動産、預貯金その他一切の財産を○○(おばの名)に
遺贈する」。遺言にはそう明記されている。

だが判決は、母がはっきり述べた内容を遺言にしたからと
いって、息子たちが暮らす家までおばに渡すという重大性を
理解して、遺言を残す能力があっ たとはいえないと
結論づけた。母は遺言時、「(男性夫婦に)財産をやらない」とも
おば側に語っていた。こうした発言も「被害妄想の一つの表れ」と
判断した。

男性は「判断能力が落ちた母が翻弄(ほんろう)された」と憤る。
おば側が引き出した預貯金の返還を求めて別の裁判も
起こした。昨年末、約2千万円の返還命令は出たが、
おば側の経済事情から手元には戻っていない。

■作成時の症状、証拠集めに奔走

遺言時に認知症だったのかどうか、どの程度の症状
だったのか、死後に判断するのは容易ではない。

東京都のケアマネジャーの女性(60代)は、90歳で
亡くなった父の遺言の無効を求め、姉を相手に訴訟を
起こした。遺言には不動産など数千万円相当の遺産を
すべて姉に相続させるとあった。

70歳まで会社勤めを続けた父。
まじめを絵に描いたような人だった。だが女性によると、

晩年は、突然意味不明なことをしゃべったり、街で徘徊
(はいかい)して警察に保護されたりした。遺書を書いた
ときは有料老人ホームに入居していたという。

父が遺言を書けたとは思えず、仕事の合間をぬって
証拠集めに奔走した。まず確認したのは筆跡。父が書いた
銀行の振込用紙などを見つけ、遺言は「本人の筆跡でない」との
鑑定を得た。病院や介護施設にも文書で請求し、
脳のMRI画像や介護記録なども手に入れた。
資料は500枚以上に。筆跡や医師の鑑定に
約100万円かかるなど、収入の多くを費やした。

裁判で「遺言書の存在が不可解」などとする医師の
鑑定書を提出すると、姉側の態度が一転。
昨年12月、姉妹で折半する内容で和解した。
父の死から4年半が過ぎていた。

姉妹は絶縁状態のまま。
「父が元気な間に相続について話しておけば、
こんなことにならなかった」との思いが女性の胸に残る。

     ◇

〈相続と遺言〉 民法の規定では、例えば配偶者と子が
相続人の場合は、遺産の半分を配偶者、残り半分を子が
受け継ぐ。遺言があると、その内容に基づく遺産分割が
優先される。「自筆証書遺言」は全文と日付、氏名を自分で
書き、押印する。死後、家裁で相続人らが立ち会って
確認する「検認」手続きが必要。「公正証書遺言」は
証人2人以上が立ち会い、遺言者の口述を公証人が
文書にする。複数の遺言がある場合は、種類によらず
新しい遺言が優先される。

■健康なうちに協議を

認知症であっても残した遺言がすべて無効になるわけ
ではない。症状が軽い場合や症状に波がある場合などで
遺言能力が認められることがある。遺言内容の複雑さや
結果の重大さなどによっても判断は変わる。

相続に詳しい弁護士らによると、トラブルを防ぐため、
遺言時に心身の状態を医師に診察してもらう例もあるという。

争いを避ける基本は、何より家族の事前の話し合いだ。
「心身が健康なうちに、遺産分割に ついて家族の間で
共通認識をもつことが大事」と小堀球美子弁護士は言う。
遺産の話は、受け取る側からはしにくい。
「盆や正月など家族が集まる時 に親から話をしてみては」
と提案。家族の理解を得たうえで、生前に贈与する方法もある。
(沼田千賀子、坂井浩和、佐藤実千秋)

コメントです。

今日の話題は、故人が生前元気な時は、
家族間であまり話題にしたくない内容ですが、
当然先では避けられないことです。
また、事前にきちんと話をしておいても、
揉めている事例もたくさんあるようです。



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posted by salsaseoul at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

ひとり親への児童扶養手当、「事実婚」確認に基準 厚労省

2015年4月25日 朝日新聞

ひとり親に支給される児童扶養手当について、「事実婚」の状態か
どうか生活実態を確認して判断し、適切に支給するよう求める
通知を厚生労働省が各都道府県に出した。
シェアハウスに住んでいる場合など、自治体が判断に迷う
ケースが増えているためで、判断の具体例も示した。

児童扶養手当は一定の所得以下のひとり親や養育者に対し、
子ども1人の場合は最大で月4万2千円が支給される制度。
2014年3月末時点の受給者数は約107万3千人いる。
ただひとり親が事実婚の状態にある場合は支給されない。

通知を出したきっかけの一つは、東京都国立市の判断だ。
昨年12月、シェアハウスに長女と入居するひとり親の女性に対し、
別の部屋に親族以外の異性が同居していることを理由に
事実婚と見なし、児童扶養手当と都の児童育成手当の支給を
停止した。これに疑問が投げかけられ、国立市は支給を再開。
厚労省は、親族以外の異性との同居などを理由に手当を
支給するか判断に迷った例がなかったかどうか自治体に
調査したところ、約100件あった。

通知では「機械的な判断」はせず、生活実態を確認して判断する
ことを要望。居住形態ごとに事実婚かどうか判断する基準を8例
示した。例えば、シェアハウスでは「個室スペースに施錠が可能」
「光熱水費など生計を異にしている事実がある」場合は支給停止の
対象にならないとした。家の間取りや生活状況などを確認し、
個別に判断してほしいとした。

 (畑山敦子)

 ■事実婚とみなさない主な事例(厚生労働省通知から)

 住まいの形態/事実婚とみなさない条件

     *

異性が入居しているシェアハウスなどにひとり親家庭が住む場合
/入居者がそれぞれ別世帯であると賃貸借契約書で確認できたり、
光熱水費の利用料が案分されていたりする場合

離婚後、元夫は実際には住んでいないが住宅ローンの支払いの
ために住民票を移動していない場合/現地調査や元夫の今の
住居の賃貸借契約書など、同居していないことが確認できる

ひとり親と前夫が部屋は別だが同じマンションに住み、子どもが
定期的に行き来している場合/子どもが行き来するだけなら
事実婚とみなさない。頻繁に訪問しあったり、生活費を
したりしている場合は事実婚とみなす


コメントです。
最近、生活苦のために偽装離婚する方々も
増えていますが、今日の記事に関しても、それなりに
理由があって該当ケースが増えたことにより、
地方自治体も無視できなくなったのでしょうね。

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posted by salsaseoul at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会