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2015年01月29日

原油価格の下落容認は「シェールつぶし」か? ── OPECの原油価格戦略

THE PAGE 2015/1/28

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昨年夏以降、原油の国際価格は急速に下落し、指標となるテキサス産
軽質油(WTI)の価格は、1バレル=40ドル台で推移しています。
これは一時、110ドル近くに達していた昨年6月の水準に比べると
約6割も安くなっています。

シェール革命 vs. OPEC価格戦略

価格下落の原因の一つは、欧州や日本など主要国経済の低迷と、
中国など新興国経済の減速で世界的な原油需要が減少し、
「供給過剰」の状態に陥っているこ とがあげられます。
これに昨年11月下旬のOPEC(石油輸出国機構)総会での
減産見送りが重なり、産油国は価格下落を容認したとして、
原油価格は下落を続けています。

今回の価格下落局面で指摘されているのがアメリカのシェール革命と
OPECの価格戦略との「対決」です。アメリカはシェール革命で原油に
代わるシェール オイルの生産が増え、以前のように中東から大量に
輸入する必要がなくなったためエネルギーの中東依存が減っています。
このため、原油の市場シェアを失うことを恐れたOPECの盟主
・サウジ
アラビアが、1バレルあたり50ドルから80ドルとされる
シェールオイルの
生産コストを下回る水準に原油価格を誘導 し、
採算割れで生産を
成り立たなくさせるという見方です。
いわば「シェールつぶし」です。

市場価格の下落をあえて容認し、OPECの市場支配力を維持すると
いうシナリオと見る向きがあります。

しかしこれは「もろ刃の剣」ともいえます。価格下落で困るのはOPEC
自身でもあるからです。原油価格が下落すれば産油国の石油収入は
減少します。世界最大の産油国サウジのように豊富な外貨準備を持ち、
財政的な体力がある国はまだいいですが、OPECの中でもベネズエラの
ような国は財政基盤が弱く、石油収入が減ると経済を直撃し国民生活
が困窮する事態に陥りかねません。


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シェールつぶしは産油国側にも影響

国によって原油の生産コストは異なりますが、国際通貨基金(IMF)に
よる推計では、主要な産油国が財政を均衡させる原油価格の水準は、
イランが130 ドル前後、サウジが100ドル前後、クウェートで50ドル前後と
試算されています。OPEC加盟国ではありませんが、ロシアは110ドル
前後とみられています。産油国がシェールつぶしを狙っても、低水準の
原油価格が長期間続くと、産油国側にも影響が大きいのです。
ロシアでは通貨ルーブルが急落し、経済の先行きに懸念が生じる
「逆オイルショック」と呼ばれる事態となっています。

OPECは現在、市場価格とアメリカのシェールガス業界の動向を
にらみつつ、産油国にとって望ましい価格水準を研究しているものと
見られます。市場関係 者の間では、原油価格は1バレル=30ドル台
まで下がるとの見方もある一方で、原油価格が上昇に転じる時期は
さほど遠くないとの見方もあります。
原油価格 は当面、底値を探りながら不安定な状況が続く見通しです。

関連記事です。
米シェール企業を原油安が直撃 昨年来、初の経営破綻

原油価格の急落を受け、米国のシェールオイル関連企業が
経営破綻(はたん)した。昨年来の原油安以降、初めての
破綻ケースとされる。このまま原油の値下がりが続けば、
今後も同業の破綻が増える可能性がある。

破綻したのは、米南部テキサス州でシェールオイル・ガス開発を
手がけていた「WBHエナジー」。米メディアによると、4日付で
同州の連邦破産裁判所に、米連邦破産法11条
(日本の民事再生法に相当)を申請した。

負債の総額は最大で5千万ドル(約60億円)。急激な原油価格の
値下がりで、採算がとれず、資金繰りが悪化したとみられる。

原油価格の国際指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は、
昨年7月までは1バレル=100ドル台で推移。だが、その後
下落に転じ、今年に入って1バレル=50ドルの節目を
約5年8カ月ぶりに割り込んだ。

原油安の主な要因は、世界経済の減速による需要減と、
「シェール革命」を背景にした米国での急激な生産の増加だ。
2008年以降、米国の原油生産量は昨年までで8割も増えた。

ただ、地下数千メートルの硬い岩盤から原油の一種である
シェールオイルを取り出すには、コストがかかる。
原油安が広がるなか、米国では石油大手のコノコフィリップスが
今年の設備投資額を2割減らすなど計画の見直しが広がっている。

米調査会社のIHSは昨年11月、今年増産される米国の
シェールオイルの約8割の採算ラインは「1バレル=50〜69ドル」
との予想を出していた。だが今の価格は、その下限も下回っている。
さらに価格が下がれば、多くの企業で採算割れに追い込まれかねない。

WBHもふくめ、シェール開発業者には中小企業が多い。
こうした企業は主に、銀行からの借り入れや社債を発行してお金を
調達し、巨額の投資をしている。シェールの油井は掘り始めてから
数年で枯渇するため、次々と新たな油井を掘り続けないと
採算が取れない。

米シンクタンク、エナジー・ポリシー・フォーラムの
デボラ・ローレンス氏は「投資ファンドの間では、お金を
引きあげる動きもある。破綻が広がるおそれもある」という。

投資計画の見直しが広がるものの、今年の米国の原油生産量は
昨年より増えるとみられている。サウジなども減産に転じる兆しは
見えず、当面は原油安が続く見通しだ。米エネルギー省の
モニツ長官は7日、「今の価格が続けば、設備投資の削減が
さらに増えてくる。状況を注視している」と話した。
(ワシント ン=五十嵐大介、ニューヨーク=畑中徹)

■日本企業、投資を見合わせ

日本の資源開発会社では、シェール開発への投資を見合わせる

ケースも出てきた。石油資源開発(JAPEX)は、カナダ西海岸に
建設予定のシェールガスを液化するプラントへの投資を
延期すると昨年12月に発表した。

液化したシェールガスを19年以降に輸入する計画は変えないが、

カナダ政府の輸出許可が遅れたうえ、原油安で、事業コストの
再検討を迫られた。

同社広報は「現在、投資決定時期を見極めている。油価下落が
続けば、さらにコストの再検討が必要になる」と話す。

そもそも原油安は、シェールに限らず資源開発の多様化を進めようと
する各社に、どこに重点を置くか戦略の見直しを迫っている。

JX日鉱日石開発の三宅俊作社長は全体的な戦略として、
「新規の投資は良い案件を厳選して、採算性の悪いものは始末する
必要も出てくるかもしれない」と話す。

一方で、開発にはチャンスと見る向きもある。7日に開かれた
石油鉱業連盟の賀詞交歓会で、三井石油開発の日高光雄社長は
「資金的に厳しい状況が続くが、海外の企業も苦しい。
良い案件を安く獲得できる好機でもある」と話す。

日本は原油の輸入先の約8割を中東に依存している。
SMBC日興証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「開発会社は
投資を抑制して、守りに入るだろう。エネルギーを獲得するルートを
多様化しようとしてきたが、いったん後退することになる」と話す。


コメントです
ここ数ヶ月で急激に下落した原油価格ですが、
原油の密売で活動資金を調達している武装組織の
資金源枯渇対策かと思っていました。
しかし、そうではないようですね。
posted by salsaseoul at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2015年01月28日

(時時刻刻)仏連続テロ、結束の陰で 「シャルリー批判、テロリスト扱い」


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連続テロ事件に抗議する370万人の大行進で、フランスは世界に
「結束」を示した。その一方で、疎外感を深めているムスリム
(イスラム教徒)たちもいる。ムスリムの若者たちはテロには反対
しながらも、風刺画や社会への反感を心の中にくすぶらせる。

 ■イスラム教徒、疎外感

北アフリカ系移民家庭に育った30代の会社員男性は、仏週刊新聞
「シャルリー・エブド」の襲撃事件の翌日から「違和感」を感じ始めた。

リュックを背負って地下鉄のホームに立っていると、周りの人が自分から
露骨に離れているのが分かる。
そして、遠巻きに不審な目でじろじろ見られる。

男性は肌色や風貌(ふうぼう)から北アフリカ系か中東系だと分かる。
がっちりとした体形で、顔つきも鋭い。これまでもレストランでの接客や
職場など日常生活で小さな差別をいくつも感じてきた。それがいま、
一気にエスカレートしているように肌で感じる。

事件はイスラム教徒全体への反発につながると直感し、すぐに母親に
電話をかけて、こう告げた。
「安全のためしばらくモスクに行かないほうがいい」。
実際、連続テロの発生以降、モスクやイスラム教徒への発砲や放火、
脅しなどが100件以上に上る。

男性は連続テロについて、「暴力に訴える戦いは現実逃避だ」と話す。
一方で、「シャルリー・エブドは全イスラム教徒を侮辱していた。
報復に値するとも思った。絶対に公言しないが、
こう考えるイスラム教徒は少なくない」と複雑な思いも口にした。

フランスではいま、パリ郊外のシャルル・ドゴール空港から街中まで
「私はシャルリー」の文字があふれている。
テロに屈せず、表現の自由を守ろうと、襲撃された「シャルリー・エブド」を
支持する動きは広がり続けている。

パリのシャルリー・エブドの事務所近くには、追悼に訪れる人々が
後を絶たない。
ブルーノ・ローダさん(49)は「『私はシャルリー』というのは、
自分が自由でいたいことを意味する。イスラムだけではなく、
いかなるものでも批判できるのを望むということだ」と話した。

ただ、一色に染まった仏社会に冷めた見方をする人もいる。

パリに住む銀行員アレクサンドルさん(31)は
「風刺画は不快だが死に値する人などいない」とテロを非難しつつ、
「『私はシャルリー』という新宗教ができた」と苦笑いする。

「今、シャルリーを批判すればテロリスト扱い。ユダヤ人批判については
政治的にも社会的にもタブーとされたまま、イスラム教徒への侮辱、
攻撃ばかりが強まっている。建国理念の『自由、平等、博愛』は
『すべての人に対してではない』と説明を付けた方がいい」と皮肉った。
キリスト教家庭に育ったアレクサンドルさんはイスラムに改宗している。

「イスラム憎悪に関する研究所」のアブダラ・ゼクリ所長は「テロリストを
強く非難する。イスラムの名において殺人は許されない」とした上で、
シャルリー・エブドも批判した。「資金援助を受け、イスラムへの挑発を
続けるだろう。一方でユダヤ人には触れない。
今、フランスで『私はシャルリーではない』とは自由に言えない。
二重基準だ。
表現の自由はどこだ」と話した。

 ■移民・失業者…社会に憎悪も

パリ中心部から南に約25キロの町グリニー。
華やかなパリの街並みから一変して、質素な住宅群が並んでいる。

テロ事件で射殺された西アフリカ・マリ系のアムディ・クリバリ容疑者が
育った町だ。クリバリ容疑者は9日、パリでユダヤ系食材の
スーパーマーケットを襲い、人質4人を殺害した。

パリであふれる「私はシャルリー」の標語は消える。
町を歩く人のほとんどがアフリカ系かアラブ系の移民らだった。
立っているだけの人もいる。
同行した運転手は「やつらは麻薬の売人だ」と言った。「
ここの住民は部外者を信用しない。社会そのものを憎んでいる」

フランスで最も貧しい地区の一つで、犯罪が多発する危険な町だという。
公式統計では、グリニーの2011年の失業率は22・3%で
全国平均の2倍以上だ。

クリバリ容疑者と同じ学校に通ったイブライムさん(31)はセネガル系。
「クリバリは子供の頃から警察沙汰を繰り返していた。だが、モスクで
姿を見たこともなく、宗教心は薄かった」と話す。

クリバリ容疑者は刑務所でイスラム教の過激な思想に傾倒していったと
される。イブライムさんは「グリニーがクリバリを刑務所に送り、刑務所が
テロ組織に送った」と話した。

パリの町には、激しい思いに駆られる若者もいた。

仏紙襲撃があった今月7日、ニュースを見たパリの20代の
店員の男性はすぐに友人たちに携帯電話でメッセージを送った。
「イスラムのライオンが今日、シャルリー・エブド紙を攻撃した。
勇敢な行為だ」と書いた。

アジア系の父親とフランス人の母親を持ち、パリ近郊の移民が
多い地区で育った。「職がない周りの友人の多くが『聖戦(ジハード)』に
行きたいと思っている」と話した。

米軍のアフガニスタン戦争を機に、不正義を感じるようになり、世界の
紛争を勉強するようになったという。
「自分はアフガニスタンで戦いたい」と話した。

男性を踏みとどまらせているのは、家族とのつながり、
そして仕事のやりがいだ。
「仕事と両親のことを考えると今は動かない」と心情を吐露した。
(パリ=杉山正)


関連記事です。
フランスの言論の自由はダブルスタンダードか?
コメディアンら逮捕めぐり批判も


パリの風刺新聞社『シャルリー・エブド』などが襲撃された
フランスの連続テロ事件に関連して、フランス司法当局は14日、
テロ行為を賞賛する言動を したなどの理由で、事件後に54人を
逮捕したと発表した。『シャルリー・エブド』のイスラム風刺が
支持される一方で、こうした取り締まりが行われていることに対し、
フランス国内では、「言論の自由のダブルスタンダードだ」などと
する批判的な意見も出ているという。

◆人気コメディアンも逮捕
英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)によると、フランス司法当局は先週の
テロ攻撃後、ヘイトスピーチを行ったり、テロ行為を賞賛した者に対する
取り締 まりを強化するよう検察に新たに命じ、それによって54人が
逮捕されたと発表した。
その中には、人気コメディアンのデュドネ・ムバラ・ムバラ氏のほか、
未成年や「酔った弾みで口が滑った」者まで含まれているという。

デュドネ氏は、最初に攻撃された『シャルリー・エブド』と、
ユダヤ食品店を襲って4人を射殺したアメディ・クリバリ容疑者の
名前をもじり、「俺は 今、シャルリー・クリバリな気分だ」と
Facebookに投稿。
これが当局によって、「反ユダヤ主義的」なヘイトスピーチであり、
テロ行為を賞賛したと受け止められた。ちなみに、
「シャルリー・クリバリ」のフレーズは、全仏で行われている
『シャルリー・エブド』の犠牲者を悼む集会などで掲げられる合言葉、
「私はシャルリー(Je suis Charlie)」のパロディでもあるようだ。

デュドネ氏は若者を中心に人気を集めるアフリカ系フランス人の
コメディアンで、きわどい政治ネタを得意としている。
特に「反ユダヤ的」なネタが多く、過去にも何度か今回と同様の
逮捕歴があるという(FT)。

◆「風刺」と「差別」は違う
一方、『シャルリー・エブド』は、襲撃後の最新号でもイスラム教の
予言者ムハンマドの風刺画を掲載し、テロに屈しない姿勢を示した。
ワシントン・ポスト紙(WP)は、この最新号が爆発的に
売れたことにより、「言論の自由のシンボルとなった」と記している。

しかし、『シャルリー・エブド』の風刺が賞賛され、デュドネ氏の
“ジョーク”が逮捕容疑となることについて、フランス国内では
「ダブルスタンダー ドだ」という批判も出ているという。
FTはその例として、夕刊紙『ル・モンド』の社説や著名作家の
ブログの書き込みを挙げている。

こうした批判に対し、言論の自由の問題に詳しいフランスの
法律家は、FTで「シャルリー・エブドは、フランス社会全体の
様々な対象に向けた風刺だ。
一方、デュドネの発言は、差別主義的な思想がベースになった
過度に政治的なものだ」とコメントしている。

また、ヴァルス首相は国会で「(風刺という)生意気で図々しい
態度を取る自由と、反ユダヤ主義、人種差別主義、テロ行為の
賞賛とホロコーストの否 定には根本的な違いがある。
後者はいずれも法が厳格に罰するべき攻撃的な行為であり、
犯罪である」と述べた(WP)。
デュドネ氏は2003年に、「ユダヤ 人ジャーナリスト」と「ガス室」を
結びつけたギャグを披露し、逮捕されたという前科がある(FT)。

◆イスラム系コメディエンヌは「テロに迷惑している」
同じフランス人コメディアンの発言でも、広い支持を集めている
ケースも報じられている。アラブ系放送局『アルジャジーラ』が
紹介するチュニジア系のコメ ディエンヌ、サミア・オロセマンさんは、
自身がイスラム教徒でありながら、
YouTubeに投稿した動画を通じてテロ行為を批判している。

彼女は動画で、「イスラム原理主義者」や「ジハード主義者」を
「間違った事に関与する頭のイカれた連中」と批判。
「(テロのせいで)私たち(ムス リム)がヨーロッパで暮らすことが
難しくなってきている。それに(大多数のムスリムが)疲れきっている
ことは分かっているよね?
だから、もう他の宗教を選 んでほしい」と発言。
この動画は、昨年10月にカナダで起きたイスラムテロ事件を
受けて作成し、今回再投稿したものだが、パリの事件後だけで
10万近いアクセスがあったという。オロセマンさんの訴えは、
テロ行為も辞さないという狂信的なイスラム教徒はごく一部で、
「その他大勢は迷惑している」という、ヨー ロッパのイスラム社会の
声を代弁していると好意的に受け取れられているようだ。

また、彼女は『シャルリー・エブド』については「好きだったことは
一度もない」とアルジャジーラに答えている。14日の新作動画では、
同紙の最新号の表紙を飾った予言者ムハンマドの風刺画に
ついて、次のように呼びかけている。

「今日、『シャルリー・エブド』は
『マホメット(Mahomet=フランス語表記)』の風刺画を
発表しました。マホメットって誰?私たちの予言者の名前は
確か『ムハンマド(Muhammad)』だよね。『ムハンマド』は
“崇拝される者”という意味。『マホメット』はその反対。
だから、過剰反応せず に無視しましょう」



コメントです
フランスの連続テロ後、被害者団体への批判が
タブーに成りつつある記事を掲載しました。
これではまるで、
「王様の耳はロバの耳」 ですね。



posted by salsaseoul at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2015年01月17日

ペットに遺産のこしたい 飼い主高齢化、孤独死したら…

朝日新聞 2015年1月13日

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飼い主の高齢化を背景に、行き場を失うペットが増えている。
東京都動物愛護相談センターが飼い主から引き取る犬と猫の4割が、
飼い主の死亡や入院が理由だ。飼い主が自分亡きあとのペットの
飼育費管理を信託銀行等に任せる「信託」の仕組みが注目されている。

 ■300万円、世話を「信託」

奈良県の自営業の女性(60)は昨年11月、4歳の飼い猫モモのため、
NPO「ペットライフネット」(大阪府)を介して信託会社と契約した。
獣医師の診断などからモモの余命を12年とし、手数料を含め
計約300万円を信託会社などに払った。何事もなければ毎年、
預託金の一部が返還される。
離婚し、子どもはいない。
親族は2人の弟だけ。仕事から帰宅して、すり寄ってくる猫に
話しかけると生きがいを感じる。

ぜんそくの持病があり、自分にもしものことがあったらと不安になる。
「猫は子どもと同じかそれ以上。とても弟には任せられない。
安くはないけれ ど、親の義務を果たした感じです」。NPOの
吉本由美子代表は「一人暮らしの高齢者にとってペットは生涯の
伴侶とも言える存在」と話す。

相続専門の司法書士、河合星児さんによると、孤独死への関心が
高まった3年ほど前から、ペット関連の相談が増えているという。
そこで注目を集めているのが、奈良の女性のようにNPOや
企業の仲介で信託銀行や信託会社に将来の飼育費の管理を
任せる「信託」の制度だ。ペットの平均寿命までのエサ代などを
支払い、飼い主が死亡や入院した場合、愛犬家や獣医師が
世話をする。ペットの余命1年あたり数十万円準備する必要がある。

ペット保険を手がける「日本ペットオーナーズクラブ」(東京都)も、
原則として獣医師に世話を委託する信託サービスを今春始める
予定だ。野川亮輔社長は「ペットの信託サービスへのニーズが
高まっている。今後数年で3万〜4万人の会員を集めたい」と話す。

ほかに、飼い主亡きあとのペット対策としては、動物を財産と
見なし、世話を条件に相続する「負担付き遺贈」などの方法もある。
だが司法書士の河合さんは「信頼できる親族らがいる人しか使えず
広がっていない」と話す。

内閣府の2010年調査では、ペットを飼っている60代は36・4%、
70代以上は24・1%に上る。

ペットの寿命はペットフードの改良などで延び、ペットフード協会の
14年度調査では、犬の平均寿命は14・17歳、猫は14・82歳。
また、犬や猫を飼う意思があるのに飼えない理由を年代別に聞くと、
70代では「最後まで世話をする自信がないから」が約3割で
一番多かった。
東京都獣医師会の村中志朗会長は、涙を浮かべて
ペットを飼うのを諦める高齢の飼い主を何人も見てきた。「高齢者が
心身ともに健康に過ごすためにも、安心してペットを飼える仕組みを
社会全体で考える時期にきている」と話す。

 (小寺陽一郎)

 ■遺品整理、押し入れからやせ細った猫

飼い主の死亡で取り残されるペットが増えている。

東京都の遺品整理業者「ガーディアン」の高橋満さん(42)は
昨年9月、神奈川県の団地の一室に入った。60歳前後の
男性が布団の上で死後約4カ月たって見つかった孤独死。
作業を始めると、別の部屋の押し入れから5、6匹の猫が
出てきた。風呂場の浴槽にわずかに水がたまるだけ。体が大きい
1匹以外はやせ細り、ケンカをしたのか体には血が付いていた。

高橋さんは「首輪がゆるゆるになった犬など、遺品整理の現場で
ペットを見つけるのは珍しくない。可愛がっていたんだろうなあと、
故人の生前を思い浮かべながら作業します」と話す。
「遺品整理士認定協会」(北海道)によると、孤独死や入院など
高齢者関連の依頼の2〜3割にペットが関わっているという。

環境省によると12年度に全国の動物愛護センターなどに引き取られた

犬と猫は約20万9千匹。引き取り条件を厳しくするなどして10年間で
殺処分数は6割減ったものの、同年度は約16万1千匹が処分された。

東京都動物愛護相 談センターが12年度に飼い主から引き取った
327件(550匹)のうち、飼い主の死亡(22%)や入院など(18%)の
理由が4割を占めた。センターの 担当者は「飼い主の高齢化を理由に
した引き取り件数は今後も増え続けるだろう」。
自分が世話できなくなったあとの準備の必要性を訴えるパンフレットを
つく ることを検討しているという。


コメントです

以前、親族間の交流の無さを理由に、財産をペットに相続させる
記事を読んだことがありますが、今日の記事は、一人ぐらしの
飼い主が自分の死後にペットの世話を心配して、財産を委託する
ことでその問題を解決する内容です。




posted by salsaseoul at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2015年01月15日

自動車学校に賠償命令 仙台地裁「津波予測できた」 教習生ら遺族へ計19億円

朝日新聞 2015年1月13日

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東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県山元町の常磐(じょうばん)
山元自動車学校の教習生25人と従業員1人の遺族が、学校側に
計約19億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、
仙台地裁であった。高宮健二裁判長は「学校は津波を予測できたのに
避難させる義務を怠った」として計約19億1千万円の支払いを命じた。

津波被害をめぐる訴訟で、管理者側の賠償責任が認められたのは、
宮城県石巻市の日和幼稚園で送迎バスに乗った園児が亡くなった
訴訟に続いて2件目。死亡した従業員への賠償命令は初めてとなる。

訴えていたのは18〜19歳だった教習生25人の遺族46人と、
アルバイト従業員の女性(当時27)の遺族2人。

訴訟では、学校側が津波を予測できたかが最大の争点になった。
学校側は「予測できなかった」と主張したが、判決は、消防車に
よる津波警報の発令と避難の呼びかけを「学校の職員らが聞いて

いたと推認される」とし、遅くともその時点で学校は津波の
襲来を予測できたと認定した。

そのうえで、教習生や従業員を守る義務がある学校が、速やかに
町の指定避難場所などに避難させたり、安全なルートで送り
届けたりすることを怠った、と指摘した。

学校側は「教習生は自ら避難することができた」とも主張して
いたが、「現場の地理に通じていない教習生は多く、送迎車
以外の手段で避難することはできなかった」と退けた。

判決によると、2011年3月11日午後2時46分の地震発生後、
学校は教習生に校舎外へ出るよう指示。その後、教習打ち切りを
決め、午後3時 40分ごろから送迎車で帰宅させたが、津波に
巻き込まれた5台のうち4台に乗っていた23人が死亡した。
教官の判断で路上教習から学校に戻り、徒歩で帰宅中だった
2人も亡くなった。従業員は校舎内で片付け作業をし、
津波にのまれた。  
(桑原紀彦)

 ■「喜んでいるはず」

あの日、何があったのか。真相を知りたいと提訴してから
約3年3カ月。元教習生の遺族らは13日午前10時過ぎ、
弁護士を先頭に、判決が言い渡される仙台地裁へと入った。

遺族会代表の寺島浩文さん(52)=福島県新地町=は、教習生
だった長男の佳祐さん(当時19)を失った。

「早く避難させていれば助かったはず」。自動車学校に対する
そんな思いから、原告の一人となった。

口を真一文字にして判決を聞いていた寺島さんは、法廷から出る
直前にようやく笑みをみせた。「原告団が団結して頑張っている姿を
見て、子どもたちも喜んでいるのでは」と話した。

アルバイト従業員だった大久保真希さん(当時27)の父、
三夫さん(62)は妻の恵子さん(57)と判決を聞いた。
訴えが認められたことを弁護士に確認すると、恵子さんは
三夫さんの左腕をつかみ、「よかったね」と声を絞り出し、涙を流した。

真希さんの遺影を手に会見した三夫さんは「娘には、いい判決を
いただいたと報告したい」と話した。学校側には「従業員や周囲の
人の命を第一に考えて、帰れという判断を下してほしかった」と
改めて訴えた。

 (辻隆徳、竹井周平)


コメントです

東日本大震災の訴訟関連記事です。



posted by salsaseoul at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 東日本大震災

2015年01月13日

(時時刻刻)連帯、宗教の壁越えて 犠牲の警官や避難誘導の店員もイスラム教徒 仏テロ

2015年1月12日 朝日新聞

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イスラム過激派のテロに揺れたフランスの首都パリに11日、
連帯を掲げて各国首脳らと多くの市民が集まった。
仏社会では、言論の自由を守って凶弾に倒れた警官や、
ユダヤ系食材スーパーで客を助けた店員もイスラム教徒
だったことに、注目が集まっている。
テロの憎悪と暴力を乗り越えることはできるのか



12人が殺害され、連続テロの最初となった仏週刊紙
「シャルリー・エブド」への襲撃事件で、容疑者が逃走しようとした際に
射殺された警察官、アフメド・メラベさん(40)を、言論の自由を
守った英雄として称賛する声が広がっている。

勤務していたパリ11区の警察署前では、献花に訪れる人が
後を絶たない。週刊紙への連帯を表明するスローガン
「私はシャルリー」に対比させ、ツイッターなどで
「私はアフメド」と掲げる人も相次いでいる。

メラベさんは移民も多いパリ郊外セーヌサンドニ地区の生まれ。
新聞社を襲撃した容疑者兄弟と同じ、アルジェリア系 移民の
家庭の出身で、敬虔(けいけん)なイスラム教徒だった。
転職して警察官の試験に合格し、8年前から働き始めた。
同僚のリュック・ポワニオンさん (51)は朝日新聞の取材に
「問題が起きると、『同僚を放ってはおけない』とすぐに動いていた。
いつも自分より人のことを考える愛にあふれた人だった」と 惜しんだ。

メディアの要望に応じて10日に会見した弟のアブデルさんは
「兄が、自由、平等、博愛という価値を守ってくれたことを誇りに
思う。イスラム教徒と過激主義者は違う。どうか差別やイスラム
嫌悪に向かわないで欲しい」と訴えた。

一方、パリ東部のユダヤ系食材スーパーで9日、アムディ・クリバリ
容疑者(32)が人質をとり立てこもった事件では、クリバリ容疑者と
同じ西アフリカ・マリにルーツを持つイスラム教徒の男性店員、
ラッサーナ・バティリさん(24)の行動が脚光を浴びた。

仏メディアによると、9日昼すぎ、買い物客でにぎわうスーパーに
重武装したクリバリ容疑者が押し入った際、バティリさんは銃撃を
逃れ地下に駆け下りてきた客たちを、機転を利かせ、身を隠せる
食品保存用の冷蔵室へと誘導した。

冷蔵庫の電源を落とし、小さな子も含む数人に、
「物音を立てないように」と指示。自身は容疑者に見つからないように
業務用エレベーターで店外に逃れてから、警察に客たちの
隠れ場所を伝えたとされる。

突入作戦で容疑者が射殺され救出された客たちは、バティリさんへの
感謝を口にしたという。

過激派組織「イスラム国」のメンバーを自称したクリバリ容疑者の
方は、立てこもり中に応じた仏テレビの電話インタビューでも、
スーパーを狙った理由を「ユダヤ人がイスラムの領土を
抑圧するからだ」と敵意を隠さなかった。

10日夜、仏テレビに出演したバティリさんは語った。
「私たちはみんな兄弟だ。ユダヤ教徒かキリスト教徒か
イスラム教徒かは問題じゃない。
私たちは、この危機を助け合って乗り越えなくてはいけない」

クリバリ容疑者の母親と姉妹も10日、AFP通信に声明を送り、
テロ行為を非難。「私たちは過激な思想を全く共有していません。
このような憎むべき行為と、イスラム教が混同されないように
願っています」と強調した。(パリ=吉田美智子)

 ■仏独、一方で嫌がらせも

連帯の機運の高まりをよそに、7日の新聞社襲撃事件後も、
フランス各地でイスラム教徒への嫌がらせや攻撃が相次いで
いるという現実もある。

AFP通信によると、フランス各 地で事件後、モスクに向けた発砲や
放火など少なくとも14件が確認された。東部エクスレバンでは、
8日夜から9日にかけて礼拝所が放火された。
南部コルシカ島でも9日朝、礼拝所の扉に、切り落とした豚の頭部や
内臓がつるされているのが見つかった。
イスラム教は豚肉食を禁じており、豚は宗教的タブーの象徴だ。

フランスのNGO「全仏・反イスラム憎悪協会」が把握した、
事件後のこうした行為はさらに多く、10日までの3日間に
33件が報告されているという。

一方、フランスと並ぶ水準のイスラム教人口をかかえるドイツでも、
憎悪はくすぶり続けている。

北部ハンブルクでは11日未明、シャルリー・エブドの風刺画を
転載した大衆紙「ハンブルガー・モルゲンポスト」社屋への放火事件が
起きた。事件の背景は解明されていないが、同社の記者は朝日新聞の
電話取材に、硬い口調で「今は何も答えられない」と答えた。

ドイツ東部ドレスデンでは10日、昨秋以降反イスラムデモを続けて
きた団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人」
(通称ペギーダ)に抗議する人々が、「仏襲 撃事件犠牲者を追悼する」
との名目で集会を開催。主催者側によると、約3万5千人が参加した。
一方、ペギータは12日も大規模「反イスラム」デモを予定しているという。
(パリ=渡辺志帆、ベルリン=玉川透)

 ■「屈しない」パリに集う

大行進の起点、パリ中心部の共和国広場は11日午後、人々で
埋め尽くされた。列の末尾側でも広場から500メートル以上
離れた地点まで群衆が詰めかけた。
午後3時(日本時間午後11時)過ぎ、人の波が動き出した。
「フランス万歳」「自由、自由」「連帯を」。拍手が続いた。

会社員アナタシャ・ペニャさん(36)は、「私は婚約者がユダヤ人。
容疑者がユダヤ人を狙ったので、彼には、多くの人が集まるところに
は行けないと言われた。でも、いま一番大事なのは連帯。
私が婚約者の分も行進し、その気持ちを伝えたい」と話した。

一方、パリ郊外に住むイスラム教徒というドルカス・マキーヤさん(24)は
「テロは必ず、市民の力に負ける。イスラム教徒として、フランスで
生きるのが難しいと感じることもあるが、自分から共存していく
工夫もし、少しずつ良くなっていると感じている」と強調した。
「この事件で、イスラム差別が強まることも決してない。
そのためにこの行進に参加する」(パリ=高久潤)


コメントです。
最悪の結果に終わったフランスのイスラム過激派
テロ事件ですが、現地の人たちが、この事件と
その後をポジティブに向き合っていこうとする姿勢に
ついての記事を転載しました





posted by salsaseoul at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2015年01月10日

トヨタ、特許開放戦略 燃料電池車、他社の参入促す


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トヨタ自動車が、世界で初めて市販を始めた燃料電池車(FCV)に
かかわる特許を、無償で開放する。巨額の費用がかかることから
FCVの開発に二の足を踏むライバル社などに、参入を促す狙いだ。
「独り占め」するより、市場を広げることを優先する。

「水素社会は、いろいろな会社が参加してくれないとできない」。
豊田章男社長は6日、こう説明した。

燃料の水素と空気中の酸素を化学反応させて電気をつくる
基幹部品「スタック」関連の約1970件を始め、計5680件の
特許をすべて対象にする。過去にはハイブリッド車(HV)の技術を、
マツダや富士重工業などに提供していたがいずれも有償だった。

巨額を投じた「虎の子」の技術を無償で出すことには、社内でも特に
技術部門から「反対意見が強かった」(幹部)という。

だが、FCVの普及には、政府やエネルギー業界の支援が欠かせない。
決断を促したのは、「オンリーワン」の技術のままではいつまでたっても
広がらないという危機感だった。

水素ステーション関連の約70件の特許は無期限で無償提供するが、
その他ほとんどの特許を無償で提供する期限は、FCVの本格的な
販売が始まる2020年末までに区切った。「その頃までに新しいFCVの
技術開発し、今回出す特許を陳腐化させてみせる」(幹部)と意気込む。

燃料電池車は、ホンダが15年度中に発売すると発表している。
開発を進める日産自動車の志賀俊之副会長は、豊田社長への
賛辞を惜しまなかった。
本人にも直接「すばらしい英断だ」と話しかけたという。

別メーカーの幹部は「特許を使っていきなり車は作れないが、ある程度
開発が進んでいれば、実現へのヒントが見つかるかもしれない」と話す。

 ■IT・電機業界、先行

自動車関連では、米国の電気自動車(EV)ベンチャーの
テスラ・モーターズが昨年6月、EVに関するすべての特許に
ついて、他社が使うのを認める方針を打ち出した。

これまで自動車業界では、特許を他社にも使わせることは
珍しかった。

一方でIT(情報技術)や電機業界では、すでに一般的な手法に
なっている。例えば、グーグルが開発した基本ソフト(OS)
「アンドロイド」がよく知られている。半導体メーカーや
通信会社などが参加する企業連合を通じて無償公開されている。
新しいソフトウェアやサービスが開発されることで、OSの
価値自体も高める狙いだ。

特許は、日本では特許庁が審査し、認められると最長20年間は、
他社が勝手に使うことができなくなる。他社が特許を使う場合、
ライセンス料を受け取り、もうけを出すこともできる。

ただ、特許を取れば技術情報は公開されるので、あえて特許を
取らないケースもある。新日鉄住金は、新しい技術を取り込んだ
「方向性電磁鋼板」の製造方法について、特許を取らなかった。
法規制の緩い新興国などで、模倣されるのを防ぐ狙いからだった。

 ■企業は知的財産をどう活用しているか

 <特許を公開し「標準化」目指す>

 【主な利点】 参入企業が増え、市場が拡大。製造コスト減

 【具体例】 トヨタ自動車が燃料電池車の特許を無償公開
  テスラ・モーターズが電気自動車の特許を無償公開

 <特許権として保護>

 【主な利点】 自社のシェアやライセンス収入拡大

 【具体例】 TOTOが光触媒技術でライセンス収入増

 <特許権を取らずに「企業秘密」に>

 【主な利点】 規制の緩い国でも模倣されにくい

 【具体例】 新日鉄住金の「方向性電磁鋼板」の製造方法


コメントです。
メガ企業が、機軸となる収益源をきちんと確保し、
含み資産も有り余るほど抱えて、そして社会貢献の
一環として自社保有の特許を無償公開して市場の
拡大を促す。
もちろん、そこに至るまで、長い年月と多くの社員及び
関係者の努力の積み重ねで今回の無償公開が実現
したのでしょう。
将来、それがどのような展開になるかは想像もつきませんが、
産業界の一事例として掲載します。



posted by salsaseoul at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・政治 経済