テレビ、ドレス…高額品使って返品
朝日新聞 2014年2月18日

米量販店の「返品専門カウンター」。米国の小売店では絶えず返品を
待つ客の長い行列ができている=ニューヨーク州、畑中徹撮影
米国の百貨店や家電量販など小売業界が、悪質な返品と戦っている。
返品を装った詐欺による2013年の損失額は約90億ドル
(約9200億円)。各小売りがとりわけ対応に苦慮しているのが、
高額な宝飾品や衣服を買って短期間だけ使って返品し払い戻しを
店側に求める「ワードロービング」と呼ばれる行為だ。
国の消費者の間では、商品に不具合がなくても、買った商品が
気に入らなければ返品するのは日常的な行為。
各小売店も日本の小売店より、かなり簡単に返品を受け付ける。
一方で、そこにつけ込む返品詐欺も多い。
全米小売業協会(NRF)が昨年末実施した小売り大手62社の
幹部へのアンケートでは、「盗難品の返品」は95%が経験し、
偽造レシートによる返品も29%が経験したと回答した。
中でも小売業各社を悩ませるのが高額商品のワードロービング。
「値が張るクリスマスツリーを短期間使って返品する」
「大画面テレビを買いアメフトのスーパーボウルを見てから返品」
「パーティー用高額なドレス宝飾品を買い着終わってから返品」
「結婚式の撮影後、ビデオカメラを返品」といった悪質なケースが
多く報告されている。
NRFの62社へのアンケートでは62%がワードロービングを
経験したと答えた。犯罪ではないが、詐欺ともいえる手口だ。
米高級百貨店ブルーミングデールズは、ドレスなど高額な衣服の
目立つ部分に特殊なタグを付け、それを外すと返品不可と決めた。
自宅でサイズのチェックはできるが、外に着ていくことは
できないため、ワードロービング防止に役立つとみている。
小売り最大手のウォルマート・ストアーズでは、家電は
通常90日間の返品期間だが、値段が高いパソコンなどは
15日程度と短く設定。各社とも知恵を絞っている。しかし、
「気に入らなければ気軽に返品」の習慣が根付いた
米国では返品規定を厳しくしすぎると顧客が離れかねない。
「小売業界全体が苦戦するなか、売り上げの減少につながる
方策はとりにくい」(アナリスト)とみられている。
◆キーワード
<ワードロービング> 高額な衣類や家電製品を購入して
短期間だけ使い、欠陥などがないのに、返品期限が切れる
直前に店側に返却し、お金の払い戻しを受ける行為。
店の衣類などを家庭の洋服ダンス(ワードローブ)の中に
あるもののように使うことから名付けられた。
コメントです。
米国の消費者意識と、そのバックグラウンドにある
文化の違いについての話題です。
ところで、ここ十数年、テレビやネット媒介による
通信販売が日本でもすっかり定着した感じが
ありますが、時折、過剰な返品・交換サービスの
提示を目にすることがあります。
ところが、それでもビジネスが成り立っているのは、
やはり日本人の行儀良さが前提であって、逆に言えば、
他の国ではこのような行き過ぎたサービスはビジネス
としては成り立たないのかもしれませんね。
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