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2014年01月13日

エジプト、軍靴の響き 憲法改正案、14日に国民投票 民間人を裁く権限明示

エジプト、軍靴の響き 憲法改正案
14日に国民投票 民間人を裁く権限明示

朝日新聞 2014年1月13日

昨年7月の軍クーデターでイスラム系政権が倒されたエジプトで
14日、憲法改正案の賛否を問う国民投票が行われる。軍主導の
暫定政権下で審議された改正案は、女性の権利などを新たに
盛り込む一方、民間人を軍事法廷で裁く規定など軍の権限を
明示し、憲法で裏づけた。軍総司令官のシーシ国防相兼副首相の
大統領就任に向けた布石との見方も出ている。

エジプトでは突然、身に覚えのない罪で軍事法廷にかけられる
ケースが後を絶たない。カイロでコンピューター修理会社を
営んできたシェリーフ・ホサリさん(34)もその一人だ。

発端は不動産を巡る義父とのトラブル。売却したアパートの
代金を義父が払わないため、民事訴訟になり、裁判所が義父に
代金の支払いを命じた。だが、義父は元軍人だった。

数カ月後の2012年秋、ホサリさんが出社すると、ドアが壊され
何者かが侵入した跡があった。だが、盗まれた物はなかった。
数日後、私服姿の男たちが現れ、パソコンを押収し、治安当局で
事情聴取すると通告。目隠しされたホサリさんが連れて
行かれた先は、軍施設だった。

そこで、「顧客の兵士の機密を漏らしている」として、義父に
告発されたと知らされた。尋問官は「携帯電話を3カ月間監視した」と
明かし、押収したパソコンから「士官学校の教材のファイルが
見つかった」と告げた。だが、ホサリさんには全く身に覚えがない。

1カ月半、勾留施設を転々とし、尋問は夜明けから晩まで続いた。
その途中で開かれた軍事法廷は非公開で、弁護士もつかず、
上訴もできない。家族がメディアに訴えて騒ぎになったためか、
最終的に懲役1年の執行猶予付き判決が言い渡された。
だが、信用を失ったホサリさんは廃業せざるを得なかった。
「証拠のファイルは、今まで見せられていない。この国では
武器を持つ者が力を持つ」

エジプト革命後の12年に採択された憲法は、市民が軍事
法廷
にかけられる罪を漠然と規定。軍主導の暫定政権に
よる今回の改正案では、細かく規定された。憲法起草委員会の
アムル・ムーサ委員長は「軍に対する犯罪が、軍施設や
軍人への攻撃などに限定された」と胸を張る。

だが、在カイロの人権団体のイスハク・イブラヒムさん(37)は
軍事法廷は不透明で、情報は外に出ない。改正案は犯罪の
対象を限定したように見えるが、軍の意向でいかようにも
解釈できる」と懸念する。

同国ではこれまで、様々な分野に軍が広く力を及ぼしてきた。
13年の調査では、11年以降少なくとも約1万2千人の市民が
軍事法廷
にかけられたとの結果が出たが、実数ははるかに
多いとされている。

■国防相、大統領選に意欲 ムルシ氏排除主導、同胞団は反発

憲法改正案が国民投票で承認されれば、数カ月後には
大統領選や議会選が行われる見通しだ。現在、大統領選で
唯一の有力候補に取りざたされているのが軍トップのシーシ氏だ。

「もし私が大統領選に出馬するとしたら、それは国民の求めと
軍からの委任による」。シーシ氏は11日、カイロで開かれた
軍主催の集会で出馬への意欲をのぞかせた。
エジプトの政府系メディアが伝えた。

シーシ氏は、クーデターでムルシ前大統領を排除した中心人物。
しかし表向きは、国民がムルシ氏の出身母体であるイスラム組織
ムスリム同胞団を政権から追い出すのに協力したとの立場だ。
「脇役」を演じてきた背景には、11年のエジプト革命直後、軍が
政権運営の表に立ち、反軍政デモを招いたとの反省がある。

だが、昨年8月に900人以上が死亡したデモの強制排除を
皮切りに、デモ規制法の導入、政権に批判的な記者や活動家の
拘束、同胞団のテロ組織指定と、軍主導の暫定政権による
強権的な動きは続いている。

これに対し、反発を強める同胞団は国民投票がある14、15日に
「投票拒否」のデモを呼びかけている。

国民が憲法改正案に賛成すれば、軍は自らが描く民政移行の
筋書きが承認され、軍の権力に「お墨付き」が与えられたと判断。
エジプト革命前まで続いた軍を柱とする体制の復権を進める
可能性がある。(カイロ=山尾有紀恵、金井和之)

キーワード

エジプト革命と政治的混乱> 中東の民主化運動アラブの春」に
呼応した反政権デモの激化で、2011年2月にムバラク独裁政権が
崩壊。初の民主的な選挙を経て、イスラム組織「ムスリム同胞団
出身のムルシ氏が大統領に就任した。国民投票で憲法が採択
されたが、今度は反ムルシ派のデモが相次ぎ、13年7月に軍部が
クーデターでムルシ氏を排除、拘束した。憲法は停止され、
軍主導の暫定政権が発足した。

■エジプトの現憲法と憲法改正案の主な内容
軍事法廷

<2012年改正憲法>市民は軍を害する犯罪を除いて
軍事法廷で裁かれない

<新憲法改正案>市民は軍の建物、基地、施設、国境地帯、
装備、武器、兵器、文書、軍事機密、工場、資産への攻撃の罪、
および軍での奉仕に関連する罪や軍職員への攻撃の罪を
除いては軍事法廷で裁かれない

【男女の平等】
<2012年改正憲法>なし

<新憲法改正案>政治、経済、社会、文化面などすべての
権利の男女平等。国はあらゆる暴力から女性を保護

表現の自由

<2012年改正憲法>すべてのメディアの出版の自由。
検閲の禁止

<新憲法改正案>エジプトメディアの検閲、没収の禁止。
暴力の扇動、差別、冒瀆(ぼうとく)は法により罰せられる

【教育】

<2012年改正憲法>国によりすべての国民に保障される
権利と義務

<新憲法改正案>義務教育は高校まで。GDPの4%以上を
教育に割り当て

【議会選挙】
<2012年改正憲法>議会は350人以上で構成

<新憲法改正案>議会は450人以上で構成。大
統領は議員の5%を指名




コメントです。
エジプトの憲法改正についての話題です。
どこの国も、軍部が力を持っていると
ろくなことがないですね。
国が混乱しているときは統治しやすい
でしょうけど、一旦国内が落ち着いても、
せっかくつかんだ権力はそんなに簡単に
手放しませんから。

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posted by salsaseoul at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東