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2013年10月12日

水銀規制の「水俣条約」採択、途上国の体制作りに課題

水銀規制の「水俣条約」採択、途上国の体制作りに課題
日本経済新聞 2013/10/11

水俣病の原因となった水銀の使用を国際的に規制する
「水銀に関する水俣条約」が10日、熊本市で開催中の
外交会議で採択された。参加141カ国・地域のうち、
議長国の日本や最大の排出国の中国を含む87カ国・地域が
条約に署名した。水銀の被害根絶に向けた第一歩だが、
国連がめざす2016年の条約発効には、途上国での
法整備など早期の体制づくりが課題となる。

会議を主催する国連環境計画(UNEP)のシュタイナー

事務局長は会議後の記者会見で、「水俣条約が国際的な
協力につながるはずだ」と述べた。条約に署名した
岸田文雄外相も「各国の実情に応じた日本ならではの
支援をする」と強調。政府開発援助(ODA)や国際協力
機構(JICA)での人材育成などを通じて途上国の
汚染対策を支援する考えだ。

水銀による健康被害や環境汚染は途上国で深刻だ。

UNEPによれば、大気に排出された水銀は10年に
1960トンにのぼり、アジアが49%、アフリカが17%、
中南米が15%を占める。

条約の批准に向けて各国の体制強化が必要だが課題も
多い。中国ではアセトアルデヒドなどの製造工程の水銀
使用が汚染を引き起こす。条約では大気や水、土壌への
水銀の排出削減を定めたが、削減技術の導入には新たな
費用負担が発生する。

ブラジルやタンザニアなど小規模の金採掘を手がける国では
製錬の水銀による周辺住民への被害が報告されている。

条約は、貧困層の生活を支える金採掘を「禁止」とはせず、
水銀の排出削減に努めるよう求めた。今後は水銀の使用を
減らしながら、金採掘やそれに代わる産業育成にどう取り
組んでいくのかが試される。被害軽減の施策も必要だ。

水俣病を契機に対策が進んだ日本でも、早期批准に向けた
整備が求められている。条約が発効すれば、水銀の輸出に
規制がかかるため、国内で安全に管理しなければならない。
15年度中にも廃棄物処理法施行令を改め、水銀を廃棄物に
指定し、保管や処分の仕組みを整える方針だ。

 
関連記事です。

水銀規制、途上国カギ 汚染の最前線「健康より利益」
水俣条約きょう採択


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世界的な水銀の使用や取引の規制をめざす
「水銀に関する水俣条約」が10日、採択される。
背景には、水銀汚染に歯止めがかからない現状がある。
水俣病を経験した日本では、水銀使用量は減っているが、
海外への輸出は続いており、新たな汚染との関連を疑う声もある。

世界で広がる水銀汚染の中でも、特に問題なのは、発展途上国
などで行われている小規模な金採掘や、石炭など化石燃料の
燃焼による排出だ。石原伸晃環境相は9日、外交会議の
開会式典で「条約の早期発効には、より多くの途上国の参加が
必要。それは途上国の深刻な公害の速やかな軽減にもつながる」と
述べた。
金採掘の現場では、砂金を含んだ泥に水銀を混ぜて
作った合金(アマルガム)を熱し水銀だけ蒸発させて金を精製する。
労働者が水銀の蒸気を吸って中毒になる被害が出ている。

国立水俣病総合研究センター(国水研、熊本県水俣市)によると、
小規模金採掘に従事する人は、少なくとも50カ国で
1千万〜1500万人。特に水銀被害が心配されるのは、
ブラジルのアマゾン川流域、東・東南アジア、西アフリカの3地域。
国水研の元国際・総合研究部長で、アマゾン川流域を20回以上
訪れた赤木洋勝さん(71)は、現地では水銀が体に悪いという
ことがほとんど知られていないと指摘。「仮に水銀の危険性を
理解しても、労働者は健康問題より利益を優先してしまう」と
話す。途上国では小規模金採掘が貧困層の生活を支えている
状況もある。そのため条文には水銀使用の「禁止」までは
踏み込まず、水銀使用と大気への排出、水などへの放出の
「削減」が盛り込まれた。

一方、石炭を燃やすと、含まれる微量の水銀が大気中に
排出される。中国やインドには石炭火力発電が多く、広範囲の
汚染が懸念されている。条約では、新設される石炭火力
発電所など5種類の施設には、利用可能な最良の技術の
導入を義務付ける。

大気中や川、海に排出された水銀は気流や海流で拡散される。
その後、水中の微生物によって有機水銀になり、魚などに
蓄積され、水俣病のような被害を起こす恐れがある。食物連鎖の
上位にある大型魚には、高濃度の水銀が蓄積されやすい。
南デンマーク大のフィリップ・グランジャン教授の調査では、
デンマーク領フェロー諸島で子供たちに体の成長や言語能力に
遅れが確認された。住民が好んで食べていた魚やクジラに
高濃度の水銀が蓄積していたためとみられるという。

また、中国・吉林省ではアセトアルデヒド工場のメチル水銀を
含む排水で川の魚が汚染され、下流の黒竜江省で漁をする
住民に水銀中毒が発生するなど、水俣病と同様の被害が
1970〜80年代に起きた。
国水研国際・総合研究部の坂本峰至
部長は「採掘や取引の規制を徹底する仕組みづくりが重要だ」と話す。

(日高奈緒)

■日本からの輸出続く

水俣病を経験した日本では、現在工業で使われる水銀はきわめて
少ない。アセトアルデヒドなどすべての製造工程で水銀は
使われなくなった。ボタン電池を除き電池の材料にも使われて
いない。水銀で光る蛍光灯も含有量はかつての5分の1以下。
国内の水銀需要はピーク時の1964年に約2500トンだったのが
現在は年10トン程度だ。

一方で、水銀は銅や鉛、亜鉛など非鉄金属の鉱石に自然に
含まれている。全国各地の非鉄金属製錬所で出た水銀を含む
砂状の副産物はすべて北海道北見市の野村興産イトムカ
鉱業所へ運ばれる。同鉱業所は水銀を精製し、出荷している。

使用済みの蛍光灯やボタン電池をどう扱うかは市町村によって
異なる。イトムカ鉱業所には、水銀を回収する目的で電池が
825市町村、蛍光灯は715市町村から運ばれてくる。
全国の市町村の4割超だ。
同鉱業所以外にも水銀のリサイクル業者がある。

不燃ごみとして処分場に埋める場合は、水に溶け出す水銀の量の
基準があるが、処分の仕組みは整っていない。環境省は廃棄
物処理法施行規則を15年に改正して新たな仕組みを導入する方針だ。

回収された水銀の一部は国内で使われ、余った分は海外に
輸出される。財務省貿易統計によると、過去10年間の輸出量は
年54トン〜250トンで推移している。

輸出先は年によってばらつきがある。近年の上位はインドや
シンガポール、コロンビア、香港、オランダなど。需要がそれほど
多くないと思われる国もあり、水銀汚染問題に取り組むNGOは、
途上国に転売されて小規模金採掘に使われているのではないかと
疑っているが、その実態はつかめていないという。国内外のNGOは
日本政府に水銀輸出を禁止することを求めている。欧州連合と
米国はすでに禁止した。
だが、条約発効後も禁止されない用途での
輸出入は認められる。健康を脅かす水銀の貿易が存続することに
なるという批判もある。             (神田明美)


コメントです。
前回に引き続き、水俣市で採択された
水銀条約についての話題です。

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posted by salsaseoul at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境