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2013年08月30日

アメリカはどうしてシリア攻撃に踏み切ろうとしているのか?

アメリカはどうしてシリア攻撃に踏み切ろうとしているのか?
ニューズウィーク日本版 8月29日(木)

先週21日に「アサド政権は自国の反政府勢力に対して
化学兵器を使用した」というニュースが報じられたのを受けて
「シリアへの介入論」が高まっています。
今日(8月29日)から翌30日にかけて、アメリカが攻撃を開始する
という説も相当に濃厚になっているようです。
アメリカは、アフガンとイラクの戦争で大苦戦を強いられると共に、
国が大きく傾くほどの経済的なダメージを受けました。これを受けて、
国民の間には強い厭戦気分があります。
また、9・11以降続いていた、自国の安全のためには手段を選ばず
という本能的な心理も消えています。
何よりも現在のアメリカは2008年9月の「リーマン・ショック」以来の
不況をようやく脱しつつある中で「軍事費を聖域とはせず」という方針で
国家財政の健全化に取り組んでいる最中でもあります。
そうした時代の流れの中で、アメリカの世論は今回の「シリア攻撃」を
支持はしていません。
一部の調査によれば9%の支持しかないという報道もあります。
2016年の有力な大統領候補と言われている、ランド・ポール上院議員
(共和党)は議会決議なき開戦には強く反対するという声明を発表して、
大統領への非難を強めています。
では、そのような状況下でありながら、どうして難しいとされる
シリアへの介入に踏み切らざるを得ないのでしょうか? 
3つ大きな理由があります。
1つは、化学兵器の使用という問題です。現時点では国連の調査団が
入ってはいますが、その調査団への銃撃などもある中で十分なデータは
集まっていません。ですが、とにかく「WMD(大量殺戮兵器)」の使用と
いうのは重大な国際法違反であり、国際社会として何らかの懲罰が
下されなければならないというのは、アメリカの強い方針なのです。
例えば、ブッシュは「フセインはWMDを手にした」という理由でイラクに
侵攻しています。
オバマをはじめとする民主党はこれには批判的でしたが、それは
「WMDはなかった」という観点に基づくものであり、仮に「WMDが
実際に使用された」という場合に「それでも介入しない」という
選択肢は、基本的にはアメリカにはありません。
実際に「WMDは使われたがアメリカは何もしなかった」という事例を
作るということは、例えば核開発を続けるイランや北朝鮮、あるいは
非合法的に核を所有しているとされるパキスタンやインド、更には
イスラエルなどへの「絶対に使ってはならない」というプレッシャーが
「無効」になることを意味します。
世界の安全保障の秩序が崩れてしまうのです。
今回の件は、シリアの背後に存在するロシア、そしてロシアに
追随する中国が拒否権行使を行う可能性が濃厚であり国連安保理の
「お墨付き」を得ての軍事行動ということにするのは困難です。
従って枠組みとしてはNATOを前面に出すことになります。
いずれにしても、WMDの使用が事実であれば、アメリカは
「動かざるを得ない」のです。
第2の理由は、地域の情勢です。シリアのアサド政権の背後では、
ロシアが公然と支援を行っており更にはイランが支持をしています。
化学兵器を使用したという事実が判明したとして、アメリカがこれを
静観するということは、この地域におけるロシア、あるいはイランの
態度に対して、間接的に屈服したことになるのです。
イランとの間では、核開発の問題、イスラエル敵視の問題ということで、
長年の確執を続けてきたアメリカです。
ここで弱みを見せることはできません。
また、ロシアに関しては、人権問題での激しい応酬を続けてきた
だけでなく、最近ではボストンでのテロ事件を巡る駆け引き、
そしてスノーデン亡命事件と暗闘を続けています。
そうした文脈の中に、今回の「化学兵器の使用」という事件を
置いてみると、やはり静観はできないということになります。
第3の理由は、2期目に入ったオバマ政権として新体制となった
軍事・外交の責任者たちの「真価が問われる局面」だということです。
具体的には、ジョン・ケリー国務長官、チャック・ヘーゲル国防長官、
スーザン・ライス安保特別補佐官、サマンサ・パワー国連大使という
新任4名です。
この4人には、対シリアに関して「積極的」になるそれぞれ個人的に
強い理由があります。まずケリー国務長官ですが、彼は国務長官
就任に当たって「中東和平」を大きなテーマに掲げると言っている手前、
この地域での米国の主導権維持は重視しないわけには行きません。
次にヘーゲル国防長官ですが、基本的に彼は「軍事費のコストダウン、
ただし必要な場合は隠密作戦で」というタイプですが、対イラン政策が
「弱腰」だという批判を浴びたという「過去」があります。
ですから、今回は「決して弱腰ではない」という姿勢を見せたいようで、
積極的な姿勢を見せています。
ライス補佐官(コンドリーザ・ライス氏とは別人のスーザン・ライス氏)に
関しては、もっと大変です。
彼女は国務長官の椅子を狙っていたのですが、国連大使時代に
「ベンガジでのアメリカ大使館襲撃」の直後に
「デモ隊の延長での偶発的な事件」だという見解を示したことが
「認識が甘く不適切」だということで問題になり、共和党の執拗な
攻撃の前に「国務長官の座を断念した」過去があるのです。
彼女の場合も、「汚名挽回」を狙って強硬策に乗りたい口でしょう。
極めつけはパワー国連大使です。彼女の場合は「世界における
虐殺(ジェノサイド)を防止するアメリカの責務」というトピックを
個人的なテーマに掲げてハーバードのケネディ・スクール
(行政大学院)で論陣を張ってきた人で、過去のバルカン半島の
問題や、リビアの問題でもアメリカの積極的な関与を強く主張して
きた人です。今回のシリア情勢というのは、そのパワー大使の
「個人的なテーマそのもの」だと言えます。
最後に「何故、今なのか?」という問題ですが、オバマ政権は
「エジプトのモルシ政権崩壊」という事態を待っていたフシが
あります。仮にシリアが西側の攻撃への報復として、本格的に
イスラエルへの侵攻を行った場合、エジプトに「反イスラエル」の
モルシ政権が存在するようですとイスラエルの「挟撃される恐怖心」が
暴走して大変ことになる危険があったわけで、その要素が軽減されて
いるということが「今」まで待っていたことの理由だと考えられます。
そんなわけでオバマ政権は相当に「ヤル気」になってきているのですが、
カーニー報道官がいみじくも語っていたように今回の動きは
「アサド政権の交代を狙ったものではない」というのはホンネだと
思います。というのは、アサド政権が万が一崩壊した場合の
受け皿はないからです。受け皿がない中で、ではどうして強硬策を
取りつつあるのかというと、それは「化学兵器を二度と使うな」という
メッセージを送りたいからですが、そのメッセージを嘲笑するかのように、
アサド政権は色々なことを仕掛けてくる可能性は十分にあります。
その場合、問題になるのはロシアの出方でしょう。
アメリカは最終的にロシアを黙らせるためには「ソチ五輪のボイコット」を
チラつかせる可能性があると思います。
さすがにスノーデン事件を理由としてのボイコットは「格好悪すぎる」ので
思いとどまっているアメリカですが、「化学兵器使用を繰り返す」
アサド政権を支援して恥じることがない、ということになるようですと、
分かりません。
とにかく、シリアの背後にいるロシアとの駆け引きが今後のメイン
ストーリーになっていく、その一方で、エジプト情勢、イランの新政権の
性格などこの地域のそれぞれのプレーヤーがどう動くかによって、
このシリア情勢というのは複雑に変幻していくように思います。
欧米では「強硬策は不可避」と腹をくくる一方で、その一方で
「解決のシナリオはなし」という悲観論が広がっています。
その攻撃の具体的な方法ですが、アメリカやNATOの
過去のパターンからすると、シリア上空に「飛行禁止区域
(ノー・フライ・ゾーン)」を設定して制空権確保の後に、
標的となる化学兵器の保管が疑われる場所、あるいは
ミサイル関連施設などの空爆に進むのが「常套手段」です。
ですが、今回のシリアはロシアから購入した高性能の
「地対空ミサイル」を大量に保有しており、簡単に制空権は
取れないと言われています。
従って、地中海海上のミサイル駆逐艦からの誘導ミサイルによる
攻撃が主となるようですが、これも迎撃される危険があります。
また、情報戦に優れたシリアはミサイルが着弾したとして
「民間人の誤爆」などの事件を指摘して抗議するなど、
様々な可能性が予想されます。
米国は3日間程度のミサイル空爆で済ませたい考え方の
ようですが、その空爆自体がそう簡単に成功するかどうかも
疑わしいように思います。
とにかく事態の推移が大変に懸念されます。

冷泉彰彦(作家・ジャーナリスト)


コメントです

緊迫するシリア情勢の記事です。
今後の動向が気になりますね

posted by salsaseoul at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2013年08月29日

シリア政府軍攻撃、被害者の症状は「神経ガスと一致」 専門家ら

シリア政府軍攻撃、被害者の症状は「神経ガスと一致」 専門家ら
AFP 2013年08月23日

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シリアの首都ダマスカス(Damascus)郊外のドウマ(Douma)で、化学兵器の使用が
疑われるシリア軍の攻撃を受け、床に横たわって救急隊の到着を待つ負傷者たち
(2013年8月21日撮影)。(c)AFP/THE MEDIA OFFICE OF DOUMA

【8月23日
AFP】内戦が続くシリアで政府軍による化学兵器の使用が
疑われている問題について、専門家らは22日、被害者にみられる
けいれんや瞳孔の縮小、呼吸困難などは神経ガスの症状である
可能性があるとの見解を示した。そのうえで、確証を得るために
被害者の血液や尿の検査が必要だと指摘した。
■神経ガスの症状と一致
シリアの反体制派は、21日の政府軍の攻撃による死者は1300人
以上だと述べている。人権活動家らが公開した動画などには、
口から泡を吹く人や、呼吸困難に陥った被害者に酸素吸入して
いるとみられる医師、意識不明状態の子どもたちに蘇生を試みる
医師などの姿が写っている。化学兵器や防衛の専門家らは、
これらはサリンやVXガスといった神経ガスにさらされた際の
症状と一致すると述べている。
化学兵器専門家のジャン・パスカル・ザンダース
Jean Pascal Zanders)氏は、結論を導くにはさらに多くの
情報が必要だとしながらも、「症状のうちの多くが、確実に
(化学兵器使用の)可能性を示している。私が見た映像から
判断すると症状の多くが有機リン酸系の中毒症状と一致する」
ことは明らかだと述べた。
■急がれる被害者の検査
ただし、確証を得るには化学兵器の被害が疑われる患者らを
調べるしかないという。フランスのシンクタンク、戦略研究財団
Foundation for Strategic Research)のオリビエ・ルピック
Olivier Lepick)氏は「化学兵器が使用されたものと強く
推測できるが、(サリンが体内で分解された後に)血液や尿内に
残る代謝物の存在など科学的証拠が必要だ」と指摘した。
ザンダース氏によれば、シリア軍が化学兵器としてサリンガス、
マスタードガス、VXガスを保有しているとの見解は広く周知されて
いるという。さらにルピック氏は、シリア軍にはそうしたガスの
搭載が可能なロケット弾や航空爆弾、迫撃砲やスカッドミサイル
などの装備もあると述べている。
最初に公開された被害者の動画を見たザンダース氏は、青紫が
かった顔色、口の周囲に見られる黒い線、せき込みなど、典型的な
窒息の症状が出ていると指摘した。さらに後の動画では、瞳孔の
縮小やけいれんといった神経ガスに特徴的な症状が現れている。
武装解除や軍縮に関する専門家で化学者のラルフ・トラップ
Ralf Trapp)氏も「症状だけではなく、全体の状況からみて
(神経ガスを使用した可能性は)非常に強い」と話す。トラップ氏に
よれば、神経ガスの有毒物質は被害者の尿に数日間、血液中には
数週間残るという。このため、欧米諸国は化学兵器使用の有無を
調べるため19日にシリア入りした国連の調査団を攻撃現場に
立ち入らせるようシリア政府に要求しているが、トラップ氏は
「まだ間に合う」と強調した。
その一方で、患者の治療に当たった医師や看護師らが二次被害の
症状を呈していないとの指摘もあるが、これについてザンダース氏は、
患者の体に付着した有害物質は水で洗い流しているからだと
説明できると話した。
■既存の化学兵器ではない可能性も
スウェーデン・ストックホルム国際平和研究所
(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)の
「化学・生物兵器に対する安全保障プロジェクト」を率いる
ジョン・ハート(John Hart)氏は、「おそらく、何らかの有害化学
物質が関与しているだろう。必ずしも昔からある化学兵器とは
限らない」と述べている。サリンのような神経ガスに使われる
化合物である有機リン酸は、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの
科学者たちが開発した麻痺作用を持つ無臭のガスで、1988年には
イラクの独裁者だった故サダム・フセイン
Saddam Hussein)元大統領の政権がクルド人虐殺に使用した。
(c)AFP/Laurent BANGUET


コメントです

緊迫するシリア情勢の記事です。


posted by salsaseoul at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 中東

2013年08月28日

患者紹介、「パートナー」施設に報酬 大量獲得狙う

患者紹介、「パートナー」施設に報酬 大量獲得狙う
朝日新聞 013年08月26日

【月舘彩子、沢伸也】医師に患者を紹介して診療報酬の一部を得る
患者紹介ビジネス」で、患者を集める「パートナー」を募り、確保した
患者数に応じて報酬を支払う紹介業者が出始めた。
パートナーには患者を多く集めやすい高齢者施設や介護事業者を
想定しており、患者の大量獲得を狙う新手の手法だ。

朝日新聞は兵庫県の紹介業者のパンフレットを入手した。それに
よると、紹介業者は提携先を「パートナー」と呼んで契約し、患者
1人の紹介につき月8千〜1万円の報酬を払う。医師は患者の
暮らす施設などに出向いて訪問診療をし、業者に対して患者1人に
つき月1万7千円の紹介料を診療報酬から払う。業者は患者1人に
つき月7千〜9千円の利益を得る計算だ。

パンフレットでは「パートナー様(御社)は弊社に患者様をご紹介
頂くのみ!」と強調。パートナーに「チラシを進呈」し、「患者獲得の
ためのイベント企画(高齢者向けセミナー等)」を行うとも書いてある。

さらに「超高齢者社会を見据えたシニアビジネスであり市場
のニーズが高い」「景気不景気に左右されない」と宣伝し、
「月2回以上の診察を受けて頂いた患者様分の手数料を該当
月末日にお支払いします」と説明。月2回以上なのは診療報酬
跳ね上がるからだ。単なる往診は1回約7千円。
24時間体制の診療所が通院困難な患者を月2回以上定期的に

訪問すれば、月約6万円になる。

高齢者施設の現地調査をしているNPO法人「特養ホームを良く

する市民の会」の本間郁子理事長は「利益を上げるため、高齢者を
金もうけの道具としか見ていないのは腹立たしい。
業者や医師を生かすために患者がいるわけではない」と憤る。
紹介業者は「資料も担当者もいないので答えようがない」と話した。




posted by salsaseoul at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2013年08月27日

医師に患者を紹介、鍼灸院を舞台に不正請求か

医師に患者を紹介、鍼灸院を舞台に不正請求か

朝日新聞 2013年08月26日
 
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【月舘彩子、沢伸也】患者紹介ビジネスを手がける大阪市の業者が
鍼灸(しんきゅう)院に患者を集め、医師の診療を受けさせていた
ことが分かった。患者の居住場所以外で診ても、訪問診療として
診療報酬を請求することはできないが、医師は自宅で診たように
装って不正請求した疑いが強い。厚生労働省は調査する方針だ。

この紹介業者は大阪市中央区の医療コンサルタント会社。
近畿で350以上の鍼灸院や医師約50人と契約を結んでおり、
「鍼灸院に患者を集める業者は全国にある」と話している。

同社の契約書などによると、患者約5人を同じ時間帯に鍼灸院に
集め、医師がそこへ来て次々と診る。
医師は診療報酬の2割を紹介料として業者に支払う。

厚労省の通知では、医師が訪問診療として診療報酬を請求
できるのは自宅や施設など患者が暮らす場所に限られ、
鍼灸院で診ても請求できない。だが、患者への医療費通知や
患者らの証言によると、医師は鍼灸院でしか診ていないのに
訪問診療として請求した。請求時に診察場所を記す必要はなく、
紹介業者は医師や鍼灸院への営業で「どこで診ているかは
わからないから大丈夫」と説明していた。

鍼灸院が患者を5人集めるのは、医師が一度に診察できて
効率が良いからだ。紹介業者から営業を受けた鍼灸院が
録音した記録によると、業者は「(5人だと)時給に換算すると
いいカネになる。人数が少ないと医師と交渉しづらい」と話している。

鍼灸院にも利点がある。はり師やきゅう師の治療の保険適用には
、医師の診断と同意書が必要だ。医師が鍼灸院に来て一度に
多くの患者の同意書を書いてくれれば、患者の自己負担は
1〜3割になり、「客」を呼び込みやすい。
このため鍼灸院も、患者の1症状あたり税込み3150円を
同意書発行料として紹介業者に
支払う仕組みだ。

紹介業者は「鍼灸院の要望で始めた。勉強不足で見切り
発車でやってしまった。
ただ、最終的には医療機関が判断してやったこと。
うちの手法を模倣して自分でやっている医者もいる」と話す。
医師は取材に応じていない。

    ◇

患者紹介ビジネス〉 患者をまとめて医師に紹介し、見返りに
診療報酬の一部を受け取るビジネス。医師が紹介業者に
支払う紹介料の相場は、訪問診療報酬
(患者1人につき月約6万円)の2割。訪問診療の報酬が
外来の15倍に上ることに着目した新手のビジネスだ。
法令の規制はないが厚生労働省は不適切として規制を検討し始めた。

 
 
関連記事です。
はり治療、覚えないのに年160日 鍼灸院が架空請求か

医師の診療報酬に群がる「患者紹介ビジネス」。高齢者施設の
入居者だけではなく、鍼灸(しんきゅう)院の患者も狙われていた。

患者紹介ビジネスを手がける業者と契約し、患者を集めて医師の
診療を受けさせていた鍼灸院を大阪市南部の住宅街で見つけた。

50代女性は昨春、整体治療も行うこの鍼灸院で腰のマッサージを
受けた。終了後、「保険診療にすると安くなる」と誘われ、2階へ
連れて行かれた。
案内されたのは、狭い給湯室だった。

スーツ姿の男性がテーブルの向こうで丸イスに腰掛けている。
対面に座った。「どこが痛いですか」と聞かれたが、触診はなかった。
話はすぐに終わり、帰り際に名刺の拡大コピーを渡された。
大阪・心斎橋の開業医だった。

昨年末、医療費通知が届いて驚いた。あれから医師に会って
いないし、窓口負担分を払っていない。それなのに、医師から
毎月1〜2回の診察を受けたことになっていたからだ。無料で
マッサージを受けたこともあり、後ろめたくて苦情を言えなかったという。

記者が医師の名刺の住所を訪ねると、飲食店や風俗店が立ち並ぶ
一角の古い雑居ビルだった。外からは診療所の看板は見あたらない。
1階の居酒屋のわきの狭い通路を奥に進むと、突き当たりのガラス扉に
診療所名が書かれ診療時間「平日午後4時半〜午後9時半」とあった。

平日午後6時、ドアを開けた。薄暗い。
「すみません」と声を上げると白シャツに黒ズボンの中年男性が現れた。

「先生はいらっしゃいますか」「今は不在です」
「いつお帰りですか」「わかりません」

取材依頼の文書を渡したが、回答は来ていない。

50代女性の医療費は外来にしては高く、訪問診療扱いされたと
みられる。しかもマッサージを受けたのに、はり治療されたことに
なっていた。はり治療は医師の同意書があれば最大3カ月間、
何回でも保険請求できる。患者への医療費通知や患者らの
証言によると、鍼灸院も架空請求をくり返していた疑いが強い。

別の患者は鍼灸院にほとんど通っていないのに、はり治療を
毎月15〜20回受けたように保険請求されていた。
ある患者は「この日に治療していたことにしておいて」と、1年分の
架空治療日に○の付いたカレンダーを手渡された。
1年の半分近い160日分に○がついていた。鍼灸院から
月2万円の「お小遣い」をもらったと話す患者もいるという。
鍼灸院は取材に回答していない。

中央社会保険医療協議会で患者代表として委員を務めた
勝村久司さんは「訪問診療はどこで何人診るかで報酬額が

変わるのに、訪問場所を申告しなくていいのは市民感覚としては
あり得ない。不正防止のため、請求の際に訪問場所などを
明記させ、患者にも内容を伝えることが重要だ」と話す。


posted by salsaseoul at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2013年08月26日

高齢患者紹介ビジネス横行 「先生いい話あります…」

高齢患者紹介ビジネス横行 「先生いい話あります…」
朝日新聞 2013年08月25日

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【沢伸也、月舘彩子】
高齢者施設で暮らす患者をまとめて紹介してもらい、
見返りに診療報酬の一部を紹介業者に支払う医師が増えている。
訪問診療の報酬が外来より高いことに着目した「患者紹介ビジネス」に
加担している形だ。法令の規制はなく、厚生労働省は「患者をカネで
買うような行為は不適切」として規制の検討に乗り出した。

紹介業者は高齢者施設の患者を一挙に大量獲得し、訪問診療を
する開業医に話を持ちかけることが多い。紹介料の相場は、
患者1人あたり診療報酬(月約6万円)の2割だ。

兵庫県の診療所。毎週金曜日、午前の診察が終わると、待合室
製薬会社や医療機器メーカーの社員らが医師に次々と自社製品を
売り込む。昨夏、ひとりの営業マンが「患者を紹介したい」と
切り出した。医師は意外な提案に驚き、順番を後回しにして
最後に彼だけを応接間に招き入れた。

「先生にいい話を持ってきました。喜んでもらえると思います」

営業マンは医師と患者を「マッチング」させていると言った。
「これからは在宅医療の時代ですね」と笑顔で話し、高齢者施設で
暮らす患者を紹介するから訪問診療してほしいと提案した。
そして続けた。

「収入(診療報酬)が入ったら、2割をコンサルタント料として
頂きます。ウチは完全成功報酬制です」

さらに診療所のリストを見せ、「たくさんのお医者様にも契約して
頂いています」と続けた。関西の医師50人ほどの名がある。
訪問診療をしている医師をインターネットで調べて営業していると
明かした。1時間粘ったが、医師は断った。

福岡県の診療所にも別の業者が来た。医師は不審に思い、
ひそかに録音した。営業マンの声は柔らかい。

「コンサルタントフィーという形で、毎月税込み合わせると1人
1万5750円をちょうだいさせて頂きます。検査で先生の報酬が
どんどん上がっても、うちは1万5750円と固定にさせて
頂いているんですよ」

ただし、紹介者が20人を超えると、紹介料は1人2万円に
上がると付け加えた。1回の訪問で診る患者が多いほど、
効率良く診療報酬を得られるからだ。

「この市場はちょっとしたバブルでして。パイの取り合いというか、
いろんな業者が参入してきて大変なんですよ」

営業マンは「今のところグレーゾーン。規制が入るかもしれない」と
危機感を見せる一方、「いくらなら折り合えますか」
「顔を見てもらえるだけでいいと言う患者さんもいます」と
食い下がった。30分後、断る医師に「あきらめてません。
またうかがいますので」と言うところで録音は終わっている。

朝日新聞の取材に少なくとも医師6人が業者と契約したことを
認めた。紹介先はサービス付き高齢者住宅や有料老人ホーム
入居者がほとんど。一度に多く診ることができる場所だ。

ある医師は疑問を感じつつ、話に乗った。診療所を開いて数年。
「患者を得るため業者を利用してしまった。外来だけでは
経営が苦しかった」と打ち明けた。

■厚労省、規制を検討

厚労省は
(1)医師が過剰な診療をする可能性がある
(2)患者が医療機関を選ぶ自由を奪うことから
「不適切な医療」と判断し、情報収集を進めている。
担当者は「想定していなかった。医者がそんなことをする
はずはないと思っていた」。業者の規制は難しく、医師への
規制を検討し始めた。

     ◇

〈訪問診療〉 緊急時に患者の求めで行く往診とは異なり、
医師が通院困難な患者が住む自宅や施設へ定期的に
出向く診療。1人を診て得る訪問診療料は1回8300円。
これに処方箋(せん)料や検査料などが上乗せされる。
24時間体制の診療所から月2回以上訪問すると
月4万2千円加算され、医師が得る合計は月6万円を超す



関連記事です。
「患者、金づるか」 紹介ビジネス、過剰診療の恐れ

高齢者施設で暮らす患者は、施設が薦める医師の診察を
受けることが多い。患者紹介ビジネスに組み込まれて
「売買」されていても、気づいていない人がほとんどだ。
そればかりか、過剰な診療を受けたり、診療水準が
落ちたりする恐れもある。 

「施設に入ると医者は決まっていました。お願いする
しかありませんでした」

茨城県にある有料老人ホームに入所していた女性(82)の
長女(55)は、3カ月前を振り返る。

医師は血圧と血糖値を測って「現状維持です」と伝えるだけで、
母はどんどんやせた。家族が声をかけても母の反応は
にぶくなっていった。長女は不安にかられ、2カ月後に
施設を変えた。今は別の医師から丁寧な診察を受け、
自分で食事をし、会話もできるようになった。

「いま考えれば、粗末な診療でした。私たちが払った
医療費から紹介料が払われているのなら、許せません。
いい金づるなんでしょうか」

通院することが難しい患者を月2回訪問したら、医師が
受け取る診療報酬は6万円を超える。外来の15倍だ。
高齢者施設の30人をまとめて訪問すれば月180万円が入る。
業者はその2割程度を毎月、自動的に手に入れることができる。

東京都世田谷区の診療所には、3年前に紹介業者が
訪ねてきた。「患者を紹介するので、料金を払って欲しい」。
医師が医師仲間にメールで相談すると、仲間の診療所にも
同じ業者が営業に来ていた。

厚生労働省にも複数の情報が寄せられている。
愛知県では、有料老人ホームの運営会社自体が、医師に

入所者を優先的に紹介する見返りとして診療報酬の
20%の支払いを要求していたという。

NPO法人高齢社会をよくする女性の会・樋口恵子理事長は
「高齢者や病人の人身売買だ。体が弱っていく時期に、
営利だけを追求する人々の利権によって食い物にされるのかと
思うと許せない」と憤る。

一方、紹介業者の多くは「うちだけでない。ほかもたくさん
やっている」と言う。大阪府の業者は「医師の要望で始めた。
医師支援の一環だ。我々も人件費などコストがかかって
いるので(紹介料を)もらっている」と反論した。

訪問診療には、通院できない患者が住み慣れた場所で
安心して診察を受けることができるなどの利点もあり、
誠実に向き合う医師は少なくない。

著書やテレビ出演、講演活動で知られる
長尾和宏医師は、
700人以上の患者を自宅で
みとるなど在宅医療に取り組んできた。

「患者さんが住み慣れた地域で、最期まで自宅で穏やかに
過ごせるように力を入れてきた。金もうけしか考えない業者や
一部の医師によって在宅医療がおとしめられるのは悲しい」

■国の施設推進策につけこむ

患者紹介ビジネスが広がる土壌は、国が旗を振る
社会保障政策によって作られた。
その一つが高齢者施設の建設促進だ。

特別養護老人ホームは自治体の財政難で建設が進まず、
高齢者施設は大きく不足。2011年、厚労省や国土交通省は
「サービス付き高齢者住宅(サ高住〈こうじゅう〉)」制度
設け、規制をゆるめた。1年半で11万戸超が完成した。

サ高住はさほど重症ではない患者を一度に多く
確保できる。
ある紹介業者は「サ高住の患者は建設前から
奪い合いだ」と明かす。

兵庫県のサ高住は、通院できる要支援の患者を
含む約30人全員に訪問診療を受けさせている。
全国在宅療養支援診療所連絡会の新田国夫会長は
「介護度から見ると、サ高住の入居者で通院できないのは
10%程度。過剰診療と考えてもおかしくはない」と指摘する。

もうひとつの要因は、国が訪問診療の報酬を次々に
上げてきたことだ。

厚労省は高齢者の社会的入院を減らし、受け皿として
訪問診療に着目。「住み慣れた地域で最期まで暮らす」
ことを重点政策に掲げてきた。訪問診療を担う医師を
増やすため、06年の診療報酬改定では、24時間体制で
自宅や有料老人ホームなどへ往診する診療報酬を倍増。
その後も2年に1回の改定ごとに増額し、訪問診療に
たずさわる診療所は7年間で1・4倍の約1万4千に増えた。

巨額を投じて急速に進めた政策の「ゆがみ」を業者は狙ってくる。

厚労省の担当者として診療報酬改定にたずさわった
中村秀一・医療介護福祉政策研究フォーラム理事長は
「診療報酬だけで政策誘導するのは限界。行政は社会の
変化についていけていない」と指摘。「診療報酬を適切に
運営するには、さまざまな問題を予防する規制や仕組み
作りも同時に進めることが大切だ」と話す。

11年度の医療費は約38兆円。直近の5年間を見ると、
毎年7千億円から1兆4千億円増えている。

安倍内閣は今秋から診療報酬改定の議論を本格化させ、
来年2月に決める予定だ。消費増税を視野に、医療・介護
制度の議論も進める。21日には消費増税に伴う社会保障
改革の手順を示すプログラム法案の骨子を閣議決定し、
在宅医療を進めるのに必要な措置を17年度までに
行うことを盛り込んだ。

その足元で、患者紹介ビジネスが横行している。
厚労省も危機感を強めており、診療報酬改定に向けて
規制のあり方が議論になるのは必至だ。

posted by salsaseoul at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2013年08月22日

ベトナム・ハノイの名物人力車が禁止に

ベトナム・ハノイの名物人力車が禁止に
AFP  2013年08月19日

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【8月19日 Relaxnews】ベトナム・ハノイ(Hanoi)を訪れるなら、
一度は乗ってみたい名物の人力車「シクロ(Cyclo)」。
観光客は少し多く歩く用意をしたほうが良いかもしれない。
なぜならハノイ市は同市を象徴する人力車の廃止を決定したからだ。
一部では英ロンドン(London)名物の「黒塗りタクシー」のベトナム版
とも評される三輪自転車シクロは、交通渋滞を緩和する一環として
市当局によって禁止されることとなった。
しかし、ベトナムの日刊紙タンニェン(Thanh Nien)によると、
同市が2009年からシクロの使用を段階的に制限してきたことを
考えると、それほど大きな驚きではないという。
観光客のみへのサービスにまで制限した後、同市は運行ルートや
乗り場、運行時間にも厳しい規制を課していた。
インド・コルカタ(Kolkata)では数年前、同様に人力車を禁止する
法律が成立したが、非人道的な形態の職業であるとの意見と、
乗務員にとっては生計を立てるのに不可欠だとする世論の
対立から、実際に人力車を排除するには至らなかった。



コメントです
ベトナム・ハノイでシクロが禁止になる話題です。
確かに、ここ数年は経済成長が著しいベトナム。
そうなると、それを阻害することになる交通手段・シクロは
邪魔者扱いでしょう。
でも、残念ですね。その地域で、長い間続いてきた
文化の一幕が終了するわけですから。


posted by salsaseoul at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 東南アジア

北朝鮮で覚せい剤がまん延

北朝鮮で覚せい剤がまん延
ウォール・ストリート・ジャーナル 8月20日(火)

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ドイツ・ミュンヘンの通関で見つかった20キロの違法クリスタル・メス

北朝鮮の25歳の男性は、凍りついた豆満江をひとたび中国側に
渡って脱北すれば引き返せないことを分かっていた。
それは2009年2月のことだった。この男性は武装した
北朝鮮や中国の国境警備兵に見つからないように素早く
行動する必要があることも分かっていた。
この男性は、そうした思考の明晰(めいせき)さを与えてくれたものは
たったの1つだったと話す。それは麻酔効果のあるクリスタル・メス、
つまり、メタンフェタミンだ。
現在はソウルに暮らすこの男性は匿名希望で、「川に行く前に
10回ほど吸いこんだ」と言い、「ものすごく本当に集中していた
ように感じた。唯一考えられることは『行け、行け、行け』という
ことだけだった。その後、2日間は寝なかった」と話した。
この男性は韓国に亡命する前、北朝鮮で「アイス」として知られる
覚せい剤を3年間ほど断続的に使用したと話す。手に入れるのは
簡単だったと語る。ディーラーたちは、北朝鮮のこの男性の出身地、
咸鏡南道咸興市の通りで覚せい剤を売っていた。
男性と彼の友人たちはよく夕食前に一緒にハイになり、その高揚感で
一晩中眠れなかったものだった。彼は「アイスをやるのは
社交的なことで、とても楽しかった」と振り返った。
North Korea Review誌の2013年春号で発表された調査によると、
北朝鮮では「麻薬のまん延」が起きている。
「北朝鮮の薬物使用の新たな様相:北朝鮮北部全域で
メタンフェタミン(=メス)の乱用が急増」と題するこの研究では、
ここ数年間、メスの生産がいかに、国有工場から民間経営の
地下組織の研究所や「家庭のキッチン」に移行しているかが
説明されている。
この研究報告によると、もともとは中国などへの輸出向けだった
メスが北朝鮮の国内市場にあふれる結果となったのは、
今回が初めてのことではない。
1990年代やその後の10年間にわたって、アヘンは資金
不足の金正日政権にとっても一般大衆にとっても、麻薬と
して好まれ使用されていた。しかし、2000年代半ばまでには、
ケシ畑がなくなり始め、代わってメスがまん延した。
北朝鮮をについての大半の詳細な事柄と同様に、同国政府は
違法薬物使用のまん延について公式の統計を提供していない。
この研究はメスの使用がいかに普及しているかについて
数字で示そうとする初の試みだ。
同研究の共同執筆者のKim Seok-hyang氏は「(北朝鮮の)
その地域の成人のほぼ全員がアイスを使用した経験があり、
しかも1回にとどまらない」と指摘、
「私の試算では40‐50%以上が深刻なアイス中毒だ」と話す。
北朝鮮の人々がメスの習慣をどうやって止めるかは明らかで
はない。統一省の元当局者で韓国の梨花女子大学校で
講義するKim氏によると、この研究で聞き取り調査の対象となった
脱北者の一部はアイスの中毒症状をきっぱりと否定している。
教授は「彼らは辞めたい時はいつでもやめられると話す。
3、4日、丸々寝ればいいだけだ」と語る。
健康擁護者たちによると、極端な疲労や不安、落ち込みが
メスの禁断症状だ。また、脱北者の一部によると、北朝鮮時代に
中毒状態にあった人々は、メスを止め、禁断症状に
対処するために他の薬物を使用している。
韓国に行きついた後も脱北者全員が薬物依存を断ちきれる
わけではない。統一省のHanawon再定住施設の精神科医、
Jeon Jin-young氏は「脱北者の薬物乱用」と題する調査報告で、
自己診断や医者選び、睡眠薬を含む処方箋薬の乱用が韓国内の
2万5千人を超える脱北者コミュニティーで拡大していると指摘した。
統一省は薬物使用をめぐる特定の質問に対する返答は避けた。
また、この記事のためのHanawon施設の医者に対する
インタビューの申し込みも退けた。
Kim教授は、韓国政府がこの問題に静かに対応しようと
してきたと指摘、「薬物問題がいかに深刻かをオープンに認め、
オープンなやり方で解決策を探そうとする必要がある」と述べた。
先の25歳の脱北者は、自分でアイス中毒だと感じたことはなく、
北朝鮮で友人たちとハイになった経験を懐かしく思い出すと語る。
しかし、彼が北朝鮮に置き去りにしてきた他の多くのことと同様に、
彼の人生のその側面も国境を越えられなかった。
男性は「機会があっても二度としない」と言い、
「私の実験の日々は終わった」と話した。



コメントです
北朝鮮での覚せい剤使用状況の話題です
ですが、上記はあくまでもインタビュー記事
ですので、どこまで信憑性があるかどうか
わかりませんが、参考記事として掲載しました。


posted by salsaseoul at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国・北朝鮮

2013年08月18日

「既読スルー」をストレスに感じる理由とは?

「既読スルー」をストレスに感じる理由とは?
ダ・ヴィンチ電子ナビ 8月18日(日

「KS」という言葉をご存知だろうか。これは「既読スルー」の
頭文字をとったもの。
「スルー(through)なら、頭文字はTだろう!」と思わず
ツッコみたくなるが「既読無視」という言葉とともに流行している。
これは、今や国内ユーザー数4500万人の大人気、無料通話
アプリ・LINEに関する言葉。チャット感覚での素早いやりとりは
魅力的だが、最近では「LINE疲れ」を起こす若者が多く、
特にメッセージを読んだかどうか分かってしまう「既読機能」は
かなりのストレスになっているようだ。即返信しないと、
「KSかよ!(既読スルーかよ!)」と叱られてしまうらしい。
精神科医の香山リカ氏の『生きづらい〈私〉たち 心に穴が空いている』
(講談社)によれば、 現代の若者の間に従来の精神医学の
概念の枠だけで説明できない問題が起きているらしい。周りからの
印象と本人の実感が全く異なる現代人が増えているのだそうだ。
現代人は周りから見れば、友達が多く社交的に見えるのに、
本人は自分を理解している人が居ないという孤独を抱えている。
他人の言葉に敏感で、周囲に合わせたい気持ちが人一番強く、
ストレスも抱えがち。時には「死にたい」「消えてなくなりたい」と
思うこともあるようだ。
これは、他人からの客観的な視線と、主観的な自分の両極性に
引き裂かれた「解離的」な状態だと香山氏は指摘する。
現代人は、周りに合わせている自分と本当の自分の差に
苦しみを覚えやすく、その苦しさから脱するために、異常なまでに
他との繋がりを重んじ、裏切りは許さないのだという。
その原因として香山氏はインターネットの出現を指摘している。
インターネットにおける交流は現代人に「ネット人格」を作ることを
促し、解離のメカニズムを発動させる機会が増やしてしまった。
特にSNSは毎日が同窓会、と言われるように人に背伸びを強いる。
インターネットは人と人との関係を革新的に変え、その結果として、
人の心のありかたそのものを大きく変容させてしまったのだ。
現代人は人との繋がりを強く重んじ、だからこそ傷つけられやすい。
だが、一方で「今の若者は昔とは違う」と強く線引きしても
いけないだろう。「夜遅くまで友達とLINEしちゃうのは、
昔の若者がオールナイトニッポンを聞いて一晩過ごしたのと
似た感覚」という発言をTwitter上で見かけたことがあるが、
昔はラジオを聞きながら人との繋がりを感じたように、今は
LINEで人と密に繋がっているのだ。LINEのグループ機能を
使えば数人のグループ内だけでより密で会話が手軽にできる。
それは時に排他的だが、強い一体感を感じさせるものでもある。
コミュニケーションをとる頻度が増え、問題が起こるきっかけが
増えてしまっているのかもしれない。
今の若者をアブナイと言う前に、若者の心にぽっかり穴が
空いているという事実に目を向けるべきだろう。
あの子の心に空いた穴を埋めるのはアナタかもしれない。

文 = アサトーミナミ
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)


コメントです
@モード等の携帯電話でのメール機能が開始されて
14年ぐらいでしょうか( 2013年 現在 )。
それまでは、PCによるメールのやりとりだけだったので、
メールを受けとってから返信するまでの時間差に関して
社会は寛容でした。
ところが、携帯メール開始以後、即返信が必須となり、
逆に返信までの時間の長さが先方との距離の遠さの
バロメーターに
なっていったように思われます。
そして、そこからSNS等が少しずつに広まっていき、
スマートフォンの普及でパソコンの電源を入れなくても
リアルタイムで知り合いの動向を知ることができるように
なり、また、同様に自身の近況も発信することが
できるようになりました。
さて、今日の記事はそんな環境に関して多少疲れが
出てきた内容の記事ですが、もう少し時間がたてば、
そのような環境に振り回されず適度にシステムを
活用する人たちと、そうでない人たちに二分化されて
それなりに成熟していくと思います。



 
posted by salsaseoul at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

中国が死刑囚からの臓器移植を段階的に廃止―英メディア

中国が死刑囚からの臓器移植を段階的に廃止―英メディア
レコードチャイナ 
2013年8月17日

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2013年8月15日、BBC中国語版によると、中国は死刑囚からの
臓器移植を11月から段階的に取りやめていくという。
中国では死刑囚の臓器を大量に移植に利用しているが、
このような手法は多くの国から批判を受けている。
しかし、多くの中国人は、これは犯罪者の罪滅ぼしの
一環であると考えているという。

中国当局の統計によると、中国では毎年約30万の患者が
臓器移植を望んでいるが、そのうちのわずか1万人しか
適合する臓器の提供が受けられていない。
最近では、「死刑囚の臓器を移植に利用することは中国の
イメージを損なう」として中国の役人の間でも反対意見が出ていた。
現在、中国国家衛生局は、死亡した一般市民から臓器提供を
受ける方法を試験的に実施している。
運営は順調で社会の支持も得られているという。
(翻訳・編集/北田)

関連記事です。
死刑囚からの臓器移植を5年以内に撤廃―中国
2012年3月23日、新華社のウェブサイト「新華網」によると、
中国衛生部の黄潔夫(ホアン・ジエフー)副部長は22日に
杭州で、「中国は、臓器移植制度を早急に確立し、これまで
実施されていた死刑囚からの臓器移植という不健全なやり方を、
今後3年から5年を目途に撤廃する」と語った。
人民網日本語版が伝えた。
黄副部長によると、死亡した国民の臓器を移植する制度づくりに
向けて、全国16省・市で試行が始まったという。
黄副部長は、「死刑囚からの臓器移植の撤廃は、
『政府の固い決心』を示すものだ」と強調した。
自分が死んだ後、自ら臓器を提供しようという考えを持った
国民が極めて少ないことから、中国ではこれまで、臓器移植の
提供源はほぼ100%死刑囚だった。
衛生部の統計データによると、中国には臓器移植を受ける
必要がある患者が年間150万人いるが、提供される臓器が
不足していることから、実際に移植手術を受けられるのは
1万人にとどまっている。
法治建設が進み、人権意識が高まり続けていることで、死刑囚
から提供される臓器はここ数年で大幅に減少した。
中国で死刑が執行される件数もここ数年でかなり低下、
死刑執行を極めて慎重に行うことが時代のすう勢となっている。
黄副部長は、「国内で唯一の臓器提供源である死刑囚を
取り巻く状況が変化してきたことで、従来の中国の臓器提供に
大いなる挑戦がもたらされた」と指摘。
また、「死刑囚の臓器は、真菌・細菌への感染率が非常に高く、
これが、中国で臓器移植手術を受けた人の長期生存率が
先進国レベルより低い主な原因となっている」と続けた。
浙江省人体器官捐献委員会の副主任を務める省赤十字会の
高翔(ガオ・シアン)専任副会長は、「臓器提供者(ドナー)不足は、
世界各国が同じように抱える問題だ。しかし、海外各国に比べ、
中国での不足は突出している。臓器提供を待つ人とドナーとの
人数比を国別に見ると、米国が5:1、英国は3:1だ
が、中国は150:1と、かなりの差がある」と話した。
中国では、死刑囚の臓器提供について、原則的に死刑囚本人の
意思を尊重している。最高人民法院、最高人民検察院、公安部、
司法部、衛生部、民政部の各部門が1984年10月9日に共同で
発表・施行した「死刑囚の屍体あるいは屍体臓器の利用に
関する暫定規定」では、「遺体の引き取り手がない、もしくは
家族が遺体の引き取りを拒否した場合、または死刑囚が
医療衛生機関への献体を望んだ場合は、家族の同意を
得た上で、死刑囚の遺体または臓器を利用することが可能」と
明確に記されている。
しかし、国際社会は、この規定に懸念を示している。
拘禁された状況で、死刑囚の意思が本当に尊重されて
いるのかどうか疑わしいというのがその理由だ。

国務院が2007年3月に審議認可した「人体器官移植条例」では、
規範化されていない臓器移植に対する監督管理が強化され、
中国が臓器移植を実施する上での法的根拠となった。
国務院の2012年立法計画のひとつに、「人体器官移植条例」の
改正点として、「死後の臓器提供を公民に奨励する」などの項目が
盛り込まれた。科学的で透明度の高い国家臓器移植制度が
今後数年で確立すれば、死亡した国民の臓器移植が、中国の
主な臓器移植提供源となる見通し。
(編集/TF)

 
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2013年08月15日

歯のカルテ、統一へ 大災害の発生時、迅速に身元確認

歯のカルテ、統一へ 大災害の発生時、迅速に身元確認
朝日新聞  2013年8月14日

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厚生労働省は、大規模な災害や事故が起きたときに
身元確認のために遺体の歯の治療記録を使いやすくするため、
歯科の電子カルテのフォーマット(形式)の統一を進める。
フォーマットがばらばらで照合に時間がかかった東日本
大震災の反省を踏まえたもので、将来は全国的な
統一データベースも視野に入れている。

遺体の損傷が激しくても、残っている歯の治療痕と、
かかりつけ歯科医師が持つカルテを照合することで
身元がわかる。古くから行われている手法だが、
東日本大震災ではあまりうまくいかなかった。

津波で多くの遺体が広い範囲で流され、かかりつけ
歯科医師がわからないケースが多かったことや、
カルテ自体が失われたためだ。さらに、歯科医師が
使っている電子カルテの入力項目などのフォーマットが
メーカーごとに異なり、照合が難しかった。データの
再入力が必要になるなど混乱を招いたため、厚労省は
歯の統一電子カルテづくりを進めることにした。

同省研究班(研究代表者=小室歳信・日本大教授)に
よる調査で、500人分のサンプルデータについて32本の
歯を「虫歯あり」「金属で一部修復」「全て修復」「欠損」
など六つに分類して検索すると、96%は1人に特定できた。
この手法で全国89カ所の歯科医療機関でモデル事業を行う。

個人情報保護などの問題もあるが、統一データベースが
できると遺体の歯の治療痕の情報を入力・検索すれば、
絞り込みができるようになる。

■治療痕、日航機事故で注目

歯の治療記録による身元確認は、1985年に乗客・乗員
520人が死亡した日航ジャンボ機墜落事故で注目された。
一般的に、災害で身元がわからなくなった遺体の1割程度は、
これが身元確認の決め手になるとされ阪神大震災でも役立った。

東日本大震災で、岩手、宮城、福島の被災3県で亡くなり、
身元が確認された1万5678人のうち、8%にあたる1
238人は、この手法で身元が判明。混乱したとはいうものの、
指紋照合で判明した370人より多かった。

南海トラフ沿いで起きるとされる巨大地震では、最悪の場合、
東海、近畿、四国、九州で約32万人が亡くなると
想定されており、統一電子カルテは、身元確認を効率化する
手法の一つと考えられている。

日本歯科医師会は歯科カルテのデータベースの必要性を
訴え、今回の厚労省の動きにつながった。

関連記事です。

「歯」の電子カルテの「データベース」構想
遺体の「身元確認」のために必要なのか?

弁護士ドットコム

津波被害の大きかった東日本大震災では、遺体の損傷が
ひどく、容姿や衣服などから「身元」を特定できない場合が
少なくなかったという。そんな中で頼りにされたのが「歯」の情報だ。
しかし、資料となるカルテの多くが津波でなくなってしまったうえ、
紙や電子のかたちでカルテが残っていても、形式が統一されて
いなかったため、照合に時間がかかってしまった。

こうした反省から、厚生労働省は遺体の身元確認に歯の情報を
活用するため歯科医の電子カルテの標準化に動きはじめたようだ。
さらに将来、歯の電子カルテがデータベース化されれば、災害時の
身元確認が円滑に進むことが期待されるという。

しかし、見方を変えると、データベース化は、歯医者を通じた国民の
管理といえなくもない。電子カルテの標準化やデータベース化には、
どのような法的な問題があるのだろうか。
歯科医師の資格も持つ元橋一郎弁護士に聞いた。

●「身元確認のための電子カルテ標準化」は本質的な議論ではない

「災害被災者の身元特定のために歯科電子カルテの仕様統一を
図るという提案は、眉唾な話ではないかと思います」

このように元橋弁護士は疑問を呈する。そのうえで、歯のデータの
提供に関する法的側面について、次のように説明する。

「身元確認のための歯科診療情報提供は、本人の同意が得られて
いない場合でも個人情報保護法23条1項3号の『公衆衛生の向上』に
あたるとして、警察等に診療情報を提供する余地はあります。
歯科医師には刑法上の守秘義務(刑法134条1項)がありますが、
正当業務行為(同法35条)として解除されるかもしれません」

身元確認をスムーズにおこなうために「歯の電子カルテ」の
標準化をおこなうというプランには、どのような意味があるのか。

「たしかに、歯科電子カルテの仕様が統一されていれば、
遺体の歯の抜け方(残り方)や歯の治療跡等のデータと
照合する作業がいまよりも容易になるでしょう。
しかし、遺体の身元は、これらだけでは確定できず、
写真やレントゲン、模型等が必要です。

すなわち、カルテが電子化されるだけでは、レントゲン等の提供
までは容易にならないので、身元確認のために歯科電子カルテの
様式を統一しようというのは、本質的な議論ではありません」

●電子カルテの標準化のメリットとは何か?

このように元橋弁護士は指摘する。では、「歯の電子カルテ」の
標準化は必要ないのか。元橋弁護士は「そうではない」という。

「歯科電子カルテの仕様統一には、次のようなメリットがあります。
(1)診療報酬の電子請求が容易になる
(2)歯科カルテの記述が不十分であることの改善策となる

(3)歯科カルテは自費診療と保険診療の診療録が
分かれているが、その統一が図られ、診療報酬の
二重請求や診療経過の不明確性が改善される

(4)インプラントやパーセレン冠等の高額自費診療の際の
患者への説明、患者の同意が、歯科カルテ上に明確に
記載される可能性がある」

つまり、災害時ではなく、日常的な診療の場面を
考えても、歯科カルテの電子化や標準化は推進する
意義があるというのだ。

「歯科カルテの電子化や仕様統一は、災害時の遺体の
身元特定という例外的な事項から論じるのではなく、
歯科医療を患者にとってより分かりやすいものと
することができるか、社会全体のコストを抑えることが
できるか等の観点から、推進の是非を論じていくべき
問題と考えます」

最近は、歯科診療の場面でも、電子カルテは当たり前の
光景になりつつある。社会全体のIT化の流れからすれば
当然といえるが、デジタルデータは流出したら簡単に
拡散してしまうというリスクもあるので、個人情報保護に細心の
注意をはらいながら、有効活用をしていってもらいたい。



posted by salsaseoul at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

フェイスブックで幸福感は上がらない、米大研究

フェイスブックで幸福感は上がらない、米大研究
AFP 2013年08月15日
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インドのバンガロール(Bangalore)で、女性のサングラスに映る交流サイト(SNS)、
フェイスブック(Facebook)のロゴ(2012年5月15日撮影、資料写真)。
(c)AFP/Manjunath KIRAN

【8月15日 AFP】交流サイト(SNS)、フェイスブック(Facebook)を
利用する若者たちは他人とのつながりは強く感じているが
幸福感は低い──つまり、フェイスブックの利用者が増えるほど
気分は沈みがちになるとの調査結果が14日、米オンライン
科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」に発表された。
米ミシガン大学(University of Michigan)の調査チームは、
スマートフォン(多機能携帯電話)を所有しフェイスブックの
アカウントを持っている若者82人を募り、2週間にわたって毎日、
1日5回不定時に、テキストメッセージを送る方法で彼らの
主観的な幸福感を測定した。
チームによると、幸福感や生活の満足感にフェイスブックが
及ぼす影響を測る調査は、今回が初めてだという。
調査では、被験者たちにどんな気分か、不安や孤独を感じるか、
フェイスブックの利用頻度、人との「直接」交流の頻度などを
テキストメッセージで尋ねた。
その結果、ある時点でフェイスブックを同時に利用する人数が
増えると、次にテキストメッセージを送信するまでに被験者の
気分は低下していたという。また、2週間の調査期間中、
フェイスブックの利用頻度が増えるほど、生活における
満足感は下がっていったという。
これとは対照的に、個人的な交流があると、被験者の
気分は良くなっていったという。
一方で研究チームは、こうした結果が全てのフェイスブック
利用者やフェイスブック以外の交流サイトを利用する
ユーザーにも当てはまると断言することは避けた。
今回は調査対象をフェイスブック利用者の中核を
成す若い世代に絞ったためだ。
その上でチームは、さらなる調査を行い、今回の結果が
他の世代やフェイスブック以外のSNSでも当てはまる
一般的なものなのか検証するのが重要だとしている。
(c)AFP/Rob Lever

関連記事です。

あなたは大丈夫? 
現在世の中に蔓延しているSNS中毒の10の症状

FacebookやTwitterが普及している現在、SNSが日々の
行動習慣に与える影響は絶大だ。
スマホを常にチェックしなければ気が済まないなど、SNSの
「中毒」になっていないだろうか? 厄介なことに、SNSの
中毒になっていてもそれに気づかない場合もある。
なぜなら、その症状は色んな形になって表れるからだ。
現在アメリカのマーケティング会社Marketoが作成した
インフォグラフィックが話題になっている。それはソーシャル
メディア中毒の典型的な10の症状をまとめたもの。
思い当たる症状がないかどうか、ぜひ確認してみてほしい!

1.アラート大好き病
【行動習慣】 SNS上で何かが起こるたびにスマホの
アラートが鳴るように設定している。
【症状】 あなたのツイートがリツイートされたり、Facebookへの
投稿がシェアされるなど、SNS上で何かが起きるたびにあなたの
スマホは鳴ったり、震えたりする。その度に目の前のやらなければ
ならない重要なタスクから目を背けてしまう。

2.自称「ソーシャルメディア通」病
【行動習慣】 自分の名刺に「ソーシャルメディア通」と書いてしまう。
【症状】 今の時代、誰もがソーシャルメディア通だ。
それは名刺の肩書きに「人間」と書くのとほぼ等しい。

3.ブログ推奨病
【行動習慣】 他人からの質問に対して「僕のブログを読んで
みれば分かるよ」と答えてしまう。
【症状】 ブログを読めというのは「自分で調べろ」と言っているに
等しい。言われた方はあなたが全く質問に答えていないことに
イライラするに違いない。

4.自称「影響力のある人」病
【行動習慣】 あらゆるSNSにおける自分の「影響力」を
定期的にチェックせずにはいられない。
【症状】 真に影響力のある人は、周囲に対して有益な
情報を与えることを第一に考えている。自分の影響力の
度合いを確認するのに時間を費やすほど、あなたが
与える影響は小さくなるだろう。

5.「いいね!」病
【行動習慣】 友人のFacebookの投稿に対して、コメント
するのではなく「いいね!」を押してしまう。
【症状】 例えば、友達が投稿した産まれたばかりの赤ちゃんの
写真にただ「いいね!」ボタンを押して終わりだったら、友人
関係は微妙なものになってしまう
だろう。「かわいいね〜!」とコメントするのにかかる時間は
たったの2秒だが、「いいね!」よりもずっと意味をもつだろう。

6.スマホを手放せない病
【行動習慣】 職場にいようがどこにいようが、2分ごとにスマホを
チェックして、ツイートがちゃんと送られたか、新規投稿がないか
などを常に確認してしまう。
【症状】 友達は常にスマホをいじっているあなたと一緒に食事を
するのにうんざりするだろう。
運転中にもこの習慣が止められなければ、高い罰金もついてくる。

7.SNSパニック病
【行動習慣】SNSサイトがダウンしてしまったらパニックに陥ってしまう。
【症状】 SNSサイトがダウンすることによって大きな問題が
生じたり、あなた自身やあなたのキャリアに対してマイナスの
影響を与える可能性はほとんどないと言える。
にも関わらず、イライラや怒りによってあなたは人生に
おける数時間を無駄にするだろう。

8.米国人気SNS『foursquare』のメイヤー病
【行動習慣】 『foursquare』は自分が訪れた場所に
「チェックイン」することでその情報を友人と共有できる、
欧米ではかなり人気のSNSサービスだ。特定の場所への
チェックイン回数が多いと「メイヤー」や「キング」などの
ステータスが得られ、特典をゲットできる仕組みになっている。
メイヤー病患者はどこかに移動する度にfoursquareで
チェックインし、少なくとも10以上の場所でメイヤーなどの
ステータスを獲得している。
【症状】 地元のカフェやブリトーのお店、ピラティス教室……
こうした場所に行く度にあなたのエネルギーはチェックインする
ことに使われるため、あなたにとって本当に大事なことをする
余裕がなくなってしまう。

また以下の2つは英語圏でよく見られる症状として取り上げられていた。

9.母音嫌い病
【行動習慣】 ツイートの140字をめいいっぱい活用するために
母音を省略して書いてしまう。
【症状】 文法や常識的な言葉遣いを無視してしまっているだけでなく、
その悪影響はEメールやブログの文章にも及んでいるだろう。

10.動詞化病
【行動習慣】 SNSのサービス名をそのまま動詞として使ってしまう。
【症状】 「これはインスタグラムしなきゃ」
「このことはフェイスブックするね」というようなフレーズを使っていたら、
それを聞いた周囲の人々は内心頭を抱えているだろう。
それだけでなく、SNS上で築いた信用を一気に失いかねない。

以上が現在蔓延している10のSNS病である。身に覚えのある
症状があった人も少なくないのでは? 思い当たるものが
なかっとしても、安心するのは早いかもしれない。
自覚症状がないこともあるからだ。なにはともあれ、SNS病の
症状が悪化する前になにか治療法を考えた方がいいだろう。



コメントです
フェイスブックの使用感に関する話題です
フェイスブックや他のSNSに限らず、
アナログ的な他人とのつながり
(例えば、友人宅を訪問するなど)と、
電子的データ処理による他人とのつながりを
比べてみると、
後者が圧倒的に便利で能率的だと
思われますが、それでも今回のような調査結果が
発表されました



posted by salsaseoul at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

献血の血液に中南米の感染症 10年後に心臓に影響も

献血の血液に中南米の感染症 10年後に心臓に影響も
朝日新聞2013年8月14日

中南米に多く、重い心臓病につながるおそれがある「シャーガス病」
感染者による献血が国内で初めて確認され、14日、厚生労働省
審議会で報告された。献血した男性の血液が約10人の治療に
使われた恐れがあり、厚労省と日本赤十字社は感染の有無に
ついて調査を始めた。さらに対策が必要かどうかも検討する。

献血者は、6月に献血したあとに感染が判明した中南米出身の
40代男性。厚労省などは昨年10月から、「中南米出身」
中南米に4週間以上滞在した」などと申告した人の献血は
感染の恐れがない種類の製剤だけに使うよう対策を強化したが、男
性は強化以前にも献血歴があった。感染の恐れがある赤血球
血漿(けっしょう)の製剤計11本が八つの医療機関に供給されたという。

シャーガス病は中南米に生息するカメムシの一種を介して広がり、
10〜20年後に心臓などに症状が現れる。
日本国内では感染する可能性はほぼないという。

関連記事です。
国内初のシャーガス病、10人に輸血か
陽性男性と連絡取れず

中南米の感染症「シャーガス病」の抗体陽性が国内で初めて

確認された男性と現在、連絡が取れない状態であることが分かった。
厚労省と日赤は国籍を明らかにしていない。

男性は平成18年ごろから日赤がシャーガス病対策を始めた
昨年10月までの間に少なくとも9回献血、日赤が保存している
男性の血液を調べたところいずれも抗体陽性だった。
6月の献血は血液製剤メーカーや医療機関への出荷を差し止めたが、
過去の献血を基につくられた血液製剤11本が8医療機関で
10人程度の患者に投与された可能性があることが判明。
厚労省と日赤は患者の特定や感染の有無の調査を進めている。

シャーガス病は、中南米に生息するカメムシの仲間「サシガメ」が
人の血を吸う際、原虫が人体に入り込んで発症する。
10〜20年は症状がないまま推移するが、心臓が徐々に肥大し、
心臓破裂で死亡することもある。
国内にサシガメは生息していないが、母子感染や輸血、
臓器移植による感染の可能性がある。

「シャーガス病」

久しぶりに献血に行ったらシャーガス病についてのポスターが
あって思わずじっくり見てみたり。正直病名見ただけでは
なんだったか覚えていませんでしたが、調べてみると
習ったような気がするわ・・・という感じです。
中南米の風土病と言っていいのかな。寄生虫感染症です。
人は国の境を越えて動きますので、思わぬ病気が日本でも
見られるようなことというのはこれからも増えるでしょうし、
逆に風疹のように「今日本行くとあぶないぞ」という状況も
今後あるかもしれません。
一応厚生労働省を筆頭に色んな所から注意喚起は送られて
きますが、医療機関にだけ知らされてもなぁ、ということも
多々あります。本来はやはり個々の注意が一番大事なので、
皆に知ってもらうことが必要だと思うのですが、パニックに
なったら困るとかそういうので周知されないんですよね。
それこそ「分かりやすい言葉で正しい理解を」してもらうように
しないとと思います。日本の報道機関はそういう自信がないのか?
まぁ医療側も下手糞ですけどね〜。
日本の気候が暑い方向になってきてることで熱帯・亜熱帯の
病気も広がるのでは? という懸念もされていたりします。
自分の身を最後に守るのは自分ですので、正しい情報の
取得に勤めてわが身を守ってくださいね。


posted by salsaseoul at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本・社会

2013年08月13日

夏休みで帰省した生徒が強制結婚の被害に、英政府が警鐘

夏休みで帰省した生徒が強制結婚の被害に、英政府が警鐘
AFP=時事 8月12日(月)

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パキスタンのカラチ(Karachi)で合同結婚式に出席する花嫁
(2012年1月29日撮影、資料写真)。(c)AFP/Rizwan TABASSUM

【8月12日 AFP】英国政府は10日、英国の学校に通う生徒たちが
夏休みで親の祖国に「帰省」した際、強制的に結婚させられる事例が
増加しているとして、教師や医師、空港職員らに警戒を呼び掛けた。
英内務省によると、少女たちを中心に英国籍の生徒が家族に
連れられて「帰省」したところ、本人が知らないうちに帰省先で結婚が
決められていたという報告は、1年のうち夏期休暇中に最も多いという。
英政府機関「強制結婚対策部(Forced Marriage UnitFMU)」は
2012年に約1500件の強制結婚を取り扱ったが、被害者の3分の1は
17歳未満だった。強制結婚させられた「帰省先」は60か国に及び、
およそ半数がパキスタンで、バングラデシュが11%、インドが8%、
アフガニスタンが2.1%だった。
また、男子が被害者となった事例も18%あったという。
ジェレミー・ブラウン(Jeremy Browne)犯罪予防相は、学校休暇の
間に強制結婚の報告が増えるという事実は衝撃的だと述べ、
「夏の終わりに成績発表を控えた10代の生徒たちは、輝かしい将来に
羽ばたいていくべき身だ。会ったこともない人物と望みもしない結婚を
強いられることがあってはならない」と語った。
さらに、若者たちに向けて「危険を感じたら、黙って苦しまずに一歩、
踏み出してほしい。必ず助ける手段はあり、結婚は止められる」と
呼び掛けた。
FMUは今夏、被害者になる可能性がある生徒たちに、強制結婚から
逃れるための情報が記されたカードを配布し、意志に反して結婚さ
せられる危険を感じたら警察官や空港職員に助けを求めるよう
注意を喚起している。
英国政府は昨年、イングランドとウェールズを対象に、親が子どもを
強制的に結婚させた場合は禁錮刑を科すと定めた新法を
導入する方針を発表している。(c)AFP



コメントです
強制結婚の話題です
おそらく、被害者となる可能性のある
生徒たちの出身国は途上国が主だと
思われます
そのため
、先進国の一般常識では
理解不可な風習によって強制結婚に
至るのだと思われますが、
ここで、ひとつ疑問点があります。
それは、子供を英国まで留学させる
ためにはそれなりの費用が必要です
それが可能だということは、生徒の実家は
かなり裕福なはずです。

また、子供を海外で勉強させる考え方自体、
柔軟な思考必要です。

なのに
、それでも前記した
奇妙な風習が未だ続いている。
不思議としかいいようがありませんね。



posted by salsaseoul at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2013年08月12日

フィリピンの貧困支援金融サービス 返済率99%の秘訣

フィリピンの貧困支援金融サービス 返済率99%の秘訣
朝日新聞 2013年08月12日

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【寺西和男】貧しい人々に少額のお金を貸し出し、自立を後押しする
金融サービス「マイクロファイナンス(MF)」。フィリピン最大のMF
機関「CARD MRI」は200万人を超える顧客を抱え、99%の
返済率を誇る。格差が広がるアジアで「脱貧困」の切り札となるか。
来日したハイメ・アリストトゥル・アリップ会長(56)に聞いた。

フィリピンでは農家の多くが土地を持たず、地主に小作料を
納めており、1日2ドル(約200円)以下で暮らしている。
アリップ氏は1986年、こうした貧しい農家を支援するNGOを
立ち上げ、97年には同国初のMF専門の銀行を設立した。
無担保で50〜100ドル(約4800〜約9600円)を貸し出し、
毎週1ドルから数ドルずつ返してもらう。金利は年12〜24%だ。

日本の感覚からすれば高めの金利だが、返済率99%を
実現している理由を、アリップ氏は「顧客のほぼ100%が女性。
フィリピン女性は家族の生活を最優先し、無駄に使わない」と
説明する。過去に男性に対象を広げたが、返済率が落ちた。
「男性は友人との飲み代に使ってしまう」。一定条件を
満たした顧客は銀行の株主になれる仕組みも取り入れ、
「自分の銀行との意識が広がり、きちんと返済してくれる」と言う。

融資を受ける顧客は200万人を超え、うち約25万人が
中小・零細の企業を立ち上げた。
16年末までに顧客数550万人を目指す。

経済成長が著しいアジアだが、成長に取り残される貧困層
多く、格差は広がるばかりだ。貧しさから抜け出せないのは
「資金、健康、教育へのアクセスが限られているからだ」と、
アリップ氏は分析する。

このため融資だけでなく安価な後発医薬品ジェネリック医薬品)の
販売会社や、顧客のビジネスを支援・指導する機関を設立。
現在運営する20カ所の診療所に加え、地方の病院を買収して
医療支援の充実を目指す。顧客への奨学金制度も広げる考えだ。

ベトナムやラオスなど5カ国・地域に加え、昨年は経済開放が
進むミャンマーでも地元のNGOと連携し、マイクロファイナンスを
始めた。
今後は日本企業との連携に期待を寄せる。アリップ氏が
86年にNGOを立ち上げた時、初めて資金援助してくれたのが
日本の支援組織だった。今月、アジアのNGOなどを支援する
「アジア・コミュニティ・センター21」会合などに参加するため来日。
日本企業関係者らが集まるセミナーで「我々が今あるのは
日本のおかげ。今後は、貧困層向けのビジネスで対等な立場の
パートナーとして協働したい」と呼びかけた。

顧客が増えれば資金もますます必要になる。一方で、貧困層
低利で貸すには資金の調達コストを抑えなければならない。
「世界でも低金利でお金が借りられる日本の銀行とも取引を
目指したい」と話している。

     ◇

マイクロファイナンス(MF) 貧困層向けの少額融資や保険などの
金融サービス。事業を立ち上げる意欲がある人たちに無担保で
お金を貸し、貧困から抜け出すのを支援する。MFの普及を
支援するマイクロクレジット・サミット・キャンペーンのリポートに
よると、世界でMFを利用する顧客は約2億人。

バングラデシュでマイクロファイナンスを手がけるグラミン銀行
貧困層
の自立に貢献したとして同行と創設者のムハマド・ユヌス氏が
2006年にノーベル平和賞を受賞。
「CARD MRI」も08年にアジアのノーベル賞といわれる
「ラモン・マグサイサイ賞」を受けた。

関連記事です。

マイクロクレジットの問題点
(バングラデシ
Bマイクロクレジットの問題点
・5人組による社会的弱者の排除・・・障がいのある人や働き手の
いない家など、何らかの理由で5人組に入れない者は排除される
・5人組による連帯責任・相互監視によるコミュニティーの崩壊
・女性への過度の負担・・・グラミン銀行は女性を対象としているが、
家事と商売の両立は難しい
・強引な取立て・・・スタッフによっては強引な取立てを行う者もおり、
女性たちは売春して返済に充てることもある

(マイクロクレジットは実は貸し倒れが多く、顧客は事業で稼いだ
金ではなく、売春や日雇い労働で返済しているのではないか、
とも言われているそうです。借入金で仔牛を買った場合、
すぐに商品化することは無理ですが、そんなことは関係無しに
返済は借入れから1週間後に始まってしまうのです。
そのため顧客は日雇い労働・売春に向かってしまう。
特に売春の場合は、最終的には人身売買に繋がります。)
マイクロクレジットの本を読んで基礎情報は知ってましたが、
今回の講演を聞くまで、以上のような問題点に気づく事は
出来ていませんでした。
( 2008年の記事です )





コメントです
フィリピンでのマイクロクレジット・マイクロファイナンスの
話題です

ところで、それらの融資を受けて始めたビジネスが
100%成功したとは限りません。
もちろん、明らかに失敗して赤字を出した債務者も
いるはずです。

ところが、返済率は99%とありますこの数字は
途上国で商業向けに受けた融資を、借りた側が
なにがなんでも返した結果によるものです。

れらから、先進国のだらしなく感じる豊かさと、
途上国の清い貧しさを感じさせられました。
また、本文に、返済率アップの秘訣として
貸出先を女性に限定したと
あります
場所限らず、女性は
やはり偉大ですね。



posted by salsaseoul at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 東南アジア

2013年08月11日

「息子」の遺骨、発掘開始=モナリザ特定でイタリア調査団

「息子」の遺骨、発掘開始=モナリザ特定でイタリア調査団
時事通信 2013/08/10

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【ジュネーブ時事】イタリア芸術の巨匠レオナルド・ダビンチ
(1452〜1519年)の世界的名画「モナリザ」のモデルとされる
女性をめぐり、同国の調査チームは9日、女性に息子がいたとの
説を裏付けるため、中部フィレンツェで息子とされる遺骨の
発掘調査を始めた。
「永遠のほほ笑み」をたたえたモナリザのモデルは実在の人物か
どうかが論争になってきた。こうした中、ダビンチ研究家は2007年、
モデルの女性が「リザ・ゲラルディーニ」といい、余生を過ごしていた
フィレンツェの旧ウルスラ会修道院で63歳前後で死去し、そこに
埋葬されたとの説を提唱した。
調査チームは昨年、旧ウルスラ会修道院から8体の遺骨を発掘。
モナリザが描かれた1500年代初頭以降に修道院に埋葬された
女性は2人しかいないとされることから、放射性炭素を使った
年代測定でリザとされる遺骨の絞り込みを進めている。
一方、リザには息子がいたと言われ、息子が埋葬されたとの
記録が残るフィレンツェのサンティッシマ・アヌンツィアータ教会では
9日、遺骨の発掘調査が開始された。調査チームは、遺骨が
当時のものと特定できれば「リザと血のつながりのある息子」と
裏付けられるとみている。



コメントです
モナリザのモデル特定の話題です
学術調査のために、そこまでやりますかと
った感じです

おそらく宗教上の感性の違いでしょうか。
アジアではちょっと考えにくいですね


posted by salsaseoul at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州

2013年08月08日

異常胎児選んで減胎手術36件…長野の産科医

異常胎児選んで減胎手術36件…長野の産科医
読売新聞 2013年8月5日

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出産の危険が高まる双子や三つ子などの多胎児を妊娠した際、
胎児の数を減らす減胎手術の実施を公表している諏訪マタニティー
クリニック(長野県下諏訪町、根津八紘院長)で、異常が
見つかった胎児を選んで手術を行ったケースが、これまでに
36件あることがわかった。

8日から大分県別府市で開かれる日本受精着床学会で
発表される。母体保護法は減胎手術について定めておらず、
国も具体的な指針を作っていないが、こうしたケースが
初めて明らかになったことで、今後、議論を呼びそうだ。

同クリニックによると、減胎手術の理由は、ダウン症などの
染色体の病気が25件、胎児のおなかや胸に水がたまる
胎児水腫などの病気が11件だった。31件が不妊治療に
よる妊娠だった。

いずれも、夫婦が「減胎できなければ、すべての胎児を
中絶する」との意向を示したという。今回の減胎手術に
ついて、根津院長は「一人でも命を助けるために、
やむを得ず行った」としている。

◆減胎手術=多胎妊娠となった場合に、母子の安全性を
高めるための処置として始まった。超音波で確認しながら、
子宮内で一部の胎児を心停止させる。通常、胎児の異常が
ほとんどわからない妊娠初期(12週未満)に行われる。

関連記事です。

「この道しか」減胎手術、苦渋の選択…自責も
「自分を責めたが、この道しかなかった」――。

 諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)で、異常が
見つかった胎児を選んで減胎する手術を受けた夫婦3組が、
読売新聞の取材に応じ、苦渋の決断をした胸中を語った。
一方、ダウン症の子どもの家族からは「障害を受け入れない社
会にも問題の背景がある」との声が聞かれた。

「2人とも産むか中絶するか、なるべく早く決めてください」

2010年夏、中部地方の主婦(39)は、おなかの中の双子の
羊水検査の結果を聞いた。

結婚3年目、体外受精で待望の妊娠だった。
だが、妊娠10週の超音波検査で、1人に染色体異常の疑いが
あると言われ、羊水検査を勧められた。

結果は、ダウン症。10歳上の夫と話し合った。主婦は、ダウン症の
いとこがおり、おじおばが愛情を注ぎながらも、苦労する姿を見てきた。

「将来、私たち夫婦が亡くなったら、同時に生まれてきた
きょうだいに大きな負担をかけてしまう」

病院で中絶手術の日程を予約したが、「年齢的にも最後かも」と
思うと簡単にはあきらめられなかった。
諏訪マタニティークリニックのことを知り、減胎手術を受けた。

11年春、女児を出産した。亡くなった胎児は、火葬し、
故郷のお墓に入れた。

墓参りのたび、「ここに妹がねんねしているよ」と、家族で手を
合わせる。「目の前にいる娘を救えた意味を深くかみしめている」

         ◇

関東地方の主婦(31)は10年末、排卵誘発剤による不妊治療で、
三つ子を妊娠した。不妊クリニックの院長から、「このままだと、
流産の危険が高い」と説明を受け、妊娠8週で減胎手術を受けた。

出産する病院で、残った2人のうち1人がダウン症だとわかり、
諏訪マタニティークリニックで2度目となる減胎手術を受けた。

「欲しくてたまらなかった子どもなのに、自分たちの都合で、
ひどいことをしていると自分を責めたけれど、この道しか
なかった」と主婦。「出産をあきらめていたら、妻の精神的
ショックは計り知れず、立ち直れなかっただろう」と夫(34)は話す。

         ◇

12年夏、関西地方の夫婦は、妻(35)のおなかの双子のうち
1人の脳に障害があると告げられた。重度で、寝たきりになるという。

異常がある胎児の脳が大きく、もう1人も順調に成長できない
おそれが高い。「元気な子どもを出産できる可能性を高める方法」と
して、主治医に紹介状を書いてもらい、減胎を選んだ。

夫(37)は、「子どもを授かり元気に生まれてくることは奇跡の
ようにありがたいとわかった。思いがけない現実に突き当たり、深く
考えて、やむを得ない選択をした夫婦がいることをただ知ってほしい」。

         ◇

異常のある胎児を選んで手術が行われていたことについて、
ダウン症の子どもを持つ父親(53)は、「個々の夫婦の選択や、
技術の否定はしない」とした上で、「ただでさえ育児の負担が
大きい双子や三つ子で、1人の異常がわかれば、より産むことを
ためらうだろう」と想像する。

「背景には、障害を持った子どもを持つ親が、希望しても、なかなか
通常学級に入れないなど障害を容易に受け入れない社会がある。
障害を持つ人と共に学び働いた経験の有無が、選択に影響を
与える。社会を作る一人一人が考えるべき問題だ」と話す。



コメントです
減胎手術の話題です

「倫理的に…」などと、当事者以外がメディアで
発言しているようですが、それらはあくまでも
外野的発言であって、すべては当事者である両親の
決断を尊重するべきでしょう。


posted by salsaseoul at 02:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2013年08月05日

閲覧だけでウイルス感染 サイト改ざん、ワナ仕掛ける

閲覧だけでウイルス感染 サイト改ざん、ワナ仕掛ける
朝日新聞  2012 7 30

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企業や省庁のウェブサイトを閲覧しただけで、パソコンが
知らぬ間にウイルスに感染してしまう――。
そんなサイバー攻撃が最近目立っている。
インターネットバンキングの不正送金事件と関係している、と
専門家は指摘する。
 
「これまでと違う攻撃が次々検知されています」

今月17日夜、セキュリティー会社「ラック」の分析チーム責任者、
鷲尾浩之さんに部下から報告が入った。同社が監視を請け負って
いる企業約750社の一部のサーバーに、数時間前から立て続けに
攻撃がなされていた。攻撃の検知は普段は1日十数件程度だが、
この日は89件に達した。明らかに異変が起きていた。

チームが調べたところ、主に中国や韓国、米国からの攻撃と
判明した。企業のサーバーに不正に侵入し、接続状態や設定
内容を調べたようだ。翌日には、サーバーのファイルを読み出したり
外部からの命令で動く不正プログラムを登録したりと、
攻撃内容が変化した。「まず探りを入れ、それから
本格的に攻撃する。攻撃者の意志が伝わってきた」と鷲尾さんは話す。
防いだ攻撃は2日間で約230件にのぼったという。

これらの攻撃は、企業や省庁のウェブサイトを改ざんし、
ワナを仕掛けるのが狙いとみられる。ネット利用者がサイトを
閲覧しただけで、ウイルス保存サイトに例外なく、自動的に
誘導される。ただ、ウイルス対策ソフトが検知すれば感染を
防げるという。この手口の攻撃は今年3月、環境省のサイトで
確認された。6月にはトヨタ自動車、リコーなどの大手企業や

日本赤十字社のサイトなどが次々被害を受けた。
中小企業や個人のサイトでも見つかっている。

民間のセキュリティー会社の調査では、見つかったウイルスの
一部から、個人情報を盗み出そうとする機能が確認された。

一方、全国の警察が今年1〜6月にウイルスなどの不正
プログラムを解析したのは385件で昨年同期の約3倍にのぼる。

解析の過程で、このタイプのサイバー攻撃が5月以降、
相次いで見つかったという。

■預金、不正に移すため?

このサイバー攻撃の目的は何なのか。専門家の間では、
ネットバンキングの不正送金を狙ったウイルス感染の可能性が

高い、との見方で一致している。

ネットバンキングの口座の情報や、利用するためのID、
パスワードなどを盗み出すための強力なウイルス「ゼウス」。
昨年ごろから世界中で猛威をふるっている。利用者がネット
バンキングにアクセスすると動きだし、口座番号やID、
パスワードなどを入力させる、本来とは違う画面が出る。

米ウイルス対策大手「シマンテック」の調査では、日本国内では
今年初め、迷惑メールを介したとみられる感染が広がったが、
いったん沈静化。ところが6月以降、今までにないペースで再び
感染が広がっている。企業などのサイト改ざんの被害が
目立ってきたのと時期が重なる。

ネットバンキングの口座から預金が不正に移される被害の
増加とも動きが一致する。警察庁によると、5月まで
月7〜39件で推移してきた被害件数は6月に100件と急増。
7月はさらに被害が増える見通しだという。被害は6月までに、
三菱東京UFJやみずほ、ゆうちょ、楽天など11の銀行で
確認されている。

今回のサイバー攻撃についてシマンテックのウイルス解析責任者、
林薫さんは「ゼウス感染を広げ、不正送金の機会拡大をうかがって
いる」と分析。「ネットバンキングにアクセスした時に普段と違
う画面が表示されたら絶対に入力しないで」と注意を呼びかける。

■「対策ソフト、常に最新に」

ウェブサイトはなぜ改ざんされてしまうのか。独立行政法人・
情報処理推進機構の加賀谷伸一郎・調査役は「過去に
見つかったサーバーやソフトの弱点を突く手口を組み合わせた
ものがほとんどだ」と指摘。「修正プログラムによる対策の
し忘れなど人的ミスによる部分が大きい」と話す。

専門家はネット利用者の対策の不十分さも指摘する。
パソコンにウイルス対策ソフトを入れず、無防備なまま

アクセスしている利用者が今も多いという。

「サーバーやウイルス対策ソフトを常に最新の状態に
しておく。そうした基本に立ち返った取り組みが一番
効果的だ」と加賀谷さんは話す。(須藤龍也、樫本淳)




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